コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 友達同好会
- 日時: 2014/09/01 19:38
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
こんばんは。
まだまだ不慣れなところもございますが是非とも
ご覧ください。
感想、批判、リクエスト、お気に入り登録、
なんでも待ってます。
(この作品にはパロディやメタネタが多いです、
苦手な方はご注意を)
読者の皆様(ありがとうございます)
フレンチさん >>19
登場人物紹介 >>14 >>15
活動1 一義は友達がいない >>01 >>02 >>03
活動2 奇人たちの同好会 >>04 >>05 >>06 >>07
活動3 ウィークエンド・シャッフル >>08 >>09 >>10 >>11 >>12
活動4 ギャンブル狂時代 >>13 >>16 >>17 >>18
活動5 深海より愛をこめて >>21 >>22 >>23 >>24 >>25
活動6 ロゼ・マドモアゼル >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
活動7 絶望のチョコレート工場 >>31 >>32 >>33
>>34 >>35
活動8 狂演! 夜のヴィブラート >>36 >>37 >>38
- 活動2 奇人たちの同好会 ( No.4 )
- 日時: 2014/08/08 15:48
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
翌日、友達同好会への入部を決めた一義は
大学で授業を受けていた。
「なぁおっさん、友達同好会ってどんな感じなんだ?」
一義は教壇で競馬新聞に丸をつける
おっさんに尋ねた。
「いいところだと思うぞ、入らなければな」
「あっそ……」
一義が言葉に詰まる。
昼休み、一義は購買にいた。
「友達同好会の評判って悪いのかな?」
そんなことを考えながら、お菓子の棚に手を伸ばした。
「あぶねー、買い損ねるとこだった」
棚に一つしか並んでいないポッキーに手を伸ばした途端、
もう一人の手が触れた。
「ちょっとー、私に譲りなさいよー」
その聞き覚えのある声に一義はぞっとした。
昨日ぶつかったあの子だった。
「ダメだ、早い者勝ちだぞ」
「レディーファーストしなさいよ、それでも男なの?」
ポッキーを忘れて、二人が口論する。
その横で、他の生徒が最後のポッキーを
買っていってしまった。
そして放課後、一義は友達同好会の部室に向けて歩いていった。
北校舎の三階、図書室の隣の比較的大きな部室だ。
入り口には「悪の巣窟は去れ!」と殴り書きされた
張り紙が張られている。
「何だこれ?」
そう思いつつ、一義は部室に入る。
「よく来たな、歓迎するよ」
元治が紅茶を飲みながら出迎えた。
部室には、様々なものが置かれていた。
小型冷蔵庫から当時はまだ高級品だったカラーテレビ、
大型ステレオといった家電から
様々な本が並んだ本棚、おもちゃ箱など
いつまでも遊んでいられるようなものがたくさんあった。
「これ全部お前が買い揃えたのか?」
一義が元治に問いかける。
「そうだ、オレがポケットマネーで買ったんだ」
「なぁ、このツイスターゲームって何?」
一義がおもちゃ箱からツイスターゲーム(1969年当時
有名ではなかった)を引っ張り出した。
「それはお前とやってもつまらないゲームだよ
女の子とやらなきゃダメだ」
元治が答えた。
すると、部室のドアが開いて一人の華奢な女の子が入ってきた。
手にはアメリカンドッグが握られている。
「あっ、君が新しく入部してきた一義君?」
女の子が尋ねる。
「私は手塚絹恵、この大学の服飾部二年生をやってるよ」
手塚絹恵、19歳(CV:喜多村英梨さん)が一義と握手を交わす。
「部長さんごめんね、遅刻したのは
ちょっと学食行ってたんだ」
絹恵が元治に頭を下げる。
「カレーライス30杯食べてきたんだ」
絹恵が笑顔を見せた。
「ねぇ知ってる?
ここの部活には幽霊部員がいるんだよ、
一義君もそうならないように気をつけてね」
絹恵が一義に語りかける。
「大丈夫さ、出来るだけ部活には顔を出すさ」
そう言うと、一義は冷蔵庫からコーラを取り出した。
振り向くと、絹恵の隣に一人の女の子が座っていた。
「へぇ、外国人もいるのか」
そう思いながら、一義が彼女の横に座った。
- 活動2 奇人たちの同好会 ( No.5 )
- 日時: 2014/08/02 18:43
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
「はじめまして、赤塚一義君」
彼女は、一義の顔を見て微笑むと
一義より先に自己紹介をした。
「工業部の二年生にして成績はぶっちぎりの最下位、
趣味は発明と釣り、将来の夢は発明家、
好きな食べ物はラーメンとアイスクリーム、嫌いな食べ物は
にんじんとピーマンと玉ねぎとレバー、
好きな野球チームは読売ジャイアンツ、
平均睡眠時間は七時間、
中の人の主な代表作は……」
「待ってよ、初対面だよね
なんでそんなにオレのこと知ってるの?」
一義が少し青ざめる。
「あ、自己紹介がまだだったね
私は美術部二年生のキャロル・ボイド、
イングランドはニューキャッスル出身、
享年19歳だよ」
そう言って、キャロル(CV:花澤香菜さん)は
笑顔を見せた。
「えっ、享年って……」
一義が青ざめる。
「あぁキャロル、また来てたんだね」
「うん、こんにちは絹恵」
絹恵がキャロルと会話をする。
「びっくりしただろ、幽霊部員ってのは彼女のことさ」
元治が笑う。
「キャロルは三ヶ月前にここに入部したんだけど
その次の日に車に轢かれて死んじゃったんだ、
でも彼女の魂はここにあり続けているってわけ」
絹恵が解説を入れる。
「うん、私ここでたくさん友達を作りたかったんだけど
死んじゃったから……
まだ友達もいないのに先立つのは嫌だったんだ
迷惑かな?」
寂しそうな表情で一義に語りかける。
「何言ってんだよキャロルちゃん、来るもの拒まず、
みんな仲良く、それがここのモットーだぜ」
元治が笑顔を見せた。
「そうだよ、私達いつだってキャロルと一緒だよ」
絹恵が笑顔を見せる。
一義は少しためらいながらもキャロルに笑顔を見せた。
「分かったよ、よろしくなキャロル」
「ありがとうね、みんな」
キャロルが笑顔を見せた。
一同が暖かい笑いに包まれる。
「うるせぇんだよお前ら!
これだから三次元の連中はクズなんだ」
一人の男が一義たちを罵倒した。
「静かにしねぇか、虫けらども」
そう言うと、男は部屋の奥の学習机に座り
漫画を描き始めた。
部室内が気まずい雰囲気に包まれる。
「あいつは美術部二年生、19歳の
三島家康ってらしいんだ」
元治が説明する。
「ふふっ」
すると、絹恵が笑い出した。
「一義君、あいつには関わらない方がいいよ
なんか少女漫画ばっかり読んでるし
漫画のキャラクターにしか興味がないんだって、アハハハ」
元治も続く。
「しかもキャラクターを二次元とか呼んでるんだぜ、
どうかしてるよな、アハハハ」
キャロルが笑いながら擁護する。
「ちょっと二人とも、ダメだよ笑っちゃ
でも家康君なんかと同じクラスだったのは
最悪だったけどね、アハハハ」
元治たちが笑うなか、近くに家康(CV:杉田智和さん)が
怒り狂った表情で歩いてきた。
「てめーら、いい加減にしろよ……」
「待てよ、みんなだって悪気があったわけじゃなくて……」
一義がフォローを入れる。
しかし次の瞬間、一義は笑い出してしまった。
「でもやっぱり二次元とかありえないよ、アハハハ」
すると次の瞬間、一義は家康にぶん殴られた。
- 活動2 奇人たちの同好会 ( No.6 )
- 日時: 2014/08/02 20:24
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
「やっぱり三次元はバカばっかりだ
てめーら全員呪われちまえ!」
そう叫ぶと、家康は部室を出て行った。
「いてて、家康とか言う名前の癖に信長ばりに
暴虐な性格だな……」
一義が頬を押さえて立ち上がる。
「まぁああいう奴なんだよ、気にすんな」
元治が笑う。
「そうだよ、ちょっとかわいそうなんだよ」
キャロルが笑う。
一義が本棚を眺めていると、あることに気づいた。
パチンコや競馬、ボートレースやオートレース(ギャンブルの一種、
バイクレースの勝敗を予想する)などに関する本が
何冊かあったからだ。
「あれ、あいつってギャンブルやってたっけ?」
すると、部室のドアが開いた。
「ねぇ絹恵ちゃん、今日入ってくる新入部員ってもう来てる?」
「うん、そこにいるよ」
一義はその聞き覚えのある声に悪寒がした。
「あーっ、アンタ……」
一義の目線の先には昨日から二度もいがみ合っている
あの女の子がいた。
「アンタなんかが入れる同好会じゃないよ、出てって」
「小百合ちゃん、一義君のこと知ってるの?」
キャロルが焦りながら女の子に尋ねる。
「一応紹介しておくよ、彼女は小川小百合ちゃん
この大学の調理部二年生さ」
元治が一義に説明する。
小川小百合、19歳(CV:戸松遥さん)が一義の前に立つ。
「早く出て行ってよ」
「ふざけんな、お前が出て行けよ」
一義も反論する。
「ちょっと二人とも、仲良くしてよ」
元治が二人を止めようとする。
すると、またも部室のドアが開いた。
「今日こそはお前ら、成敗してくれるわ」
一人の女の子が部室に乱入して来た。
「あぁ、厄介なのがやって来た……」
絹恵が頭を抱える。
しかしみんなは、一義と小百合をなだめるのに必死だった。
「やいお前ら、私を無視するな!」
彼女が一義の前に歩み寄る。
「お前が新入部員か、なかなかいい目をしている
私は浅岡陽子、この学校の法学部二年生19歳、
将来の夢は国際弁護士だ」
浅岡陽子、19歳(CV:井上麻里奈さん)が
大声で叫ぶ。
「この学校の風紀を乱す悪の巣窟であるこの友人同好会を
潰すまで、この愛と正義の女陽子は戦い続ける!」
「なーにが風紀を乱す悪の巣窟よ、
あんたのあのバイク、毎日うるさいのよ
ああいうのが風紀を乱す悪ってヤツだと思う」
小百合が陽子に反論する。
「それにその服装も派手すぎ」
確かに、陽子の服装は金髪に
花柄のミニスカートと、かなり派手だった。
「あーうるさい、そんなのは関係ない」
陽子が顔を真っ赤にする。
「なぁ陽子ちゃん、本当はここに入りたいんだろ?
歓迎するよ」
元治が陽子に話しかける。
陽子の顔がさらに赤くなった。
- 活動2 奇人たちの同好会 ( No.7 )
- 日時: 2014/08/03 11:51
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
「そ、そんなはずないだろう
正義の味方はいつも孤独であって……」
必死に反論を繰り返す陽子だったが、
キャロルが少し哀れんだ声で話しかけた。
「強がる必要は無いよ、いつも一人ぼっちで
学食とか食べてるよね、一緒に
食べようよ」
陽子が少し涙ぐむ。
「そうだよ、いつも一人なんてかわいそうだもの
入部なら歓迎するよね、一義君?」
絹恵が一義に尋ねた。
「あぁ、歓迎するとも
今日からよろしくな」
一義が微笑む。
「仕方ないわねぇ、入部してもいいよ」
小百合も少し照れながら承諾した。
「うるさい!
入会する前提で話を進めるな、
私はもう愛と勇気だけが友達なんだ!」
陽子が叫ぶ。
「あれっ、もう二人も友達がいたのか?
愛ちゃんと裕貴くんって言うのか」
一義が間違った解釈をした。
「き、今日はこのくらいのところで見逃してやる
覚えていろ!」
そう言うと、陽子は部室を飛び出していってしまった。
「いつも強がっているね、少しかわいそう……」
キャロルが呟いた。
「まぁ、もう二人も友達がいるんだし
いいんじゃないの?」
小百合が笑った。
すると、部室のドアが開いた。
「うぃーっす、あれっ?」
ドアを開けたのはおっさんだった。
「なんだ、お前本当に同好会に入ったのか
バカな奴だな」
おっさんが一義を見て笑う。
「そういうおっさんは、何しに来たんだよ?」
「そりゃお前、オレはここの顧問だからな」
「ええっ!」
一義が驚く。
本棚にあったギャンブルの本は全ておっさんのものだったのだ。
「まぁ仲良くやろうや」
おっさんが一義と握手を交わす。
「あぁ、よろしく……」
一義は、苦手なおっさんと接する時間が増えると思うと
少し憂鬱になった。
一方、学長室では
逃げ帰ってきた陽子がギャバン学長に報告をしていた。
「それじゃ、今日も友達同好会は潰せなかったのか?」
ギャバン学長が残念そうに尋ねた。
「はい、申し訳ございません……」
陽子が必死に頭を下げる。
「まぁいい、今日の同好会の様子はどうだった?」
「今日は新入部員が入ってきました、
今日はまた一段と楽しそうでした」
ギャバン学長がずっこける。
「た、楽しそうだったのか?」
「はい、私も友達が欲しいなぁと思いました」
「そ、そうかい
今日もご苦労様」
ギャバン学長が千円札を差し出す。
「ありがとうございます」
陽子が笑顔を見せる。
「じゃあ明日こそ私は
同好会に潜入調査したいと思います!」
「それって、ただ入りたいだけじゃないのか?」
- 活動3 ウィークエンド・シャッフル ( No.8 )
- 日時: 2014/08/08 15:50
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
一義が友達同好会に入部してから一ヶ月が経った。
毎日顔を出しているうちに
部員のみんなとも仲良くなってきた。
ただし、小百合とはまだ仲はよくなかったが。
その日も、一義は部室に顔を出した。
すると、小百合と絹恵、キャロルの
女子三人組がファッション雑誌に夢中になっていた。
「本当かわいいよね、憧れちゃう」
絹恵がキャロルに語りかける。
手にはチョコバナナが握られている。
「うん、演技も上手だし歌も上手いよね」
キャロルが答える。
「一度でいいから会ってみたいね」
小百合も続いた。
「それって誰だ?」
一義がファッション雑誌を覗き込んだ。
「あんたには関係ないことよ、あっち行って」
小百合が一義を追い返そうとする。
「そんなこと言っちゃかわいそうだよ、
一義君だって彼女に憧れているんだし」
キャロルがなだめる。
「いや、憧れてはいないんだけど……」
一義は困惑しながら、キャロルに
ファッション雑誌を見せてもらった。
そこに写っていたのは、青い瞳に白い肌、
金髪のショートヘアのモデルだった。
「チェルシー・スチュワートだ!」
一義が興奮した口調で叫んだ。
「知ってるの?」
絹恵が尋ねる。
「あぁ、かわいいんだよな
ファンなんだよ」
一義が笑顔で答えた。
「なぁ、チェルシー・スチュワートって知ってるか?」
一義は部室のソファで英字新聞を読んでいた
元治に尋ねた。
「知ってる、彼女だろ」
そう言うと、元治は新聞を広げて
彼女がイメージキャラクターをしている
化粧品の広告を指差した。
「すごくかわいいよな、会ってみたい」
一義が呟くと、元治が笑顔で答えた。
「実は今日、オレの家に泊りに来るんだよ」
「うそだろ?」
一義が驚いた。
「実は今度実家の病院のコマーシャルの撮影に
彼女を使うんだ、それで今夜
パーティをするんだけど、来るか?」
「行きたい行きたい!」
小百合が大きな声で叫んだ。
「ねぇ連れてってよ、いいでしょ?」
絹恵も一義に声をかける。
「話は聞かせてもらったぞ!」
突如部室のドアが開き、陽子が乱入してきた。
陽子は未だ、同好会といがみ合っていた。
「私も連れて行け!」
「わ、分かったよ
だから胸ぐらから手を離してくれないか?」
「おぉ、すまん
胸ぐらは掴むためにあるというのが私の心情でな」
陽子が手を離した。
その日の午後9時、羽田空港にパンアメリカン航空(アメリカに
存在した航空会社、通称パンナム)の旅客機が
空港に降り立ち、タラップからチェルシー・
スチュワートが降り立った。
カナダ・オンタリオ出身の24歳、
近くには父親兼マネージャーのダニエルも
降り立っていた。
この掲示板は過去ログ化されています。