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*51*
十七冊目『貴方を助ける』
「はい、ドーン♪」
べーと舌を出す少女が、ナツをドンッと押す。
その少女は独特な魔力があるが、誰一人として戦った記憶はない。
「ナツ!!」
ルーシィの叫びの直後、ナツは地面に倒れ―、
箱に、唇を落としていた。
「―あ、」
バシィンッ、とナツが黒い光に包まれる。
箱に閉じ込められた、誰もがすぐに理解できた。
「駄目よ〜♪ストーリーどおりに行かないと、お兄ちゃんが思い出してくれないもの♪」
「なにを、いって…」
ルーシィの掠れた声も気にせず、少女は辺りを見わたす。
「ん〜…よし、教えてあげる!」
「え?」
「ドラコーン クローフィはねぇ、ナツの時を犠牲に世界をリセットするの」
少女は嬉々とした様子で、ペラペラと語り続けた。
「ここからは貴方達次第よ、ストーリーを組みかえるのは」
「…貴方、だれ」
「その質問に答えると、ストーリーが上手くいかないから言わな〜い♪」
少女はルーシィの手をとって、優しく口付けする。
「貴方、助けに行ったら?」
「っ助けられるの!?」
「五分五分の確率だけどね♪あ、失敗したら貴方もドラコーン クローフィの犠牲よ?」
それでもいく?少女はにこやかに微笑んだ。
そんなの愚問だ、ルーシィはどうやって行くの?と問う。
「んー、教えて欲しい?」
「当たり前…っ!」
「ほんとに?」
少女の目は、真剣だった。
思わず、言葉が詰まる。
「じゃ、教えてあげる」
「あのねぇ、ドロップっていたでしょ?」
「彼をねぇ」
「殺して?」
時が、制止したような気がした。
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