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作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 63ページ)
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*54*
【第13話】
「デジタル・バグ」
天夢
「…………はぁ」
天夢達は情報を集めるために別世界へと赴いていた
手始めに、まだ天夢が遭遇していないマスター・サトルに出会おうとしていたのだが………
天夢
「ダメだ………皆マスターの居場所を知らない」
マリー
「掲示板にも書いてはみたんだが、無駄だったみたいだよ」
アイゼンベルグ
「お前、本当にマスター・サトルにあったことがないのか?」
天夢
「ああ、気がついた時には1人だったからな」
アイゼンベルグ
「…………本当か?俺だって最初はマスター・サトルのところに来ていたぞ、いや」
アイゼンベルグ
「その前は確か、ふわふわとした雲の上で………」
アイゼンベルグ
「なんというか、天国みたいな感じと勘違いしてたやつもいたな」
天夢
「天国?」
……………
天夢
「そういえば、俺もなんかそんな感じがしてある、天国っていうか…………」
天夢
「意識が度々あの世に飛ぶかのような感覚が……………」
マリー
「………だとしたら、どうして天夢だけが特別なんだ?何かしたか?」
アイゼンベルグ
「俺は確か、配信に備えて準備していたところを突然視界が真っ暗に染って………」
天夢
「…………えーと、俺は…………確か」
天夢
「女の子………視界に、女の子があって、それで………あれ」
天夢
「俺、何していたんだろう?」
マリー
「…………覚えてねーのか?」
天夢
「ああ………あれ?」
天夢
「そういえば、俺がよく会う………あの光救教の女の子」
天夢
「前にもどこかであったことがある気がするんだ………」
マリー
「はあ?なんだそれ、有名人か?」
アイゼンベルグ
「それってどんな見た目をしている?」
天夢
「えーっと、金髪のロングで、白いワンピースを着てる………あ、肌は白かったな」
アイゼンベルグ
「まるで天使のような女だな………本当に会ったのかよ?そんな奴に?」
天夢
「確証はない、ただどこかで見たんだ、この世界に来る前に………」
マリー
「…………なら、お前みたいにマスター・サトルに会ってないやつを探してみるか?」
天夢
「それだ!」
>>
……………
天夢
「やっぱり見つからないな」
アイゼンベルグ
「やっぱお前だけが特別みたいだな」
天夢
「どういうことだ………?」
アイゼンベルグ
「…………光救教の適合者で、マスター・サトルに会ったことがない、お前ってなんなんだ?そこから暗滅教と仲間にも出会えたんだろ?ラッキー過ぎないか?」
天夢
「それは………なんとなく俺もそんな感じはしたなとは思ったよ」
天夢
「そこからスタープライド団と戦って、マリーに会えて、暗滅教の幹部を倒して、また新しい仲間に出会えて………」
アイゼンベルグ
「…………虎伏天夢」
アイゼンベルグ
「お前、本当に人間なのか?」
天夢
「………人間?」
マリー
「おい、お前何言って………!!」
アイゼンベルグ
「暗滅教の幹部、適合者って奴は人間じゃなくなってるんだろ?」
アイゼンベルグ
「あいつらもそうなら、案外お前も本当は人間じゃない可能性も………」
マリー
「違う、違う、ちがーー〜う!!!」
マリー
「天夢は人間だ!!あたしが保証する、人間なんだよ!!」
マリー
「だってこいつは、あたしと一緒に生きて………」
マリー
「あたしを必要として………」
マリー
「存在を見てくれてるんだ!!そんな奴が、人間じゃないなんて、嫌だよ!!」
天夢
「…………マリー」
マリー
「………あ、いや、今のは、その…………」
天夢
「いいんだ、ありがとう………」
天夢
「たとえ俺がどんな存在でも………お前が大事ってことは変わらないから、心配するな」
マリー
「…………天夢ぅ!!」ぎゅっ
天夢
「………すっかり変わったなぁ、マリーは」
マリー
「あたしは………あたしはもう親のところになんか行きたくない!!」
マリー
「ずっと、ずっとあんたと一緒に居たい!!」
天夢
「ははは………参ったなぁ」
アイゼンベルグ
「…………ん、おい、見ろ2人とも」
アイゼンベルグ
「よく分かんないけど匿名のメッセージだ、お前宛てだぞ」
天夢
「え、なんて?」
アイゼンベルグ
「えーと………何何、『マスター・サトルの居場所がわかりました』…………」
アイゼンベルグ
「何い!?」
>>
天夢
「………それで!マスター・サトルはどこにいるんだ!?」
アイゼンベルグ
「えーとな、今読むからちょっと待ってろ………何何?」
アイゼンベルグ
「マスター・サトルのところに行く方法は簡単で
す。」
アイゼンベルグ
「これらの通りに裏技を行えば、自動的にワープします」
天夢
「ワープ?特別な方法が必要なんだな、どんな?」
アイゼンベルグ
「そう急かすなよ………こっち行こう」
アイゼンベルグ達の影を………ダンテが覗く
ダンテ
「…………これで、よしと」
ダンテ
「ダーズ様復活目前ともなれば、アレはもう用済み………明かしてしまって構わないでしょう」
ダンテ
「最終的に全てを捧げることには変わりないので………」
ダンテ
「マスター・サトル……貴方はよくやってくれました」
ダンテ
「貴方のおかげで、彼らは使命の為に駆り出された特別な戦士と信じて疑っていません」
ダンテ
「実際は…………上質な魂を作るための、【エサ】でしかないというのに………」
ダンテ
「後は………オリヴィエが導いたあの青年、天夢君を消すのみ」
ダンテ
「………しかし、彼は……」
ダンテ
「一体どこでオリヴィエに会ったのでしょう?手頃な人物は大体回収しておいたはずなのですが…………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
アイゼンベルグ
「いいか?今からマスター・サトルの世界移動裏技のやりかたを説明する」
天夢
「はい、いつでもどうぞ」
アイゼンベルグ
「えーと、まずここの中心に立つ」
天夢
「はい」
アイゼンベルグ
「そこから左に6歩」
天夢
「左に6歩」
アイゼンベルグ
「あっ、ちょっと待ってスマホの歩数計起動するから………そこから前に、前に」
天夢
「えっ、ここから先壁……」
アイゼンベルグ
「そこで炎属性の技を空ぶらせる」
天夢
「トースター!」
天夢が腕を伸ばして殴ると……壁の中に入り込んでいった
天夢
「ええええ!?」
マリー
「はあ!?どういうことだ!?」
アイゼンベルグ
「ちょっと待ってろ天夢!俺も今こいつを連れてそっちに向かう!」
アイゼンベルグ
「1歩でも動いたら失敗だからな!」
>>
後を続くように、アイゼンベルグとマリーが壁をぬけて真っ暗な空間に降り立つ
天夢
「ここ……俺が倒れた時に見る風景とよく似ている………ここって一体………」
アイゼンベルグ
「まさかこれは………【なぞのばしょ】か………?」
天夢
「なぞのばしょって?」
アイゼンベルグ
「ポケモンとかの壁抜けの裏技だよ!ほら最近、特定の方向へ移動することでアルセウスが捕まえられるとかいうのあるだろ!」
天夢
「あ、そういえば聞いたことが………まさかこれも!?」
アイゼンベルグ
「かもしれない………いいか!1歩も間違えるなよ!その時点で一巻の終わりだ!」
天夢
「………いやそれどうやって帰るの!?」
マリー
「………バイオからヨルノズク借りておいたからよ、そらをとぶ使えるから」
天夢
「あっよかった………」
アイゼンベルグ
「いいか!失敗なしの本番!必ず生きて帰るぞ!!」
アイゼンベルグ
「まず東に475歩!」
天夢
「…………東ってどこだっけ!?」
マリー
「左だよ!左!」
アイゼンベルグ
「違うって右だわ!」
天夢
「どっちだよ!」
………
「ここで波乗り!」
「なみのりってどうやるんだよ!?」
「ここでレポート書いて!!」
「ないよレポートなんて!もう大学も卒業してるわ!」
こうして天夢達は数多くの課題をなんとか乗り越え…………
アイゼンベルグ
「はぁ………はぁ………これで最後の課題だ………」
天夢
「さ、最後は何をすれば!?」
アイゼンベルグ
「えーと、最後は…………」
アイゼンベルグ
「目の前にでっかい一撃叩き込んでやれ!!」
マリー
「どいてろ!!あたしがやる!!」
天夢
「えっ、ちょっと!?」
マリー
「レッドサイクロン…………アタック!!!」
ズガッシャアアアアン!!
マリーは回転して目の前に突っ込むと、壁が粉々になって時空間が見えるようになる………
天夢
「まさかこれが!?」
アイゼンベルグ
「行ってみるぞ!」
……………
時空間の先には、何も無いぽつんとした空間と………人影がひとつ……
アイゼンベルグ
「あっ、マスター!!」
>>
天夢
「え!?これが………!?」
マリー
「………ああ、間違いない、マスター・サトルだよ」
天夢
「で、でもこれ…………どう見ても………」
天夢
「顔が見えない…………!!」
マスター・サトルの顔は………全体的に黒く、詳細を把握出来ないようになっていた
マリー
「最初からこんな感じだったんだよ、さいしょだからこういう風なだけかと思ってたんだ」
アイゼンベルグ
「そうそう、ゲーム的になんか後から分かるもんかと思ってた」
マリー
「………しっかし、初めて会った時と違ってそんなに喋らないな」
アイゼンベルグ
「ホントだ、お前に能力を与える、その力を描き記せーとか言ってたのに」
マリー
「あっそれアタシも聞いた」
天夢
(………おかしい、あまりにも静かすぎる、俺たちがそばにいるのになんの反応もない、寝ているわけじゃないし………)
天夢
(………まさか、これって!)
天夢
「おりゃああああ!!!」
天夢は力強くトースターでマスター・サトルをぶん殴る
アイゼンベルグ
「おいい!?いきなりどうしたんだよ!?」
天夢
「………これは本物じゃない!偽物だ!!」
天夢
「見ろ!」
殴られて飛ばされたマスター・サトルは崩れて、真っ黒な液体が溢れ出る
マリー
「こいつはマガイモノ…………暗滅教の奴か!!」
アイゼンベルグ
「これがマガイモノ!?」
天夢
「やられた………罠だ!!暗滅教が俺たちを引き離すために………こんな事を!」
「いえ、罠ではありませんよ?それは間違いなく、貴方達が見た本物のマスター・サトルです」
「貴方達に任天堂戦士という『大義名分』を与えるために作られた………優秀な木偶。」
「でも、そろそろ不要なので貴方に会わせようと思っていたのです」
天夢
「………その声は!!」
マリー
「あっ!!」
ダンテ
「こうして実際に対面するのは初めてですね」
ダンテ
「ごきげんよう天夢君、私が暗滅教の教祖………ダンテです」
天夢
「だ………ダンテ!!」
アイゼンベルグ
「こいつがダンテ!!」
ダンテ
「まぁ座ってください、ここじゃ大事な話をする時は座るのがルールなんですよね?」
END