コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- _ほしふるまち 【短編集】
- 日時: 2015/08/30 21:19
- 名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: HTruCSoB)
( 空には、こんなに星があるのに )
こんにちは、村雨と申します(^ω^)
最近無性に文章を書きたくなって、スレを立てましたv
多分恋愛ものが多くなると思います(
コメントやアドバイスはいつでも大歓迎です∀
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- Re: _ほしふるまち 【短編集】 ( No.32 )
- 日時: 2014/09/11 19:14
- 名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: NuyUCoME)
2/2
足早に歩いてマンションの玄関に戻ると、話し声が聞こえてきた。羽野さんはどうやら電話中らしい。真面目な仕事の電話だったらいけないと思い、静かにミュールを脱いで部屋に上がる。
────仕事? いや、違う。真面目とは程遠い、凄く楽しそうな彼の声。嫌な予感がした。
「…………そういや最近全然会ってなかったからなー。また飲みにでも行こうか。……え、何? 今から? 駄目だよマユミ、今日はさすがに。仕事が忙しいから……」
あたしは電話の間、廊下で固まっていた。「マユミ」さんは羽野さんと、一体どこまでの関係なのだろう。
────羽野さんが女好きだってことくらい、とっくに知っている。
モデル業をしていたときも、彼が他のモデルを口説いているという噂は何度か耳にしていた。それでもあたしは、羽野さんが誰にでも優しいからそういう風に言われるだけだと信じていた。だけど、今みたいな会話を聞いてしまうと、ひょっとしてあたしは複数の中の一人に過ぎないのかも、なんて思ってしまう。
「……うん。はいはい……、じゃあまた」
羽野さんが電話を切った。
このまま廊下で突っ立っているわけにもいかないので、震える胸を抑えてリビングに入った。羽野さんがあたしに気付いて、少し驚いた表情をする。
「帰って、きてたんだ」
「……うん」
「聞いてた? さっきの電話」
あたしは頷く。
「マユミさんって、誰」
自分で自分の語気が強くなるのが分かった。
「……高校のときの同級生。この前同窓会で久しぶりに会って、連絡先交換しただけだって。……ただの友達」
「本当に?」
「本当だよ」
出来れば信じたかった。でも多分、嘘だ。あたし以外にも、今すぐ羽野さんに会いたいって言う女の人は沢山いるのかもしれない。マユミさんだって、さっきの雑誌に載っていたゆるいパーマのモデルだって、そうかもしれない。
あたしはレジ袋からコーラを取り出して、ぶっきらぼうに手渡した。
「……ああ、さんきゅ」
羽野さんがペットボトルの口を緩める。炭酸が弾けて爽やかな音がする。彼はそれをおもむろに一口飲んでから、言った。
「飲む?」
──────その表情に、めまいがした。それって間接キスじゃん。自然と顔が紅潮する。彼のこういうところにあたしは惚れているのだと思った。
「……飲む」
甘い炭酸が口の中に広がる。ペットボトルの飲み口は少し生温かい感触がした。
「怒ってる?」
羽野さんは駄々っ子に話しかけるような口調で言う。
「別に怒ってないっ」
(────あたしだけ、見ていてよ)
(そんなの無理だって、分かってはいるけれど)
-----
大人っぽい話を書くつもりだったのですが……なんだかあれれ? な感じに(
羽野さんは本当にどうしようもない奴ですね;
次は純粋に格好良い男の子を書こうと思います(^ω^`)
- Re: _ほしふるまち 【短編集】 ( No.33 )
- 日時: 2014/09/13 16:35
- 名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: NuyUCoME)
【 あいつは××のことが好き。 】
1/3 市川side
「あ、市川」
「げ、伊野じゃん」
「げ、って何よ。げ、って!」
「何だよついてくんなよ」
「家が隣なんだから仕方ないでしょーが!」
部活が終わり制服に着替えて校門を出るところで、偶然幼馴染に会った。彼女────伊野七瀬は、長いポニーテールを揺らしながら少し離れて俺の隣を歩く。
*
男女の幼馴染というのは、本当に面倒臭い。
小学校高学年にもなると、二人で話しているだけでからかいの標的になった。「ところで伊野と付き合ってんの?」が友人からの挨拶代わりになり、お互いに下の名前では呼びづらくなった。俺としては若干の違和感は残っているが、中学二年となった現在は苗字で呼び合う形に落ち着いている。
「ていうかさっきの授業、完全爆睡だったでしょ」
「うるせえな」
「よくあんな前の席で寝れるよねー」
「……大宮の声は眠気を誘うんだよっ」
「まあそれは分からなくもないけど」
そう言って七瀬は笑った。頬に愛嬌のあるえくぼが出来る。
俺はそれを見て、何だか胸が詰まるような思いがした。
────最近の俺は、何だかおかしい。
二年になったくらいからだろうか。七瀬と少し話したりすれ違ったり、遠くから見たりするだけで変な気持ちになった。何と言うか、心の奥がもやもやする感じ。
確かに彼女はクラスの他の女子と違って気兼ねなく話せるし、一緒にいて楽しい奴だと思っている。でも今はただそれだけじゃない気がするんだ。
*
「よう、市川」
「お、はよー」
次の日、朝練が終わって教室に向かうと、友人の伸也に声を掛けられた。
「そういや、今気になってる子とかいないのかよ」
「またそれか」
前のめりになって訊いてくる伸也を軽くあしらう。こいつは本当にこの手の話が好きだな、とつくづく思いながら自分の席に鞄と部活の道具を置いた。
「……あ。そっかー、市川には既に伊野という彼女が、」
「だっ、だからそれは違うっつーの!」
思わず声が大きくなってしまう。
やばい。本当に変だ、俺。前まではこんな風に言われても、ただ面倒臭いとしか思わなかったのに。近頃伊野七瀬という単語に、やけに敏感になっている。だけどこの気持ちを伸也やクラスの奴らや七瀬に気付かれるのは何としてでも避けたかった。だってからかいのネタになるのがオチだし、それにそんなの、照れるだろ。
「……俺のことより……そっちはどうなんだよ」
「へ、俺?」
「いつも人のことばっか訊いてくるくせに」
そう言うと、伸也は腕組みをして首を捻った。どうやら、とりあえず話題を逸らすことには成功したようだ。
「んー、そうだな…………矢崎、とか?」
さっきより、伸也の声が小さくなる。
「矢崎?」
教室を見渡すと、後ろの方の席で女子の集団の中にいる彼女を発見した。ああ、あの人か。
矢崎。矢崎真美。二年になって初めて同じクラスになった女子だ。まだ喋ったりしたことはない。俺が知っていることといえば、背が低くて、肌の色が白くて、ふわふわした雰囲気を纏っているということくらいだ。
「なるほど、ああいうのが好みだったとは」
「まあ、好みっていうかさあ……何か兎っぽくね?」
「そんな遠回しに言わずに、素直に可愛いって言っちゃえよ!」
「ちょ、市川! 声がでかいって」
そう言う伸也の耳はみるみる赤くなっていた。額にはうっすら汗が浮かんでいる。…………立場逆転。さて、これから根掘り葉掘り訊いてやることにするか。
*
昼休みが終わると掃除の時間だ。今週の掃除場所は音楽室前の廊下。面倒くせー。そう決まり文句のように呟きながら、用具入れからほうきを取る。不意に後ろに人の気配を感じたので振り返った。────あ、矢崎真美。そういや掃除場所一緒だったな……って、ほうき取るの待ってるのか。
「はい」
俺は矢崎に、何気なくほうきを一本手渡した。
「あ、ありがとう」
一瞬意外そうな顔をしてから彼女は微笑んだ。兎っぽい、か。なるほど、言われてみれば分からなくもない。
- Re: _ほしふるまち 【短編集】 ( No.34 )
- 日時: 2014/09/20 16:09
- 名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: NuyUCoME)
【 豆太と颯太 】1/2
「あれー!? 野澤じゃね? ひっさしぶりー! 元気にしてた?」
明るい茶髪に着崩した制服。彼は底抜けの明るさを感じさせる口調でそう言った。
「……………………あの、どちら様、ですか」
「あ! ひょっとして分かんねえかー。冴島だよ冴島颯太! 小中学校のとき同じだった──」
「!? まさか、豆太!?」
*
豆太というのはこのチャラ男、冴島颯太(さえじま そうた)の昔のあだ名である。
ずっとクラスの中でも背が低かったから、親しみを込めて皆から「豆太」と呼ばれていた。私もそう呼んでいた。私と豆太は同じクラスになることがよくあって、それなりに仲の良い男友達だった。可愛いというか、恋愛感情というか、少し気になっているときさえあったくらいだ。でも、高校が別々になってしまってからは一切音信普通になってしまっていた。
だけどまさか、こんな風になっているとは。
「座って良い?」
当時の面影を全くと言って良いほど残していない「元」豆太は、それほど混んでいない電車の中で、空いている私の隣の席を指差して言う。それにしても背が伸びたなあ。男の人の平均より少し大きいくらいかもしれない。
「ど、どうぞ」
喋り出しに舌を噛んでしまった。どうしようどうしよう。前と同じように話して良いのだろうか。
「どうもー」
彼はニコニコしながら座る。耳に掛かった長めの髪の間から、シルバーのピアスが見えた。一瞬、どきりとする。普段、私の周りにこんなものを付けている人なんてまずいないからだ。
*
扉が閉まり、電車が動き出した。
「野澤って何か雰囲気変わったよなー」
明るい髪色の豆太はしみじみと言う。いやいや、あんたの方が変わったから! と即座に心の中で突っ込みを入れたが、口には出さないでおいた。
「え、そ、そう?」
話していて落ち着かない。もはやこの人は私の知っている豆太じゃないと思った。
「なんつーかさー、真面目っぽくなった?」
「あー……、そうかも」
実際、そこそこ勉強の出来る人たちが集まる高校に進んだ私は、小中学校のときと比べて真面目な雰囲気の人たちと仲良くすることになり、二年生になってからは生徒会の書記をしたり、いわゆる優等生として学校生活を送っていた。
「俺とは正反対だわー」
これは、肯定してしまって大丈夫なのだろうか。でもかと言って否定も出来ない。とりあえず笑顔でやり過ごすことにする。
ていうか自分のこと、俺って言ってるんだ。前は僕、だったのに。
電車が次の駅に到着した。扉が開き、凄くスカート丈の短い女の子が乗り込んでくる。そしてすぐさま嬉しそうにこちらへ寄ってきた。
「あ、颯太! おっはよー!」
彼女は豆太と同じスクールバッグを持っていた。アイメイクのせいか、目がぱっちりとして見える。
「おはよー由加里ちゃん」
と豆太も笑顔で返す。
由加里ちゃんが、同じ車両に乗っていた派手な女の子たちの集団の元に行ってしまうと、私は豆太に訊いた。
「……もしや、彼女?」
「あはは、違う違う! ただのクラスメイト」
彼女でもない女の子と下の名前で呼び合ったりするのか、今の豆太は。
- Re: _ほしふるまち 【短編集】 ( No.35 )
- 日時: 2014/09/20 16:44
- 名前: 街角乙女 (ID: w0ErKUuN)
はじめまして、街角乙女といいます。
どの短編も素敵なのですが個人的には「恋路は近くにありて」がドストライクでした!!深山さん罪な男…大好きです(^q^)
更新がんばってください\(^o^)/!!!
- Re: _ほしふるまち 【短編集】 ( No.36 )
- 日時: 2014/09/20 20:36
- 名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: NuyUCoME)
>>35
こちらこそ初めましてーっ(^ω^)
ご訪問ありがとうございます∀
ドストライクとは……嬉しいです!
深山さんを気に入っていただけるとは何よりです+*
更新頑張りますbb
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