コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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友達同好会
日時: 2014/09/01 19:38
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

こんばんは。
まだまだ不慣れなところもございますが是非とも
ご覧ください。
感想、批判、リクエスト、お気に入り登録、
なんでも待ってます。

(この作品にはパロディやメタネタが多いです、
苦手な方はご注意を)

読者の皆様(ありがとうございます)

フレンチさん >>19

登場人物紹介 >>14 >>15

活動1 一義は友達がいない >>01 >>02 >>03

活動2 奇人たちの同好会  >>04 >>05 >>06 >>07

活動3 ウィークエンド・シャッフル >>08 >>09 >>10 >>11 >>12

活動4 ギャンブル狂時代 >>13 >>16 >>17 >>18

活動5 深海より愛をこめて >>21 >>22 >>23 >>24 >>25

活動6 ロゼ・マドモアゼル >>26 >>27 >>28 >>29 >>30

活動7 絶望のチョコレート工場 >>31 >>32 >>33
 >>34 >>35

活動8 狂演! 夜のヴィブラート >>36 >>37 >>38

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活動1 一義は友達がいない ( No.1 )
日時: 2014/08/14 01:06
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

昭和44年(西暦1969年)、関東地方のとある海沿いの街に
「アミティエ総合大学」という巨大な大学があった。
工学部、美術部、医学部、服飾部、調理部、法学部の六つの部門を持つ
大きな大学だ。

「おい、起きろ」
ここは工学部の二年生の教室、工学部の担任の
若山新太郎、40歳(CV:藤原啓二さん)が教室の後ろで
机にうつ伏せで寝ていた学生の頭を教科書で叩いた。
「うぅ……」
学生がだるそうに目を覚ます。
学生の名前は赤塚一義、19歳(CV:神谷浩史さん)だった。
アミティエ総合大学工学部に所属する大学二年生である。
「どーせまた遅くまで起きてたんだろ?」
新太郎が一義に詰め寄る。
「また変なもん作ろうとしてたな?
どこでも行けるドアとか小さくなるライトとか」
「変なものってなんだよおっさん、オレは本気だぞ」
一義が反論する。

一義の将来の夢は発明家だった。
子供の頃から愛読している「SFマガジン」という
SF漫画やSF小説がたくさん掲載されている本に憧れ
タイムマシンを本気で作ろうとしているのだ。

「何が本気だよ、お前先週のテスト7点しか採れてなかっただろ」
「いいじゃんか、7は縁起がいいんだぞ」
「そりゃいいだろうよ、
叩き起こされたのも今月で7度目だからな」
「それは違う!」
一義が必死に新太郎を止める。
教室が笑いに包まれる。
一義はクラスの中でも落ちこぼれだったのだ。

放課後、大学内は同好会などに向かう学生たちがひしめき合っていた。
その群衆の中を一義は無言で歩き続けていた。
「君、日本の未来を憂いてはいないかね?」
ヘルメットを被った男からチラシを渡された。
「日本青軍団員募集」と書かれていた。
「そういうの興味ないんで」
一義はチラシを受け取らず足早に去ろうとした。
「えっ、憂いてないの?」
男が焦る。
「はい」
「ベトナム戦争のこととか、三億円事件のこととか
どうでもいいの?」
「はい」
「あっそ、なんかごめん」
男が頭を下げる。
一義が歩き去る。

数分後、大学近くの住宅街を赤い
フェラーリ・ディーノ(イタリアの
超高級スーパーカー)が走っていた。
「今日は学校どうだったんだ?」
ハンドルを握る式場元治(しきばもとはる)、19歳
(CV:内山昴輝さん)が助手席に座る一義に話しかける。
「別に…… 
何も変わったことはねぇよ」
一義が少しふてくされて答える。
「ハハハ、またおっさんに怒られたんだろ」
元治が笑う。

元治はアミティエ総合大学医学部二年生で、この街にある
大病院のボンボンだった。
毎日高級ブランドをまとい、海外の高級車を乗り回し、
女の子にもモテモテのまさに若大将だった。
そして、一義にとっての唯一の友達だった。

「でもお前が元気でいてくれるだけオレもうれしいよ」
元治が一義に笑う。
一義は、元治にとって唯一の親友とも言える男だった。
「よ、よせやい」
一義が顔を真っ赤にした。




活動1 一義は友達がいない ( No.2 )
日時: 2014/08/01 15:48
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

「ところでさ、お前は女の子の友達なんか
欲しいと思ったこと無いか?」
元治が急に一義に尋ねる。
「そ、そんなのいらねぇ」
一義が顔を真っ赤にする。
「うそをつくなよチェリー野郎め」
元治が笑った。
「からかうなよあばずれ野郎め」
一義が反論する。
「お前、あばずれって知ってるか?」
元治が唖然とする。

一義は元々気難しい性格で、いつもクラスメイトと対立していた。
それがゆえにいつも一人ぼっちだった。
それでも一義は本当は友人が欲しくて
イマジナリーフレンド(架空の友達)を作っていた時期も
あったほどだった。
そして、高校時代にクラスメイトだった元治と出会い
元治からお友達申請されたのだ。

そして元治は女の子にはモテるが男からは嫌われており、
いつも嫌がらせをされていたのだ。
主な嫌がらせには
・体操着の袖を結ばれる
・辞書の卑猥な言葉に線を引かれる
・学ランにどじょうを入れられる
等々。
それをやめさせるためには男の友達を作ればいいと
考えた元治は、一義にアプローチしたのだ。

「じゃあお前にとっておきの同好会を紹介してやろう
オレが部長を務める友達同好会だ」
元治が一義に提案した。
「友達同好会?
変な同好会だな、何をするんだ」
「人類の精神に則り、同じ学校に通う仲間の善き隣人となり
友誼を深めるべく、誠心誠意、臨機応変に切磋琢磨するんだ」
元治が長ったらしく講釈をたれる。
「なんだそれ、オレはそんな堅苦しい同好会やらないぞ」
「冗談だよ、要は友達を作る部活さ」
「じゃあそう言えよ」

そんな会話をしているうちに、フェラーリは
一義のアパート前に着いた。
「じゃあ入部待ってるからな」
車から降りる一義に元治は語りかける。
「まだ入部するか決めてねぇよ」
一義が車から降りる。

翌日、一義は授業に集中できずにいた。
「やっぱオレ同好会に入ろうかな……」
「おい、何をぶつぶつささやいてるんだ?」
一義の後ろから酒臭い息が漂う。
「わっ、おっさん」
臭いの正体は担任の新太郎、通称おっさんだった。
「授業中に酒飲むのやめろよ」
「酒じゃねぇ、アルコールだ」
「一緒だろ!」
一義がおっさんから離れる。
「悩みがあるんなら聞くぞ、どうせアレだろ
卑猥な悩みでもしてんだろ?
相談するなら放送コードギリギリにしとけよ」
「いや違うよ、実は同好会に誘われていてさ……」
「同好会だぁ?」
「友達から誘われてて……」
一義が恥ずかしげに告白する。
「じゃあ入ればいいじゃねーか」
おっさんが一義の肩をたたく。
「分かったよ、入ろうかな……」
一義が頷いた。
「偉い、それでこそ男だ
で、どの同好会だ?」
「友達同好会」
おっさんがずっこける。
「お前、本気で言ってるのか?
それはからあげにレモンぐらいありえねぇぞ
まぁ止めないけどよ……」
おっさんが呆れる。

活動1 一義は友達がいない ( No.3 )
日時: 2014/08/01 21:59
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

昼休み、一義は購買でサンドイッチとオロナミンcを
買って、大学の外の広場に行くために廊下を歩いていた。
「友達同好会って評判悪いのかな?」
そんなことを考えていると、廊下の曲がり角で
誰かとぶつかった。
「いてて……
入れ替わってないよね?
もう、気をつけてよね」
一義とぶつかったのは女の子だった。
「ふざけんなよ、廊下は走るなって
言われてただろ!」
「うるさい! あんたがボサッとしてたのが悪いのよ」
一義が女の子と口論になる。
「あーっ、服にケチャップがついちゃったじゃない」
女の子(CV:戸松遥さん)が叫ぶ。
「もう最悪、あんたなんて死んじゃえ!」
女の子が走り去った。
「あっ……」
一義は唖然としてそこに座っていた。

その日の帰り道、一義は元治の運転するロータス・ヨーロッパ
(イギリスの高級スポーツカー)の
助手席に座っていた。
「なぁ、お前の言ってた友達同好会
オレ入ることにしたよ」
「あっそ、歓迎するよ」
元治はそっけない反応を見せる。
「部室は北校舎の三階、図書館の隣の教室だから
活動時間は好きなときに、来たくないときは来なくてよし、
部費は基本タダ、とにかく楽しむこと、
みんな仲良く、これが友達同好会のルールだ」
元治はすらすらと一義に語りかけた。
「分かった、よろしくな部長さん」
一義が元治と握手を交わす。
「これでオレも新しい友達が出来るのか……」
一義はこれからの期待と不安の中で
少しだけ胸を熱くした。

一方、ここはアミティエ大学の学長室。
「友達同好会に新しい部員が入部するという
情報を入手いたしました!」
一人の金髪の女の子(CV:井上麻里奈さん)が
学長室に入室すると同時に敬礼をして
学長に報告をする。
「そうか、それはまた厄介なことになったな……」
この大学の学長であるフランス・オルレアン出身の
エリック・ギャバン学長、50歳(CV:大塚芳忠さん)が
シャーロック・ホームズのようなパイプタバコを咥えて
呟いた。
「どうにかして私が友達同好会を壊滅させて見せます」
女の子が声を強く宣言する。
「なんとしても頼むぞ、悪は根絶やしにせねばならん」
ギャバン学長が一万円札を手渡した。


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