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FAIRY TAIL ―誤りの戦争― 完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 57ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL ナツ・ドラグニル 二次創作 微々グロ 闇落ち 
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十四冊目『見据えた未来』



「…そいつ、馬鹿なんだ」

いつものグレイの笑みが、戻っていた。
薬の効果は続いているのに、体中に激痛が走っているのに。

「馬鹿で、短気で、冷静じゃなくて…欠点がたくさんあるけど、それと同じくらいいいとこあって」

大きな鎌を造り出し、グレイは構える。
汗が尋常ではない、これ以上の造型はもう不可能だろう。

「そんな面白い奴がいるのに、なくしちまうなんて―」

魔力がまだ残っている、動けよ。
こいつを、殺せよ。
こいつの瞳は、あいつそっくりなんだ。
アイツに酷似しすぎだ。

それでも、体はいう事を聞かない。

「―つまんねぇだろーが」


大鎌が振り下ろされた。





「照破 天空穿!!!」
「ぐあぁあっ」

キクは、ウェンディの滅竜奥義を喰らい過ぎた。
体はもう痛くて痛くてたまらない。
それでも彼は、動き出す。
…逃げ場所を、否定したいから。

「はぁ……はぁ……」
「もうやめてください!!」

ウェンディは涙をぽろぽろと流し、キクの手をとる。
あの時と同じだ、自分はまたウェンディに助けられるんだ。
どうして自分じゃ自分を救えないんだろう。
…誰かに頼ってばかりじゃ、だめなのに。


「頼ったっていい、確かにいつかは独りで立つ時だってあります」
「!」
「だけど、こんな近くに仲間がいる!倒れそうなときに救い出してくれる!」
「…っ俺…俺…!」
「あのときみたいに、また貴方を助けます!だからお願いッ、もうやめてぇぇぇ!」

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