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イナズマイレブン5 さすらいのヒーロー
作者: 南師しろお  (総ページ数: 44ページ)
関連タグ: イナズマイレブン 不動明王 パワプロクンポケット イナイレ しろお 
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 不動が京香と共に喫茶店にでかけると、突然見知らぬ男が不動の前に立った。髪はボサボサで、ノートパソコンを抱えている。
「君! バッテリーが切れそうなんだ!」
 と男は言った。不動は何のことだかまったくわからず、頭のうえにハテナを浮かべる。
「バッテリーだよ! 電気だよ電気! あ、やばい、切れそうだ。切れたら大事なデータが全部飛ぶ! 全部! はやく君バッテリーを!」
「いきなり何言ってんだ? そんなもん持って……」
「切れる、切れ……ピーーーーーーー」
 男は口でピーと言い、目を閉じて動かなくなった。
「とりあえず、電池を鼻につめておくか」
 不動はポケットから懐中電灯をとりだし、中から電池を出して男の鼻につめた。そしてその場を後にして喫茶店に寄る。
 帰る時には男は消えていた。と思いきや、男は不動を待っていたようだった。
「きみ! 君がバッテリーを入れてくれたんだろう?」
「電池のことか? まあそうだな」
「ありがとう! 君のおかげで家に帰ってバッテリーを交換することができた! 僕の名前は電子整理(でんしまさみち)。君に感謝する」
「あ、あのよお。バッテリーとかなんとか、お前ロボットかなんかなのか?」
「まさか。ちゃんとした人間だよ。ただ向こうの世界からやってきたんだ」
「向こうの世界だぁ!?」
 京香がほっといてもう行こうよと言ったが、不動は興味がわいてその場を動こうとしない。
「そう、この世界からきたんだよ」
 電子はパソコンの画面を不動に見せた。中にはバーチャルゲームが起動しており、いわゆるオンラインゲームの中にプレイヤーキャラが立っているようだった。
「そうかい。じゃあ、がんばれよ」
「待ちたまえ! お礼をさせてくれ、なにか僕にできることがあれば。ちなみにお金でもなんでもいいぞ」
「お金……。そうだ、おまえサッカーはできるか? 今助っ人を集めててな」
「サッカー? 僕自身はやらないな。動きのアルゴリズムをプログラミングすれば完璧なサッカー選手になれる自信があるけどね」
「やらないのか。んじゃあ、なんか情報処理とか得意そうだし、敵チームの視察とかやってくれねえか? 給料とかはないんだけどよ」
「敵チームの情報を集めればいいんだね? お安い御用さ。サッカーの情報すべてを頭に叩き込んでくるよ!」
「場所は金曜の昼にここにきてくれれば俺がいるからよ。そこで詳しいこと話すぜ。じゃあな」
   

 

救いの無い魂は流されて消え行く
消えてゆく瞬間にわずか光る
今 月が満ちる夜を生み出すのさ

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