コメディ・ライト小説(新)
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- ナニイロセカイ(半実話)
- 日時: 2017/11/14 15:01
- 名前: 雪姫 (ID: yZSu8Yxd)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel4/index.cgi?mode=view&no=16943
あれはいつのことだったかな_?
夏が終わり
秋が来た
少し肌寒い日のこと_
トントン。
誰かが階段を上がっている
トントン。
女の子が静かに一歩一歩ゆっくりと階段を上がって行きます
トント
到着。目の前に続く道は立入禁止と書かれた黄色いテープで塞がれていました
彼女はテープを引きちぎり
キィ
ドアを開けて中へ入いります
ビュゥゥゥウウ
冷たい風が彼女の頬を撫で 彼女は
世界を区切る壊れたフェンスの方へ
上を見上げれば 雲一つない青色の世界
下を見下げれば 部活動中なのでしょう
運動部員たちがグラウンドで走り回っている 茶色い世界
ポタ… ポタ…
晴天の空
でも 彼女の心はどんより曇り空
ポタ… ポタ…
大粒の雨が彼女の頬を濡らします
フェンスを乗り越えて世界の外側へ
世界の内側からは楽しそうな笑い声
ぽんっと誰かが背中を押します
ふわりと浮き上がった体は そのまま__
地面のアスファルトに飛び散った赤い液体
救急車のサイレンの音
彼女は死んだのかな、とただ純粋にそう思った
肌寒い秋の日の出来事_。
****
ナニイロセカイ[>>107]
[>>106]
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」 ( No.54 )
- 日時: 2017/09/18 08:57
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: 6SeEpuIV)
『アホの子達が一か所に集まると…』1-5
「ぱ、ぱぱぱんつよーーど、どどどうしましょう!! あ、ああ足田さんんんっ///」
「何やっているんだろ…あの人は……」
遠く。そこまで遠くではないかなってくらいの距離、目の前にある坂を真っ直ぐ下った先にある住宅街の電信柱の後ろで顔真っ赤にして叫んでいる会長の姿がありました……声デカすぎです会長。近所迷惑ですよ?
その隣にいるのは足田っちですね。離れているから声は聞こえないけど、なんか会長と楽しくキャッキャッやっているのは分かります。楽しそうですねー、本当に。
「あれは……高浜さん? あんなところで何してるんだろう?」
「さぁ? なんでしょうね~クスクス」
この笑い方……。この人絶対分かったうえで見てるよ……。全部理解してるうで楽しんでるよ……。趣味悪っ!
変な会長もそうですが、変な飯野先輩もほっといて行きましょう、しーさん。変な人に絡んで変なことに巻き込まれるのはもうこりごりですっ。
二十話みたいなことはもう絶対に嫌ですからねっ!! 頑固拒否します!
って訴えていたのに……心の中で。
「ピンポーン………って鳴らせばいいのよね?」
そーですよ。ってかなんで玄関前でそんなに悩むことがあるんですか会長、と言いたくなったけど我慢我慢。
自分としては一刻も早くしーさんをアホから離れた安全で健全な場所に避難させたかったのに、アホはしーさんと自分を放してくれませんでした。
飯野先輩が「せっかくだから~終さんの家へ遊びにいきません?」って言いだしまして、何故かしーさんも「終殿の家……行ってみたい」ってのりきだったし……途中で会長回収しちゃうし、アパートの玄関前で立ち往生してるし、なんなんですかもうっ!!
足田っちは陰ながら応援してまっすって言い残してどっか行っちゃうしもぉー!!
「さっさと鳴らしてください会長。何をそんなに躊躇しているんですかっ」
もうかれこれ10分くらい人の家の玄関前で立ち往生してますよ、この人。
どんだけチャイム鳴らすの恥ずかしいんですかっ。ただポチっと押すだけでしょう!? もう代わりに押してあげようかな…。
ガチャリ
「は?」
「「えっ?」」
まだ鳴らしていないのに鍵の開く音が……中からではなく外から……それも他の階とか隣近所とかじゃなくてすごく近く、なんなら手元らへんにあるところから……
「って、何やってるんですか飯野先輩っ!!?」
「なにって~鍵開けただけですけど~?」
悪びれることもなく平然と言ってるよこの人…怖っ。
飯野先輩の手にはその道のプロが使うような道具……ではなく女の子の必需品ヘアピンが握りしめていました。
え? それで開けたんですかっと思ったのが口に出てしまっていたのかな、飯野先輩は
「これは僕にとっても必需品だからね~」
と教えてくれました。妙に手馴れてる感あるのは、常習犯だからか……うん、警察に通報しよう。
通報しようと思ったけど、相手は飯野先輩。その後の仕返しが怖いので止めました。しーさんにまで危険が及んだりしたら元も子もないので。
「勝手に鍵を開けたりして…大丈夫?」
そーですよ! さすがはしーさんです! 常識人の鏡です。言ってやってくださいっこの犯罪者にっ!!
「大丈夫ですよ、僕と終さんの仲ですから~」
いやっ勝手に家の鍵開けて入って来る仲ってどんな仲ですかっ!?
しーさんとだってそんなことしませんよっ! しようとだって思いませんよ、普通っ!
「そっか。なら大丈夫だ」
「しーさん!?」
まさかの納得しちゃった!? 人を疑う事を知らない純粋でいい人なのはしーさんの良い所であり、悪い所でもあるよっ。
「………」
さっきからずっと黙り込んで考え事をしている会長。
そうだった。まだ常識人代表この人もいたんだった。最籐先輩が絡むと、変なスイッチが入っておかしなことになるからすっかり忘れてたけど、一応この人生徒会長だったっ。
さあ、会長! この準犯罪者に一言、言ってやってくださいっ!! という自分の願いが通じたのか会長はこちらを見てうんっと力強くうなづいてくれました。
やっぱりあなたは…
「最籐のお部屋へ突撃訪問して驚かせちゃいましょう!!」
「(あはっ面白くなってきた♪)お~頑張りましょう~」
「(終殿の部屋…ワクワクドキドキ)驚いた顔も見てみたいかも」
最籐先輩が絡むとダメダメですね……。
------------------------------------------------------------------------------------------
つづく☆
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」 ( No.55 )
- 日時: 2017/09/19 14:50
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: eK41k92p)
『アホの子達が一か所に集まると…』1-6
「と……いうようなことがあったんです」
長々とここに来るまでにあった出来事を語り終えて、はあぁぁぁぁと大きくため息をつく朱雀。
まあ…そのなんだ、お疲れ。フラグ回収係ってのはたてるだけたてて放置したフラグを一個一個全部回収し回らないといけなんだな、大変そうだな。ま、頑張れ。
という気持ちを込めて視線を送ると、先輩がツッコミを頑張れば自分はこんなに苦労してないです!!とでも言いたげな視線で返された。
ごもっともな意見だが、俺も幼馴染と分類されるアホ共の相手で精一杯だ。他のアホはお前に任せた。
と気持ちを込めて…以下略。
「ミキミキと見つめ合っちゃって~、あっくんもしかして~///」
「あ゛?」
「ミキミキにひ・と・め・ぼ・れ、しちゃったー?」
「は?」
「な、なんですってぇぇえええ!!?」
「終殿が……美希のことを……?」
「そ、そうなのかいっ最籐君っ!?」
「へぇ~、終さんってこうゆう子が好みなんですね~」
「大和、ちょー棒読みじゃん、ウケるんですけどー!!」
「あ~~~~聞こえない~~~」
「…………フフッ」
なんかアホ子のせいでアホ共が盛り上がっている、ウゼー。全員殴って黙らせるか……と拳を握り締め力を籠めると
ツンツン。
「?」
誰かに肩を軽くつつかれた。細い指の先にちょんちょんとされた感覚……。
アホ子、小野、緑屋、飯、高浜、水仙時、朱雀、目の前にいるアホ共じゃないとしたら誰だ?
後ろを振り返ってみると、そこにはカーテンの後ろに隠れていたはずの、翡翠がちょこんと正座で座っていた、そしてボソッと俺にしか聞こえないような声で
「カープ優勝したね」
と言った。そ、そうだなと、ぎこちなく苦笑いしてやると満足してくれたのか、カーテンの後ろに戻っていった。
うん。なにがしたかったんだ、あいつは……。
一通り騒いで満足したのかアホ共は
「じゃあ、水着買いに行こうっ!!」
「おぉ~だしー!!」
「しーさんっ、こうなったら自分がしーさんに似合う新作の水着選んであげますからねっ!」
「気持ちは嬉しいけど、僕は水着なんて着ないからいいよ…美希」
「庶民のお店に僕様に似合う水着はあるのかな?」
「あ、じゃあ水仙時さんはお留守番ということで~いいですね~」
「え……いや、行くよ、僕様も……?」
「新作の水着、ど、どんなのがいいかしら///」
勝手に話しを進めて盛り上がりそして
「んじゃ、あっくんのせいで尺使い過ぎたから、無理やりにでも切り上げてお店へ行かないとね~~」
おい、尺なんだっ、アホ! 俺のせいでってなんだっアホ!
「「「ワーーープ!!」」」
いつの間に打ち合わせしたのか、俺以外の全員が一斉に同じ言葉を叫びジャンプすると…
「ついたー!!」
何故か、大型ショッピングモールしかも3階中央、女子高生に今大人気と朝の情報番組で言っていた水着専門店の前に全員で立っていました。
「はあああああぁぁぁぁ!!?」
※その日。ショッピングモール内では、男子高校生の絶叫が響き渡ったりしたそうな、そうでもないそうな。
水着コレクション『ルイ君はトモ君を呼ぶ』へつ・づ・く☆
***
二年連続優勝おめでとう!! 優勝セールで現場は地獄です(。-`ω-)
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」 ( No.56 )
- 日時: 2017/09/21 09:58
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: zEDABVSv)
「………」
目の前に広がるのは、楽しそうにキャッキャッと言いながら水着を選んでいる、女子共。
そして
「おかあさぁん。あの人ー」
「ほらっ。目合わせちゃいけませんっ!!」
自分の部屋に居たはずなのに、気がつけばショッピングモール三階エリアに立っているという不思議現象を体験した、最籐 終くん。
……普通驚くだろ! こんな不思議現象体験してしまったらっ! 驚き過ぎて叫んでしまうだろっ!
でもそれが原因で今、俺は他のお客から白い目で見られ、ひそひそと陰口を叩かれています…。クソがッ。
「あっくん、あっくーん!」
少し離れたところにいたアホ子が手を振り、満面の笑みでこっちに向かって来る。
なに、お前離れたところにいるんだよっ。数秒前まで隣にいたのに、瞬間移動かっ!
「何言ってるの、あっくん?」
「うっせっ!!」
ボケてアホにツッコミ入れられるのが一番腹が立つ。
「で、なんのようだ。アホ子?」
「うん! ハイッ」
と、目の前にアホ子の手のひらが差し出された。
「イタッ!?」
なにがしたいのか全く分からなかったが、ムカついたのでとりあえず叩き落としておいた。
叩き落とされた手を撫でながら、「もぉ~あっくんちがうよ~」とか言っているが知らん。
アホの考えなんか分かるか!っつか分かりたくもないわっ!!
「ハイタッチだよ! ハイタッチ!」
「あ? なんでお前とハイタッチなんてしないといけないんだよ」
「だって、今回から中編? シリーズ物? は交代制でやることになったからだよっ☆」
このアホは何を言っている。…すまんが、誰か通訳を頼む。
ウィ~と言いながら、アホがなんとかよしお、一発芸人風のキモイ動きし始めた。ウゼー。
殴って、さっさと俺の部屋に帰りてぇー。
「ほらほら~、早くハイタッチしないと永遠にワタチのよしおダンスを見つづける事になるよ~」
ウィ~とキモイ動きをするアホ。
「そうだな。アホ子はウゼーし、家には帰りてーし」
「おっ♪ やっと、やる気になった?」
「おう。ちょっと……そこを動くなよ……」
「ん? あっくん、ハイタッチだから助走はいらないよ?」
目一杯、アホ子から離れて……そのまま…
「逃げる!!」
「あっくーーーん!!?」
「フハハッ。アホめっ! 逃げ切れば俺の勝ちだっ!!」
※それはどうかな~?
何ッ!? 何者かが脳内に直接語り掛けて来ただとっ!!?
「あ……あれ…空間が歪んでいるような…」
目の前がユラユラと歪み。足元がフワフワと浮いて動きづらい。
意識がもうろうとして、なんだか急に眠気が……
――バタンッ。
***
『ルイ君はトモ君を呼ぶ』千代紙 ちよ子side
「よしゃあああぁぁぁ来たぞおおぉぉぉ!!!」
「「水着ショップッ☆」」
ふふんっ。今日もイラちゃんとワタチは絶好調だね! 息ピッタリだよ!
そういえばー、ワタチが主役やるのってりっちゃんが初とーじょうしたとき(十二話)以来なんだって♪
はっっ!! まさかヒロインの座、あっくんのお嫁さんの座を奪われる危機到来っ!!!
「………」
んなわけないかっ☆
みんな可愛いけどワタチには敵わないもんねっ♪ ワタチが世界一、いや宇宙一、可愛いからっ!!
「あー!! この水着可愛い!!」
白い生地にオレンジの水玉模様のビキニ♪ 布生地が少なくて肌の露出部分が多いから、健康男子のあっくんもきっと喜んでくれるよ!
「あっくーーーん」
「俺は……今まで何を……していたんだ……うっ、頭が痛い」
お店の入口のとこで、頭抱えて何してるんだろ??
ま、いいや! あっくんっていつも何かと葛藤してるもんね。ワタチへの熱い想いとか///
「この水着どう?」
「知るか」
くぅ~~/// 一言でバッサリ切られた///
「こうゆう品のある方がいいですよねっ!」
ワタチとあっくんの間に割り込んできたのは、同じく白いビキニ。フリルで胸の真ん中には白い大きなリボンが可愛い、清楚なお嬢様って感じの水着を持ったりっちゃん。
しかもカップデカッ!! ワタチが持ってる水着の何十倍のデカさだよっソレ!!?
「知るかよ」
「え……えぇ~」
あ。りっちゃんもあっさり、ばっさり、切られてる。
あのデカップでもあっくんを満足させてあげることが出来ないのかっ!!!
くそうっ、どんな水着だったらあっくんを満足させて「それいいな///」って言わせて、照れ顔が見れるんだああぁぁぁ!!
「フッ。僕様の出番かな」
「ナルシー!?」
おおっナルシー参戦っ!? 頑張れナルシー、君ならできるよ!!
「僕様とお揃いの水着にしても良い権利を…「しねーよ。キモイ」
「頑張った。ナルシーは頑張ったよ!!」
「……うぅ」
傷ついて帰って来た戦士、ナルシーの背中を撫でてあげる。
あっくんめ! 本当に悪魔のような男だな! そんなところがまた好きなんだけどねっ///
「はぁぁぁぁぁぁあああ」
「深いため息? どったのあっくん、お腹でも痛いのー」
「違う、俺は行かねーぞ」
「トイレにー」
「海にだ、アホ!!」
「「「えぇぇぇええ!!?」」
「またまた~」
あっくんってば、普段から言い慣れてないから冗談言うのが下手だな~もう。
「さ、最藤君がいないのなら、わ、私は何の為にっ!!」
「この不良が風紀乱さないか見張ってろよ!」
「ふぁ~?」
「ってなに一人でたこ焼き食ってんだ、飯!」
「あ。メッシーそんなところにいたんだー♪」
お店を出てすぐにある休憩用の椅子に座って、たぶん一階にある食料品店で買ってきたっぽいたこ焼きをはふはふしながら食べてるメッシ-はっけーん♪
美味しそうだな~……あのたこ焼き。じゅるり。
「………あげませんよ」
「いらねーよ!!」
「えぇぇ!! くれないのっ!?」
「食べたかったのかよっ!!」
ガックシだよ…。
「そんな…たこ焼きが食べられないなんて……」
「そんな…最藤君がいない旅行なんて……」
※二人の乙女のテンションが一気に削られました。
「しゅうくん……本当に行かないの」
「ああ」
彗ちゃんがあっくんに話しかけてる。彗ちゃん。こうなったら君だけが頼りだよっ。
あっくんを落として! 崖からっ!!
「みんなしゅうくんと仲良くなりたくて…」
「いや……アンタはいいんだけどさ(ちょっと怖いけど)
あいつらは変じゃん」
「「ええッ!!」」
「はふっ」
指さす方向にいるのは、りっちゃん、ナルシー、メッシーの三人。
メッシ-はたこ焼きに夢中でこっちの話なんて全然聞いてないみたいー♪
「うん、確かにずっごく変だね」
「「ウソッ!!?」」
「でも……そんなこと言ったらしゅうくんも十分変だよ?」
「なぁぁあああああ!!?」
うんうん。言ったれ、彗ちゃん。
「だって偏屈で頑固でお友達を作ろうとしないし…」
「変な連中ばかり寄って来るからだっ」
「類は友を呼ぶ、だよ……しゅうくん」
「アホ子が傍に居るせいだろう!!」
「ちよこちゃんが傍にいるのもしゅうくんが変なせいだよ?」
「(ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!)」
あっくんのライフゲージがヤバイ! 真っ赤だ。ワタチがフォローしてあげなきゃっ♪
「まあ、あっくんってちょっと変なところがあるよねー」
あれ? これってフォローになってるのかな?? まっいっか♪
「(こいつは……)だが、その理屈だとアンタも変ってことになるぞ!!」
「……自分は常識人だ。変じゃないって思っている人なんているの?」
「ヴッ!!」
「みんなのこと嫌いなの? わたしとも友達やめちゃうの?
そしたらちよこちゃん以外友達0人になっちゃうよ」
「グザッァァァ」
「嫌われちゃったらもうわたしにはどうすることもできないよ。
しゅうくんは一生ちよこちゃんと二人っきり、仲良く暮らすことに……「ま、待て」
おや……あっくんの様子が……。
「わ、分かった! 海……行かせてもらいます」
「「「「わぁ♪」」」」
あっくんが仲間になったっ♪
「翡翠君、さすがだね」
「やるじゃないですか翡翠さんっ! 見直しましたっ」
「彗ちゃんえらーい♪」
「えへへ」
彗ちゃんの頭をなでなで~♪ なでなでして初めて気づいたけど、彗ちゃんの髪の毛って触り心地がいいね!
抱きしめたくなる、愛されボディのしおちゃんとはまだ別の魅力はっけーん♪
シャンプーの香りもいい匂い~♪ どこのお店のか今度聞いてみよう~とっ。
「翡翠君が捨て身で切り開いてくれた旅行だ。最高のものにしようではないかっ!」
「だねっ! それじゃあ……」
「「「「みんなお揃いの水着で!!」」」」
「それは断る」
※一人一人、水着を紹介するパート。
お話に出て来なかった、イランちゃん、詩緒ちゃん、美希ちゃんのおまけ話。
…は時間のある時にでも書く予定です。
次回『高校生デビュー』主役はまさかのアノ人です! ……誰だ?
(原作を知っている方は流れ的に分かるかな~??)
***
なんとか一枚に収められたーw前の話が本当に長すぎました。疲れました……。
彗ちゃんゴメン。今度時間のある時にでもカットした「彗インポッシブル」を書くので許してちょんまげ(/・ω・)/
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」3-1 ( No.57 )
- 日時: 2017/09/24 11:23
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: xGY5.0e4)
あさ。
真夏の太陽が照りつける暑い日。
こんな暑い日に駅のホーム前に立つ電信柱の後ろで張り込みをさせるなんて、随分とふざけたことをさせてくれるわねっ。
作者と言う生き物はそんなに偉いのかしら? まるで自分はこの世界の神だとでも言いたげな態度で本当にムカついたわっ。思わず手に持っていたうまい棒を投げつけてやりたくなったわよ! 投げないけどねっ。
投げずにまずは自分でむしゃりむしゃ、あ~美味しいと、目の前で美味しく平らげてやって残りかすが付いた袋の方を投げてやったわっ。
うふふっ。何度思い出しても笑えるわ。どうせならっコーンポタージュ味が良かったぁぁぁああ!! って泣き崩れたは姿はとても滑稽だったわ♪
「っと。いけない、いけないっ」
アホのアホ面を思い出してたら、本来の任務を忘れかけていたわっ。
どうして私が駅のホーム前にある電信柱の後ろで、焼けるの覚悟で張り込みなんてことをしているのかと言うとなのね…。
「おはようございます。さすが会長、お早いですね」
「ふぁ……眠い」
「来たわね…メスパラガス!!」
ある筋から手に入れた情報によると、今日あっくんとちよ子達がお友達と旅行に行くらしいのよ。
ちょっと、奥さんっ信じられます!? 高校生だけで旅行に行くって言うんですのよっ!?
これは間違いしか起こらないわ!! 私も高校生の時はお父さんと間違いを起こそうと毎日努力し頑張っていたものっ。
きっと、あのメスパラガスだって同じことを考えているはずっ!!
そんなことさせるものですかっ! 既成事実からの恋愛なんてねぇ! 糞喰らえなのよっ!!
「あっくんは私の老後安泰の為に……」
「おはようございます。緑屋さん、朱雀さん。今日はいいお天気なって良かったです」
ニコッ!!!!!!!!!!!!!!?
「なっなにぃぃぃぃ!!?」
なにっあの完璧美人オーラを放つ女はあああぁぁ!!? サラサラストレートが素敵な大和撫子のようで、世の中を見透かした、あの黒真珠のような黒い瞳が逆に怖いわっ!!
しかも今どき祭りに行くわけでもないのに浴衣/着物(薄単衣)ですって!?
いいとこのお嬢様のような気品をかもし出しつつ、和服と決め込むことでちょっぴり庶民な感じも出て近寄りがたい高嶺の花オーラを薄めたですってええぇ!!?
なんなの……あの新人ルーキーは……。あんな女があっくんの傍にいるなんて聞いていないわよっ!!
「ん~~……あ、おはよう……ぐぅ」
「半分寝ながらここまで歩いてきたんですか……? 器用ですね、飯野先輩…」
「僕にもこのスキルがあれば…「真似したら駄目ですよっしーさんっ」ぅ」
「やぁ。みんなごきげんいかがかな?」
「優雅くん、おはよう」
「あ…うん。おはよう緑屋君。
(そういえば緑屋君って男子のことは~殿と呼ぶんじゃなかったっけ?)」
※敬意のある人に対してだけです。
「おはようございます、水仙時さん。今日はお付きの人はいないのですね?
此処まで歩いて来たのですか?」
「たまには庶民の生活と言うのも味わってみたかったからね。電車とやらに乗るのも今日が初めてだよ
(そうえば高浜君も男子のことは~くんって呼んでいたのにどうして僕様だけ……ハッ! まさかっ!!)」
「いえ。違いますから」
「…………君はエスパーかい?」
・
・
・
「ハッ!!?」
ぼんやりあの子達の会話を聞いている場合じゃなかったっ!!
今のところいる女子は、メスパラガスと泥棒猫と…
「それにしても遅いですね…他の先輩達……」
ちんちくりん。
あの娘を一言で言い表すならそれしかないわね。
小さくてメッシーくんと隣に並んでいたら小っちゃいもの倶楽部で超可愛いじゃないっ!! 頭をこねくり回して、抱きしめて家にお持ち帰りしたいわ♪
顔から視線を下ろせば……
ぺたん。
うん。無害で安全なゾーンね。むしろどんどんちよ子とは仲良くなって欲しい娘だわ。
ちんぱいちゃんとはぜひ心友という間柄になって欲しいわね♪
「クシュンッ!(………なんだろ今ずっごく失礼なこと考えられている気がする)」
うんうん。くしゃみも可愛いなんて”お姉さん”ますます気に入っちゃったわ♪
それに比べてあの泥棒猫ときたら…
「あら? 誰かに見られているような…?」
ばい~~~ん!!
クソガキがぁああ!! 何気に私よりもデカイとか、喧嘩売っているのかしら!?
「上等よ! その喧嘩、勝ってあげようじゃないっ!!」
「待って、ください」
えっ。後ろから腕を掴まれた。綺麗な声だったからきっと掴んで来たのは女の子ね。
でもこの私に気づかれることなく、背後をとれるなんて何者? どこかの組織の刺客かしら…?
「振り返らなくてもいいです。わたしの話を聞いてくれればそれで」
「……。それでなんのようなのかしら?」
相手から敵意は感じない。むしろ敬意? のような視線を感じるのは何故かしら…?
「会長は悪い人ではないです」
「会長? それはあのデカパイ女のことかしら?」
「そうです。あの水風船のことです」
周知の事実ってことね。
「悪い人ではないってのはどうゆことかしら? あのデカパイは罪の証。
きっと澄ました顔して実は裏で男を喰いまくってるタイプよあれは。実際私の友達がそうだったもの」
「確かに会長の水風船は悪の根源です。あの水風船に誘われた男の子たちは皆、落とされました」
地獄に、なのねっ。みなまで言わなくてもわかるわ。なんて酷いデカパイ泥棒猫女なのかしら!?
「わたしたちの敵。健康男子のしゅうくんには目の毒。
でもちよこちゃんにとっては……大切なおともだちなんです」
「えっ?」
なんでここでちよ子の名前が出てくるのよっ聞き返そうと、後ろを振り返ったら
「いないわ…」
後ろには誰もいなかった。握られていた腕にはまだ彼女のぬくもりが残っている。
確かに彼女は私の後ろに居て話をしたはず、あれは夢でも幻でもないはず……。
「みんなオッハー☆」
「やっぽ~~☆」
「よぉ」
不思議な白昼夢に浸っている場合じゃなかったわね、ちよ子達がやってきてしまったようだわっ。
あの娘たちにバレないように尾行して、あっくんとイイ感じになりそうなってる不届き物が居たら人知れず成敗する! それが今回の私に与えられた任務なのよっ!
物語の後半戦に入ったところ。あっいえ。タイトルが出てきてないから、正確に言うなら前振り部分が終わろうとしているってところかしら?
まあどちらでもいいわね、そんなことっ。このままダラダラズルズル進んで行った挙句に、何もないまま終わってしまう方が一大事だったわよ。
さあ、電車に乗るあの娘たちを尾行して……
「高浜。着物着てるのか? 風流でいいなそうゆうのも」
「りっちゃん、お祭りに行くのー!?」
「海に行くんですっ!! えっと……いいでしょう///
おばあちゃんが着付けしてくれたんです」
泥棒猫が頬を赤くしてあっくんの前でくるりと一回転。
えっと? ちょっと待ってくださいな? 一気に情報が入って来て処理が追いつかないわ…。
高浜? りっちゃん?? ちよ子のお友達の…
「高松 律子ちゃん!!?」
えっ? ちよ子が小学生の頃、ご両親の都合でこの町に引っ越して来られて、たまたま同じクラスになったちよ子と仲良くしてくれていたあのりっちゃん!?
あのガリ勉メガネで、地味で影薄子で、皆の輪に入れなくて教室の隅っこで一人シクシク泣いていた、あのりっちゃんなの!?
「どうしてそんな雌豹みたいになってしまったの、りっちゃん!!!」
「だ、誰ええぇぇえ!!?」
あ。興奮しすぎて思わず電信柱の後ろから飛び出して、りっちゃんの肩を掴みかかって叫んでいたわ…。
「あっお母さん♪」
「千代紙君の母上殿ではないか」
「う……(あの人苦手…)」
「どうしたんですか、しーさんっ??」
「ふぁ……(また面倒くさい人が来ましたねぇ~……このまま寝たふりでもしてましょうか)」
「……はぁ(なにしでかす気だ。あの人は…)」
「あ。ヒコーキ雲じゃん! 写メ撮ろ~と♪」
つづく☆
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」3-2 ( No.58 )
- 日時: 2017/09/24 11:16
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: xGY5.0e4)
出てきてしまっては仕方ないわね。こうなったら、あっくんの誘惑する不届き者をここで全員成敗してあげるわよっ!!
『天誅』千代紙 れい子side
***
「うっふふ。娘からみんなで旅行に行くと聞いてね
それにしても驚いたわ~。まさか。あの地味だったりっちゃんがこ・ん・な」
「え? …え。…え??」
「あっくんを誘惑する、雌豹になっていたなんてねっ!!」
「えぇぇ!!!?」
「りっちゃんってヒョウだったの!?」
「違いますよっ!!」
顔を真っ赤にしているけど、その視線は私に対してではなくあっくんに対して。
恥しい事実を言われて焦りつつも、意中の相手のフォローを忘れない。…なんて出来る女に成長しているのりっちゃん。…恐ろしい子!
「わ、私はただ……地味だった自分を変えたくて…」
「あっ会長って高校生デビューだったんですねー」
「そ、そうなんです! さ、最藤君を誘惑するなんて……そ、そんなことするわけないじゃないですか///」
もおと頬を膨らませで潤んだ瞳を輝かせるりっちゃん。
「あら? そうだったの?」
「そりゃそうですよー」
「「「アハハハハハッ」」」
ちよ子も加わって乙女3人で仲良く笑い合う……
「って誤魔化されるかぁぁぁあああ!!! 雌豚がぁぁぁっぁああああ!!!」
「誰が雌豚ですかぁぁぁあああ!!?」
やっぱりとぼける気なのねっ! 上等よ、なら公衆の面前で恥ずかしい思いをさせてあげるわぁぁあ!!
りっちゃん。いえ、ここまで堕ちてしまってはもうあの頃の地味で毒なのが安心して見れたりっちゃんではないわっ!
もうあれは敵! 女の敵なのよっ!!
「貴様は絶対に海には行かせないぃぃぃ!!」
足元に置かれていたキャリーバッグを開けてみれば、大切にしまわれていたフリルが可愛い白いデカパイ水着を発見!
「あっ! 私の水着!!」
当然。見つけたならばバックから取り出すわよね?
※いやそんなドヤ顔されましても……。
「な、なにをするんですかぁぁ!!?」
「なにを、するって……」
もしもの時の為に忍ばせていたマジック(油性)を取り出しキャップを外して
「◎(二重丸)を書くっ!!」
「イヤァアアアアア!!!」
白い水着の中央に書かれた二重丸。
「こ……この……」
「なんてゲスイことを……」
「オッホッホ、こんな水着では海には行けまい! オホホーホッホ!!」
悔しそうに膝から崩れ落ちるりっちゃん。彼女ははもう駄目ね。
海には行けず、恥ずかしさのあまりあっくんの前に姿を現すこともできないでしょう!
「行きますよっ!」
「こんな水着を着て? 恥ずかしい女ー」
「ワタチも着るから恥ずかしくないぞー!」
「なっちよ子!?」
「私は上からシャツを着ますよ!!」
「なるほどー」
くっ。意外としぶといわね…りっちゃん。でもねっ、私にはまだ最終兵器が残っているのよっ!!
「こうなったら、二重丸の部分をハサミでくりぬいてくれるわぁぁあああ!!」
「んぎゃあああぁぁぁ!!!」
「いい加減落ち着いてくださいっ、母上殿!!」
「んなっゆーがちゃん!?」
こんなパットでのポットで野郎に背後を取られしかも肩に腕を回され身動きを封じられてしまうなんてってうかつだったわ!
でもまだ手はある。私は女、ゆーがちゃんは男の子。ならやることはひとつしかないわっ。
「いや~~ん。痴漢よ~~」
「ちょっ!!?」
「ナルシーの熟女好き~♪」
「違うから、千代紙君っ!!
たとえ変な濡れ衣を着せられても僕は放さないですよっ!
楽しみしていたみんなとの旅行をこんなおばさんに邪魔されたくないからねっ」
「……おばさん、だと?」
「え」
「この小童があああぁぁぁ!!!」
「「ぐはぁぁあ!!」」
油断大敵ってね。スルッとゆーがちゃんの腕から逃げて、逆に私を封じてたその腕を掴んで呆然と立っていたりっちゃんに向けて投げつけてくれるわぁぁぁ!!
「つ、強い…」
「貴様らガキ共とはくぐってきた修羅場の数が違うのよ」
さあこれで終わりよ、りっちゃん!
右手持つハサミを掲げ、左手に持つ水着目がけて振り下ろす。
「ヒャァァァパァー!!
あっくんは、誰にも渡さんわぁぁあああ!!!」
「いやあああああああ!!!!!」
ガシッ。
ハサミを持つ右手が誰かに掴まれたっ。
「なにを……してんすか」
「「最藤君っ!!」」
「ち、違うのあっくん! 私はただ…老後。じゃなくてあっくんの為にっ」
「…………」
上を見ると冷たい、人ひとり殺れそうな目をしたあっくん顔だったわ…。
このままではヤバイ! と本能的に察した私の身体は、瞬間的にあっくんから離れ
「だって。だってあの雌豚があっくんをっ」
「なっ///」
今回の事は全部あの女が原因なのよっと説明しようとしたのだけどその前に私の背後をとったあっくんに
「もう40近いんだし、ちょっと落ち着きましょうか……」
「アガガガ……」
首に腕を回され締められる技、スリーパーホールドをきめられてしまったわ。
「ガァァァァ!!!」
痛い! いやそれ以前の問題のような痛さ、このままでは落とされてしまう!
ギブギブギブッと絞めてくるあっくんの腕を叩くと解放してくれたわ。ハァーハァーとまずは新鮮な空気を肺に取り込む。
「で、どうします? もうこうゆう事しないと誓うか、もっと痛い目みますか?」
仁王立ちし説教をするあっくん。
あっくんに近づき誘惑する雌豚&メスパラガスに天誅を与えないか、もっとあっくんに痛めつけられるか、の二択から選べですって……そんなのっ
「どっちもお断りだわぁぁぁああ! これでもくらいなさいぃぃぃい!」
私はあっくんを錯乱させその隙に逃げる為”身に着けていたあるもの”を投げつけてやったわっ。
「ふおっ!? な、生暖かいっ」
脱ぎたてほかほか。私の勝負下着(上)紫のレースが大人の女性っぽくて素敵でしょっ! オホホホー♪
「あ、しまったっ」
「甘いわねー! そこの雌豚の思い通りになんてさせないわぁぁあ!!」
「なっ!?」
「このままで済むとは思うなよぉぉおおお!!! オーホホホホホホッホホウッ!!」
「「「「……………」」」」
「たくましすぎるな……」
「行ってきまーす♪」
※逃げるれい子の背中を見つめる5人と笑顔で手を振るちよ子と
「野良猫カワイイし~写メ、写メ♪」
「うふふっ。今日もいい写真が撮れた」
写真を撮ることに夢中な乙女が2人。
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