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*52*
「…え?」
「だから、あの箱と彼は生態リンクで繋がっている可能性があるの」
少女は真剣な目つきをコロリと変え、ニコニコ微笑ましい顔にした。
「ま、これが確実かもねぇ♪人を殺したくないなら、この可能性もあるよ?低すぎるけど!」
「そ、そっちは?」
少女はしぶしぶ、箱を指差す。
「あの中に入るの!でも中は時間が入り混じってるから、ナツがどこにいるかもわからな〜い♪」
けらけらと楽しげに笑う少女は、新しいおもちゃを見つけたかのようだ。
「ナツに気持ちを伝えて、連れ戻せばいいのよ〜!で、どうする?」
少女は自分の長い髪を触りながら、優しくルーシィに問う。
グレイが起き上がり、ルーシィと呟く。
「お前が怖いなら、俺が…」
「あ、駄目!君は絶対!お兄ちゃんが、」
少女はそこまでいって、言葉を詰まらせる。
「…これはこの子にしかできないの、賭けみたいなものよ」
またさっきのニコニコ笑顔にもどり、ルーシィを見つめる。
「…箱へ」
「んー…?」
「箱へ、行かせて!ナツを、ナツを助けないと!!」
ルーシィの目に迷いがないのを確認し、少女は箱を開けてといった。
「…」
ルーシィは静かに目を閉じて、箱を開ける。
「!!!!!!」
ぐにゃりと曲がった空間、流れてくる童謡。
箱の中に入れたようだ、吐き気がする。
「ナツ!どこ!?」
ルーシィは奥深くへ、進んでいった。
すぐに、助けるから。
まってて、もうすぐだから。
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