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*45*
十五冊目『ster and cry』
息が、出来ない。
かはっ、とルーシィの口から息が漏れた。
「涙に濡れた綺麗な瞳は、貴方にはお似合いだわ!」
レベリカの可愛らしい微笑が、今は淀んで見える。
手探りで鍵を探すと、その腕までもが蔦に捕まった。
「うぅ…」
「ふふ、所有系魔導士の弱点ともいえるわね」
かすむ瞳で、辺りを見わたす。
この状況を打破できる、突破口はないか。
すると、ルーシィの目に映ったのは―
「!」
鍵、綺麗な銀色の。
そういえば、出発前に渡されていた。
『ルーシィ』
『?グレイ、どうしたの』
ちゃりんっ
『…鍵』
『…これ、盗られてた一角獣座と…ぺガスス座?』
『ああ、…契約しとけ』
『うん…わかった』
「…っ!開け、『一角獣座』の扉、『ぺガスス座』の扉!!」
勢いよく叫ぶと、二つの光が輝く。
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