コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- +Rainbow Light Music+
- 日時: 2011/11/01 18:29
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
笑って、泣いて、遊んで、勉強して、怒られて
褒められて、喜んだり、悲しんだり、ドキドキしたり
全ての魂がここに詰まっている
私達の、全てがぎゅっと詰まっているんだ
Rainbow Light Music——
-----------------------------------------------------------------
+はじめに+
こんにちわっ、苺羅です(´・ω・`)
今回は、うちの半実話小説『恋時計』の架空人物の物語を
かいていきたいとおもっています!!
めっちゃgdgdになるかもしれませんが……
よろしくおねがいします><
*もくじ*
>>0001 >>0004 >>0005 >>0072 登場人物一覧
第一章『桜の季節、春 ——桜編』
>>0006 第一話『入学式』 >>0007 第二話『クラス替えの悲劇』 >>0008 第三話『不良少女』
>>0009 第四話『危機一髪』 >>0016 第五話『江実の正体』 >>0018 第六話『意外な事実』
>>0019 第七話『将来の夢』 >>0028 第八話『犬猿の仲』 >>0030 第九話『過去の因縁』
>>0034 第十話『仲直り』 >>0038 第十一話『ギャル系VS清楚系!?』 >>0039 第十二話『競い合い』
第二章『夏色恋心 ——凛子編』
>>0040 第十三話『雨の夜』 >>0041 第十四話『人気者の先輩』 >>0044 第十五話『人生初の…』
>>0048 第十六話 『寂しい女!?』 >>0049 第十七話『消極的な私』 >>0052 第十八話『過去の記憶』
>>0055 第十九話『陸上部の試合』 >>0056 第二十話『突然の——』 >>0057 第二十一話『戸惑い』
>>0058 第二十二話『苦い思い』 >>0059 第二十三話『旅行計画』 >>0060 第二十四話『ラブ・メール』
>>0061 第二十五話『動き出した恋』 >>0064 第二十六話『旅行行くぞ!』 >>0065 第二十七話『虹色旅行記』
>>0066 第二十八話『虹色旅行記2』 >>0067 第二十九話『虹色旅行記3』 >>0068 第三十話『虹色旅行記4』
>>0069 第三十一話『虹色旅行記5』 >>0070 第三十二話『会いに行く』 >>0071 第三十三話『また会えるから』
第三章『C組と秋の空 ——里子編』
>>0073 第三十四話『C組大嫌い!』 >>0074 第三十五話『スーパーで』
-----------------------------------------------------------------
@お客様@
ココ様 絵磨様 まぃか、様 紗貴様
-----------------------------------------------------------------
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
- Re: +Rainbow Light Music+ ( No.66 )
- 日時: 2011/10/21 22:47
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
第二十八話『虹色旅行記2』
空港まで桜の叔父さんが迎えにきてくれるというので、私達は荷物を置いてその場で待っていた。
十分かそこら立ったとき、向こう側からベンツの白い車がちらりとみえた。
ベンツは、私達の前でとまったかとおもうと、車窓からひょっこりと男性が顔を出した。
以下にも社長らしい、ちょびひげをはやした貫禄があるかんじの人だった。
奥には、若い男の人が運転席でハンドルを握っていた。
「おじさーん、乗っていい?」
「ああ、荷物は後ろにおいてな。健二、ちょっと開けてやれ」
健二と呼ばれた運転席の男の人が、車から出てくると、後ろのドアを開け、私達の荷物を置いてくれた。
それに続き、私達も一緒に車の中に乗り込んだ。
……やっば、高級そう……絶対汚したら弁償だあ。
少し緊張しつつも、私は車窓から外の景色を眺めることにした。
すると、車はゆっくりと発進しはじめた。
運転席と助手席の後ろには、桜と私と里子。
さらに後ろには、純也と健が座っていた。
車内には、軽快な音楽が流れていたため、会話がなくてもそう静かにはかんじなかった。
すると、里子が私の前に手をのばし、桜の、わき腹をつついた。
「ねえねえ、運転してるのって、例のいとこの人?」
「そうだよ」
「……めっちゃかっこよくなぁい? やば、超タイプ〜」
里子はそういって、目をきらきら輝かせた。
多分小声だから、桜と私にしか聞こえていないと思うけど。
「……健ちゃん今年十九だよ」
桜は呆れ顔になりながら、里子に向かって呟いた。
里子はさらに、ニヤニヤした表情にかわる。
「え〜! 年上でも全然……ふふふふふふふふふふふっ」
「あのぉ〜、俺たちの演奏聴いてもらえるんですか?」
里子の最後の笑い声が、響いてしまったためドキッとしたが、同時に純也が喋ってくれたので、ごまかせた。
すると、健二さんがミラーをみながら、答えてくれた。
「うん、丁度防音室にドラムがあるから、そこでいいかな」
「うぉーっ!! 楽しみにしてまっす!」
健も反応して、つい大声をだしていた。
私は再び車窓に目を向けた。
大きな家がみえた。
そのとき、車のスピードがだんだん落ちてきたので、多分ここが家なんだろう。
「さあ、ついたよ」
叔父さんがそういうと、車は完全にストップした。
皆がが車からおりると、荷物を降ろし、健二さんが車庫に車をいれはじめた。
すると、玄関から若い女性が二人やってきた。
「な、誰だあれ」
純也が小声で、桜に尋ねる。
「お手伝いさんだよ、なんか五人雇ってるってきいた」
「ひょえー! 息子の家なのに、五人も、ぎゃー!」
純也が変な声を出していると、お手伝いさんが近づいてきた。
「さあ、おあがりください」
「あ、はい、どうも……」
家の中にはいり、荷物を置いてもらうと、私達はそのままリビングの中に通された。
さすが社長の息子の家、というか、社長が建てた家。
このリビングだけでも、私の部屋の三つ分くらいはあるきがする。
テーブルのうえには、高級そうなお茶菓子が並べられていた。
健二さんも丁度戻ってきて、皆が席に座ると、お手伝いさんはどこかへ去っていってしまった。
「遠いのによくきてくれたねぇ〜」
「叔父さんが旅費も全部出してくれたからだよ、ありがとう」
「「ありがとうございまーす!!」」
桜に続き、私達四人も元気良く礼をした。
「まぁまぁ、さあ、これをお食べ」
「……そういえば、自己紹介してなくない?」
里子が、思い出したように声をあげた。
「じゃあ自己紹介をしよう」ということになり、まず健二さんがすくっと立ち上がった。
「千崎健二、大学生やってます、まぁ、よろしく!」
「健ちゃんは国公立の大学いってるんだよねー」
「あ、うん……」
桜の言葉に、健二さんがはにかみながら答えた。
「えーっ! 頭いいんだ、すごぉい!」
「……百屋凛子といいます、よろしくおねがいします」
里子のキャピキャピした声をさえぎるように、私はさっさと自己紹介をして見せた。
続いて、純也と健が立ち上がる。
「二十純也でっす! ギターめっちゃ自慢です!」
「新藤健です……よろしく」
そして、最後は里子だった。
「新垣里子でぇす! えっと、趣味はぁ、化粧とショッピングで、身だしなみはかかせません!
誕生日は十二月なので、今は高一ですが十五歳でぇす! あ、虹ヶ丘高校ってとこで、軽音部やってまぁす
みんなからはガッキーとか、さとちゃんとか、いろいろ呼ばれてますが、健二さんからは——」
「防音室ってどこにありますか?」
里子の長ったらしい、声の高い自己紹介にうんざりしたのか、健が健二さんに向かって尋ねた。
「え、え、あ、えっと……」
「ちょっと健! 人が自己紹介してんのに、口はさむんじゃねぇよ!」
「……うわ、ボロだしてやんの」
「あっ」
健に突っ込まれ、里子は思わず口を押さえた。
そして、リビングは爆笑の嵐につつまれた。
- Re: +Rainbow Light Music+ ( No.67 )
- 日時: 2011/10/24 23:07
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
第二十九話『虹色旅行記3』
案内された防音室もやはり広く、パーティが開けるほどのスペースはあった。
アンプと、シールドが既に置いてあり、もちろんドラムセットも堂々と居座っている。
早速、ケースから楽器を取り出すと、演奏する体勢にはいった。自分じゃないもののアンプははじめて。
ちなみにアンプとは、エレキギターやベースを弾くのに必須で、大きな音を出す為の機械である。
シールドは、アンプと楽器を繋ぐもので、これがないと当然だが大きな音を出すことはできない。
「よし、じゃあ早速聴かせておくれ」
「なにをやるの?」
叔父さんと健二さんがそう言いながら、パイプ椅子に腰掛けた。
里子はセンターにたち、少し緊張した表情で曲名を答える。
「JUDY AND MARYのDAYDREAMです」
「へーぇ、高校生なのに結構昔のやつやるんだね」
「……ジュディマリ、やりやすいんです」
健二さんの呟きに、里子は丁寧に答えた。
そして、私達に目配せをすると、健がスティックカウントを始めた。
私も指を、ベースのフレットにそえる。
「ワン、ツー、ワン、ツー!」
桜のギターリフがはじまり、しばらくして純也のギター、私のベース、健のドラム、里子の歌が入った。
私は、間違えないように慎重に、そしてリズムキープをしながら、ベースラインを奏でた。
気持ちいいくらいに、透き通った里子の声が、私のベースラインをかけぬける。
そして、気付いたら、演奏は終わっていた。
「さすが!! 小学校のときからやってるんだって?」
「はい、もう六年くらいになります」
健二さんが拍手をしてくれ、純也も熱血に答えた。
叔父さんはコーヒーを飲みながら、私の目をみた。
「君は、凛子さん、だったかな?」
「はいそうです!」
私は急に話しかけられたので、びっくりした。
「ちょっと、そのベースかしてごらん」
「ど、どうぞ……」
私はゆっくりと、叔父さんの手にベースを渡した。
私にしては丁度のサイズだが、叔父さんが手にすると、やはり少し小さいように思えた。
叔父さんは、再びベースをアンプにつなぎ、立ち止まった。
場の雰囲気は、しーんとなる。
次の瞬間、叔父さんはものすごい速さで、弾き始めた。
しかも、スラップを使っている。
「げ、え……? ちょ、叔父さん?」
桜も目を点にしながら、叔父さんを見つめた。
親指で弦を叩くスラップは、なかなか難しい。
すると、叔父さんはこれまた速く、でもリズムをキープしつつ、なにかのベースラインを弾いた。
最後は、二つ、三つ同時に弦を押さえ、演奏は終了した。
「……っ、すごいです、どうしたんですか?」
私は拍手を送り、思わず聴いてしまった。
すると健二さんが答えてくれた。
「親父は若い頃からずーっとバンドを組んでいて、かなりの腕前のベーシストだったんだよ」
「へーぇ! すごいですね、意外です!」
里子が、目を見開いて、叔父さんをまじまじみつめた。
「いや、久しぶりにみたらちょっと触ってみたくなってな……凛子さん、ありがとう」
「あ、いえいえ……」
私は、自分のベースがこんなにも多彩なメロディを奏でれるのか、とおもうと驚きが隠せなかった。
- Re: +Rainbow Light Music+ ( No.68 )
- 日時: 2011/10/25 19:03
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
第三十話『虹色旅行記4』
その日の夜は、庭でバーベキューをしたあと、リビングで談笑し夜の十一時頃に寝る体勢にはいった。
っていっても、部屋で喋ったりして、寝るつもりはまだないけどね。
桜、里子、私の三人が同じ部屋。純也と健は隣の部屋で寝ることになっている。
私たち三人は、パジャマに着替えて布団の上で好きなことをしていた。
桜は持って来た雑誌をみながら、お菓子を食べている。ったく、太るぞぉーいいのか?
里子は、携帯でゲームをしたり友達とメールをしている。
私は——
夜景をみながら、携帯をみていた。
といっても、携帯はずっとメール作成画面になっている。
私はただ綺麗な夜景をぼんやりみつめているのだ。
そして、ためいきをついては、高鳴る鼓動を抑えるように胸に手を当てるだけだった。
「ちょっと凛子、いつまでそうしてるつもり?」
私の変化の無さに気付いたのか、里子が私のそばにやってきた。
桜も雑誌を布団の上に置き、私の隣に立つ。
私は、二人に携帯の画面を見せた。
「……やっぱ、やめといたほうがいいとおもう」
「なんでよ! あれからまったく先輩とメールしてないんでしょ?」
そう。さっき私達は、会議をして私は先輩にメールを送るという決心をしたのであった。
「でも、もう夜遅いじゃん」
「まだ十一時じゃん!」
「……だってこないだも、この時間でメール終わっちゃったもん」
「……」
私の言葉に、さすがの二人も無口になってしまった。
「と、とりあえずさ! そんなんじゃ明日もその調子だとおもわない?」
「……いや、明日は送れる! 昼間にやったらいーじゃん」
「いや、私は多分ムリだとおもう」
桜も、私のことをみながらはっきりと言った。
「どーせなんか言い訳探して、明日明日ってそうやって、ずーっと先延ばしにするつもりなんでしょ?」
「……はい」
里子の発言が、あまりにも当たっていたので思わず返事した。
「ったくねー、もう、かせ」
「え? あっ」
気付いたら里子に携帯をぶんどられていた。
里子は、なれた手つきでカチカチを文章を打っていく。
「……はい」
里子は、しばらくして何故か画面を閉じて携帯をさしだした。
その表情は少し、いたずらっぽく、ニヤついている。
……なんなんだ、キモイぞ。
私はおそるおそる携帯を開いて、目を見開いた。
−−−−−−−−−−−−−−
先輩、みてくださ〜ぃ!
これがぁたしのありのままの
姿でぇ〜す(///▼///)キャッ/
(添付写真)
−−−−−−−−−−−−−−
ついている写真は、この前みんなでプールにいったとき、調子にのって撮ってもらった写真だった。
一応ビキニをきて、ポーズを決めている私が写っている。
「ふざけんな里子! この、猿女!」
「あぁ!? うちはお前のためとおもってやったのに、なんだその態度、大体てめぇが……」
「つべこべいうんぢゃねぇえ!!」
私は、多分すごい形相になりながら、枕を里子めがけて投げた。
見事里子の顔にヒットし、すごい勢いで倒れこむ。
だが里子、負けてはいられず、すぐ私に枕を投げてきた。
みごと命中、めっちゃいた〜い!
「凛子、こんなんでいい?」
私と里子が子供みたいにじゃれあっていると、突然桜が私の携帯を持って、入ってきた。
私は、桜から携帯をひったくり、画面を見つめた。
−−−−−−−−−−−−−−
夜分おそくにすいませんm(_ _)m
今、友達と旅行にきてて
皆にお土産を買おうと思うんですが
先輩ゎ、どんなのがいいとか
ぁりますかね?
−−−−−−−−−−−−−−
「……おお」
あまりの丁寧な文章に、私は声を上げた。
すると桜はドヤ顔で語り始めた。
「あんまり怪しまれないように、かつ、質問系で! これならきっと返事くるはずー!」
「……でも、そのあとなんてかえせば?」
私は、神にすがるように桜を見た。
「じゃあ、まぁ、買ったあとに『買いましたよ、楽しみにしててください』的なこと送ったらいーんだよ」
「ちょっと時間あけたほーが、いいってこと?」
「そゆこと!」
桜はまたもドヤ顔で、自信満々に答えた。
何故か桜、こういうことに関しては結構詳しい。
「ありがとー! このまま送ってみる!」
「うん、がんば!」
私は、桜に背中を叩かれると同時に、送信ボタンを押した。
……私の想い届け、とか呟きながら。
- Re: +Rainbow Light Music+ ( No.69 )
- 日時: 2011/10/26 21:08
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
第三十一話『虹色旅行記5』
返信がきたのは、朝の十時ごろであった。
私は、着信音が鳴り響くと共に、携帯を開いた。
里子と桜も寄ってきて、画面に釘付けになる。
−−−−−−−−−−−−−−−
今、朝練終わった(^-^;)
そうだな〜
ストラップが壊れちゃって
つけるものがないから
それがいいかな?
なかったら、なんでもいいよ!
−−−−−−−−−−−−−−−
「よし、凛子! ストラップだよ」
「了解!」
私は真剣な眼差しになった。
好きな先輩へあげる、はじめてのお土産。
はじめての、プレゼント。
なんて心踊る響きなんだろう。
私達は、北海道を満喫した。
叔父さんが経営している牧場にいかせてもらったり、おいしい料理を食べたり。
もちろん街に出かけて、色んな店をみてまわったりもした。
北海道といえ、夏は夏だから海にもいったりした。
青春の一ページ、純也がいってたときは変な言葉とおもったけど、今は本当にこの言葉が似合うと思う。
そして、ついに地元は帰る日、私達は車で空港にやってきた。
私は慌ててお土産コーナーをみにいった。
「これよくない?」
「いや、こっちのほうがいーよ」
「これは?」
純也と健までもが一緒に探してくれた。
っていっても、目的は自分達が渡すお土産を買うことなんだけど。
試行錯誤悩み、私はついに決めた。
「ありがとうございましたー!」
店員の声を聞きながら、私は紙袋を見つめた。
このなかには、ご当地キャラクターのストラップがはいってる。
私は、携帯を開くと、先輩にメールをした。
「皆、そろそろ飛行機の時間だよ」
「えっ!? もう?」
健二さんの忠告に、桜が大きな声をあげた。
しかし、桜はすぐにシュンとした表情になった。
「……今度は健ちゃんがきてよ、あっ、お正月に皆いっぱい集まるからさぁ」
「ああ、是非ともそうさしてもらうよ」
「健二、元気でな」
叔父さんも、健二さんの肩を抱きながらそういった。
叔父さんの実家は、私達の住んでる近くなので、一緒にかえることになっているのだ。
「大丈夫だ親父、子供じゃあるまいし」
「とはいっても心配でな……」
「北海道なんてすぐそこだよ、1時間やそこらで着く着く」
健二さんは、父親を安心させたいのか、そういっていた。
里子もさっきから、ずっと元気が無い。
「……健二さん、絶対またきますんで!」
「うん、まってるよ」
健二さんはそういって笑うと、時計に目を移した。
「ほら、もう時間が迫ってくるから」
「……ばいばい! 健ちゃん」
「ありがとうございました!!」
「またな! 健二」
私達は思い思いの言葉を叫ぶと、手を振って、飛行機へとむかった。
……私を含め、みんなが何度も振り返った。
永遠の別れではないはずなのに。
飛行機に乗ると、機内は意外とシーンとなっていた。
時折聴こえる話し声や、子供の声がこだまするだけだ。
私は、ちらりと隣を見た。
叔父さんは、不安げな目をして一点を見つめていた。
多分、息子のことがきっと心配なんだろう。
……でも、すごいなぁ。
十九歳にもならない人が、遠い地で一人暮らしなんて。
たとえお手伝いさんがいたとしても……。
私は、将来どうなるんだろう。
一人暮らしとかしてんのかな?
まさか、ずっと独りってことはないよね?
そうおもいつつも、私はヘッドホンをつけると、深く目を閉じた。
聞こえて来るクラシックミュージックと共に飛行機は、次第に上昇していった。
- Re: +Rainbow Light Music+ ( No.70 )
- 日時: 2011/10/27 23:00
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
第三十二話『会いに行く』
飛行機から降り、空港をあとにした私達は電車に乗った。
駅につくと、私はすぐ様携帯に電源を入れる。
そして、メールがきてることを確認した。
−−−−−−−−−−−−−−−
ありがとう!!
最近、練習で忙しいし
大会とかもあるから
会えるときに言うから!
−−−−−−−−−−−−−−−
大会かぁ、そうだよなぁ、先輩陸上がんばってるからなぁ。
あえる日はいつになるかわからないが、その日がとても楽しみだ。
飛行機で爆睡してたのか、未だに寝起きの顔の里子や健は一言も喋ろうとしなかった。
桜や純也も、帰ってきてホッとしたのか、ぐったりしていた。
叔父さんは電車で、途中で違う駅で降りて帰ったし……。
私は、そのまままっすぐ、家に帰ってきた。
**
それから数日経ったと思う。
私は、いつものようにダラダラしながら、テレビを見ていた。
突然だった、携帯が鳴ったのは。
どうせ里子とか桜だろう。
そうおもっていただけに、先輩の着信と気付いたのは心臓がとっび出るほど驚いた。
……個別に着信音わけておこう、今度から。
−−−−−−−−−−−−−−
今からならいけるよ
−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−
ありがとうござぃます!
前会った、公園で
OKですか??
−−−−−−−−−−−−−−
私は気付いたら返信を打っていた。
私の胸は、非常に高鳴っている。
……やばい!!
引き出しの中から、買ったお土産をだすと、鞄の中にいれた。
急いで身だしなみを整え、だる着から、よそ行きの服に着替えると、家を飛び出した。
今、貴方に会いに行く。
そんな夏の日。
今なら、全て伝えれる気がするの。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
この掲示板は過去ログ化されています。