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*73*
「あ、やっぱり!」
「は?やっぱり?」
「あ…。いや、今日の立花、いつもと雰囲気違ったから。なんか、緊張して
るっていうか…。だから、秋と何かあったのかなって言ってたんだよ
ねー。」
「へえ…。」
「立花はもうすぐ来るはずだよ。じゃ。」
「ん、ありがとね。ばいばーい。」
なんか勘違いされてる気がしたが、まあ、いいや。
その後…。
一人で歩いてくる立花を見て、私はすぐに声をかけた。
「ねえ、ちょっといい?」
「…!」
あ、ほんとだ…。なんか顔つきが違う…。
「…あの、返事なんだけど…。」
ごめん。ごめん、ごめん…。
心の中で唱えているのはずっとその言葉。
でも、それを声に出すのはすごく難しい。
だけど、それを言わなきゃいけない。
私は立花のこと…。
「私、まだ好きな人がいないの。初恋も…まだなの。」
初恋は、まだ…。
「え…そうなのか?」
「…だから…ごめん。」
もう続けられない…。
そう思った。
走り去ろうとした瞬間、いきなり立花の手が背中に回った。
「……!」
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