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作者: にゃは (総ページ数: 69ページ)
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第十四神話「二人の神友(しんゆう)」
目映く神々しく…光を放つ1つの希望。
「まさか二つの神の力を同時に使うとは…恐れいきましたよ、天さん」
その場から去ろうとしていた意識すら消し去ろうとする天の存在感がカオスの足を止めていた。
「さっきの威勢が消えてるぜ」
ゆっくり、ゆっくりとカオスに向かって歩きだす。一歩また一歩と踏み出すたびに緑と金色の電流が空中に発生する。
「くっ、悪霊よ!食いつくしなさい」
苦し紛れの攻撃を仕掛ける。が、天はもろともせず気合いだけで悪霊を振り払った。即様、カウンターを仕掛ける。天の右拳があたる瞬間にカオスは消えて、回避するが神力を辿り、カオスの位置を暴いた。
「そこだぁ!」
痛恨の一撃がカオスの腹部に決まる。
「カハッ!」
怯むカオスに天が追撃をかけた。
「輝天撃」
1発、2発、3発と…合計10発の連撃がカオスに命中した。しかし殴った拳から黒い煙が巻き上がる。
(これは………?!)
「私と同じ痛みを捧げましょう。痛罰」
黒い煙が天に的割りつき恐ろしいほどの痛みが天の体をはしらせた。まるで殴られたかのような傷みで10発の感覚が天を巡った。
「がぁぁあ!輝天撃【修羅】」
痛みを耐えながらの天の一撃が放たれる。拳から神力の光線のようなものが放たれカオスに一直線に向かってゆく。
「いいですねぇ!!混沌の拳線(けんせん)」
それに対抗するようにカオスの拳から黒き一閃が放たれた。二つはほぼ戦いの真ん中でぶつかり合いお互いの力が逆流し、大爆発を起こした。
「ぐぁぁあ!!!」
「くっ!!」
二人が爆発に完全に巻き込まれた。
天から別れたローズはロムたちと魔物の襲撃を食い止めていた。
「おおっきい壁ぇえええ!!」
ローズが大きく叫ぶとロムの目の前に巨大な壁が出現した。その壁は魔物の攻撃を防ぎ少しの時間稼ぎとなった。壁に凭れながら一息つくローズ。それを心配したのかロムが話しかける。
「天なら大丈夫ですよ、あいつは死にません」
ローズはロムを見ながら「この子は強いなぁ」と思い腰をあげた。
「大丈夫!私も信じてるから♪」
言葉の直前、壁が勢いよく全壊した。破壊したのは先程の戦っていた魔物とは違い、巨大のような化け物だった。
「くっ…壁…か、べ…」
(やっばい…声がでない)
巨大の足がローズとロムを踏み潰そうとする。
(ロムちゃん…逃げて…)
想いは届かない。ロムも硬直して動けないのだ。
二人とも「死ぬ」と予感した瞬間…………
「シャイニングストライク!!」
「無を造る黒星」
二つの大きな力が足ごと吹き飛ばした。
目を開けると二人の姿が見えた。
「遅れ…ました」
「全く、天のやつは女も守れないのですか?」
颯磨と賢斗であった。