コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 封魔士軍団—アボロナ— 27話更新
- 日時: 2011/01/04 14:11
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
- 参照: http://syousetu2.gaym.jp/s/read.cgi?no=2219
こんにちはアビスと申します。
頑張っていきますのでよろしくお願いします。
コメ大歓迎ですのでお願いします。
その他掲載小説
・イケメンお化けに取り憑かれた!?
・モンスターハンター・バロル(二次)・・・完結!
・モンスターハンター・バロル—根源との争い—(二次)
・フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜(二次)
・テイルズオブザワールド(二次)
〜プロローグ〜
俺は霊感がある。だがそれ以外は普通の学生だった。
普通に学校に行き。普通に友達と馬鹿をやり、普通に笑う。
そう、俺は普通の人間だった。あの日までは・・・
〜人物紹介〜
獅子山 琥空(ししやま こくう)♂
・175cm ・赤茶の髪でボサボサ
霊感があること以外ごくごく普通だった男子高校生。常に軽口だが、しっかり者。
封器:?
能力:?
天女乃 鈴華(あまめの りんか)♀
・156cm
・水色で髪を下の方で結んで腰辺りまで前に垂らしている
童顔で大人しくて恥ずかしがり屋な女の子。でも人並み以上に表情が豊か。
封器:扇子(アリナ)
能力:自然物の操作
双神 刹那 (ふたがみ せつな)♀
・168cm ・黒色でポニーテイル
冷静で落ち着いた性格。だが、闇魔神に対しては冷酷な一面を持つ
女だが男の様な言葉使いをする。
封器:長剣(フォルナ)
能力:全ての物を切る
神路 爽輔 (かみじ そうすけ)♂
・180cm ・銀髪でロング
封魔士軍団—アボロナ—を仕切る男。物腰が柔らかく笑顔を絶やさない。
封魔士からは統帥と呼ばれており慕われている。
封器:?
能力:?
天童 湊(てんどう みなと)♂
・180cm ・茶髪でウルフ
・琥空が自分の代りにと送りこんだ美少年。気さくなで、好きな事にはとことん追求する。
琥空に対してそれなりの敬意を示していて、多少の我が儘も通してあげる。
その他登場人物>>56
1話>>1 2話>>2 3話>>10 4話>>14 5話>>20
6話>>30 7話>>34 8話>>37 9話>>38 10話>>41
11話>>44 12話>>45 13話>>46 14話>>47 15話>>50
16話>>51 17話>>54 18話>>55 19話>>57 20話>>58
21話>>61 22話>>62 23話>>65 24話>>66 25話>>67
26話>>68 27話>>69
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- Re: 封魔士軍団—アボロナ— 17話更新 ( No.55 )
- 日時: 2010/09/25 23:14
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
18話
「遅い!!何をやっているんだ君は!?」
刹那の怒鳴りに琥空は皮肉めいた口調で
「すいませんねぇ!まさか海辺にもアマガミがでるなんて思ってなかったもんですからぁ!」
そう。いま海辺の状況は大変な事になっている。
一匹の大きな亀型のアマガミはそこらに甲羅から生えたミサイルを撃ちまくっているのだ。
一般人にはアマガミは見えなくても、ミサイルの衝撃は本物だ。
「琥空!君は玄武で一般人に被害が出ないように食い止めろ!鈴華、いくぞ!!」
「はい!!」
「おい、おい・・・。食い止めろって・・・・幾つあると思ってるんだよ!!?」
向かってくるミサイルは半端ない。とてもじゃないが、琥空一人でどうにか出来る数じゃなかった。
「でもやるしかねぇか・・・。蛇亀!!」
琥空はとりあえず玄武を出来るだけ巨大化させ受け止めさせた。
それでもはみ出たミサイルは朱雀の翼で切り裂いていった。
————————————————————
「砂塵の舞!!」
鈴華は封器・・・アリナを使って砂を操り、アマガミを囲った。
アマガミは突然現れた砂の壁に動きを止める。その隙を衝いて刹那はミサイルの発射台を切り裂いた。
だがアマガミはすぐに発射台を再生させた。
「高速再生か。厄介だな」
刹那は悪態をつきながらももう一度、発射台を切り落とそうとした。だが、今度はそうはいかなかった。
甲羅からミサイルとは別に剣が飛び出してきたのだ。
なんとか刹那はフォルナで受けるが、甲羅はすでに剣山状態になっていた。
「こちらに対して適応した姿になったか。本当に厄介なアマガミだ。空の5段階か?」
「おい、刹那!!」
琥空の呼びかけに刹那は顔を向けず、なんだ!?と声だけで返事をする。
「いっそのこと場所を変えた方がいいじゃねえか?ここじゃ一般人が多くて危険だし、
何より一般人を守るだけじゃ俺がつまらないんだが!!」
琥空の筋の通った言い分と、我がままな言い分を聞いて刹那はため息を漏らした。
「・・・確かに、一般人の命を君に任せておくのは危険すぎるな」
「おーーい・・・。俺はしっかり守っているぞ」
「でもどうやって場所を変えるんだ?こんな大きなもの。どうやって移動させる気だ?」
「アマガミは霊力の高い奴に向かって行くんだろう?なら俺らが移動すれば着いてくんじゃね?」
刹那はなるほどな、と言いたげな表情をするとその場から離れた。続いて鈴華、琥空も
人がいない安全な場所に移動する。
思惑通り、アマガミはことらに向かって進みだした。だが、思わぬ事態が起きた。
「危ねえ!!!」
琥空が叫ぶ。アマガミの進行方向に子どもが飛び出してきたのだ。玄武でミサイルの落下を
防いでいる範囲に子どもが安全だと思いこみ、出てきたのだ。
アマガミの足が子どもの真上まで迫っていた。
「くっそぉ!!間に合わねえ・・・!!」
『・・・・っち、馬鹿が。てめーは本当に無力だな!』
—ズドーーン—
突然、青い何かが飛び出しアマガミに突撃した。それは巨大なアマガミが吹き飛ぶほど力だった。
青い何かは不機嫌そうな顔をしながら琥空の前にやってきた。それは龍の姿をしていた。
「なぁ・・・今、俺の体からでたよな?」
琥空が自分の身体を摩りながら、目の前の龍に話しかける。
龍の顔はさらに機嫌が悪そうに、眉をひそめる。
『ああ??そんなの見ればわかるだろう、カス!本っ当使えねえ奴だな、てめーは!!』
「・・・・てめー、ガチで口がわりーなぁ」
琥空が顰めっ面で龍を睨む頃、アマガミは起き上がりこちらを睨んでいた。
「んで、お前は俺のどんな気持ちで目覚めたんだ??」
『俺がてめ—ごときの気持ちなんで目覚めるか。俺は俺のために生まれたんだよ。
てめ—に死なれちゃ俺も困るんでな。
俺の名は青龍。俺の力をてめーに貸してやるよ。それで精々死なねーように気を付けるんだな』
青龍は青い光に包まれると、琥空の右手に巻き付いた。光が消えた時、琥空の右手には
龍を模したガントレットがはめられていた。
「確かに蛇亀が言ってた通り、青龍は不良だな」
琥空は拳を強く握りしめると、アマガミに向かって飛んだ。
「轟龍撃!」
琥空が拳を突き出した、ガントレットから腕に龍の刺青の様な物が伸びた。
龍の頭は口を開けると、そこから炎のような刺青が生まれる。
その炎は現実となり、琥空の肩から青い炎がまるでブースターの様に一気に、噴出した。。
その時琥空は自分の拳とは思えないほどの力を感じた。その拳がアマガミに当ると、
その瞬間先ほどまでのアマガミのミサイルとは桁違いの砂が巻き上げられた。
その衝撃が近くに立っていた刹那たちにも届くほどだった。
そんなパンチを喰らったアマガミは成す術なく、そのまま葬られた。
「すげー破壊力だな・・・」
琥空があまりの破壊力に呆気にとられている。と、ガントレットが元の龍に戻った。
『ったりめーだ!なんてったって俺の力だからな』
「お兄ちゃん!!」
すると、先ほどアマガミに踏まれそうになっていた子どもが琥空に話しかけた。
「んぁ?なんで俺の姿が見えてんだ。ちゃんと腰布巻いてんのに・・・」
「おそらく、お前とアマガミの強烈な霊力を当てられて、彼に眠っている霊力が覚醒してしまったんだろう」
そこに刹那と鈴華がやってきた。
「ありがとうね、お兄ちゃん。でっかい怪物をやっつけてくれて!!
それとドラゴンさんもありがとう!!」
子どもの無邪気な笑顔に青龍は鼻を鳴らすとそっぽを向いた。
それを見て、琥空がにやけ面で
「おまえ〜〜。本当は子ども大好きだな〜〜??
だから、こいつが踏まれそうになった時出てきたんだろう〜〜?」
『・・・てめ〜〜。それ以上何か言ってみろ。そのない脳みそを本当に空にするぞ』
「あははは!!図星か!!?」
『てめーーーー!!!』
しばらく青龍と琥空の組手が続いたとさ。
- Re: 封魔士軍団—アボロナ— 18話更新 ( No.56 )
- 日時: 2010/10/06 19:11
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
音穏(ねおん)♀
・153cm・オレンジ色の髪でポニーテール
紫音との双子の幽霊姉妹。親の仇を追って琥空と出会う。
元気と言うか落ち着いた事があまり好きではない性格。言いたい事ははっきり言うタイプ。
紫音(しおん)♀
・155cm・オレンジ色の髪でツインテール
音穏との双子の幽霊姉妹。親の仇を追って琥空と出会う。
音穏と違って、常にぼーっとした雰囲気を放っていて、何を考えているか分からない。
喋りだすと、不思議なことを言ったりすることが多い。
何時も音穏の親の仇探しに付き合っているが、本当はそんな事を止めて、彼女の無事を祈っている。
大将 重国(おおまさ しげくに)♂
・180cm・黒髪のショート
運動、勉強と両方とも天才的だが、女癖の悪さも天才的。名字からあだ名がタイショウ
清水とは幼馴染で大の親友。
清水 大河(しみず たいが)♂
・173cm・銀髪でストレート
クールな性格。結構なイケメンで女子からの人気も高い。
第一印象不健康そう、と必ず言われるが至って元気。僅かだが霊感がある。
タイショウとは幼馴染で大の仲良し。
- Re: 封魔士軍団—アボロナ— 18話更新 ( No.57 )
- 日時: 2010/10/07 17:47
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
19話
「よし!!覗きに行くぞ!!!」
「・・・いい加減にしろよ、タイショウ」
その日の夜、また懲りずにタイショウはそんな事を言っている。
流石にもう、琥空も清水も行く気はしない。
「タイショウ・・・残りの5日間、先生の部屋で正座して反省文を書くなんてことしたくないだろう?」
—コンッコンッ—
「・・・はい」
ノックの音がして清水が向かう。暫くすると顔を出して琥空を呼ぶ。
「鈴華さんが呼んでるよ」
「なにーーー!!鈴華さんが!?それは行かなければはぁぁっ!!!!」
「分かった。今行く」
ドアに暴走するタイショウに腕を上げるだけのエルボーを食らわしそのままドアに向かった。
「あ、琥空さん」
「・・・・・」
ドアに向かった琥空が鈴華を見て固まる。それを不思議そうな顔で鈴華が
「あの・・・どうしたんですか?」
「いや。お前って何着ても完璧に着こなすよなーって思ってな」
鈴華は今宿泊地に置いてあった浴衣に身を包ませていた。
まぁ、琥空の言う通り着こなし方が完璧だ。
「い・・いえ、そんな・・・・。そんなことより、少し付き合ってくれますか?
大事な話があるので」
顔を赤らめながらも、自分が来た理由を告げる鈴華。話したい事ってのは
十中八九封魔士に関係のあることだろう。
「わかった。清水、タイショウのこと任せた」
「うん。分かった。見回りの先生には気を付けて」
————————————————————
「・・・来たか」
鈴華に連れてこられる場所にはやはり刹那がいた。
「・・・お前は違った意味で着こなしているな」
「・・何の話だ?」
「いや、こっちの話し。・・・で話ってなんだ」
浴衣の話は置いといて琥空は本題に入った。
「ああ、指令だ。獅子山琥空、即刻本部に帰還せよとの事だ」
「はぁ!?」
行き成りの事に理解できない琥空。だが、刹那は冷静に琥空を見つめた。
「君に埋め込んであるコアについて気になる点が出てきた。
それを調べるために帰還する必要だある」
「そんなの、この合宿が終わった後でも十分いいだろ。何でそんな急なんだ?」
「・・・・今、君の中の力は何個目覚めた?」
「ああ?・・・3個だが?」
話の方向が突然変わった事に訝し気表情を見せるが答える琥空。
「以前君の胸から妙な模様が浮き出ていた事があったな?それは今は
統帥の力で視覚出来ないようにないいているが、今君のその模様、
どの程度伸びているか知っているのか?」
そう言うや否や、刹那は琥空に向かって抜刀した。
刹那が切ったのは琥空に掛っている統帥の掛けた呪いだ。
それにより、琥空の胸の模様が露わになった。
刹那は手鏡で琥空に自分の顔がどうなっているか見させる。
そこに映し出されていたのはタトゥーが目の付近まで伸びている、琥空の顔であった。
「・・・おおっ!恰好良くなってんじゃん、俺」
「馬鹿者!」
「いってぇ!!」
頭を摩る琥空。だが、タトゥーの影響で別人のような錯覚する刹那と鈴華。
琥空は起き上がると自分の身体を確認する。すると、タトゥーは顔だけじゃなく、腕の方にも伸びていた。
「分かっただろう。君の身体に何が起きているか分からない以上、このまま君を放っておくのは危険なんだ」
「・・・勝手にこんな身体にしといて、危険子扱いかよ」
刹那の言葉に琥空が二人に聞えないように呟く。
「何か言ったか?」
「んん、別に。後、戻るのは勘弁だよ。こんな楽しい事投げ出してやらなければならない事なんてねーよ。
俺は封魔士になるとは言ったが、封魔士の教えに従うつまりはまったくない。
俺は俺のやり方で封魔士の仕事を全うする。じゃな」
軽く手を上げその場から立ち去ろうとする琥空。だが、それを許す刹那ではなかった。
—ドスッ!—
「本部からの命令は絶対だ。逆らうなら力尽くでも連れていくまでだ」
刹那の手刀が琥空の首を捉える。琥空はそのまま倒れて動かなくなってしまった。
——————————トルニス——————————
—ピッピッピッピッ—
規則正しい機械音がし目を開けると琥空は医務室のベットの上だった。
身体に刺さっているチューブが様々な機械が繋がっている。
日差しが入りこんでいるのを見ると、すでに半日は経過しているらしい。
「そうか、俺・・・。くそ!恨むぞ〜〜、刹那の奴」
「気分はどうですか?琥空さん」
室内に入ってきたのは統帥だった。いつも通り柔らかい笑顔を浮かべている。
「良くないな。刹那にやられた所が痛む」
「はははっ。彼女は少し乱暴なところもありますからね。でもそれ以上に優しいですよ、彼女は。
あなたを連れてきたときの彼女の顔は本当に心配そうでしたし、あなたのことをよろしくお願いします
とも言っていました。彼女のことを分かってやってください」
「・・・・で、俺の身体の様子はどうなんだ?」
返す言葉がなかった琥空は、本題に入ろうとした。統帥は少し表情を曇らすと口を開いた。
「正直に申し上げますと、あなたの身体がアマガミ化し始めています」
「アマガミ・・・化?」
「・・・はい。あなたに埋め込まれているコアがあなたを浸食し始めているのです。
このまま行けばあなたはそのコアによって全身を蝕まれ、いずれアマガミへと変貌してしまうでしょう」
統帥により突然告げられた事実に、言葉を失う琥空。
「ですが安心してください。我々はあなたをアマガミにさせないように全力で取り組んでいます。
今まで調べた結果からも、アマガミ化を防ぐ事は可能だと出ています」
「・・・安心できるかわかんねーけど、やっぱり俺の中の封器と関係してんのか?」
「はい、おそらく。封器の力の大元はコアからの力ですから。あなたの中の力が目覚めれば
コアの力も強まっていき、浸食スピードが速まるのではと推測しています」
「もし俺がアマガミになっちまうとしたら、俺に残された猶予は?」
「遅くても3カ月以内には・・・・」
「・・・・・・そっか」
その日の夜、琥空は医務室から姿を消し、それから消息を絶った。
- Re: 封魔士軍団—アボロナ— 19話更新 ( No.58 )
- 日時: 2010/10/17 11:03
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
「はい・・・はい。分かりました。すぐに向かいます」
道路で一人の女性が電話を切る。風に靡かれる髪が舞い、
その美しい顔にとても合っていた。
「まったく・・・どこにいったんだ」
女性はそう呟くと、腰布を巻き走りだした。
————————————————————
「・・・・・・」
学校の屋上で一人の女性が佇む。その顔は物憂げな表情を浮かべていた。
「琥空さん・・・・」
「鈴華!」
そこに先ほどの女性が現れる。すると鈴華は先ほどまでの表情を変えて。
「刹那さん」
「・・・また琥空のこと考えていたのか?」
刹那は鈴華の顔に残る表情を見て言った。鈴華は少し申し訳なさそうに
「すいません。いつまでも引きずっていて」
刹那は気にするな、と言うと屋上から町並みを見下ろした。
「・・・もう半年か。あの、馬鹿。家にも戻っていないらしいしな。
まったく、どこで何してるんだか」
「・・・ところで刹那さん。どうしたんですか?」
「そうだった。指令だ。南西5キロの地点でアマガミと思しき者が暴れているらしい」
「思しき者?アマガミではないんですか?」
刹那からの指令に首をかしげる鈴華。刹那も首を横に振り
「アマガミとよく似た反応らしいが、どうも違うらしいんだ。・・・行くぞ!」
—————————————————————
「ぐおおおおお!!」
「があああああ!!」
二人が現場に行くとそこには二人の男性がいた。
「あれは一体・・・」
刹那な訝しげな表情を浮かべる。男性は暴れていると言ううより苦しんでいるといった感じだった。
身体の表面から所々、アマガミの気が滲み出ている。
「あれはアマガミなのでしょうか?それとも人間?」
「わからん。とりあえず近づくぞ」
二人が近づくと男性達も気づいたように振り向く。
「あ・・あう・・・。たすけ・・て・・・くれ」
「嫌だ!もう嫌だーーー!!」
それが二人が最後に発した言葉だった。その瞬間二人の身体からアマガミの気配が一気に強まり
二人はアマガミへと変貌してしまった。
「刹那さん!!」
「何があったかは分からないが、あれはもうアマガミだ。排除する」
刹那と鈴華が自分の封器を取り出して立ち向かおうとする。と、
『待て!!』
空からの声。と、同時に現れた4人の人物。一人は仮面を付けているが、
残りの3人は普通の人のようだった。
『こいつらの始末は俺達がつける』
「何者だ貴様?」
刹那が警戒をしながら言う。すると、仮面の男が微笑を零した。
『ふっ。変わらないな、刹那』
「何!?」
『レン、ギン。二人を頼むぞ』
二人はアマガミに向かって行く。
「だめだ!アマガミには封器でしか倒す事が出来ない」
『大丈夫だ』
仮面の男が言う。すると刹那はレン、ギンと呼ばれた二人からアマガミの気配を感じた。
そしてその直後、二人が見たものは信じられない光景だった。
二人の身体の一部がアマガミのものとなったのだ。一人は腕が、もう一人は背中が。
そしてそのままアマガミに喰らいつく。
そして二人がアマガミから離れた時、アマガミから気が消えて先ほどの男性二人に戻っていた。
レンとギン。二人の手にはアマガミのコアが握られていた。
「コア?なぜあんな一般人にコアが埋め込まれているんだ?」
『俺が埋め込んだ』
仮面の男が答える。すると、刹那は目をキッとさせて男を睨む。
「もう一度問う。お前は何者だ!?なぜ私の名を知っている!?なぜアマガミのコアを持っている!?
一体何の目的でアマガミを倒している!?」
『・・・最初の二つの質問はこれで分かるな』
男がそう言うと、仮面を取り外した。すると、刹那と鈴華がはっと息をのむ。
「これで分かったか?お二人さん?」
「こ・・琥空・・さん?」
「それ以外の誰に見えるんだ?」
目の前の仮面の男の正体は獅子山 琥空だった。半年間、行方がまったく分からなかった男。
その人物がいまこうして、嘗ての仲間の前に立っている。
以前と変わらない琥空。タトゥーは相変わらずだが、目の前にいるのは紛れもない琥空だった。
琥空は再び仮面を付ける。
『3つ目の質問。コアは持っているのはある人物からアマガミからコアを取りだす方法を教えて貰った』
「ある人物?それは誰だ」
『そこまで教える義務はない。4つ目の質問はお前たちも知ってることだ。
俺が以前に言った言葉を覚えているか?』
「・・・自分のやり方で封魔士を全うすると言う言葉ですか?」
『そうだ。俺は封魔士とは別のやり方でアマガミを倒す事にした。
お前たちが危険と称したアマガミ化の力でな』
琥空はアマガミ化と言う単語を強く発した。
『いつか、お前たち封魔士は必要となくなる。俺たちが封魔士の代りとなり、アマガミの根絶を目指す』
「ふん。急ごしらえで創った組織で我々封魔士軍団—アボロナ—に勝つつもりなのか?
冗談にしても笑えんな。アマガミを根絶させるのは私たちだ」
刹那の言葉に琥空はそんなだから無理だ、と冷たく言い放つ。
『アマガミの生まれる意味を、存在している理由を知らないお前たちには決して無理だ。
例え、どれだけ強い戦力を揃えようと根絶させる事は出来ない』
琥空はそう言うと連れてきた3人に先ほどのアマガミと化していた男二人を担がせ、その場から消えた。
- Re: 封魔士軍団—アボロナ— 20話更新 ( No.59 )
- 日時: 2010/10/17 11:49
- 名前: 零十 (ID: DZWfhZUD)
琥空さんパネぇっすw
消息を絶った間の、琥空の行動が知りたいですね。
一体何をしたんだか。それに、謎の人物についても。
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