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しりとりシリーズ
作者: 彩都  (総ページ数: 51ページ)
関連タグ: しりとり 
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*24*

 『塗るね』

「では、この絵に色をつけて塗っていきましょう」
 後ろを向いていた僕にその言葉を投げかけられた、僕は、仕方無く、自分の席で、絵を塗り始める……最初は楽しく書いていたが、先生が怒った、それは何故か?そんな物は簡単だ、絵に対して真っ黒に塗っていたからだ、先生は『黒一色だけではいけません!新しいのあげるから、新しく塗り直しなさい!』と言って、僕の一枚目は無くなって、二枚目になった。
 単純に僕はその反対を選んだ……すると、先生が怒った、今度は何ですか?と聞きなおすと、先生は言った、『白一色だけでは、何を塗ったか、分かりません、だから、色々な色を使いましょう、色だけに色々……フフフ……』、先生、笑えません……心の中でそう思いながら、描き直しは三枚目になった……
 大量に色を使う事にした……126色も使って、塗ってみた……すると、先生はまた怒った、今度はちゃんと、塗りましたよ?と聞き返すと、『そこではありません』と言う、だったら、何ですか?と聞き返すと、先生は言う、『一人で126色も使ってはいけません、罰として、また描き直してね』と言った……何か酷くない?そう思いながら、四枚目に突入した……流石に疲れるんだけど……そう思いながら、目の前に四枚目は置かれた……仕方無い……これは今日迄に描かなきゃいけないので、今日は居残りだ……そう思いながら、12色で頑張る事に……
 ニコニコと、描いて、先生に提出……すると、先生は怒った、何なんだよもう……先生は言った、『色は10色以上使って?三色しか使ってないじゃない?』……信号機の色、赤、緑、黄色だけだからな……イライラしながらも五枚目に突入したが、チャイムが鳴ったので、放課後にする事に……今日は大変な一日だな……そう思いながら、僕は放課後迄、待った……早く帰りたい……
 今から放課後……僕は憂鬱になりながらも、仕方なく、絵を完成させる事にした……20分で完成させる……これで良いだろう……そう思いながら、先生に提出すると、先生は『これはダメです』と言った、えっ?何でだろう、と思った、それは何故か、と聞くと、先生は言った、『人間の肌は茶色ではありません、肌色ですベージュです』……僕は流石に反論した、先生、それは差別です、人間の肌はベージュだろうが、茶色だろうが、なんだろうが、何でも良いでしょう?人間差別です、だから、茶色でも良いですよね?、僕は強気で言うと、先生は反論した、『此処は日本です、肌が元々茶色い人は居ないでしょう?流石に沖縄人や、長崎人、鹿児島人だって、小麦色、と言うでしょう?だから、人間の肌はベージュにして下さい』……先生それでも、此処は地球なんですよ?アメリカ人やアフリカ人の肌の色を描いたって良いでしょう?何がいけないんですか?日本人が優れているとでも言いたいんですか?と、僕はもっと反論する……何て、硬い先生なんだ……そう思っていると、先生が言った、『日本人が優れているのは当然でしょう?日本人は相当頭が良い国なんですよ?平仮名、カタカナ、漢字、数字、アルファベット等、色々と組み合わせて、この日本は出来ています、そして、此処は地球ですが、その前に此処は日本です、日本人は日本の慣習を受けなければいけません、だから、人間の肌は、ベージュにして下さい』……何だよもう!トイレの中で叫ぶ……何あの先公!?完全にイライラする!!絶対あれは、人種差別だ!と思いながらも、仕方無く、新しい紙に、人間の肌をベージュに塗った……そして、それを先生に提出した……そして、先生は言った、『リンゴの色は紫ではないでしょう?赤か薄緑でしょ?』と言うと、僕は言い返す、リンゴが紫なのは、毒リンゴだからですよ!と言うと、先生は的確な事を言った、『白雪姫でも、毒リンゴは赤かったでしょう?だから、もう一回ね?』……何回描き直しさせるんだよ……そう思いながら、七枚目に突入……段々と、同じ絵を塗るにつれ、ゲシュタルト崩壊しかけている……もう、大変だな……そう思いながら、新しく書き直した……もう、何も言われないだろう……そう思って、先生に提出した……すると、先生は言った、『描き直しです……』と言った、えっ何で!?もう、描き直す所無いよ!?そう思いながら、先生はこう言った、『九割方完成なのですが……草むらの色は緑でしょう?この絵は赤色ですよ……?これさえ、描き直せば、何とか、終わるでしょう……』そう言いながら、八枚目の紙を渡される……遂に八枚目か……そう思いながら、僕は、残りを頑張って書いた……早く帰りたい……その思いだけで、描いた……そして、先生に提出……僕は、相当疲弊していた……そして、先生は、『これで良いですよ、お疲れ様でした、今日はもう遅いから、寄り道せずに、帰りましょう』、それを言われて、僕はやっと帰る事になった……今の時間は夕方5時半だった……
 タッタッタと、廊下を走り、僕は、今の今迄、待っていた女の子と出会う……そして、二人は手を繋ぎながら帰った……努力の後はこんなに良い事が訪れるのか……そう思いながら、笑って帰った……

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