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作者: にゃは (総ページ数: 69ページ)
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生い茂る森林。少しの光が林を遮り、和む感じに少しなってしまう。
「で、なんで化け物がいんだよ」
天達は天幻草を求めて富士山にいた。
そして何故か化け物化した狼みたいな生き物に囲まれていた。雨が降ったのか地面は湿って逃げるにも全力は無理だ。
「しかたないですね蹴散らしましょう」
颯磨が神力を高め、技を放とうとする。しかし天がそれを止めるが如く体をぶつけてきた。
「なにするんですか?死にたいんですか?」
「死ぬ気もねぇし、なにもしねぇよ…とにかく少し待ってろ…………」
天がついてきた銀音を見つめる。
「ポッ…」
ポッじゃねぇよ…察しろよ。
銀音の大地の力で地面を盛り上げ狼達を高くあげていった。そして山頂付近に付くと、銀音は大地の力を解除した。
「お疲れさん、銀音」
「お礼に…キス」
「しないからな?あとで…アイスでもおごってやるよ」
コクコクと頷く。俺はアイスと同じ扱いなのか?颯磨はきにもせずどんどん登っていく。
少し進むと家が見えてきた。頑丈そうな木材で作られているのか、こんな過酷な環境なのにびくともしていない。
「おい!いるか?タンシー…」
銀音な「タンシー」というのに気になったのか首を傾げて考え出した。
すると窓がガラッとあき、天と同い年ぐらいの少年が見えた。
「おー天か?颯磨もいるじゃねぇかー、それに綺麗な美女」
一汗を頬に滴ながら銀音は、天の後ろに隠れた。
家の中に入り、ソファに座った。
「久しいなーおい、でなにようだ?」
「タンシー、天幻草をくれ」
「やだね」
即答に天と颯磨はビクッとなる。
あまりにもストレートすぎる。
「頼むよ、ローズが倒れたんだ」
すまない顔してタンシーに頭を下げる。
そこへ空気が読めないのか一人の少年が紅茶を持ってきた。見た目はかっこいいというより可愛いのほうがあい、白銀の髪の毛だった。左目に包帯をしていた。天も見たことがないのかタンシーに疑問をぶつける。
「見ない顔だな…こいつは誰だ?」
少年は答えずタンシーを見つめている。まるで答えを待っているようだ。
「はぁ…………賢斗だ、冬川賢斗、歳は14だ。」
冬川賢斗…!神力が隠せていない。むしろ溢れているのに何故気づかない?颯磨も少し驚いている。
「あーそうだ、賢斗と俺と戦え…勝てたら天幻草をやる」
……………………不器用だな。素直に早く天幻草を持っていけって言えよ…顔が揺る出るぜ。
「いいぞ…………颯磨もいいよな?」
「僕もやるのかい?」
「当然、2対2だ。頼りにしてるぜ」
フッと笑いながら立ち上がる。どうやらいいみたいだ。
地面を確認し、空を見上げる。寒いな…
(低酸素に…………この寒さ…厄介だな)
天はそう思いながらストレッチする。颯磨は仁王立ちでたっている。
「おー待たせたな、賢斗がストレッチしろってうるさくてよ」
そういって、タンシーと賢斗が出てきた。さっき感じた神力は顕在だ。だが妙な感覚になる。
「じゃやりますか」
「おし!」
「おー」
「よ、宜しくお願いします」
初めてしゃべったな…賢斗。
寒さの中、颯磨の「月落とし」がタンシーに迫っていた。天はジリジリと賢斗を見ている。賢斗はおどおどしているだけで一向に掛かってこない。
「小手調べだ…行くぞ!」
天が勢いよく地面を蹴りあげ前進する。
「え、えと…えい!」
…………!!言葉とは裏腹に巨大な神力の塊が勢いよく襲ってきた。
直撃とはいかなく、天は塊を力でそらしていた。
(シヴァの力が間に合わない…早さも尋常じゃねぇ)
颯磨とタンシーは先程から競り合いになっている。心配は無さそうだ。
(なら…………)
「天地開闢、天津神!【天照】」
天照の力を引き出し、黄色いオーラが天を纏う。
「輝天撃!」
天が紫電の如く賢斗の間合いに入り、輝天撃を発動。
腕で賢斗はガードしながら少しづつ下がっている。
(貫けねぇ…なんてガードだ)
「くそっ!」
天の猛攻が続くなか賢斗の意識は暗闇のなかにいた。
…………我に従え。
「う、うんお願いするよオーディン」
「…………!!なんだ?!」
賢斗の体から溢れるほどのオーラが見える。先程から感じていた気配だ。
「よくもやってくれたなぁおらぁ!!」
?!ぐっ…
右のストレートパンチが天を襲う。
(力が…増した?)
「本気でいくぜぇ、オーディン!!」
こいつ!神力に喰われてやがる。
「輝天撃【修羅】」
天の拳から光の光線が放たれる。がなにかで切られ、賢斗の左右を横切る。
「光や闇を喰らう鎗…………グングニル」