コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 友達同好会
- 日時: 2014/09/01 19:38
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
こんばんは。
まだまだ不慣れなところもございますが是非とも
ご覧ください。
感想、批判、リクエスト、お気に入り登録、
なんでも待ってます。
(この作品にはパロディやメタネタが多いです、
苦手な方はご注意を)
読者の皆様(ありがとうございます)
フレンチさん >>19
登場人物紹介 >>14 >>15
活動1 一義は友達がいない >>01 >>02 >>03
活動2 奇人たちの同好会 >>04 >>05 >>06 >>07
活動3 ウィークエンド・シャッフル >>08 >>09 >>10 >>11 >>12
活動4 ギャンブル狂時代 >>13 >>16 >>17 >>18
活動5 深海より愛をこめて >>21 >>22 >>23 >>24 >>25
活動6 ロゼ・マドモアゼル >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
活動7 絶望のチョコレート工場 >>31 >>32 >>33
>>34 >>35
活動8 狂演! 夜のヴィブラート >>36 >>37 >>38
- 活動3 ウィークエンド・シャッフル ( No.9 )
- 日時: 2014/08/03 15:06
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
空港近くのホテルで記者会見を終えると、
チェルシーとダニエルは運転手つきの
キャデラック(アメリカの自動車メーカー)のリムジンに乗って
元治の自宅へと向かった。
「今回のコマーシャル撮影の後は
二日後にパリで映画の撮影、その次の日は
ニューヨークで雑誌の撮影、取材、トーク番組出演、
その次の日がベルリンで映画の部隊挨拶だ」
ダニエルがスケジュールを読み上げる。
「パパ、そんなハードスケジュールはこなせないよ
私だってたまには友達と遊びたい」
チェルシー(CV:坂本真綾さん)が嫌そうに呟く。
「なんてこと言ってるんだ、お前は死んだ母さん以上の
逸材なんだ、もっと頑張ってもらうぞ」
ダニエルが嗜める。
チェルシーの母、サンドラも有名な女優だった。
その娘として子供の頃から子役として活躍していた。
そして二年前、母が撮影中の事故で亡くなられてから
チェルシーの仕事も格段と増えたのだ。
リムジンが元治の実家の豪邸に入っていった。
地下の駐車場にリムジンが止まると、
元治がチェルシーを迎えた。
「こんばんは、お待ちしておりました」
パーティ会場はとても賑わっていた。
招待されたのは病院の重役達と、コマーシャル撮影のスタッフ、
そして元治の大学の数人のクラスメイト達だった。
「うわーっ、すごく美味いな」
一義はパーティ会場の食事にがっついていた。
分厚いローストビーフに上質な握り寿司、
キャビアの載ったクラッカーなどめったに食べられない
高級料理を一心不乱に食べる。
「ちょっとやだ、あんたも招待されてたの?」
声の主は小百合だった。
隣には絹江とキャロルもいた。
「あっ、キャロルも招待されたのか?」
「ううん、勝手に来たんだけど……
警備員の人は気づかなかったみたい」
すると、遠くの方から大きな声が聞こえる。
「ばっかやろー、もう酒が品切れだとぉ」
その聞き覚えのある声に、一義たちは青ざめた。
警備員の人に取り押さえられ、暴れていたのは
おっさんだった。
その隣にはギャバン学長もいたが、
必死に他人のフリをしながら、ワインを飲んでいた。
「随分と騒がしい客ですな」
他の参加者がおっさんを指差した。
「本当ですな、彼の職場の上司のツラを見て見たいものです」
学長が苦笑いをする。
「上司は私だよ……」
心の中でそう呟きながら。
さらにその隣でも、一人の男が警備員に取り押さえられていた。
「料理を持って帰ろうとはふてぇ奴だな」
一義たちの視線の先には、タッパーを手にした家康の姿があった。
「おまけに招待状も持っていないとは」
警備員が呆れていると、家康が一義たちの姿に気づいた。
「おい、お前らオレにも招待状来てたよな?」
家康が一義たちに叫んだ。
「どちら様でしょうか?」とは一義。
「あっ、初めまして」とは小百合。
「誰か知りませんがうるさいですね」と絹恵。
どうやら警備員には見えていないキャロル。
みんな、家康とは関わりたくなかったのだ。
すると、そこに元治が駆け寄ってきた。
「この男は招待状を持っていなかった挙句
料理を持ち帰ろうとしていました」
警備員が報告すると、家康が元治に叫んだ。
「お前招待状出したよな?」
すると元治は、
「こんなどこの馬の骨かも分からない奴は知らん、
さっさと追い出せ」
と言い放った。
「ふざけんな、友達同好会の一員だよなオレ達?」
そう叫びながら、家康は警備員に羽交い絞めにされ
会場を追い出された。
- 活動3 ウィークエンド・シャッフル ( No.10 )
- 日時: 2014/08/03 19:46
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
一義たちが食事にがっついていると、
パーティの司会を務める元治が
ステージに立ちアナウンスをした。
「それでは本日の主役、チェルシー・スチュワートさんの
登場です!」
場内が拍手に包まれ、白いドレスに身を包んだ
チェルシーが現れた。
「うわっ、やっぱりかわいいな」
一義が呟いた。
「肌綺麗だねー」
絹恵が小百合に話しかけた。
「スラッとしていて美しいスタイルだな、
いつか私も……」
陽子も見とれていた。
ステージで挨拶を終えた後、チェルシーは
ステージを降りてパーティに参加した。
「あっ、あの……」
シャンパンを飲んでいたチェルシーに
一義が歩み寄った。
「オレ、あなたのファンなんです
サインお願いします」
一義がスーツのポケットから赤点のテストを取り出した。
すると、後ろから思いっきり殴られた。
「てめー、それ昨日のテストじゃねーか
もっと勉強しなきゃダメだぞ」
声の主はおっさんだった。
「てかテストをサイン用紙にしようとかふざけてるよね、
ちゃんとした色紙持ってきなさいよ」
一義に怒りながら、小百合はレシートを取り出した。
「これの裏側にサインお願いします、チェルシーさん」
「いや、それも失礼だから」
一義がツッコむ。
「あの、いつもファッション雑誌で拝見させていただいております
やはり妖精のように美しいですね」
絹恵がキャロル、陽子と一緒にやってきた。
たちまち、チェルシーの周りが
同好会のメンバーで騒がしくなった。
「あはは、皆さんお友達ですか?
うらやましいなぁ」
少し寂しげにチェルシーが笑った。
「私はいつも学校にも行けないし、友達もいないから
凄くうらやましいです」
「そ、それじゃこの日本にいる間でも
私達と友達になりましょうよ」
絹恵がチェルシーに提案した。
「本当ですか、じゃあ今日からよろしくね」
チェルシーが小百合に抱きついた。
「よろしく」
小百合も笑顔を見せた。
その日の夜、招待客とチェルシーたちは
元治の計らいで元治の自宅に泊めてもらった。
客室のうちの一つでチェルシーはいつまでも
眠れずにいた。
「友達だもん、ちょっとくらいならいいよね」
「なんでオレがお前なんかと寝なきゃいけないんだよ!」
「そりゃこっちのセリフだ、仕方ねぇだろ
オレの部屋チェルシーさんに貸してるんだから」
小さなシングルベッドで一義と元治が争っていた。
元治はベッドをチェルシーに貸していたのだ。
「どこ触ってんだ、こんな薔薇もの(BLという意味、
1969年当時はそう呼ばれていた)
読者は喜ばねぇだろ!」
一義が叫んだ。
翌朝、元治の寝室に執事が入ってきた。
「大変でございます、坊ちゃま」
執事が布団をめくると、一義と元治が
抱き合って眠っていた。
「うわっ、離せ」
目を覚ました一義が元治から腕をよける。
「なんでオレと抱き合ってんだよ、
やっぱりそういう趣味か?」
元治も慌てる。
「で、大変ってどういう意味だ?」
元治が執事に尋ねる。
「チェルシー様が……」
一義たちがチェルシーの部屋を開けると、
そこには誰もいなかった。
しかし、ベッドの上にはこんな書き置きが残されていた。
「チェルシー・スチュワートは誘拐した」と。
- 活動3 ウィークエンド・シャッフル ( No.11 )
- 日時: 2014/08/04 18:18
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
「チェルシーがいなくなったとは本当ですか?」
ダニエルが顔面蒼白で部屋に入ってきた。
「まったく、面倒くさいことになっちまったな」
二日酔いで痛む頭を抱えながらおっさんも部屋に入る。
「なんてことだ、早く警察に連絡を」
一義が元治に声をかけると、ダニエルが
それを止めた。
「今警察を呼んだら仕事に影響が出るかもしれない、
我々でなんとかしよう」
スケジュール帳を見ながらダニエルは苛立ちを隠せない。
「今後の仕事に影響が出なきゃいいが……」
一義たちはダニエルを見つめていた。
一方、アミティエ大学近くのボウリング場では
小百合たちがボウリングで遊んでいた。
「やった! ストライクだ」
絹恵が小百合たちとハイタッチを交わす。
そしてそのグループの中に、
スカーフにサングラスで顔を隠している
チェルシーの姿もあった。
一方、ギャバン学長は愛車のサーブ・96(スウェーデンの
自動車メーカーサーブの製作していた中型セダン)を
走らせていた。
「それで、娘さんの行きそうな場所に心当たりは?」
学長が助手席のダニエルに話しかける。
「分かりません、ただ早く連れ戻さなくては……」
「大切な一人娘だからな、その気持ちは分かるぞ」
後部座席の陽子がダニエルの肩をたたく。
「君って子供いたっけ?」
学長が首をかしげる。
「いいえ、このまま見つからなければ仕事に影響が出ます
次はパリで仕事があるもんで」
ダニエルが答えた。
学長と陽子は少しその発言に違和感を感じた。
一方、一義たちも元治の運転する
BMW・3.0CS(ドイツの自動車メーカー
BMWが製作していたスポーツカー)で
チェルシーを探していた。
「そういえば、今朝から小百合ちゃんたちの姿が
見えないよな?」
元治が助手席の一義に尋ねた。
「たしかに……」
「きっとあいつらも一緒なんだろう」
後部座席のおっさんが答えた。
一方、小百合たちは行きつけの遊園地である
「ポンコツランド」のジェットコースターに乗っていた。
「きゃー、怖い!」
チェルシーが小百合に抱きついた。
「小百合、今日は楽しかったよ」
すっかり日も暮れて、チェルシーは
両手に風船やぬいぐるみを抱えて遊園地を出ようとしていた。
「私これまで仕事ばかりで遊園地なんて行ったこと無かったから
楽しかったよ」
「私も楽しかったよ」
小百合も笑顔を見せる。
「じゃあさ、最後に記念写真でも撮ろう」
絹恵がカバンからカメラを取り出した途端、
遠くから声が聞こえてきた。
「おーい、探したぞ」
声の主は一義だった。
- 活動3 ウィークエンド・シャッフル ( No.12 )
- 日時: 2014/08/05 11:48
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
一義がチェルシーに歩み寄った。
「随分探したよ、さぁ戻ろう」
手を差し出すと、チェルシーは手を払いのけた。
「私は戻らない、もっと小百合たちと遊びたい」
チェルシーは少し涙ぐんでいた。
「チェルシー……」
小百合が複雑そうに呟いた。
すると、遠くからダニエルと元治、
学長や陽子が走り寄ってきた。
どうやらおっさんが連絡を入れたらしい。
「探したぞ、さぁ早く戻るぞ」
ダニエルがチェルシーを無理やり連れて行こうとする。
「やめて!」
チェルシーが嫌がる。
「ちょっと、嫌がってるじゃない」
小百合が手を払いのけようとした。
すると突然、チェルシーは小百合の後ろに回りこむと
小百合の首元にナイフを突き出した。
「パパの言うことなんてもう聞かない、
私を自由にしなければ小百合を殺す」
チェルシーの目は本気だった。
「私はいつも孤独だった、仕事ばかりしていたせいで
友達と遊ぶことも出来なければいつも記者達に付け狙われていて
平和な日常も過ごせなかった
でも今こうして幸せを手に入れたの、
もう絶対離したくない!」
「それが友達に対する態度か?」
一義が呟く。
「自分の欲望の為なら友達に何をしてもいい、
そんな考え方がまかり通るとでも思っているのか?
そいつはオレの大切な友達同好会の一員なんだ」
「ちょっとぉ、私はあんたとは友達じゃないわよ」
小百合が一義に叫んだ。
一義はそれを聞き流しながら続ける。
「そんなバカなことをしなくたってオレはあんたを
友達として認めてやるよ、
だからもうやめてくれ!
頼む、友達だろ」
一義が懇願した。
「うぅ……」
チェルシーはナイフを地面に落とすと、
その場に泣き崩れた。
「大丈夫、小百合ちゃん?」
キャロルが小百合に尋ねる。
「うん……」
「さぁ帰るぞ、お前にはこれからも仕事がまだ残ってるんだ」
ダニエルが無理やりキャロルを立たせようとした
次の途端、おっさんがダニエルの顔面に張り手をした。
「娘の悲しみや苦しみにも気づかねぇで
目の前の金のことばかりが大切か?」
おっさんの声は小さくも力強く、
その口調からは怒りも感じられた。
「さぁ、チェルシーが今どんな気持ちかわかるだろ?」
おっさんが言い放つと、ダニエルは
チェルシーを抱きしめた。
「私が間違っていたよ、チェルシー……」
「パパ、私もごめんなさい……」
周囲が明るい拍手に包まれた。
一週間後、チェルシーは元治の病院のコマーシャルを撮影後、
帰国の途に着いた。
「おい、チェルシー・スチュワートが芸能界引退だってよ」
新聞を読んでいた元治が一義に話しかけた。
「普通の女の子になりたいんだとよ」
「そうだよね、これからチェルシーはたくさん友達を作っていくはず」
キャロルが微笑んだ。
「そう、チェルシーはこの同好会の部員だもん」
小百合は壁にかけられた
あの日のあの騒動の後に撮られた集合写真を
指差して笑った。
その写真の中央にはチェルシーが満面の笑みで
小百合たちと写真に納まっていた。
- 活動4 ギャンブル狂時代 ( No.13 )
- 日時: 2014/08/08 15:34
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
「おっかしーな、当たってないぞ」
新聞を睨みながら一義が苦虫を
噛み潰したような顔をする。
「どうしたの?
凄い真剣な表情してるね」
小百合が遠くで一義を指差している。
「こないだ買った宝くじの結果が出てるのさ、
ありゃ外れだろうけど」
元治が笑った。
「アハハ、宝くじなんて当たるわけないじゃん
そんなのに金を使うとかバカだよね」
小百合が笑う。
「なんだと?」
一義が小百合に歩み寄る。
「楽してお金を稼ごうとするその考え方が
不健全極まりないってこと」
小百合が反論する。
「いいじゃねぇか、夢を少しは追いかけたって」
一義が声を荒げる。
「男の夢はいつだってくだらないのよ、
油田当てるとか魔法使いになるとか
ハーレム生活したいとか世界征服したいとか」
「それは全部この作者の夢じゃねぇか!
俺の夢はな、世界一の発明家だ!」
「うっ、くだらない……」
小百合がドン引きする。
「ギャンブルの何が不健全だ?」
おっさんが少しイラつきながら部室に入ってきた。
「うわっ、バーボン臭い……
また飲んできたのか?」
元治がおっさんの顔を見て鼻をつまむ。
「いいかお嬢ちゃん、不健全ってのはなぁ
・茶髪、男の長髪、腰パン
・幼女の出ている漫画が好き
・サッカーのときだけバカ騒ぎする
・まだ永遠の17歳とか言ってる(実年齢は3x歳)
こういうのを言うんだよ」
おっさんが怒鳴り散らす。
「じゃあオレも不健全か!」
家康がおっさんに飛びついてきた。
たった今まで小学生の女の子が主役の漫画を
読んでいたからだ。
「お前は存在が不健全だ」
おっさんが家康に言い放つ。
「ちきしょー、そりゃあんまりだ」
家康が泣きながら部室を飛び出した。
自爆だった。
ギャンブルは健全か不健全か、
おっさん&一義と小百合の口論は続く。
遠くでそれを眺めていた絹恵とキャロル。
「ねぇ、キャロルはギャンブルは不健全だと思う?」
絹恵がキャロルに尋ねる。
「不健全とは思わないけど、つまらないとは思う
だって私、結果分かるもん」
「えっ!」
絹恵が驚く。
「ギャンブルの結果が分かる程度の能力は持ってるから……
死んだときにいろいろ能力が備わっちゃったんだ」
キャロルが笑う。
その日の夜、おっさんは愛車のいすゞ・ベレット(日本の
自動車メーカーのいすゞが生産していたセダン)を
飛ばしていた。
助手席には一人の男がいた。
「ハハハ、そんなことがあったのか?
まぁギャンブルは健全じゃあないよな」
男の正体は米村旭、35歳(CV:平田広明さん)
いつもは駅員として働く
おっさんの古くからのギャンブル仲間だった。
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