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その日僕に落ちた神様は人生を喰いました〜完〜
作者: にゃは  (総ページ数: 69ページ)
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*38*

風が強まる。迸るほどの闘志が冷寒を切り裂く。
二人の神力がぶつかり合う。天の紫のオーラだけが圧倒的に弱く感じる。


「撞讀(ツクヨミ)?なんだそれ、さっきより弱いじゃねぇかよ!!」
賢斗が少し怒りくるった声をあげる。勿論その通り先程の天より、神力が低くなっている。
「んじゃ、やろーぜ。こいよ!」
天が賢斗を挑発する。それに乗っかってきたのか、賢斗は地面を蹴る。


「くらいなぁ!グングニル!」
鎗を大きく真横に切り裂く。これでは上しか避ける方法がない。さらに早すぎる。上に飛ぶのは無理だ。

「天!早く避けろ!」
颯磨の声が鳴り響く。
(心配してんのかよ)
ニヤッと天は笑い、グングニルをもろに受けた。
グングニルは天の体を真っ二つに切り裂き、光が斬れ筋に流れ込んだ。これでは「死」しかあり得ない。


「「……………………!!!」」
賢斗の顔が驚きを隠せていない。颯磨もだ。
なんせ、斬られたはずよ天が無傷でそこに、目の前に立っていたのだから…

「光じゃ、俺は倒せねぇ」
賢斗は完全に頭に血が登り、鎗を振り回し始めた。
しかし当たったはずの斬れ筋は紫の闇に覆われ、まるで斬られていないかのように再生する。
「時を…戻しているのか?」
颯磨の声が天に届く。それに天は答えた。


「半分は当たりだ、時間と反射、それが撞讀の力」
(賢斗死ぬなよ)
まだ振り回している鎗を闇が覆う。完全に停止した。
「ぐ、ぐぅう!!」
「闇よ光を喰らえ!時鵯の大鏡(じひのおおかがみ)」
天の神力が賢斗の神力を喰らい。先程受けたいたダメージを時の力で戻し、反射させた。
グングニルの刃が賢斗を切り裂く。
「がぁ、ぁぁああ!!!!」


おとなしく眠れ…


天の勝利である。




「だぁ、つかれた…」
よろついてしまい、地面に顔から倒れる。
気付けば天の神力も限界に来ていた。そこへ颯磨とタンシーがよってきた。
「「天体観測か?かい?」」
(こいつら…なぜにハモッてんだ)



こうしてタンシーに天幻草をもらい、ローズの元へ戻った。




「ロム、帰ったぞ」
学校に戻ってきた天はロムを呼ぶ。それを聞き届けたのかロムとクライズ、銀音が来た。
「銀音、帰ってたのか?」
「寒かったから…ごめん」
まぁ仕方ないよな…あの寒さだしな。
「あの、天、颯磨さんは?」
……………………あいつ逃げたな。



「ふっかーつ!あはは、迷惑かけたね!」
「寝てろ」
「いいよ、いいよ、キスしようか?」
「どうすれば能天気になれるんだ?!」
身体はボロボロなのに突っ込みを入れてしまい、体がミシミシと痛む。
「純粋になれ」
「お前はまともになれ」
ローズがよくなってよかった。本音はこれだ。




「で、何故に賢斗がいるんだ?」
「し、師匠」
…………タンシー…………あのやろう。

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