完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

東方奇妙譚
作者: 彩都  (総ページ数: 150ページ)
関連タグ: 東方Project 二次創作 三次創作 クロスオーバー ジョジョの奇妙な冒険 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~

*147*

 自分が溜息を吐いていると、近くから霊夢が現れる。
「あっ、霊夢君じゃないか。どうしたんだ? 宙に浮きながら現れて?」
 兄貴がそう言うと、宙に浮きながら笑顔で霊夢が現れた。一体どうしたのだろう?
「あら、周理兄弟じゃない。元気かしら?」
「私は元気だな。輪廻も多分大丈夫だろう」
「でしょうね。大丈夫じゃなかったら、数多の『スタンド』使いとやらは倒せていないしね?」
「お、おいおい……」
 自分はそう言って、兄貴と霊夢の会話を強制終了させる。
「んで、霊夢はどうしたんだ? 遊びに来たのか?」
「違うわよ。ちょっと『守井神社』の方に用があったから、向かったら、御礼に野菜を貰ってきたの。どうせ私は食べないし、あんた等にあげるって話」
「えっ? いいの? 霊夢の分は……?」
「私は人里から異変解決の際に色々と貰ったりしているから足りてるわよ。ってか、食い扶持一人減るだけでも、結構量が余るもの、安心だわ」
「おっと、それは俺への当て付けか?」
「違うわよ。ただ煽っただけよ。それじゃあね」
 霊夢はそう言って、自分に野菜が入った籠を渡し、また飛んで、消える──はぁ、何か借りを作ったように感じるな……そう思っていると、裂け目から八雲灯が現れる。
「はぁい、今日は。周理輪廻、周理外円兄弟の皆さん?」
「おぅ、久し振りだな」
「そうだね。今日はどうしたの?」
 自分と兄貴が言うと、八雲灯が言う。
「別に?」
「別にって……一体何で……?」
 自分がそう言うと、八雲灯が言う。
「暇だもの。だから顔を出しに……」
「はぁん……」
 兄貴がそう言って、溜息を吐く。
「暇なら私達にお金をくれれば良いのに?」
「あら? 輪廻君を殺害しようとした癖にそんな減らず口を叩けるなんてね?」
「うっせぇ。輪廻はもう私を許してくれた。だからその償いをしているのだ」
 兄貴がそう言うと、八雲灯は静かに兄貴を見た後、自分を見た。
「輪廻はどう? この『幻想卿』に暮らして?」
「ん? そうだなぁ……」
 自分はそう思いながら静かに考える。『スタンド』使いとの戦いは色々と激しかった、でも、そんな過去でさえ、いとおしく感じるのはどうしてだろう? いや、それを考えるのも野暮か。自分はそう思いながら八雲灯に発言する。
「どうだろうなぁ? まだ分からないや」
 自分はそう言って、八雲灯に言う。まだ自分はこの『幻想卿』に住んで、たった三ヶ月程度、だから一つも分からない。でも、これだけは理解出来る。『幻想卿』は素晴らしい、と──自分はそんな『幻想卿』を今から……いいや、これからも生きていくのだ──

『東方奇妙譚』 完──!!

146 < 147 > 148