コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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恋乃手紙
日時: 2015/04/11 08:09
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=39074

【コメント大歓迎!】
*目次
1.8年前
>>1
2.突撃、失敗。
>>2 >>3
3.ただの幼なじみ
>>4 >>5 >>6
4.あとは個人的な感情
>>7 >>8
5.計算してます
>>9 >>10 >>11 >>12
6.振れる心
>>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18
7.テニスラケットとサッカーボール
>>19 >>22 >>23 >>25 >>27 >>28 >>29 >>30 >>33 >>34
8.初デートって萌えますか?
>>35 >>36 >>37 >>38 >>39 >>40 >>41 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47
9.アフター・フェスティバル
>>49 >>51 >>54 >>56 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63
10.恋乃手紙
>>64
11.あとがき
>>65
12.恋乃手紙・番外編
>>68 >>69

*登場人物
1.斎藤 澄怜〜Saito Sumire〜
2.山上 有季〜Yamaue Yuki〜
3.大澤 俊〜Osawa Syun〜
4.鳥越 麗子〜Torikoshi Reiko〜
5.クラスメイト
・藍
・伊藤、松田、高畑(美術部トリオ)

*コメント
1.コメントを下さった方
・トイプードルマロン様>>20 >>24 >>48 >>52 >>53 >>57 >>66
・医祈音マグ様>>31 >>42
2.私のコメント
>>21 >>26 >>32 >>50 >>55 >>67

*他の作品(完結)
・桜庭中学1年の日常〜会話文だけで紡がれる物語〜

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Re: 恋乃手紙 ( No.32 )
日時: 2015/01/28 12:06
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: nZYVVNWR)

>>31
マグ先輩の小説、拝見させていただきました!

Re: 恋乃手紙 ( No.33 )
日時: 2015/01/28 09:10
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: nZYVVNWR)

「ピーッ。」
試合開始のホイッスル。
決勝戦。
頑張って、七中!

ボールを、我が七中の3番が維持。
ゴールを狙うも、ゴールキーパーに止められる…。

さすがは、決勝。

相手は、昔からの強豪校。
対するは決勝初出場の七中。

前半と後半で、勝敗は決まらず、PK戦となるみたい。
会場が静かになった。
相手チームから蹴り始めるらしい。

相手:1人目、成功。
七中:1人目、失敗。

頑張って!

相手:2人目、失敗。
七中:2人目、成功。

相手:3人目、失敗。
七中:3人目、成功。

相手:4人目、成功。
七中:4人目、失敗。

2-2。
次で決まる…。

相手:5人目、成功。

有季が出てきた。
5人目は有季らしい。
次、失敗すれば、相手の優勝が確定する。

有季は、ボールを見つめ、息をゆっくり吐いている。

そして、ボールを蹴った。




ボールは、ゴールに入らなかった。



七中は、準優勝となった。

全校がバスに乗り込むとき、出場選手が全員、一列に並んだ。
準決勝だったが、県大会出場は決定した。
そのおかげか、みんな笑顔だ。

でも有季は笑顔じゃない。

無表情だった。

私には分かる。
あれは、めちゃくちゃ悔しい時の顔だ。

「応援ありがとうございましたー。」
「ありがとうございましたー。」

バスに乗り込むサッカー部は、笑顔で、お互いの笑顔を見ていた。
有季は、どこも見ていなかった。

「澄怜、ほら、乗るよ!」
麗子に言われ、有季を見ていた私はハッと気づき、バスに乗り込んだ。



Re: 恋乃手紙 ( No.34 )
日時: 2015/01/28 09:39
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: nZYVVNWR)

はぁ、やっと帰れる…。
応援、ちょっと疲れた。

私は、全校応援の帰り、いつもの帰り道を歩いていた。

そして、あの小さな公園を通り過ぎようとした。
でも、私は止まってしまった。

公園の、ブランコに有季が座っていた。

有季は、
泣いていた。
泣くところを人に、有季は絶対見せない。
彼は、ひっそりと、小さく泣いていた。


真っ赤な夕日が、小さな公園と有季を照らしていた。

私は、公園に入り、ブランコへと向かった。

「となり、いい?」
「…」
有季は応えなかったけれど、私は、となりのブランコに座った。

5分くらいたっただろうか。
下を向いたまま、有季が突然話し始めた。

「俺は、小学校までサッカーが一番楽しかった。でも、中学に入って、トレセンに選ばれて、もっと、俺よりうまいヤツがたくさんいるって分かったとき、もっと上手くなんないとって思って、ただひたすらサッカーをやった。サッカーは楽しみじゃなくて、競争の世界に変わった。何も楽しくなくなった。だから、大勢の友達と騒いだり、テキトーな女子と遊んでみたりしたりした。だけど、全然楽しくなかった。」
有季は、ブランコの鎖をギュッと握った。
ギシギシと軋む音がした。
「俺は、何の楽しみもないまま、過ごすのかな?なあ、どうしたらいいかな?」

有季らしくないよ。

「有季が今、一番守りたいものは、何?サッカーの楽しさでしょ?有季は有季のサッカーをすればいい。誰に勝とうだなんて、考えなくていい!今日だって、有季だけのせいで負けたんじゃない!楽しさ=勝ち負けじゃないよ!」

下を向いていた有季が顔を上げた。

言い過ぎだったかな?

「ごめん…」
と私は言った。


「澄怜、ありがと。」
彼は、私の前で、久しぶりに笑った。






「さあ、帰ろうか。」
有季が言った。

私と有季は、肩を並べて、歩いて帰った。





Re: 恋乃手紙 ( No.35 )
日時: 2015/01/29 10:41
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: nZYVVNWR)

8.初デートって萌えますか?
『デートするなんて、今から萌えるぅ!』
今、読んでいる少女漫画のセリフ。


私が、少女漫画や、アニメを見ていて、いつも思うこと、それは、

萌えとは何か?

ということ。
私は辞書を取り出した。
普段、あまり使わないので、ホコリが少し乗っていた。

ホコリを払って、辞書を引くと…
『萌え(もえ)
1.草木が芽を出すこと
2.ある人や物に対して、激しく興奮し、心をときめかすこと。』
は?
1から2、全く関連性が無いように思える。

これでは納得できず、私はスマホで、「萌え」と調べた。

萌えは、主にアニメや漫画の愛好者が好んで使いアニメのキャラクターなどを、対象としている。
人によって、萌えの感情は微妙に違う。
流行語大賞にも選ばれた。

…ということらしい。

ますます訳がわからない。

恋愛関連に対してのことも、萌えるらしい。

分からん。

いや、俊に告られた時、俊に「萌え」たことはあったかもしれない。
でも、萌えってたいてい、男が女に感じる感情だよな!?

だが、先ほど読んでいた少女漫画の主人公のように、女子が萌えるという場合もある。
だとしたら、
デートという一大イベントを、来週に迎えようとしている私は、なぜ萌えない?

いや、こんなこと考えている時点で、萌えてる?


……何でこんなこと考えているんだ。
ハッと私は気付いたのだ。

何て、アホくさいことを!

私はさっきまで読んでいた漫画を床に叩きつけた。

そして、棚から、少年漫画を取り出し、座り直して読み始めた。








Re: 恋乃手紙 ( No.36 )
日時: 2015/01/29 16:28
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: nZYVVNWR)

「俺、ここ塗る!」
「どーぞ、塗ってくださいっ!てか、塗らないと間に合わないだろ!」
騒ぐ俊に、私は言った。

今は放課後。
私たちポスター係は、文化祭のコンテストに出品するポスターの色塗りをしていた。

「塗るぞー」
俊が、ハケを持ち、ポスターを塗ろうとする。
だけど、手が滑って、ハケが手から飛んでいった。

舞うハケ。

ビチャ!ガコン!ボシャン!どてっ!

いろいろなことが同時に起こった。
ハケは床に落ち、花の模様を床に作った。
さらに、床を伝って滑っていたハケが、水が入っていたバケツに当たった。
もちろん、バケツは倒れ、水をぶちまけた。
ハケを滑らせた勢いで、俊は後ろに尻餅をついた。
そして、彼のメガネが外れ、宙に舞い、机に緊急着陸した。
…という具合だ。

「あー、良かった。メガネは割れなかったー」
さすが、スポーツ兼用のメガネ、と俊はメガネを、服で拭いている。

アホや、こいつ。
呆れて物も言えん。
我が彼氏ながら、まことに恥ずかしい。

美術部の3人は何も無かったかのように、色塗りを続けている。
しかし、空気は気まずく、明らかに目が怒っていた。
片付けはしない。本人がしろ、という意思表示のようだ。
幸い、ポスター用紙には何も被害が無かった。
ポスター用紙まで汚していたら、伊藤さんの雷が俊に落ちていただろう。

俊はさすがに、美術部トリオらの怒りは分かっているようで、雑巾を持ってきて、床をゆっくりと拭き始めた。

見ていられない。

私は俊の雑巾をひったくった。
「雑巾もっと持ってきて!」
俊は、走って雑巾掛けまで行き、手に抱えるほどの雑巾を持ってきた。
「持ってきたよ…」
すっかり、意気消沈している。
「ほら、拭く!!」

私とダメダメ彼氏の2人は、活動終了時間まで、絵の具と水を拭き取るのに徹した。








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