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*29*
「ナツはどこ!?」
ルーシィが鬼の形相で、倒した雑魚に掴みかかる。
男は震えて、丘の上を指した。
「あ、あそこに俺達の根城がある!そ、そこにドラコ、」
そのまま男は喋らなかった―否、喋られなかった。
男の胸には、風穴が空いている。
「…敵に情報を流すとは、情けない限りだ」
「!…皆さん、ここは私に任せて」
現れたのは、キク。
それにウェンディは立ちはだかり、戦闘態勢だ。
「…あまり、無茶はしないでね」
「はい!」
全員が過ぎたのを見ると、ウェンディは悲しげに眉をひそめる。
隣には、シャルルがいる。どうやら、ウェンディを一人で居させるのは駄目らしい。
「どうして?あの時、お願いしたのに…」
「俺は、空振り過ぎた。…もう後には、戻れないんだよ!!」
キクの悲痛な叫びに、ウェンディの胸が締め付けられた。
「じゃあ…また、教えてあげます!貴方の、あるべき姿を!」
丘に向かって走っていると、足元には鏡が突き刺さっている。
上を向くと、月光に照らされたミラーリがいた。
「行かせる訳ないじゃない」
「…ここは私に任せておけ!」
エルザが装束の姿になり、刀を日本取り出す。
完全な戦闘態勢に、二人は手を出せなかった。
「エルザ!」
「わかっている、死ぬわけがないじゃないか」
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