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*3*
競技場のサッカーグラウンドについた。カンタが会長らしき初老の男に何か伝えると、すぐにチーム全員が集まってきた。
「どうも。不動明王だ」
不動の前に、日本人にしては背が高く肉つきもいい男がすっと出る。
「キャプテンの権田だ。で、お前はどれくらいサッカーができるんだ? ポジションも教えてくれ」
「ま、GK以外はやったことがあるな」
「それはいい。カンタ君から聞いてるかもしれないけど、うちはもうFWに至ってはふたりしかいないくらい人が減っててな。さっそくテストをしよう。なにがいいかな……」
「なら、フリーキックをやらせてくれよ」
「わかった。準備をしてくれ」
不動は靴を履き替え、軽く体操をしてからピッチに入った。
ゴールの前にキーパーと選手を立つと、不動は合図を待たずにすぐにボールを蹴った。いとも容易くボールは選手の壁を過ぎ、キーパーがいないところを通過しネットを揺らした。
「これでいいかよ、権田さんとやら」
「な、何者だ、あんた……まあいい、大した即戦力だ! よろしく頼む。紹介しよう、こっちが交番に勤めてる丸井、こっちが本屋の玄武、で、こっちが……」
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