コメディ・ライト小説(新)

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ナニイロセカイ(半実話)
日時: 2017/11/14 15:01
名前: 雪姫 (ID: yZSu8Yxd)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel4/index.cgi?mode=view&no=16943

あれはいつのことだったかな_?





夏が終わり




秋が来た




少し肌寒い日のこと_




トントン。




誰かが階段を上がっている



トントン。



女の子が静かに一歩一歩ゆっくりと階段を上がって行きます



トント



到着。目の前に続く道は立入禁止と書かれた黄色いテープで塞がれていました




彼女はテープを引きちぎり




キィ





ドアを開けて中へ入いります




ビュゥゥゥウウ




冷たい風が彼女の頬を撫で 彼女は





世界を区切る壊れたフェンスの方へ





上を見上げれば 雲一つない青色の世界




下を見下げれば 部活動中なのでしょう



運動部員たちがグラウンドで走り回っている 茶色い世界




ポタ… ポタ…





晴天の空




でも 彼女の心はどんより曇り空




ポタ… ポタ… 




大粒の雨が彼女の頬を濡らします






フェンスを乗り越えて世界の外側へ





世界の内側からは楽しそうな笑い声





ぽんっと誰かが背中を押します





ふわりと浮き上がった体は そのまま__




















地面のアスファルトに飛び散った赤い液体





救急車のサイレンの音






彼女は死んだのかな、とただ純粋にそう思った





肌寒い秋の日の出来事_。










****
ナニイロセカイ[>>107]





                                             [>>106]

「あと味が苦いエスプレッソ」 ( No.94 )
日時: 2017/10/30 10:44
名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: Tm1lqrhS)

+メッシー優勝おめでとトロフィー代わりの小話第一弾+おまけ



10月某日。世間はまじかに迫ったハロウィンで浮かれ陽気だっています。自分にはあまり関係ないですけどね。
今日は創立記念日という事で平日だけど学校はお休みです。平日のお昼にどうどうと町を歩けるなんてとっても気分が良いですよねっ。
あとそうゆう日は大好きな人と一緒に過ごしたい……のにっ。

「僕は~モンブランで~、リョクさんは」

「僕はエスプレッソを」

「モンブランとエスプレッソ、お一つずつですね。かしこまりました。少々お待ちください」

”ガサガササ”

な・ん・で・よりによって飯野先輩なんかと、楽しくお茶しているんですか~~~~しーさんっ!!!!
ぐぎぎーと歯を噛みしめて木の枝を掴んで大きく揺らしてしまいます。悔しすぎてっ。
ことの始まりは今から2日前、とある企画書を発見したところまでにさかのぼります。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


「先生ーいますか? ちょっと相談したいことが……なにこれ?」

雑談板の方にある【自称ゲーマーさんの創作部屋】誰でもお遊びに来てねって宣伝ですか乙。
……どうでもいい話は置いといて、とにかく先生の創作部屋に訪ねた、自分朱雀 美希です。自己紹介するタイミング少し見失ってました……ごめんなさい。
で、ちょっと今後のこの作品の進行方向について先生に相談があって来たんですが……足元に「めっしーおめでときかくしょ」と平仮名ばかりで逆に読みずらいタイトルが書かれたノートを発見。

「…………ごくり」

人の日記帳って見たくなりません?
見てはいけないものって特に見たくなりませんか? カリギュラム効果ってやつです? そんな感じの好奇心で落ちていたノートを手に取って見てみたんです……今思えば見ない方が良かったかもしれません。

「な、なんですかぁああああああこれはああああああ!!!?」

そこに書かれていた内容はこんな感じでした。

・なんかめっしーとしおちゃんをくっちゅけたい

・いやむしろもう、主人公&ヒロインはふたりでいいでね?

・本屋とかで運命的な出会いして

・運命的な教会でゴール……

「したら駄目ですぅううう!!!」

教会でゴールインってときメモですかっ!? 古いですよ!! そんなの今の世代の子だったら知らない方が多いですよ、きっと!
百歩譲ってしーさんが主人公なのはいいとしても、ヒロインが飯野先輩なのはいただけません!! そこは、じぶ……ごほん。

「と・に・か・く、こんなの絶対に認めないです! 講義……しても聞いて貰えなさそうなので……自分で阻止しに行きます!」

自分はしーさんの騎士ナイト
しーさんの純潔を誰にも汚させたりなんてしませんからね!! 待っててくださいしーさん、今行きます!

ガチャリ。

『……行った?
 いや~怖いね、恋する乙女という生き物は……やれやれ。あと隠れるのはクローゼットに限りますなあ。
 ふ~む。我々の計画を邪魔する者現れナウ』

この時の自分では知る由もなかったんですが、先生の野郎また変な事を計画してやがっているようなのです。
なにを企んでいるでしょう? あと最近ぶっちゃけ、やけくそ、トーク多いですね。猫被るの止めたんですか?
でもいいです、そっちがその気なら自分にも考えがありますから!

――これは戦争です。しーさんさんの純潔をかけて自分と先生の戦争なんです! 絶対に負けるもんですか!!




+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

……と、気合を入れたところまでは良かったんです。本屋でしーさんと飯野先輩が来るのを待ち伏せして、ファミレスに向かう二人の後を見つからないようについて来て隣の席に座る所までは本当、そこまでは良かったんです。いつもそこまでは良いんですよね……。

「ねねー、ワタチ バナナハフェ食べたい♪」

「いいですね、先輩。じゃあ、僕はいちごパフェ……美希はどうする?」

パフェとかどうでもいいですよ。なんで……なんで……

「なんでいるんですかっ、千代紙先輩!?」

「ほえ?」

先生が自分に用意した嫌がらせはまさかの、千代紙先輩でした。空気を読まないアホのチャンピオンでした。
しかもスケットに呼んだはずのひそっちはまさかの千代紙先輩と意気投合しちゃって、仲良しになっちゃってるし……もう! ミイラ取りがミイラになったら意味ないじゃん!! しっかりしてよっ……と心の中で叫ぶけど、そこ声は当然2人には聞こえてません。

「はぁ……もうやだぁー」

『あと味が苦いエスプレッソ』 ( No.95 )
日時: 2017/10/30 10:45
名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: Tm1lqrhS)

「それでね、あっくんがね♪」

「そうなんですね」

背後で楽しくキャッキャウフフと話している人達のことはこの際無視です。もう無視の方向でいきましょう。千代紙先輩の相手なんてしてたら身が持ちませんよっだって……まず最藤先輩の身が持ってませんし……まあそんなこと自分には関係ないのですが。
いつだって最重要項目はしーさんです! しーさんの身の安全が最優先なんです!
席を隔てる植木のすぐ向こう側にしーさんが……とおまけの飯野先輩がいます。盗み聞きとかあまり趣味じゃないですけどこれもしーさんの為、心を鬼にして聞き耳を立てます。
でも……。

「バナナうまっ」

「いちごパフェもすっごくおいしいですよ、ちよ先輩」

「マジ!?」

「……うるさい」

後ろの2人がうるさすぎて全然、しーさんと飯野先輩の会話が聞こえない!
唯一聞き取れたのは「ワニ」「タカ」「タヌキ」え……動物の話? 動物の話をしているんですか? あの飯野先輩が?

「ぷっ」

あまりに似合わない姿に思わず吹き出しちゃいましたっ。見た目猫みたいな先輩が……動物の話を……瞳を輝かせて生き生きとした表情で熱く語る……ぷぷっ。
ヤバイ……ツボに入っている場合じゃないのにっ笑いが止まらないっぷぷっ。

「お待たせしましたー」

へ? 店員さんが自分達の席に来ました。「お待たせしました」ってなにがです? 先輩たちが注文したものは全部きているはずですよね? 千代紙先輩のバナナパフェにひそっちのいちごパフェ……

「エ」

椅子に座り直して改めて店員さんを見たら固まりました。いえ……あの……ビックリしすぎて……なに持っているんですか、店員さん?
店員さんが両手いっぱいに抱え持っているものは。

「メイプルスター一押しDXパフェお持ちいたしましたー♪ どうぞお召し上がりくださいませ☆」

ここファミレス『メイプルスター』で作られているパフェを全部混ぜてしまった……究極の巨大パフェでした。
どういえばいいのかな。ほんっと大きいの。大きすぎて絶対に一人で食べるものじゃないです。あと乙女が食べるものじゃないです。こんなの食べたら一週間くらいなにも食べられなくなりますよっ! 毎日運動漬けの日々ですよっ!
誰が好き好んでこんなもの食べるんですか……テーブルの中央に置かれるDXパフェを睨み付けます。何故か店員さんが自分の方を見つめ「ガンバ」と小さくガッツポーズ、どうして自分に?
――まあすぐにその理由も分かったんですけどね……。

『あと味が苦いエスプレッソ』 ( No.96 )
日時: 2017/10/30 10:12
名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: Tm1lqrhS)

そして始まりました。始まってしまいました。悪魔のゲームが。

「うぇーい!! チキチキ第一回 メイプルスターでイッチバンおいちいDXパフェ早食い王決定戦ーー!!!」

「わぁ~い」

椅子の上に立ち上がってシュワッチッ! みたいな。怪獣を倒して故郷へ帰還するウル●ラマン的な感じで盛り上がっている千代紙先輩の隣で温かく優しい拍手を贈るひそっち。ひそっちはいったいどこポジションなの? そっちサイドに堕ちてしまったの?
と・ゆ・う・よ・り・も。

「なんです、DXパフェ早食い王決定戦って」

「説明しよう! チキチキ第一回 メイプルスターでイッチバンおいちいDXパフェ早食い王決定戦とは、メイプルスターでイッチバンおいちいDXパフェを誰が早く食べることが出来るか競う競技なのである!!」

でしょうね。聞き方を間違えました。

「えっと……ですね、千代紙先輩。早食い王決定戦って言っても、DXパフェ一つしかありませんよ?
 それにこれ……誰が食べるんです「――そんなの」

いい終わる前に言われました。

「ミキミキちゃんに決まってるじゃんっ☆」

「頑張れ美希っ!」

……でしょうね。店員さんが持って来た辺りでなんとなくそんな気はしてました……うん。あとひそっちその期待に満ちた目やめて、地味に精神的ダメージが大きいから。女の子は常にダイエットの狂戦士なんです、そんなもの食べたら死にます、精神的に。

「はぁああ!?」

「な、なんですかっ突然大きな声をあげないでくださいよっ千代紙先輩!」

しーさんと飯野先輩に気づかれたらどーしてくれるんですか!?

「大変だよっミキミキちゃん!」

「……だから何がです?」

「放している間にもDXパフェの上にのっってるアイスが溶けはじめてるぅぅぅ」

「んなっ」

上を見上げてみれば、ボールサイズに削られた、バニラ、イチゴ、チョコミント、その他諸々のアイスが溶けてテーブルの上に滴り落ちていました……なにか視線が、

「……ぅぅぐすん」

「……ぁ」

視線を感じる方向を見てみると、そこには厨房の出入り口から頭だけを出してこちらを凝視しているコック姿の中年男性がいました。……誰?

「店長っ、お客さんに失礼ですって」

止めに入る店員さんって、あの中年コックさん店長さんなの!?

「店長のあの悲し気な顔を見ただろう! いいのかっミキミキちゃん、このままDXパフェを溶かし無駄にして!  泣くぞ! 泣いちゃうぞ! 店長が!!」

「大丈夫、美希なら出来るよ! 自分を信じて!」

「うぅぅ」

なんなんですっこの状況、この微妙な空気は!!
店長が泣く姿なんて見たくないですよ! 中年男性の泣き顔なんて誰得って話ですよ! あと少しばかり罪悪感もありますし……。
そしてひそっち! だからその期待に満ちた目、やめてってば! ほんとっ変なプレッシャーが凄いから! 図凄い重いからっ。

「…………っ」

チラリと後ろに座っているしーさん達の方を見てみます。なんだか今度はドレスの話をしているみたいで、こっちの異様な盛り上がりには気がついていないみたいです。……良かった。でもしーさんと飯野先輩でドレスの話?? 全然想像できない組み合わせ……ちょっと気になるかも。

「セイッ! ヒメの一気食べ見てみたい~♪」

「見てみたい~♪」

「ここはホストクラブですかっ!? シャンパンタワーなんて頼んでないですよっ!! 目の前にあるのはカロリーの化け物ですよ!!」

「あっ。美希上手いっ座布団一枚っ♪」

「いらないよ! でもありがとうっ!」

この人たちといると必然的にツッコミ側に回されるから嫌だ。と思いながらスプーンを握りしめ、

「美希っいきます!」

「イッケーー」

「ファイトだよ、美希!!」

「ハグハグハグッーー」

――そこから現在に至るまでに何があったのか、記憶がおぼろげです。よく覚えていません。
気が付けば目の前にあった大きなXDパフェの山は消えていて、あるのは空っぽの器だけ。
涙を流した千代紙先輩とひそっちが「よく頑張った。頑張ったね」と優しく声をかけて背中をさすっていました。
あぁ……勝ったんだ自分は。DXパフェに勝ったんだ。
見事食べきったという達成感と、あのカロリーの化け物を食べてしまった罪悪感、そして10分で巨大パフェをバカ食いしたせいで気持ちが悪い。

「ううっ」

「だ、大丈夫、美希っ。今にもさっき食べたパフェがデビューしそうな顔しているけど」

うん……だいじょばないかも……これ。下手したら上からじゃなく下からもデビューしちゃうかも……うっぷ。
でもお手洗いに駆け込む前に、死ぬ前にもう一度だけしーさんの顔を……拝みたい。

「わぁ///」

「お~///」

ん? 目の前に座る2人の反応が可笑しい。顔を赤くさせて、千代紙先輩は興味津々といった感じで目を輝かせて食い入るように見つめている、その反対にひそっちは目を伏せて恥ずかしそうにチラチラ、チラ見してる……2人ともなにを……見て……ぁ。

「あ~ん」

「あ、あ~ん」

”ガサガササ!!!”

後ろを振り返って見えたそれは飯野先輩の下衆野郎が気高き存在であるしーさんを汚しているところでした。

「な、なななななななななっ!?」

「……さすがめっしー先輩……勉強になるな」

なに感心しちゃってるのひそっち!? 駄目だからね、あんな危険要注意人物に憧れたら!! あんなの猫の皮を被った狼がついに本性を現したって奴だよ!!
何してくれちゃってんですかっ飯野先輩!! まだ自分だってそ、そんなしーさんに「あ、ああああ~ん」だなんてしたこともされたこともないのにっそんなアッサリとぉおおおおおおお!!?

「……このエスプレッソは苦くて不味いですね」

「▽◇●□▲〇!!?」

「み、美希ッ!?」

し、しーさんが口を付けたエスプレッソを飲んだ……だとっ!!?

「ぶぅぅぅううううう」

――その瞬間 さっき食べたDXパフェが口から華々しくデビューしました。それは本当、定時に噴き出すイルミネーションで飾られた噴水のように色鮮やかで楽しいものだったら良かったのにね。












                                      To be continue……

Re: 俺のペットはアホガール*短編集* ( No.97 )
日時: 2017/10/31 10:27
名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: jAa55n87)
参照: https://img-i.akatsuki-novels.com/40079_20171030085154.jpeg

「「トリックオアトリート!!」」「「お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞ♪」」

そこゆく君。ちょっと待ちたまえ。君に質問してあげよう。今日は何月何日だい?
・・・。
そう! 今日はリアルタイム時間で10月31日、つまりハロウィンだよ!
本日は急遽本来の話を変更してハロウィンの季節ネタをお送りしようと思う。

と、ハロウィンネタをする前に君はそもそもハロウィンのを知っているかい?

【ハロウィンとは】

ケルト人の1年の終わりは10月31日で、この夜は夏の終わりを意味し、冬の始まりでもあり、死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていた。
時期を同じくして出てくる有害な精霊や魔女から身を守るために仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いていた。これに因み、31日の夜、カボチャ(アメリカ大陸の発見以前はカブが用いられた。スコットランドではカブの一種ルタバガを用いる。)をくりぬいた中に蝋燭を立てて「ジャック・オー・ランタン(Jack-o'-lantern)」を作り、魔女やお化けに仮装した子供たちが近くの家を1軒ずつ訪ねては「トリック・オア・トリート(Trick or treat. 「お菓子をくれないと悪戯するよ」または「いたずらか、お菓子か」)」と唱える。家庭では、カボチャの菓子を作り、子供たちはもらったお菓子を持ち寄り、ハロウィン・パーティを開いたりする。お菓子がもらえなかった場合は報復の悪戯をしてもよい、とされているが、これはあくまでもお菓子をもらうための口実、実行力を伴わない形式的な台詞であり、お菓子をもらえない場合でもがっかりして立ち去るのがほとんどである。

【Wikipedia抜粋】


……だそうだよ。
と、まあ、ハロウィン云々の話はこの辺でその辺にでも投げておいて、だね。今日は僕様のお家。水仙寺財閥主催の仮装大会開催だよ!!
町の人たちみんなで仮装して町を練り歩くのさっ。もちろん衣装はレンタル可だから、気軽に仮に来てくれていいのだよ。1着1万でいいよ♪
ふっふっふっ……仲の良い友と一緒になって馬鹿騒ぎ、ふっ、これも青春かっ。

「ナルシーはっけーん♪」

「千代紙君に、その他女子諸君、着替えが終わったんだね」

女性専用の更衣室から女子メンバー達が着替え終わったようでぞろぞろ出て来たよ。

「おおう、みんな似合っているね!」

千代紙君、小野君、緑屋君、青龍院君、翡翠君の5人はみんな同じ魔女のコスプレを選んだようだね。

「いぇーい! 似合ってるしょっ☆」

いつもながらに元気いっぱいの小野君。
いつもは下ろしている髪は後ろで纏めてアップにして、あと髪につけているアクセサリ、ゴシックな感じの赤いバラが大人の雰囲気を出して、いつもと雰囲気が違ってなんだか別人に見えるから不思議だね。女の子は服装、髪型を変えるだけで別人になるからいいよね。僕様達男児はあまりイメチェンする機会が少ないから……ちょっとだけ羨ましいよ。

「そ、そうかな……?」

恥しそうに頬を染めている緑屋君。学校がある日も休日の日もいつも常にフードをかぶっている緑屋君。たまにはフードを被っていない彼女を見てみたいと思っていたのだけどな……。
「やっぱり……なにか被ってないと落ち着かないから」という事で、魔女の帽子のかわりにお化けのベールをかぶっています。
……なんだろう。緑屋君の雰囲気も相まってか、聖職者の人に見るから不思議。

「はぁ……何故私がこんなつまらない祭りなどに参加しなければならない」

不満げに悪態着くのは僕様のお家の永遠のライヴァル家、青龍院財閥の娘さん 青龍院 幽真君だね。幼い頃は食事会とかで何度か顔を合わせたことがあるけど、中学になった頃からだったかな? 彼女のお家と僕様のお家の仲が急速に悪くなっていってパーティーに一緒に出なくなったのは。……なんで急速に悪くなったんだっけ?
まあ、とにかく、こうして面と向かって話すのは小学校卒業して以来なのだよ。いやぁ久しぶりだねっと先ほど声をかけたら「ふんっ」と鼻で笑われたよ……なして?

「…………」

無言で立ち尽くしている翡翠君。
いつもかけている分厚い眼鏡を外してかわりに前髪で瞳を隠してしまっていて、実に勿体ない。でもいつもストレートに下ろしている髪型を一部三つ編みにしているのは、幼児っぽくて可愛いね。
頭につけているアクセサリ、デビルカチューシャに背中につけているアクセサリ、デビルウイングとお尻につけているアクセサリ、デビルしっぽが小悪魔感を出していてさらに可愛いね。

「どうだっあっくん!!」

千代紙君がひとつ大きな声を上げたよ。それを合図にその他魔女っ子4人が集まって、

「これが魔女っ子ゴレンジャーだーーー!!!」

ポージング。朝やっている5人の先頭隊員たちのパージングを真似したみたいだね。メンバーがメンバーだからポーズはバラバラのやる気が感じられないけど……それはそれで素人感があって僕様はいいと思うのだよ。
で、見せつけられた最藤君の反応は、と、いうとだね……。

「あっそ」

物凄くあっさりとしたものだったよ……もっとなにかなかったのかい、最藤君……。






*〇*〇*〇*〇*〇*〇*〇*〇*〇*〇*
HAPPYHallowe'en!!

その二十九「トリックオアトリート」 ( No.98 )
日時: 2017/10/31 11:01
名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: jAa55n87)
参照: https://img-i.akatsuki-novels.com/40079_20171031091729.jpeg

「皆さん早いですね」

「なんで……会長とお揃い……」

千代紙君たちから少し遅れて出て来た、高浜君と朱雀君。
レンタル衣装の数には限りがあるからね。どうやらもう魔女っ子の衣装は残っていなかったようだよ。その代わりにと二人が着ているのは、破妖ノ衣のようだね。
で片方の肩を出した和服のロングスカートみたいなもの。靴も足袋で雰囲気が出ていていいね。

「2人とも髪型を変えているのだね」

「ええ。ちょっちしたイメチェンですね」

と言っている高浜君は伸ばした髪をポニーテールで纏めてあげて綺麗なうなじが出て、さすが大和撫子っといった感じだね。和服が良く似合っているよ。
頭のフラワーニットのヘアバンドもちょっとしたアクセントって感じでまたいい感じだよ。

「どうせなら、しーさんとお揃いがよかったですよぉ」

と、ふてくされている朱雀君はいつも頭の後ろで纏めているポニーテールの髪型を少しだけ変えて、頭の横で纏めたサイドテールにしたようだね。それだけの違いなのに、幼児っぽかった彼女の雰囲気が一気に大人っぽくなったから不思議だね。
あとワンポイントで付けている花の髪飾りもまた可愛くていいと僕様は思うよ。

「水仙寺さんは……何のコスプレですか?」

ふっふっふ。僕様がなんのコスプレをしているかって……? よくぞ聞いてくれたねっ、高浜君!
パアァァ!! 僕様の親衛隊3人が背後に立ち僕様をライトアップしてキラキラ粉を撒いて盛り上げるのさっ。

「よくぞ聞いてくれたね、僕様が着ているのは、ブラム・ストーカーさんの恐怖小説『吸血鬼ドラキュラ』でお馴染みの、ドラキュラ伯爵だ、よっ!!」

「さすが優雅様っ眩しい!!」

「さすが優雅様っなにをお召しになってもお似合いです!!」

「馬子にも衣裳とはこのことですよね……」

ふっふっふ。全く親衛隊の3人は褒め上手だから困ってしまうよ。……で、馬子にも衣裳とはどうゆう意味だったかな? ああ……言わなくてもいいのだよ。きっととっても似合っていますよっという意味なのだよねっ。
と、高浜君たちの方を見つめ返してみると、

「ひそっちは狼男なんだ」

「うん。カッコイイでしょう?」

「う、うん……そ、そうだね(可愛い子犬にしか見えないとは言えない……)」

「玄武さんは……フランケンシュタインですね」

「そうです。俺のこの怖い見た目だったらもう、フランケンシュタインしかないかな……と」

「アリャ? 大和ーどうしたしー? 包帯ぐるぐるだし」

「……もしかしてミイラ男のコスプレか、それは」

「いえ、そこの裏路地で終さんに……「嘘をつくな」」

わいわいと僕様を無視して盛り上がっている、みんな。
…………寂しくない、寂しくなんてないのだからねっ。全然寂しくなどないのだからね!!

「全然寂しくなんかないのだからねーーーーー!!」











                                             *fan*


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