コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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友達同好会
日時: 2014/09/01 19:38
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

こんばんは。
まだまだ不慣れなところもございますが是非とも
ご覧ください。
感想、批判、リクエスト、お気に入り登録、
なんでも待ってます。

(この作品にはパロディやメタネタが多いです、
苦手な方はご注意を)

読者の皆様(ありがとうございます)

フレンチさん >>19

登場人物紹介 >>14 >>15

活動1 一義は友達がいない >>01 >>02 >>03

活動2 奇人たちの同好会  >>04 >>05 >>06 >>07

活動3 ウィークエンド・シャッフル >>08 >>09 >>10 >>11 >>12

活動4 ギャンブル狂時代 >>13 >>16 >>17 >>18

活動5 深海より愛をこめて >>21 >>22 >>23 >>24 >>25

活動6 ロゼ・マドモアゼル >>26 >>27 >>28 >>29 >>30

活動7 絶望のチョコレート工場 >>31 >>32 >>33
 >>34 >>35

活動8 狂演! 夜のヴィブラート >>36 >>37 >>38

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活動6 ロゼ・マドモアゼル ( No.29 )
日時: 2014/08/21 18:24
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

元治が本を開く。
「この本は様々な人形の歴史について
書かれているんだ、
ビスク・ドールや日本人形、
キューピーちゃんからバービードール、
果てはお前の好きなダッチ……」
「ダッチ・サべージ(当時人気だったプロレスラー)の
ことかなぁ?」
一義が顔を赤らめる。
「お前はカール・ゴッチ(ベルギー出身のプロレスラー)の
ほうが好きだって言ってたよな?」
元治が笑う。
「バカ、ディック・ザ・ブルーザー(プロレスラー)の
ニードロップこそが最高だろ」
元治と一義がプロレスの話題で盛り上がるなか、
陽子と小百合は本のページをめくる。

「この人じゃない?」
小百合がページを指差した。
そこには、カミーユ・フィリップスという
あの人形そっくりの女性の肖像画があった。
「本当だ、あの人形は自分がモデルだったのか……」
一義が説明を読む。
「彼女は生前、マルセルという貴族の男性に
恋をしていたが、身分違いがゆえにその恋は
叶わず、彼女は失意のうちに病死した、とさ」
一義が次のページをめくると、
そこには学長そっくりな貴族の肖像画があった。
「学長そっくりだ!」
陽子が大声を上げる。
「この男がマルセルらしいな、
きっとマルセルそっくりな学長に出会って
その魂がビスク・ドールに宿ったんだ」
一義が語った。

一方その頃、部室では家康が何かよからぬことを
たくらむ表情をしていた。
「あの人形随分かわいいじゃねぇか、
アレを持って帰ってオレのものにしてやろうかな」
「なにをニヤニヤしてるの、気持ち悪い」
絹恵が家康を蔑んだ目で睨む。
「てめぇにゃ関係ねぇんだよ、泥人形が!」
家康が部室を出て行った。
「何か怪しいんだよね、あの感じ」
絹恵がキャロルに話しかける。
「いつものことじゃない、どうせ最後は
痛い目にあうんだから放っとこうよ」
キャロルが答えた。
「そうだよね、どうせオチ要員だし」

翌日、学長はカミーユの車椅子を押して
廊下を歩いていた。
「ねぇ、喉が渇いたわ」
カミーユが学長に問いかける。
「そうかね、ここで待っていろ
フルーツ牛乳でいいよね」
学長がカミーユを置いて
購買に入る。
その隙を突いて、家康が車椅子から
カミーユをおぶった。
「いやぁ、助けて!」
カミーユは叫んだが、学長には聞こえていなかった。
かたや声は他の生徒にも聞こえていない。

購買から出てきた学長は誰もいない車椅子を見て
驚いた。
「カミーユ!」
「あれっ、どうしたんです?」
購買に訪れていた一義たち
同好会のメンバーが学長に尋ねる。
「カミーユがいない、連れ去られたんだ
あぁ、私がついていなかったばかりに……」
学長がうなだれる。
「そういえば今日、家康がいないな」
一義が呟く。
「あいつだ、あいつに違いない!」
おっさんが同意する。
「厄介ごとはあいつの専売特許だしね」
とは絹恵。

一同は大急ぎで、家康の家へ向かった。

活動6 ロゼ・マドモアゼル ( No.30 )
日時: 2014/08/22 16:51
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

一同は家康を見つけるため
大学の外に出たが、一つ問題が生まれた。
「あいつの家ってどこだっけ?」
一義が絹恵に尋ねる。
「どこだろう?
あいつの家なんて考えたこともなかった」
絹恵が答える。
「おい、どこに住んでる?
部長さんなら分かるよな?」
おっさんが元治に尋ねる。
「ごめん、分からない」
申し訳なさそうに答える。

すると、学長が走り出した。
「どこに行くんですか?」
小百合がそれを追う。
「こっちの方角だ、
カミーユが呼んでいるんだ」
学長が住宅街に向けて走り出した。
一同もそれを追いかける。

一方、家康は自宅アパートの押入れから
何かを探している。
家の床にはカミーユが寝かされている。
「私をどうするつもり?
エリックが許さないわよ」
カミーユが必死に叫ぶが、
当然家康には聞こえない。
「へへ、まずはこれからだ」
家康が押入れからスクール水着を取り出す。
「へへ、思いっきり楽しませてもうらうぜ」
家康がカミーユのドレスに手をかける。
「助けて……」
カミーユが呟いた。

次の瞬間、家康の部屋のドアがこじ開けられ
学長達が入ってきた。
「うわっ、なんなのよこの部屋
ゴミだらけじゃない!」
小百合が叫ぶ。
さらに、部屋の壁には「魔法使いエリー」という
女の子の好むであろうアニメのポスターが貼られている。
「こんなの見てるの?
ほんっとありえない、あんたおかしいよ」
絹恵がポスターを破る。
「てめぇ、この部屋で犬飼ってるだろ?
なんかにおうぞ」
おっさんが家康を睨む。
「飼ってねーよ!」
家康が反論する。
「ちょっと、これ私の水着だよ!」
キャロルが部屋に落ちていたスクール水着を拾う。
「やだ、なんか変なにおいする!
もう着れないよ!」
キャロルが水着を家康に投げつける。

家康は部屋の中央に縛り付けられていた。
おっさんが罪状を読み上げる。
「被告は学長の大切な人形を盗み、
その人形であんなことやこんなことを
しようとした挙句、汚部屋に住んでいたという
許しがたい行為をしていたという行為により、
ここに有罪判決を下す!」
陪審員の一義たちも納得だった。

次の瞬間、執行人による学長の手で
家康はアパートの外に放り投げられた。
「うわぁぁぁ」

学長はカミーユを抱きしめると、涙をこぼして謝った。
「すまなかった、私が目を離したばかりに……」
学長の涙がこぼれ落ち、カミーユのほほにかかった。
「エリック、もう私を離さないで!」
カミーユの体が突如動き出した。
「うわぁ、なんだ?」
一義が腰を抜かす。
「私はかつてあなたそっくりな男に恋をしていたの、
でもそれは叶うことはなかった。
でも、今こうして叶うことができたわ
ありがとう、エリック」
カミーユが学長にキスをする。
カミーユは人間になったのだ。

後日、学長はカミーユと結婚式を挙げた。
式にはなぜか一義たちも呼ばれていた。
式に退屈していた一義は、隣の席の
元治に問いかける。
「なぁ、こないだのあの人形の歴史の本
貸してくれない?」
元治は答えた。
「ダッチ・サべージのことなら載ってないぞ」
「いや、そっちのダッチじゃなくて……」
「どのダッチだ?」
一義は顔を赤らめた。
「ごめん、やっぱいらない」

活動7 絶望のチョコレート工場 ( No.31 )
日時: 2014/08/23 02:10
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

その日も一義は、大学の学食で
元治と昼食を嗜んでいた。
一義はいつものようにナルトとチャーシュー、
メンマとほうれん草のトッピングされた
安いラーメンを食べていて、
その横で元治はお抱えの三ツ星シェフが作ってくれた
ローストビーフのサンドイッチを頬張る。
オニオンと卵も入っている分厚いサンドイッチを
食べ終えると、元治はバスケットから
ゼリービーンズの袋を取り出した。
「おい、お前そんなの食うのか?」
一義が元治に尋ねる。
「あぁ、初めて食べるよ」
元治が驚くのも無理はなかった。

元治のデザートといえばいつも
ザッハトルテ(オーストリアのチョコレートケーキ)や
マカロン(1969年当時は珍しかった)などの
高級なお菓子だった。
しかし、今日彼が持っているそのゼリービーンズは
ペンスキー製菓という最近日本に輸入された
お菓子メーカーのもので、一袋50円ほどの
安いお菓子だった。

「なんだよお前、病院の経営がうまくいってないのか?」
一義が心配げに元治に尋ねる。
「いいや、全く」
元治が受け流した。

放課後、一義が同好会の部活に顔を出すと
キャロルが板チョコを頬張りながら
一義を出迎えた。
「それって、ペンスキーのチョコだよな?」
「うん、安くて美味しいよね」
キャロルが笑顔を見せる。
「一義君、こんにちは」
ふと机を見ると、机の上にはペンスキー製菓の
マシュマロやチョコレート、クッキーやガムが
山積みになっており、絹恵が一心不乱に食べている。
「これ、全部一人で食べてるのか?」
「うん、これまでにマシュマロ10袋
チョコレート30枚
クッキー30袋は食べてる」
絹恵は苦しそうなそぶりも見せずに
お菓子をむさぼっていた。

奥のほうでは、家康がクッキーの袋を開けては
中身も食べずに床に捨てている。
すると、部室におっさんが入ってきた。
手にはペンスキー製菓のポップコーンの
袋が握られていた。
「おっさんまでペンスキーのお菓子が……」

「今日こそお前らの悪事、最終回にしてやる!」
陽子が部室に乱入する。
そしてその手にはペンスキー製菓の
グミの袋があった。
「うわぁ!」
一義が腰を抜かす。
「なんなんだよ今日はみんな
ペンスキーのお菓子なんか食べやがって、
プロパガンダで洗脳でもされたか?」
一義の顔が青ざめる。

すると、部室に小百合が入ってきた。
「みんな、やったよ!」
小百合が一枚の紙切れを持って
部室に入ってきた。
「それがどうしたんだ?」
一義が小百合に尋ねる。
「バーカ、これはすごいんだからね
知らないの?」
そう言うと、小百合がその紙切れを
一義に突き出した。
「ペンスキー製菓の工場へようこそ」
紙切れにはそう書かれていた。

活動7 絶望のチョコレート工場 ( No.32 )
日時: 2014/08/25 00:50
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

「すごいじゃん、あの謎の多い
ペンスキー製菓の工場見学なんて
めったにできないぞ」
元治が興奮して小百合に話す。
「そんなにすごいのか?
そこの工場って」
一義は目を点にしている。
「そりゃすごいよ、これ見てよ」
キャロルが部室に置かれていた
週刊誌を見せる。

「いまや世界シェア一位を誇るアメリカは
シカゴに本社を構える
製菓メーカー、ペンスキー社は社内が完全非公開で
有名な企業である
そのペンスキー社が異例の工場見学の権利が当たる
チケットを製品に同封した
そのチケットを手にしたものは
関東地方に新設された工場を
見学できるものである
さらにそのチケットのすごいところは
当選者の友人や家族など様々な人間を
招待できるという」
一義が記事を読み上げる。
「すごいでしょ、あんたは誘わないけど」
小百合が一義にいたずらに笑う。
「ふざけんな、オレだって行きたいよ」
一義が顔を真っ赤にする。

翌日、一義たち同好会の一同は
電車を乗り継いで工場へと到着した。
「うわっ、すごく大きい」
絹恵が工場の大きさに驚嘆する。
「フェンウェイ・パーク(アメリカにある
野球場)三個分はあるな」
おっさんが工場を見渡す。
「いや、それって分かりにくいから
普通東京ドーム何個分とかだろ
てか東京ドームって何だよ?」
一義がおっさんにツッコむ。
(東京ドームが完成したのは1988年)

入り口へと歩いていると、一義たちは米兵のような
屈強な警備員にアサルトライフルを突きつけられた。
「今から工場長が参られます、
ここでお待ちを」
すると突然、軽快な音楽とともに
神輿を担いだ男たちが出てきた。
「ようこそ皆様、ペンスキー製菓関東工場へ」
神輿の上に乗った女が叫ぶ。

ピンク色の髪の毛に食品工場で
着られている白い作業着を着た
おそらく20代と思しきその女は
キセルをくわえて登場した。
それよりも異様なのは、その神輿を担いでいる男だった。
全員がブリーフ姿にボールギャグ(猿ぐつわの一種)を
かまされていて、満足に声も出せそうになかった。

「本日はようこそ、私が工場長にしてペンスキー製菓
社長のバートリ・ペンスキーです」
バートリ(CV:豊口めぐみさん)と名乗る女が
小百合と挨拶した。
「この人たちはどうしたんです?」
キャロルがバートリの横に立つブリーフの
男のことを尋ねる。
「彼は我が社の社員達です、
彼らは非常に優秀な社員達ですよ」
バートリが笑う。
「おい、ここ完全にやばいよな
社員の人の目が死んでるぞ」
一義が心の中で焦りを見せる。

活動7 絶望のチョコレート工場 ( No.33 )
日時: 2014/08/27 01:43
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

「それでは、ペンスキー製菓の関東工場を
ご案内したいと思いまーす!」
やけに張り切った笑顔でバートリが
一同を工場に案内する。

工場に入るとすぐに一義の目に入ったのは
この工場の社訓だったが、
その社訓が異様なものだった。
・お金じゃないよやりがいだよ
・ロボットに負けるな
・バートリ工場長こそが正義
「あの、この壁にあるのって……」
小百合がバートリに尋ねる。
「あぁ、我が社の社員はこれを
一日千回は唱和しますよ」
バートリが笑う。
一義たちの顔が引きつる。

工場のレーンに入れてもらうと、
様々な人が働いていた。
お菓子を袋詰めする人、
ダンボールを出荷する人、
機会の操作をする人、
様々な人が忙しなく働いており、
どの人も目に輝きはなく、
何かに怯えているようだった。

すると、材料の砂糖を抱えていた人が
転んで、砂糖を撒き散らしてしまった。
「あーぁ、何やってんの?」
その人の横にバートリが立ちはだかる。
その目には殺気すら漂っていた。
「ゆ、許してください」
作業員が土下座をするが、
バートリは笑顔で答えた。
「だめ」

次の途端、バートリが土下座する作業員の
頭を踏みつけた。
「アハハハハハ、
この班の皆様のお仕置きが決まりました!」
バートリが悪魔のような笑いをしながら
作業員達に言い放つ。
「今日は休憩無しであと20時間残業!
ついでに全員給料なし!」
作業員達がショックのあまりへたり込む。
「おい、そりゃあんまりじゃねぇか?」
おっさんがバートリに詰め寄る。
その手にはペンスキー製菓の
チョコレートが握られていた。
「ちょっとあんた、商品をタダで食べるのは
やめてよ!」
バートリが激怒する。
「あんた、今度同じ事したら
ここで一生働いてもらうからね?」
バートリがおっさんの胸ぐらを掴んで警告する。
「わかったよ、もうしない」
おっさんがゆっくりとチョコレートを床に落とす。
一義がバートリに怯えている。
「おっさんの胸ぐらを掴むやつなんてはじめて見た……
オレですら掴めないのに……」
「お前が掴む必要はねぇだろ」
元治が呟く。

その後も、工場内はどこかのチョコレート工場のような
楽しそうな施設もなかった。
「小人がいるわけでもないんだな」
家康がつまらなそうに呟く。
特にここの食堂は酷いありさまで、売れ残りのお菓子を
食べさせられていた。

「というわけで、今回はお疲れ様でした
就職もお待ちしております」
見学を終えて、バートリが手を振って
一義たちを見送った。
「やっぱりあれは酷いよね?」
キャロルが小百合に尋ねた。
「うん、黙って見ているわけにはいかないよ」
小百合も複雑そうな表情を見せる。


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