コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

愛…君14=北崎桐の場合=【まさかのつながり】
日時: 2015/09/29 20:53
名前: 四之神 綾芽 (ID: oUY4LzoD)
参照: http://ameblo.jp/sinogamiryouga/

・題名:愛する君へ。僕から20年分の気持ち

・作者:四之神綾芽

・##年目:####の場合 >>0
  Protagonist:●柿山郁磨 ●北村美羽 ●栗山和泉

・プロローグ・柿山郁磨の場合 >>1-5

・13年目:青田我子の場合 >>6-44
  Supporting role:●青田我子 〇佐崎綾美 〇高山瑞穂 〇斉藤彩夏 
 ・番外編:郁磨の心境 >>20-22

・14年目:北崎桐の場合 >>45-
  Supporting role:●北崎桐 〇市樹新菜(ことり 様から) ○足立桃 〇新城一成(えみりあ様から) 

※実際の人物とは全く関係御座いません。名前が被ってしまった方、申し訳御座いません。


=####の場合.0=

私は、三枚目の紙を見た。
今まで以上に、強く、濃い字だった。

==================================

 いつでも、隣にいてくれて、ありがと。

 いつも、学校のこと、教えてくれて、ありがと。

 好きだっていってくれてありがと。


 ・・・もしも、僕が死んだら。



 美羽は先に進んで。

==================================

「......ばぁかっ......」
涙が止まらない。
そして、最後の文を見る。

==================================

 ……けど、叶うのなら。



 ……─────……

==================================



*作者のつぶやき
・キャラが突っ走っていくよぉ。ちょっとー、最初の設定と全然違うんですけど・・・・・・・終わるのかコレ・・・・・・。/0929

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12



Re:=北崎桐の場合.7= ( No.54 )
日時: 2015/07/24 19:54
名前: 四之神綾芽 (ID: CSxMVp1E)
参照: http://ameblo.jp/sinogamiryouga/entry-12041190995.html

「あーあ、ホントうざいんだけど、アイツ。なんなわけ?真面目に唄えーとか、意味わかんない」
「うっさいよね、いちいち」
「ホントホント」
「あー、うぜえ」

音楽の授業が終わると、ソプラノの一部のグループが口々に文句を言いだした。
結構離れていたけれど、私は『地獄耳』なので、聞こえる。

「・・・・・・アイツのせいだよね」
「え?」

私は、耳を疑った。
まさか。

「あー。それあるかも。今までバカみたいにうたってくれたヤツがいなくなったからねー」
「真面目にうたっててホント助かったのにねー」
「誰が真面目にうたうかっつーの!キメエし」

・・・・・・。

バカ・・・・・・。


私は、何も聞こえないふりをして、音楽室を去った。

あとから、新菜がおってきた。


「だ、大丈夫?」

ソプラノである新菜は、聞こえていただろうな。

「・・・・・・にぃいなぁ・・・・・・」



『バカみたいに』


私の心に、深く、突き刺さった。

Re:=北崎桐の場合.8= ( No.55 )
日時: 2015/07/27 20:07
名前: 四之神綾芽 (ID: CSxMVp1E)
参照: http://ameblo.jp/sinogamiryouga/entry-12041190995.html

「まー、ね・・・・・・真面目にうたってただけなのに・・・・・・ね」

唄うのも歌わないのも、ん・・・・・・。

けど・・・・・

「悲しい・・・・・・」

悲しかった。

馬鹿って言われてもしかたないけど、私は・・・・・・

「私は、皆と唄いたかっただけなのに」

唄うのが好きだから。

「普通に唄ってただけなのに」

声が通るから。

「唄わないと、絶対にバレる声だったから」

だから・・・・・・


新菜が、突然冷たい声をだした。

「じゃあ、唄わなきゃいいじゃん。もう、あの声じゃないんだから」
「え?」

そういって、彼女は、つかつかあるいていってしまった。


何を___私は、何をいってしまったのだろう?

私のどの言葉が、触ってしまったのだろう?



私は、全く分からなかった。

Re:=北崎桐の場合.9= ( No.56 )
日時: 2015/07/30 20:03
名前: 四之神綾芽 (ID: /UPoVEcS)
参照: http://ameblo.jp/sinogamiryouga/entry-12041190995.html

あの声が、嫌いだった。

「うるっさい。もと静かにしゃべってよ」
「普通に唄ってくれない?私達の声、聞こえないじゃん」

『普通』に喋ってるだけだった。
『普通』に唄ってるだけだった。

なのに、

「五月蝿い」
「静かにして」

何故。


皆、「いいじゃん。よく通る声だよ?」「女の子って感じがする」そういった。

私がほしい言葉は、そんな言葉じゃなかった。


もちろん、私はこの声に感謝するときもある。



たとえば、劇のときだ。

私の所属する部活・・・・・・演劇部の劇は、私と美羽が一年から出演している。

私達は三年生に進められて出演したのだが、美羽はすごく可愛がられていた。

声も通るし、真面目だった。

「一年の癖に」と言う人もいたが、美羽は「別に、いいじゃん?だって、選ばれちゃったんだもん」とあっけらかんと言い放った。


私は、その前から感じていた事が、それで解けた。


単なる噂だった。

『ある子達を仲直りさせたとか』。

他人がそんなことをできるのか、と思っていたが、確かに彼女ならできそうだった。


ド直球でストレート。隠すことを知らない単純。


だからこそ、あんな風にあっけらかんと言い放てるのだろう。



私には、無理だ。

Re:=北崎桐の場合.10= ( No.57 )
日時: 2015/08/01 19:55
名前: 四之神綾芽 (ID: /UPoVEcS)
参照: http://ameblo.jp/sinogamiryouga/entry-12041190995.html

周りに合わせたい。

「声に色がありますね」

先生に褒められるのは好きだ。
けれど。

「まー、お気に入りだもんね」

『普通』でいたい。


あんな声、嫌いだ。

普通に喋るだけなのに、何で五月蝿いっていわれる。

唄っていないだけで、私だけ何故ばれる。


あんな声・・・・・・・。


けど、


「桐の声、好きだよ」


そういってくれた新菜に、救われたのを、今でも鮮明に覚えている。


「カッコイイ」
「聞き取りやすい」

この声でよかった、と思ったこともあった。
けれど、やっぱり、嫌だった。


もしかして、誰も分かってくれないのかな。


「いいなあ、桐は」
「声、大きいもんね」


もしかして、誰にも分かってもらえないのかな。


私の悩みを、彼等は『いいなあ』という。

誰も、共感してくれないのかな。


桃に話したことがある。

桃──足立桃は、私の元親友。

今は、ちょっとしたすれ違いであまり顔を合わせなくなった。

「ふーん・・・・・イヤミ?私達にはわかんないな、その悩み」

嗚呼、分かってくれないのか。

半ば、もう・・・・・・諦めていた。

Re:=北崎桐の場合.11= ( No.58 )
日時: 2015/08/09 21:05
名前: 四之神綾芽 (ID: /UPoVEcS)
参照: http://ameblo.jp/sinogamiryouga/entry-12041190995.html

「大変でしょ、その声じゃ」

いつもなら、「え?何が?」と返すけれど・・・・・そのときは、何故か言い返せなかった。

何でも分かっている、という風にいう新菜に、私は素直に答えた。

「____大変だよ」


知らなかった。

嬉しいときにも涙はでるんだなあ。

知らなかった。

悩みを分かってくれる人がいることを。


「普通に喋っているのに、いろいろいわれちゃあ、イライラするよね」

微笑みかけてくれる彼女が、天使のようにみえる。

彼女の悩みも打ち明けてくれた。

「・・・・・・分かってくれないんだけどね」
「分かるよ。・・・・・・私だってそうだし」

そういうと、また、新菜は笑った。

「桐ちゃん・・・・・・桐ってよんでもいい?」
「んじゃあ、新菜ってよんでもいいか?」
「「もちろん」」

今度は、私も笑った。


それから、一緒。

桃と喧嘩したときも、励ましてくれた。

慰めてもくれた。

『新菜の思っていることが私に分かって、私の思っている事は新菜に分かる』

お互いに、そういったのを覚えている。


けれど。


(・・・・・なんで怒ったんだろう)


今は、分からない。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12



この掲示板は過去ログ化されています。