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イナズマイレブン5 さすらいのヒーロー
作者: 南師しろお  (総ページ数: 44ページ)
関連タグ: イナズマイレブン 不動明王 パワプロクンポケット イナイレ しろお 
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10~ 20~ 30~ 40~

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 朝食も済んだので、不動が個人練習に向かいに行こうとテントから出ると、遠くからカンタがこちらへ、何かを持ってくるのが見えた。
「おっちゃん! こういう雑誌とか漫画とかたくさん集めたでやんす! まだ隠してあるから一緒に来てほしいでやんす!」
「は、はあ? 今から練習なんだが」
「お金が欲しくないでやんすか? 本を玄武さんの古本屋さんへたくさん持ってけば、安いけど買い取ってくれるでやんすよ!」
「なにっ!! 早く行くぞ! 場所はどこだ!」
 そして多くの雑誌を持って、玄武の本屋へ来た。
「うわっ。ずいぶん持ってきましたね。いつのまに集めたんですか」
「ま、まあバイト探すついでに見つけてな」
「とりあえずそこに積んでください。そうですね……。これくらいなら400円くらいですかね」
「それで頼むぜ。にしても、ここはお前ひとりでやってんのか。俺と同じくらいなのに店があるなんて大したもんだな」
「ありがとうございます。でもここは親に譲り受けたもので、僕自身の力では無いんですよ」
「それでもやりくりしてんだから大したもんだぜ。俺には真似できねえな」
「いやあ、まあ。でもそれが、親は海外に行ってましてね。『お前が結婚するまでは日本に帰ってこない』なんて言われてまして。けっこう大変なんですよ、一人で全部やるのは」
「結婚か。俺と同じくらいだろうし、19歳くらいか? お前」
「いえもう二十歳です。僕は地味だし、女の子と付き合ったこともないし、困ってますよ。本当に」
「お互い大変だな。それじゃ、俺は個人練習に行って来るよ」
「また来てくださいね」
 古本屋を出ると、カンタが待っていた。
「400円でやんすか。じゃ、オイラの取り分は半分の200円でやんすね」
「ありがとうなカンタ。でも、なんでわざわざ俺に教えてくれたんだ? 自分で持ってけばいいだろ」
「それが、オトナしか本を買い取ってもらうのはできないと言われたでやんす。そこでおっちゃんの出番でやんす!」
「なるほどな。これで昼飯にありつける。また頼むぜ」

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