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作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 58ページ)
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*42*
宿屋イベント
『まほうのくすりやさん』
ハグレ王国に滞在することを決めたルミナ。
彼女は、何かに憧れている様子だったが...まだ誰にもわからなかった。
ルミナ
「.......」
たくっちスノー
「ルミナ様、なーんか最近元気ないんだよな、せっかくハグレ王国に来たっていうのに」
ジュリア
「ああ...最近は食事もあまり取らないからな...」
たくっちスノーと一緒に話しているのは、雇われ傭兵であり警察官のジュリアだ、警察官という仕事上子供の扱いには慣れており、たくっちスノーとしても相談のしやすい相手でもあった。
ジュリア
「向こうの世界の料理はどうなっている?」
たくっちスノー
「リアルワールドやこの世界と変わらないはずだ、黒影がそういうの好みだからな」
ジュリア
「そうか...つまりこの世界の料理が口に合わないというわけでは無さそうだ。」
たくっちスノー
「はぁ...ねぇルミナ様、どうしてそんな落ち込んでるんすか、こっちとしても困るんすよ、もしルミナ様が病気にでもなって、怒られるのは自分なんすから」
たくっちスノーがため息混じりにルミナに聞いてみると、ルミナは小声で口を開く
ルミナ
「...みせ。」
たくっちスノー
「みせ....店?」
ルミナ
「うん、ボクも、やりたい」
たくっちスノー
「...ま、まさかそれで悩んでたのか?」
ジュリア
「この国らしい悩みだな....」
というのも、ハグレ王国はその名の通りハグレ...いわば別世界の住民が集まって出来たものなので、開いている店も選り取り緑なのだ。
ルミナ
「だって ヅッチーはこーえきしてるし ベルはどーぐ屋してる、ミアラージュはお土産屋、なにもしてないのボクだけ」
たくっちスノー
「交易って...すげぇなあの妖精国王...」
ジュリア
「....うーむ、自分も何かしてみたいと思う気持ちは立派だが...」
たくっちスノー
「で、ルミナ様は何やりたいの?」
ルミナ
「ボクは おくすりつくるの上手だから くすりや かな」
たくっちスノー
「薬屋か...ベルがもう道具屋で自家製の薬売ってるもんなぁ」
ジュリア
「それに王国にはもう診察所が存在しているからな....」
たくっちスノー
「難しいよなぁ...」
ルミナとジュリアが、頭を悩ませていた時、たくっちスノーがリアルワールドの知識を探り出してあることを思い付いた
たくっちスノー
「そうだ!処方箋(しょほうせん)なんてのはどうだ?」
ジュリア
「...ああ、なるほど!」
この手があったと、二人はハイタッチして喜び会う
ルミナ
「...しょほーせんって?」
たくっちスノー
「えっとな、医者が診察した後患者に渡すのが処方箋、これを薬局にもって行っていくことで患者は薬を受け取れるんだ」
ジュリア
「これなら上手くいくかもしれないな!」
ルミナ
「おしごとできるの?」
たくっちスノー
「...ローズマリー参謀から許可が貰えればね」
....
ローズマリー
「...処方箋ですか、診察所と連携して薬局が建てられるなら病気の予防になって良いと思いますが」
たくっちスノー
「何か問題でも?」
ローズマリー
「我々はまだ彼女の薬をよく知りません、もし彼女が作った薬で何かがあったなら...」
たくっちスノー
「....それもそうだな、よし、ちょっくらテストしてみましょう、そちらの国民を何人か貸してくれませんか?」
ローズマリー
「危険なことはしないでくださいよ?」
....こうしてルミナの薬の実用性をテストするための会が開かれた。
この会にはルミナの他に、クリアしたらプリン二倍の条件付きのアルバイトとしてデーリッチとたくっちスノーも参加していた
ルミナ
「えっと、ボクの作った薬の他にローズマリー、ベル、メニャーニャさんの薬なんかも置いたりしてあるよ」
デーリッチ
「へぇ...あ、来たでちよ!」
最初に薬局(仮)を訪れたのは、一見恐ろしい顔だが穏やかで心優しい獣人のマーロウだった。
ルミナ
「えーっと、なんのおくすりを?」
マーロウ
「昨日の夜、修行中に季節外れの蚊に刺されましてね...痒みに効く薬を貰えないでしょうか?」
ルミナ
「わかりました、340Gになります」
マーロウ
「はい、340G。」
ルミナ
「ありがとうございます」
ルミナはお金を受けとると、慣れた手つきで引き出しを開け、中から塗り薬を取りだしマーロウに渡した。
マーロウ
「よく出来てるね、この調子だよ。」
ルミナ
「お大事に」
...
デーリッチ
「スゴいでち!あっという間に薬を出していったなんて!」
ルミナ
「うん...めーどいんに色々おくすりあげたりしてたから。」
話す暇もなく次の客が来る、次の客はルイージだった
ルミナ
「なんのおくすりを?」
ルイージ
「フェニックスを召喚したときにうっかり右腕焼いちゃって」
デーリッチ
「サラッと言ってるけど重症じゃないでちか」
たくっちスノー
「まぁ、作者だし...」
ルミナ
「これほどのやけどになると、修復の薬含めて2500Gは かかるかも」
たくっちスノー
「たけぇな」
ルミナ
「骨を固める薬、皮膚を戻す薬、肉体の修復を早める薬、炎耐性を与える薬、全部合わせて2500G」
ルイージ
「あ、じゃあ炎耐性の薬はいりません」
ルミナ
「それでも2000Gになるかな」
ルイージ
「困ったなぁ...さっきメニャーニャに『召喚は法律で規制されてるんですから無闇に放つな!!』って罰金でかなり取られちゃって」
たくっちスノー
「まぁ、2000Gくらいなら自分で払うわ、ただし100年以内に返せよ?」
デーリッチ
「100年も待ってくれるんでちか...」
ルイージ
「まさか薬局でローン組むことになるとは...」
話している間にルミナは四種類の瓶を持ってきていた
ルミナ
「ぜんぶ一日4粒、お昼ご飯食べた後に必ず飲んでね、サボっちゃうと くさるよ」
デーリッチ
「腐るの!?」
ルイージ
「う、うん、ありがとう....」
ルイージは瓶を抱えて薬局(仮)から出ていく。
ルミナ
「ああいうのにも 対応していかないと」
たくっちスノー
「あれは多分特殊なパターンだと思うぞ...」
最後の客が来る、ハグレ王国の参謀にして、ルミナ同様薬を作っているローズマリーだ
ローズマリー
「やぁルミナ様、どうやら上手くいってるみたいだね」
ルミナ
「うん、ご希望の薬は?」
ローズマリー
「そうだな....睡眠薬とかないかな?」
たくっちスノー
「早まるなマリー!お前はまだ若いんだから」
ローズマリー
「そういう用途じゃなくて!!普通に眠りたいだけだから!!」
思わず身を乗り出してしまう、ツッコミコンビはこういうときに咄嗟に言葉が出てしまうのだ
ルミナ
「うん、睡眠薬ね...おひるねタイプとぐっすりタイプ、そしてさよならタイプの三種類ありますけど」
たくっちスノー
「最後、最後!!明らかにヤバイ使い方の名前あったんですけど!!」
ローズマリー
「え、えっと、ぐっすりタイプで!!」
ルミナ
「それでしたら800Gになります」
ローズマリー
「は、はい....」
ルミナ
「ありがとう...すぐ持ってきますね」
たくっちスノー
(どうだ?やれそうだよな?)
デーリッチ
(やれそうだけど...なんか不安でちねぇ)
....こうして、黒影薬局は診察所の隣に開かれた。
しかしテスト以来、ルミナの睡眠薬はどういうわけか『おひるねタイプ』のみの販売となったらしい
END