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独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】
作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 97ページ)
関連タグ: メイドウィン小説SEASON3 短編集 依頼解決 多重クロス 読者参加型 ヴィラン 
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プルルルル

既に事切れた人狼の持っていた携帯が勝手に鳴り、グリムがそれを拾って応じる

グリム
「もしもし……」

【フン、どうやらヒリタッドと連れた雑魚共は仕事に失敗したのか………】

【全く、100%の成功が俺たちの自慢だったのに泥を塗りやがってな………】

グリム
「お前が私を殺す依頼をした男であり、マガイモノキラーか」

【そんな所だ……百砲のグリム。】

【だが何が悪い?俺はそこらの人狼(ノライヌ)共とは違う、ビジネスだよ】

【俺達は殺して欲しいと頼まれてるから殺すんだ、餌を用意しているのは向こうだ。】

【こうやって俺達に頼まれるようなクズが山ほどいるし、そういう奴が居なくならばそいつは幸せになる、俺はソイツを合法的に食える、証拠も生きた痕跡も無くなる。】

【俺達だって、そこに居る『正義の悪役』と全く同じじゃあねぇのか?】

【いや同じだ、金を払い人狼を殺すお前のような『狩人組合』と同じだね】

グリム
「…………」

フィルトナ
「そんな事ない!!グリムお姉さまはあなたのような奴とは……」


グリム
「そうだな、お前の言う通りだ、私とお前は種族は違えどやっている事は同じ。」

グリム
「私は金で雇われ人狼を殺し、お前は金で動き人間を喰う」



グリム
「故に………これは」

グリム
「先に私がお前を殺せばいい」


【…………フフフフ、その通り】

【俺達は狩人であり殺し屋、だが決して『英雄(ヒーロー)』なんかではない】

【だったら、息の根を止めちまうことで証明すればいい!自然の定理だ!】


グリム
「お前の名前を教えろ」

【ウィル・ファング・『アンデルセン』だ、小娘(レッドフード)。】


アンデルセン
【聞いたかお前ら………もう『百砲のグリム』は狙うな、コイツは既に……俺の餌だ】


グリムは通話を切り、携帯を踏み潰す。

………赤ずきんとオオカミは巡り会う。
いつだって、どんな世界でも、その縁は何故だか変わらない。


ベロー
「どうやら………避けては通れぬ因縁が出来たみたいだな」

魔トリョーシカ
「それはボクも同じだ」

魔トリョーシカ
「ボク達だってなんでもやる、ちょっと正当じゃない事もする」

魔トリョーシカ
「だが………人を殺すことを頼まれるのはキライなんだよ、ダイヤモンド・ファングとは違う」


グリム
「フィルトナ、お前の弟に会いに行くのはもう少し先になりそうだ」

魔トリョーシカ
「………いや、そうでもないよ」

グリム
「何?」



魔トリョーシカ
「再契約だ」



魔トリョーシカ
「金さえ払えば来てくれるならさっきの通話で把握している」


魔トリョーシカ
「百砲のグリムと、その弟子ベロー………ボク達『正義の悪役』の用心棒になれ。」

【依頼7】
【complete】

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