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その日僕に落ちた神様は人生を喰いました〜完〜
作者: にゃは  (総ページ数: 69ページ)
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第二十神話「二人の命 2 」



「天兄、大丈夫?」
天達ががクレパスの道を確認しながら歩いていく途中ロムが天の体を心配するように声をかけた。
「あ、あぁ…大丈夫たが神力は少し使えそうにない」
虫達を葬るために2つの神の力を同時に使ったため、疲労が凄くたまっていた。カオスとの戦闘の時は無我夢中で細胞のすべてが天を飲み込み力を増幅させていたが今回はクレパスだ。氷点下のなかの力は疲労がほぼ三倍近くになるだろう。




「三咲…お前、顔色悪くないか?」
「えっ?そうかな?」
人目見ればわかるほど青白く染まっていた。恐らくこの気温で体の体温が変動をお越し、細胞事態が悲鳴をあげているのであろう。


三咲のことを考えて少し休憩をとることにした。しかしこの氷点下では休む方が体には辛い。
「恩恵を司りしヒムテリオン…鴈定の幕を作りたまえ」
ロムの魔方陣が地面流れ込み紫の結界が天達を包んだ。そのなかはあまりにも暖かかった。


「ほらスープだ、二人とも飲んどけ」
「はーい」
「うん」
インスタントのコーンスープを作って二人に渡した。暖かそうな湯気がコーンスープの上手さを増幅するようだ。

30分が経過すると天は決断をし始めた。
(こっからは…恐らくロムや三咲では耐えれない。俺が行くしかないか…)
「ロム、この結界はいつまで持つんだ?」
「えっ?えーと…限界でも六時間かな」
短い…この休憩で30分使ったということは約五時間半。
全力を休憩せずに補うしかない。

「天、まさか…一人でいくき?」
「そのまさかだ。三咲を見ていてくれ、そして五時間の間に俺が帰ってこなかったら俺を置いていけ。自分だけでも残るんだ」
少し涙目にロムがなる。しかし今は慰めている時間はない。

「はぁ…なぁロム、俺は死なないっていったろ?大丈夫だ。もし死んだらなんでもいうこと聞いてやるよ」
「し、死んだら聞けないじゃん!!」
笑ながら天は振り返り「そうだな」と手を振りながら結界を抜けていった。


結界を抜けてクレパスを降りようとすると天の目の前に1つの見慣れた剣が降りてきた。
ロムの技の1つ。破王剣だ。
(あいつ…ありがとよ)
ロムの気持ちを方に掲げてクレパスを下っていった。
「生きてね…天」
ぐっすり眠る三咲を撫でながら天を見送った。






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