コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【続編執筆中】隠し事の先に【実話】
- 日時: 2015/09/24 21:48
- 名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)
初めましてか何度目まして、凜太郎といいます。
今日から書いていくのは、ネットの知り合いと雑談掲示板で起きた素晴らしい恋愛物語を基にした小説です。
設定は変えている部分が多いので、あくまでフィクションとして受け取って下さい。
それでは、よろしくお願いします。
- Re: 隠し事の先に【実話】 ( No.15 )
- 日時: 2015/09/23 19:56
- 名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)
俺達が付き合いはじめて大体1ヵ月ほど経ったある日のことだった。
「最近、風邪が流行っているから気を付けるように」
朝のホームルームで、担任の先生がそう言った。
風邪かぁ〜。
そういえば澪も最近体がだるいとか言ってたな。
帰りに聞いてみるか。
そんなことを考えながら、俺はあくびをした。
昼休み。俺は図書館に本を返そうと廊下を歩いていた。
渡り廊下を渡ろうと角を曲がろうとした時だった。
「・・・・・・澪?」
フラフラと、どこか危なっかしい足取りで彼女は歩いていた。
俺は慌ててその背中に向かって走る。
「澪。どうした?体調でも悪いのか?」
「へ・・・?」
振り返ったその顔は、なんとなくいつもより赤い気がした。
俺を見て赤くなってるのか・・・?
いや、そんなわけないか。
多分熱でもあるんだろう・・・。
「へ?じゃねーよ。どうしたんだよ?なんか顔赤いしフラフラしてたけど」
「な、なんでもない!ちょっと・・・暑いだけ。すぐに治るって・・・」
「無理すんじゃねーよ」
俺はひとまず自分の額を彼女の額に付けた。
想像以上に熱い。
「あっつ!ちょ、これ絶対熱あるって!保健室行けよ!」
「んー・・・それじゃあそうしようかな」
「あぁ。俺もどうせ暇だし送っていくよ」
「じゃあお言葉に甘えて。有難う、新一!」
そう言って笑顔を見せる。
何これ超可愛い。
「・・・・・・おう」
「ん・・・どうしたの?」
「いや・・・可愛いなと思って」
しまった。また無意識に恥ずかしいことを言ってしまった。
俺は慌てて口を塞ぐが、特に意味もなく、澪の顔は見る見るうちに真っ赤になっていく。
「は・・・ッ!?ぃ、いや・・・し、新一はなんでそういう事さらりと言えるのよッ・・・!」
そこまで言って目を逸らして、小さく呟く。
「でも・・・・・・そういう所も含めて、好き、だよ・・・?」
おぉおッ!?え、今すごいこと言わなかった!?
俺は深呼吸をして呟くように言った。
「あ、はは・・・それはよかった・・・有難う・・・?」
「ぃやッ・・・可愛いとか・・・その・・・。此方こそ・・・?」
えぇー何この恥ずかしすぎる状況ッ!?
ここで麻也とか現れたらマジ最悪ッ!
そんなことを考えていた時だった。
パシャリッ。
「あーあ。ホント、油断しすぎだよ〜。新一君?♪」
「あ・・・麻也・・・」
満面の笑みを浮かべながら、憎い幼馴染はそこに立っていた。
手にスマホを持ちながら。
「いやぁ〜素晴らしいいちゃいちゃだったね〜。可愛いとか?好きだよとか?いいね!青春!」
しかも何かめんどくさいスイッチが入ってる。
俺は羞恥に襲われてその場に蹲りたかった。
しかし、それよりも前に澪が倒れこんできたのでそれを支える。
「ん?もしかして、風邪かなにか引いてんの?」
「ご明察。今から保健室に連れて行くところだったんだよ。お前も手伝え」
「ほいほい」
俺と麻也はそれぞれ肩を支えながら、保健室に向かった。
- Re: 隠し事の先に【実話】 ( No.16 )
- 日時: 2015/09/23 21:06
- 名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)
部屋で一人、スマホを弄る。
風邪をこじらせてしまったらしく、2,3日は学校を休まないといけなくなった。
「暇だなぁ〜」
そんなことを呟いたときだった。
ピーンポーンとインターフォンの音が鳴り響く。
私はひとまず耳を澄ました。
「澪〜。新一君が来たわよ〜」
新一の名前を聞いた瞬間、昨日の出来事を思い出した。
「う・・・うわあああああああああああああああああああああああああああ」
布団の中でジタバタと悶えた時だった。
「澪〜。看病に・・・何やってんの?」
すっごい冷ややかな目で見られた!
私は布団から顔だけピョコッと出した。
「えっと・・・ちょっとしたトレーニングを・・・」
「病人は静かに寝てろ。今日の手紙と、あとアイスを持ってきたぞ」
そう言ってビニール袋からアイスのカップを取り出す。
私は早速食べようと手を伸ばした。
しかし、その手をペチンと叩かれた。
「ちょっと!何するのよ!」
「うるせー病人。基本動くな。俺が食わせてやる」
私は一瞬あーそうですかと聞き流しそうになった。
次の瞬間、私の頭は状況を理解する。
「え、食わせるって・・・まさか、えッ!?」
「あーもう過剰に反応すんなよ俺だって恥ずかしいんだよ!」
「じゃあやらなきゃいいじゃん!?」
「いや・・・なんかこういうことしたい気分・・・」
そう言って木のスプーンに乗ったバニラアイスを私の口に入れた。
なんかいつも以上に美味しく感じる・・・。
「ん・・・ありがとう・・・美味しい・・・・・・」
「ど、どういたしまして・・・」
そう言って目を逸らす。
恥ずかしいなら、なんでやるのかな。
まぁ嬉しいからいいんだけど。
「つーか、麻也のやつ・・・看病に行くって言ったらついでに処女を奪ってこいとか言い始めたからなー・・・」
突然の一言に私の胸はズキンと痛くなった。
言えないよ。私がもう・・・———
———処女じゃないなんて。
「ホント、麻也はなんなんだろうねー。下ネタとかよく言ってくるしさー」
「マジで変態だよなー」
そう言いながら二口目が運ばれてくるので、それを口に含む。
うん。美味しい。
「ところでさ、新一はさ、初めてはやっぱり処女の方が良かったりするの?」
「さぁなー。別にどっちでもいいや」
どこか、心が温かくなる。
私は無理矢理笑顔をつくって、彼の頭を軽く叩いた。
「どっちでも良いとか優柔不断だなー」
「別に良いだろ!?好きなやつとできるんだったら、どっちでも一緒だよ」
「・・・・・・ッ!な、なんでそういうことを平気で言えるの!?」
「な、別にいいだろ?」
楽にはなれたけど、やっぱり胸は痛い。
だから、私はなんとか笑顔をつくった。
- Re: 隠し事の先に【実話】 ( No.17 )
- 日時: 2015/09/23 21:37
- 名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)
「ふむ。馬鹿は風邪を引かないの本当の意味を今初めて目にした気がする」
「あんたは嫌味を言う天才か!?」
翌日、なぜか麻也が来た。
しかも、手紙だけで新一みたいにアイスとか持って来たりみたいな気の利いた展開も特になし。
「それで?結局昨日はヤッたの?新一に聞いても答えてくれなくってさ〜」
「逆によく答えてくれると思ったね・・・。ヤるわけないでしょ」
「ふーん。つまんねーの」
そう言って立ち上がる。
「あれ?もう帰るの?」
「うん。ヤッたのか聞きたかっただけだから」
何それ・・・。
相変わらず本能のままに生きてるな〜。
「そういえばさ、麻也は誰かとヤッたことあるの?」
「いや、さすがにそりゃないよ。だって、僕たちまだ中2だぜ?逆にヤッたことある奴の方がヤバいって・・・」
「そうだよね〜」
「まさか・・・ヤッたことあんの?」
「んなッ・・・あ、あるわけないでしょ!?」
つい大きな声をだして否定する。
「急にデカい声だすなよ病人。でもさぁ、仮に僕に彼女ができたとして、ソイツが非処女だった場合は話は別だけど」
「どういうこと?」
「いや、好きな人が、たとえヤッたことあったとしてもさ、嫌いになる理由にはならないかなーって」
「へぇ〜」
それを聞いて、なんだか今まで感じてた胸の中の塊が消えた気がする。
「・・・ありがと」
「ん?何か言った?」
「なんでもないよーだ!」
私が言うと、麻也は子供みたいに頬を膨らませた。
久々に、心から笑えた気がした。
- Re: 隠し事の先に【実話】 ( No.18 )
- 日時: 2015/09/23 21:58
- 名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)
『話があるので、放課後に屋上に来てください』
「急に話とか・・・何考えてんだアイツ・・・?」
今日いつの間にかメールでそう届いていた。
話とか、下校する時に言えばいいのに・・・。
(麻也に聞かれたくない・・・?)
そんなことを考えながらドアを開く。
そこでは、澪が一人立っている。
俺はドアを閉めて彼女に向き直る。
「話って何?」
「・・・・・・実は、ね。私、ずっと新一に隠してたことがあるの・・・」
そう言って一度目を逸らす。
「隠してたこと・・・?」
俺が聞くと、一度ビクッと肩を震わせる。
しばらくして、ゆっくりと口を開く。
「・・・本当は、ずっと話さなくちゃって・・・思ってた・・・思ってたんだけど・・・言いたくなくって・・・」
「内容を聞かないと、何も言いようがないよ」
彼女は俺の言葉を聞いて深呼吸をした後で、震えるか細い声で言った。
「私・・・実は、処女じゃないの・・・」
・・・・・・え?
今、なんて・・・?
「実は、去年、一人で帰ってたらレイプされて・・・何やっても、もう初めてじゃないの、全部経験しちゃったんだよ・・・」
ポロポロと涙を流しながら言う澪。
俺はそれを呆然と眺めた。
頭が混乱する。
「嫌いに・・・なった・・・・・・?」
それにも答えられない。
何を言えばいいのかも分からない。
気付けば、澪はいなくなっていた。
風の音と、自分の鼓動の音がやけに耳につく。
- Re: 隠し事の先に【実話】 ( No.19 )
- 日時: 2015/09/23 22:16
- 名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)
廊下の窓や、教室のドアがすごい速さで後ろに流れていく。
ただただ、走る。
ドンッ!
「ぅぁ・・・」
尻餅をついた。
慌てて顔を上げると、麻也も尻餅をついた状態で不思議そうな顔で私の顔を見る。
「どうしたんだよ?急に教室からいなくなったから、心配したけど・・・なんかあったの?」
私はそれを聞いた瞬間、涙がボロボロと零れた。
「うわぁ!?どうしたんだよホント・・・話聞くけど?」
適当な教室に入って私は机に突っ伏した。
涙が机にポタポタと落ちる。
「えっと、話を聞いただけでは、新一にずっと隠してた秘密を話した。それで嫌われたから走ってきた、と」
「うん・・・」
「ちなみに、嫌いだってハッキリ言ってきたの?」
「ううん・・・まだ・・・」
自分でも驚くほどに弱々しく呟いた。
麻也はしばらく黙った後で言った。
「どんな秘密なのかは知らないけど、それは事実なんだよね?」
「ぅん・・・」
「あのさ、そんなことで嫌いになるようなヤツだったらさ、いつか離れちゃうやつだったんだよ」
そう言ってニッと笑った。
「だからさ、ドンッと構えてみなよ!これはさ、新一がどれだけお前のこと好きなのか、確かめるテストだと思えよ」
「そんなことで済む隠し事なら良かったんだけどさ・・・でも、気持ちは楽になったかも・・・ありがとう。麻也」
「いえいえ。あんなことやこんなことをした日には連絡頂戴」
「もう。感謝して損した」
きづけば、笑顔になっていた。
私はゆっくりと、スマホの上で指を動かした。
この掲示板は過去ログ化されています。