コメディ・ライト小説(新)

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初めての彼女は異世界で 《コメント募集中です》
日時: 2018/04/06 19:02
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

…眩しい。何処だ、此処。
『目覚めましたか。』
誰だ?
『貴方達の世界で言うと神ですかね』
は?何言ってんだ?
『此処は神界。貴方は異世界転生者に選ばれました。』
ふーん、そうなんだ…って納得出来るか!
『そうでしょうね。いきなりですものね。しかし、人生をやり直すことが可能なのですよ。貴方の人生は、把握していますから。』
まぁ、恵まれてはいなかったかもな。両親は中学の頃に他界してしまったし、容姿は最悪だった。学力は低く、いじめられていた。
高校卒業後は、自宅警備員(自称)だ。
挙句に信号無視のトラックに跳ねられる最期ときた。泣けてくる。
『異世界転生をする際、前世の貴方のステータスを…』
あー、同じような人生を歩むことになるかな…
『正反対とさせていただきます。』
は?はあ⁉︎
『年齢は同じですが。後、転生場所はランダム、スキルもランダムです。』
色々と無茶苦茶だなぁ。
『もうそろそろお時間なので、最後に転生しますか?』
それかよ!最初の方に聞けよ!
『どうしますか?』
せっかくの機会だ。やってやる!

あらすじ
加藤勇気、19歳は最悪の環境で育ち、自分自身も最悪だった。コンビニの帰りに交通事故で人生を終えた。しかし、いつのまにか白い世界にいた。そこには光り輝く神と名乗る人物が存在し、もう一度、人生を異世界で始める事となる。年齢=彼女いない歴の彼は最強スキルと共に異世界を楽しむ冒険譚。

目次
第1章 >>1-7 第2章 >>8-16 第3章 >>17-33 第4章 >>34-49 第5章>>50-66
誤字、脱字が多いので見つけたらご報告頂けたら幸いです。コメントは大歓迎なのでドシドシ下さい。
なるべく毎日更新するよう努力します。
閲覧数、700越え有難うございます!

登場人物紹介(主に出る人達、簡易的。)

加藤勇気
主人公。転生後の名はユウキ・カトウ=エトワール。転生した後貰ったスキルがチートだった。雑学に妙に詳しい。

煌龍
彼が出会った最初の魔獣。神に創られし、五体の天龍の一角。光を司る。勇気の使い魔。

パウアンネ
通称パウ爺。精霊王であり、勇気の眷属。元神様で結構偉い。たまに悪意がある。

フェンリル
通称リル。魔獣の頂点に立つ大狼。全てを喰らう最恐の魔獣。小さくなるとぽふぽふしてて可愛い。勇気の使い魔。


マリー・リブナント
リブナント伯爵の令嬢。ツンデレ感が凄い。魔法の才能があった。現在修行中。

ネイレス
歴代の勇者が造り上げた、人造人間ホムンクルス。勇者だけが入れる場所にいた。勇気が来た時に譲渡された。

アンラ・マンユ
ゾロアスター教の邪神の頂点。悪の創造神。とか言いながら変態。何故か女神。マリーに魔法を教えている。

ルナ
勇気が奴隷商で買った奴隷。銀兎族の獣人。白銀龍の呪いを受けていた。勇気により解除され、勇気に仕える事を誓う。

白銀龍
五体の天龍の一角であり、水を司る。頭が良く、何事も先読みするので話上手。天龍の中で一番の人格者。

ルシファー
元熾天使。現在は堕天使で悪魔の頂点に立つ魔王。イケメン。結構チートだけどマトモ。

コメントを下さった方々

織原姫奈様

初めての彼女は異世界で 《コメント募集中です》 ( No.62 )
日時: 2018/03/22 20:59
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

第58話 公爵領の運営スタート

今日は待ちに待った、俺の公爵領に住人が来る。王様から聞いたところ、沢山の応募があり、倍率は10倍らしい。凄いな。
現在、その人達を待っている。俺が王様に頼んで、飛行船場の土地を確保して貰った。
「定刻になったな、お、きたきた。」
飛行船の前で待っていると、沢山の人々がぞろぞろと来た。集まったので、説明を始める。拡声器魔法を使って。人数はスキルで把握している。
『えー、これからこの飛行船で公爵領に向かいます。家などはこちらで用意しておりますので、安心してください。』
飛行船のゴーレムはバッチリです。サービス業としてこれから頑張ります。
『ここまでの説明で何か質問はありますか?』
誰も手を挙げないので大丈夫だろう。
『最後に、人命に関わる事がある場合、中のゴーレムの指示に従って下さい。機内での質問がある場合もゴーレムにお声掛け下さい。』
一通りの説明を終え、ゴーレム達が入場口から誘導を始める。それに従い人々は入って行く。


五分ぐらいで全員が乗り込む。初めて乗る人々なので、凄いとか感嘆の声を上げている。喜んでもらえたようだ。ゴーレム達もメニューの注文の仕方などを教えている。上手く作動しているな。俺達は専用の部屋にいる。操縦も一応出来る。監視する事を目的とした部屋だ。何か問題を起こされたらたまったもんじゃない。
「今のところは何も無いな。」
怪しい事があったらゴーレムがまず質問する。職務質問だ。それから嘘を発見する装置も付けている。それで何か良くない事をしていた場合、その場で取り押さえる。そんなシステムもある。そこら辺の人間には負けない。ドラゴンぐらいなら耐えられるぞ。
「ご主人様、食べ物きたわよ。早く食べないと。あ、お酒は赤ワインを頼んだいたから。」
贅沢な限りを尽くしてますね。後、俺は未成年だからな。お前達も自重しろ。



『到着致しました。』
放送が流れる。ゴーレム達が誘導を開始し、俺達も専用出口から出て行く。
五分後には全員が外に出て、飛行船場、所謂空港、のエントランスに集まっている。
「此処から個人行動になります。住居にゴーレム達が案内しますので、それについて行って下さい。」
要件を伝えて、住居に案内し始める。ゴーレムが役に立っているぞ。
公爵領の運営がスタートした。

初めての彼女は異世界で 《コメント募集中です》 ( No.63 )
日時: 2018/03/23 18:42
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

番外編 公爵小さな住人

「お父さん、今日も仕事が大変だったね。」
私達一家は田舎で農業をしている。お金がないからこそ、資源で税金を納める事しか出来ない。
ちょうど、私はお父さんの田植えの手伝いが終わったところだった。
「手伝いありがとな。お前達に本当は学校に行かせてやりたいが……。すまない、何も出来なくて。」
確かに貧しい家だと思う。都会になんて言った事もないし。学校もこんな田舎にもあるが、お金が払えないのだ。だからこうやって生活する為に働いている。そんな事でいつもお父さんは謝る。小さい弟にさえ。
田植えで泥だらけになった私達は、お母さんの声で家に帰って行く。


「おい、これを見てみろ!」
お父さんが私達の部屋に入り無理矢理起こす。朝刊の記事を見せてきた。
「えっと?」
記事は難しい言葉も使われていたが、なんとか読んでみる。すると、

《勇者様の公爵領住人を募集中。階級や職業などは問わない。このハガキを出し、当選した者には迎えが来る。応募を是非。》

「……お父さん、これに出すの?」
最近有名になった勇者様、エトワール公爵様。素晴らしい教養があり、右に出る者はいないと言われている。
「あぁ、支援もしてくれるみたいだ。学校にも通えるぞ。」
お父さんは応募する気満々だ。しかしだ、こんな下級農民が当選する可能性はゼロに近い。
「無理だよ、お父さん。沢山の人が応募するんだから当選出来ないよ。」
「やってみる価値ぐらいはあるだろ?当たらないなら当たらないでいい。少しの確率も信じてみよう。」
お父さんにお母さんも説得されて、みんなで応募する事にした。



「お迎えに上がりました。」
朝、玄関に王都の兵隊さん達がいた。一体何の騒ぎだと近くの家の人々も騒いでいる。
「えっと、何の御用でしょうか?」
恐る恐るお父さんが兵隊さんに尋ねる。
「先日、公爵領の住民募集に応募していただき、当選致しました。それでお迎えに上がりました。」
応募に……当選した?一瞬意味が分からなかった。しかし、お父さんは急いで準備をしろと言ってきた。夢ではないのか、そう思って頰を抓るが痛かった。
「夢じゃない……!」


準備が終わり、私達は兵隊さんが用意していた馬車に乗り込む。すると急に窓の外が暗くなった。
「勇者様が開発した、『ワープ』です。魔術師が使える転移魔法をこの水晶に魔力を込める事で発動致します。しかしながら、魔術師一人分の魔力は使うようです。」
兵隊さんは魔法の事について話しているみたい。学校に行っていない私は訳がわからなかった。



勇者様が目の前にいる!凄いことだ。兵隊さんに広がった場所に連れてこられ、真ん中には大きな乗り物があった。
『以上で説明を終わります。』
お父さんやお母さんは勇者様のお話をしっかりと聞いていたみたいだけど、私はずっと見とれていた。
「ほら、乗るわよ。」
人が動き始めて、お母さんに言われる。ワクワクするなぁ。


この乗り物の中は凄くて、動く人形さんが私達に食べ物や飲み物をくれた。とっても美味しくて、食べた事の無いものばかりだった。



乗り物から降りて、人形さんに案内されたのは家だった。二階建てで、庭もあった。中を見るといろんな家具が置いてあって、変な物もあった。後は自分の部屋もある。貴族様ぐらいしか自分の部屋を持たないのに。
「今日から此処が俺たち家族の家だ。」
お父さんに言われて、家族全員、頷いたのだった。
明日も楽しみだな。



あとがき
はい、番外編です。公爵領に住む小さい女の子の視点です。え?幼女趣味?いえいえ、紳士の嗜みです。まぁ、自己満の番外編なので駄作というやつですね。
雑談が始まりますが、この間某スマホカードゲームをやったんですよ。ログインしたらね、なんかプレゼントされてたの。それがね最高レア度カードだったんだけど、欲しくはなかった。嬉しいんですけどね?でもあっちが欲しかったんですよ。よりにもよってねぇー、某ネズミ帝国の人魚姫のヴィランみたいなやつが来るとは思いもしませんでした。天使が欲しかった。後、ルームマッチをしたい。青い鳥でも始めようかなとは思うんですけどね。面倒なんですよね。
長くなった雑談でしたね。え?リア友がいないのかって?いないですよ、そりゃあね。
前置きは置いておいて、ここまで読んでいただき有難う御座いました。これからも誠心誠意取り組んでいきますので今後ともよろしくお願いします。

初めての彼女は異世界で 《コメント募集中です》 ( No.64 )
日時: 2018/03/23 21:10
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

第59話 議会

現在俺は王城の会議室みたいなところで議会が行われている。議題は戦争の事についてだ。
「現在、獣国と同盟を結んでおり、戦争回避は難しいと思われます。」
議長である貴族が喋る。これがこの国の現状。魔法帝国は獣人差別も無いしな。仲よさそうだ。
「しかしだ、国民の安全はどうなる?我々は国民第一である。国民を守る為に私は反対だ!」
声を荒げる貴族達が多い。さっきの意見に賛成派の人が多いんだなぁ。
「勇者様はどう思いますか?」
議長に急に振られる。いや、俺に振らないでよ、戦争なんて知らないし。ま、向こうの世界の模範に倣うか。
「そうですね……、国民を危険に晒すわけにはいかないでしょうから、戦争に参加はせず、獣国に物資などの支援をするのは如何でしょうか?これならば同盟国として最低基準を満たしてはいると思われます。」
多分物資で大丈夫だろう。支援ならば一応戦争に参加はしているが実質してないも同然だし。
「流石勇者様です。確かに支援ならば国民を守れますね。」
まぁ、被害を受ける事はこの時代の技術なら出来ないだろう。戦闘機とかなら別だ。条約とかもなさそうだし。あったらあったで面倒だ。
「しかし、あの聖国の事です。何か兵器を隠し持っているのでは?昔の戦争でも勇者達を召喚し、その力で勝利したと言われています。」
うわ、外道ね。隠し持つとか、って言いながらこっちも持ってますが。最悪俺が対処する方法もあるな。暴食とかで喰らえばいいし。核兵器だって関係無い。
「最悪の場合、私一人で相手する事も可能です。」
一応案として提案しておく。
「いえ!勇者様はこの国を救って下さいました。危険な目に合わせるわけにはいきません!」
貴族達から反対される。それは死ぬ前提かな?勝手に殺さないでくれよ。
「まぁ、最悪の案です。まずは戦争に実質参加しないようにすれば大丈夫ですよ。私の魔道具マジックアイテムで対応も出来ます。」
ズルしてます。神の力使ってるし。てへぺろ、って巫山戯てるな。
「では、この物資を支援するという事で可決します。異議は?」
議長がまとまる。異議はないみたいだ。
「これで議会を終了します。」
そうやって議会は終了した。

初めての彼女は異世界で 《コメント募集中です》 ( No.65 )
日時: 2018/03/24 14:25
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

第60話 偵察

ボォー、とホルンのような音が鳴る。空高く響くもんなんだな。
現在俺は聖国の王都の上空にいる。一応観察だ。情報提供も獣国にするつもりだし。
街はホルンの音が鳴ると歓声に満ち溢れる。早朝だというのに、王城の前の広場は人で溢れている。栄誉のためなどと叫んでいる人達も多い。
「昔のナチ党とかこうだったんだろうな。」
祖国の栄誉の為の戦争。これが俺の世界での悲劇を起こした。何にもならないのにな。勝利しようが敗北しようが未来の経済は明るくないし。
「あれって、勇者?」
王城から軍事パレードが始まり、最初に俺に似た風貌、日本人のような見た目の人間がぞろぞろ、30人くらい出て来た。
「確か勇者召喚出来るんだもんな。鑑定するか。」
一応、簡易鑑定、つまり職業だけなど限られた情報を集める。見すぎるとスリーサイズが表示される事もある。怖い怖い。

種族 日本人 転移者
職業 勇者

全員、この表示にされていた。つまりは、俺がいた世界の人間だって事。召喚されて来たのか。そして戦争へ投入される。死なないのだろうか。ステータスは高いから大丈夫そうだが。
「勇者はどう思うんだか。」
心境は如何なのだろうか。あそこの中に厨二がいたらチート無双でも思いつくかもしれないが、普通の子だったら、人を殺すのに躊躇いぐらいはあるのだろう。平和主義の世界で暮らしていて、いきなり投げ出された場所は命なんて軽々しい世界。厳しいだろうな。
「……何とか生き延びてほしいな。」
助ける気にはならない。この世界に来たのであれば自分で切り開かなければいけない。それがこの世界の掟なのだから。
「他には……、変な兵器あるなぁ。」
某半島の北側にある国の軍事パレードだな。軍隊の行進があり、後ろに兵器が続いていく感じ、似てますね。兵器と言ってもハイテク製品ではなく、石を投げ飛ばすカタパルトみたいなやつとかが多い。
「あぁ、前線も見ないとな。」
前線も見にいくので、此処にはドローン(透明な)を置いておく。スター◯ォーズみたいなあれなのでシューティングゲームの打つやつぐらいは出来る。街一つなら破壊可能でもある。あと隠蔽されているので見つからない。絶対にだ。
俺は前線へと全速力で向かう。



「未だ動きは無いか。本陣は構えてるみたいだけど。」
平原で戦うらしい。そこに本陣を構えようとは思わない。普通ないでしょう。バレるし。形式が古すぎる。本当に中世だな。
「平原だから見渡せるな。お、ワイバーンもいるな。って事はライダーか?空中戦に持ち込むのか。」
ドラゴンの中でも1番弱いワイバーン。しかし、この世界での最強種のドラゴンなのだ。そこら辺の人間では勝てない。ギルドのSランクぐらいまで上がれば一人で倒せるみたいだが。
「ま、煌龍とか白銀龍とかなら1発なんだろうけど。」
そもそもドラゴンの頂点に立つ天龍だ。最下級とは相手にならないだろう。
「兵の数は……、25000ぐらいか。この後援軍も来るんだろうな。」
獣国の数は把握してないが多い方なんじゃないだろうか。
「さて、此処にもドローン設置して置いて、監視しときますか。」
ドローンを10台設置しておく。勝手に動いてもくれるし、透明だし。ほんとに便利。どの家庭にも一台は欲しい一品です。
「さてさて、まずは報告報告と。」
俺は魔法帝国に戻っていく。


あとがき
60話まで来ましたね。いやいや、長続きしました。いよいよ戦争開戦。結構戦略とか好きなんですよね。頭使うから楽しい。これから魔法帝国がどのように戦争と関わるのか、勝利を手にするのは獣国か、それとも聖国か、はたまた他の国なのか……楽しみですね。え?書けよって?いや、ちょっと眠いんで寝てからで。
次回もお楽しみに!

初めての彼女は異世界で 《コメント募集中です》 ( No.66 )
日時: 2018/03/25 10:33
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

第61話 聖国VS獣国(1)

俺は偵察が終わった後、直ぐに王城に戻る。そして報告をしておく。結構平和だったね。
「勇者様、申し訳ありませんがこの情報を獣国の王に伝えてくれませぬか。魔法帝国の皇帝としてお願いします。」
いや、まず何処にいるか分からないんですが。
「分かりました。しかし、私は獣国に行った事は御座いません。王様が何処にいるのかお教え下さい。」
うん、獣国の王都が何処にあるのかも知らないので。
「いえ、勇者様が見た獣国の本陣におります。私からの伝言といっていただければ入れると思います。証明書もお持ち下さい。」
王様から証明書を貰う。判子が押してあるのか。そうだな、勇者らしく行くか。それで信じていただこう。
「では、報告をしてきます。」
王城から外に転移して、俺は煌龍と白銀龍、リルといった魔獣達を呼び出す。煌龍に跨り大空という大海原を舞台に堂々と飛ぶ。威圧も大切。



本陣に着き、兵隊がいる門のところに行く。
「貴様は何者だ!証明書を見せろ!」
兵隊達が武器を構える。はぁ、煌龍達は大きいままなので威圧を放つと2人の兵隊は後ろへと退く。
「これが証明書だ。魔法帝国の皇帝の使いで来た。獣国の王の所まで通していただけぬか。」
証明書を兵隊の顔の前に出す。早くして欲しい。
「か、畏まりました。ではこちらへ……。」
煌龍達は空から見ているという事で飛び立った。リルは相変わらず俺の背後に立っている。結構でかいが、少し小さめにしてくれている。
兵隊達は怒らせないようにしているのか俺達に近づこうとしない。ま、俺も剣を背中に背負ってるからな。ソードライフルもローブの中に隠してあるし。
「此処です。失礼します。閣下、魔法帝国の使いの者が来ました。」
大きなテントに着いた。本陣だな。兵隊は中に入り確認をした。
「良い、通せ。」
重々しいとした声が聞こえる。低く、マッチョでダンディーな漢みたいだな。
「では、どうぞ。」
兵隊からテントの中に通される。中は見た目よりも倍広く、黒がベースで金の彫刻が施された重々しい雰囲気の家具が多い。暖炉もある。
「そなたが魔法帝国の使いの者か?」
この部屋の1番奥にライオンの獣人が1人、玉座に座っていた。きっと彼が王なのだろう。その彼が質問をしてきた。
「はい、そうです。ユウキ・カトウ=エトワール公爵と申します。」
まずは玉座の前に跪く。まぁ、名は名乗っておく。階級も名乗っておくべきだと王様にも言われたし。
「今日は聖国の現在の動きについて報告しに参りました。」
ドローンという現代の科学技術を持ってすれば簡単な事なのです。それに魔法も加わると近未来までいけるな。ス◯ーウォーズになるよ。
「成る程、戦争は参加はしないが情報提供と物資の支援をするとはこういうことか。」
ま、そういう事ですよ。物分かりが早くて良かった。この人、こっちの世界にいれば戦略家になれたよ。
「あぁ、紹介が遅れたな。私の名は
レオン・キマイラ=フェンリルだ。宜しく頼むぞ。」
あれ?リルさん、なんか名前が付いてますけど。外にいるリルにテレパシーで尋ねる。
『昔、この地に住んでおりそこの獣達に知恵を与えたのです。王に君臨したのが獅子で、きっと末裔なのでしょう。確かこの国の名前もフェンリルみたいです。』
いや、リルさん、さらっと言ってるけど凄い事だからね、俺はこの国の祖の神獣を従えてる事になっちゃうよ。
『この事を公表すれば間違いなくこの国の王になれますよ。』
おぞましいな。少しは自重しよう。面倒な事になる前に。
「どんな情報があるのか見せてくれぬか。」
王に聞かれる。分かりましたと返事を返し、俺はローブの中に手を突っ込み、インベトリーを発動する。盗まれたらやだからね、一応常人の振りもしておく。インベトリーも持ってる勇者は使えるとか思われたら大変だし。
「これが昨日までの聖国の動きになります。」
俺は報告書を手渡す。聖国はもうそろそろ奇襲やらをかけてくるからだろうな。だからこそ準備をしていただきたいな。同盟国が負けたらこっちにも被害も受ける。ならば最大限活用させていただこうという貴族達の思惑だ。ま、俺も利用されてるんだろうな。
「現在はまだ動きは……「陛下!聖国軍が動き出しました!」何!」
急に兵士が飛び込んで来て、聖国が動き出した事を叫んだ。ドローンの反応もした。ふーん、やるね。奇襲か。不利だろうなぁ。相手は獣人だ。夜行性の獣人を相手にするなど大変極まりない。
「そうか……、ならば我々獣人の力を見せてやろう。」
意気込んでますねぇ。よし、ならば俺も加勢しよう。え?勿論バレないようにね。


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