コメディ・ライト小説（新）
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- 純度100%
- 日時： 2018/07/29 22:31
- 名前： 片岡彗 （ID: hevWx4Os）
＊プロローグ＊
言いたい。言いたい。言ってしまいたい。
駄目だって、そんなこと分かってる。分かってますよ。
でもこのままじゃ先生と生徒っていう脆い関係で終わって、会えなくなってしまう。
そんなの嫌だ。嫌、なのに…。
何も出来ない自分がもどかしい。
話し掛けられるだけで、頼られるだけでこんなに胸が高鳴って、嬉しくて堪らなくなるのに、遠い。
だって先生は私の担任でもなければ、部活の顧問でもない。
私との接点なんて、社会の授業だけ。
ねぇ…先生…？私………。
～簡単な内容紹介～
ちょっと変態的思考の女子中学生が、これまた少し変な先生に恋をするラブストーリーです。
甘さと苦さの対比は4:6くらい。
前半は苦さ多めです。
後半は、甘くなるように頑張ります。
亜希→→→→→→→（←？）前山先生
↑こういう関係図です。
～主な人物紹介～
・櫻木亜希
先生に不毛な恋をする中学3年生。
二次元の女の子をこよなく愛する。
ときどき、周りをドン引かせるような、変態発言をする。
・前山貴文
社会教諭。基本的に何考えてるのかよくわからない。
優しいのにどこか残念で、独身を拗らせている。恐らく一生結婚できない。
・桧山侑美
亜希の親友。優しく、亜希の恋の唯一の理解者で、謎なほどに協力的。
天然。ときどき、裏の顔を覗かせる。
感想を大募集中です！
いいな、と思ったところはもちろん、厳しいお言葉も欲しいです。
厚かましいお願いではありますが、よろしくお願いします！
- Re: 純度100% ( No.35 )
- 日時： 2018/08/05 16:32
- 名前： 片岡彗 （ID: hevWx4Os）
｢俺は物理的な話をしてるんじゃなく、お前の脳みそには一体何がつまっているんだっていう意味で言ったんだ。お前のなかで俺はロリコンの頭好きな超･ド変態ということか？｣
｢『超』ではないにせよ、ド変態だとは思ってますよ？｣
意味があるのか果てしなく謎な訂正をしつつ、変わらずディスる私に先生は、
｢『変態』というのは、………まぁ否定しないし根にも持たないが……折角、暗くなってきたし送ってやろうかと思ったけど、………そんなこと言うやつにそこまでしてあげる意味が見出だせないし、やっぱり止めとこうか。｣
そう言った。
『いや、スッゴい根に持ってるでしょ？孫の代ぐらいまで言い伝えるレベルで根に持ってるでしょ？』とか言いたいことは山程あったのだが、今の私にはそんなことが気にならないくらい後半の内容に全神経が持っていかれていた。
｢お……くる？｣
｢うん。｣
私の繰り返した言葉に対して短い返事が帰ってくる。
｢わ…私を？…ですか？｣
｢以外に誰が？｣
当たり前のように答えられた言葉に私は嬉しさで胸が一杯になった。
｢…っほ……本当ですか？｣
｢うん。別にいいけど。今日も仕事多いし残業になるけど。｣
照れ隠しのように冷たい言葉を交えて先生は微笑む。
- Re: 純度100% ( No.36 )
- 日時： 2018/08/06 20:57
- 名前： 片岡彗 （ID: hevWx4Os）
｢すみません…………。｣
私は何だか居心地が悪くて、俯きながら小さな声で謝罪した。
｢別に謝れとか言ってないけど。｣
先生の性格的に冗談で言ってることは分かってる。
でも、仕事が多くて帰りが遅いって言ってたことも知ってるから。
忙しいことも知ってるから。
謝らずにはいられなかった。
｢だから……｣
むにゅ。
優しい笑顔のまま、先生が私の両頬をむにーっと引っ張った。
｢……ひゃ……ひゃにふゅるんでふは……（訳:何するんですか）。｣
｢さっきも言ったけど、嬉しかったら素直にお礼言っとけばいいんだよ。｣
ああ………もう。
何でこの人は気づかないんだろう……。
そういう無意識の優しい言動一つ一つに私がこんなにもドキドキしているということに………。
なのに、｢俺は優しくない。｣とか言うし。
本当に優しい人は自分を優しいとは思わないと言うけれど、まさに先生はそれだと思う。
｢ほら、言ってみ？｣
挑戦的にそう言った先生は、やっと私の顔から手を離した。
｢…あ…ありがとうございます。｣
顔から火が出そう。
い…今さらだけど、さっき私…先生にほっぺた触られちゃった訳ですし……。
すると、私の言葉を聞いた先生はゆっくりと立ち上がりながら、
｢うん。｣
そうほのかに頷いた。
- Re: 純度100% ( No.37 )
- 日時： 2018/08/08 21:14
- 名前： 片岡彗 （ID: hevWx4Os）
すると、先生はおもむろに歩きだして扉の前で立ち止まると、
｢俺は一旦職員室戻るから、お前は片付けして靴はいて校門で待ってろ。｣
そう言って私一人を部屋に残して立ち去った。
私は一応『はい。』と返事をしてから、先生の気配がなくなったことを確認して、その場にしゃがみこんだ。
｢あぁー…………。もう…ほんと……しんどい………………………。｣
いっそのこと冷たいなら極限まで冷たくされないと、ほんとにつらい。
優しさが。微笑みが。仕草が。
先生の全てが私の首をジリジリと絞め続ける。
苦しい。止めたい。戻りたい。
いろんな気持ちが交差して、グチャグチャで。
先生のことを好きになる前に戻れたら、なんて。
いざ戻ってしまってこの想いを忘れたら、わたしは絶対に後悔するだろうに、こんなことを繰り返し考える私は本当に馬鹿だと思う。
そして、いろんなことを頭から引き離すように、急いで片付けを済まして駆け足ぎみに社会準備室を後にした。
- Re: 純度100% ( No.38 )
- 日時： 2018/08/07 22:12
- 名前： 片岡彗 （ID: hevWx4Os）
こんばんは！片岡彗です。
閲覧数が400超えたので、感謝を伝えようと思ってきました～(*´∀`)
継続的に来てくれてる人がいるって自惚れてもいいんですかね？
本当にありがとうございます！
さて、亜希はびっくりするくらい先生に振り回されてますね（笑）
先生のいろんな行動は自覚あってのものなのか、はたまたただの優しい先生としてのものなのか、書いてる私でさえ謎ですが、これからも亜希は頑張るので、（先生も先生として頑張ります）お付き合いしてくださったら嬉しいです(´∀｀)
- Re: 純度100% ( No.39 )
- 日時： 2018/08/08 21:25
- 名前： 片岡彗 （ID: hevWx4Os）
＊回想終了＊
暖かな暖房の風が私の頬を撫でた。
ドキドキして落ち着かない。
｢（ヤバい………。この状況、相当やばくないか？）｣
何をするにも先生の存在を感じる。
鼻は敏感に先生の匂いを察知するし。
視界の端には先生が映るし。
先生が気を遣って話しかけてくるから、聴覚も先生先生してるし。(←先生先生って何だ。)
｢（うわぁ……。いい匂い！距離近い！声が！声が～！！取り敢えず、袋にこの匂いを詰め込みたい！！！！）｣
理性がぶっ飛んで、変態チック（と言うかもう変態そのもの）なことを考える。
｢（よし、流石に持って帰るのは無理だから今存分に堪能しよう～♪うへへへへへへ………。）｣
キャラが崩壊（と言うか元からキャラ定まってなかったけど）してるのも気にせず、平常心を装い、密かに幸せに浸る。
｢（ああ～…………。もう死んでも悔いないかも。むしろこんなに幸せで死なない方が後が怖いなー……。）｣
と、謎に死ぬ覚悟を私が始めたとき。
｢…………………い！………おい！！｣
｢へい！｣
先生の声で我に帰った。
ヤバいヤバい。
完全にどっか別の世界に行ってた。
ビックリしすぎて返事も変だったし。恥ずかしい……。
｢ビックリした。話しかけても返事返ってこないし。寝てるのか思ったら目は開いてるし。一瞬目開けたまま寝てれのか思った。｣
｢んなアホな。｣
そんな漫画みたいなことほんとにあるわけないだろ。
て言うか、さっき変な返事をしたことに対してはスルーですか。
｢あ、それと……帰ってからもしっかり勉強しとけよ。寿司屋。｣
｢寿司屋って何ですか！？｣
さっきの返事のことですか！？絶対そうですよね！？
しっかり弄ってくる辺り、やっぱり先生は先生だな。
とか当たり前のことを考えつつ、窓の外を見る。
何か別のものに興味を向けなければ、またさっきみたいに変なこと考えてしまいそうだった。
｢まあ、寿司屋はどうでもいいとして………｣
いいのかよ。
心のなかでツッコミつつ、一応礼儀として先生の方に目を向ける。
｢お前の家どこ？｣
｢え…ちょっと待って下さい。今どこ行ってるんですか！？｣
既に車発進してますよ！？しかも5分は経ってますよ！？恐怖で外さえ見えなくなりましたよ！！
｢今は……無意識のままいつもの癖で俺の家の方に向かってる。｣
｢いやいや！帰るつもりですか！？｣