コメディ・ライト小説(新)
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- ☆星の子☆ 番外編更新 (2/1)
- 日時: 2021/02/01 12:58
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 3t44M6Cd)
閲覧ありがとうございます^^
はじめまして、またはお久しぶりです。朱雀です。この度執筆活動復帰しました(2019/10/14)。
初めての小説投稿で未熟な部分がありますが、楽しんで読んで頂けると幸いです<(_ _)>
アドバイスや感想などもお待ちしております。
ファンタジー要素満載なラブコメディです。後半からシリアス要素あります。
星の子のキャラ絵を担当して下さっているPANDA。さんがキャラ絵専用ページを作ってくださいました^^
※只今初期のお話を修正中ですので、一人称だったり三人称だったりします。ご了承ください。
>>1 登場人物紹介 (ⅰ) 主人公、部員、クラスメイト、Gトップチーム
>>2 登場人物紹介 (ⅱ) 反乱軍、政府軍
「まとめ」1>>45 〜まとめてみました。
「まとめ」2>>59 〜輝さん(空の義父)の話を簡潔にまとめてみました。
∞1幕∞
1章:1話ー>>3 2話ー>>4 3話ー>>5 4話ー>>9 5話ー>>12 6話ー>>13 7話ー>>15 8話ー>>18 9話ー>>19
2章:10話ー>>22 11話ー>>23 12話ー>>26 13話ー>>31 14話ー>>32 15話ー>>35 16話ー>>36 17話ー>>40 18話ー>>42 19話ー>>44
3章:20話ー>>49 21話ー>>52 22話ー>>56
4章:23話ー>>60 24話ー>>61 25話ー>>64 26話ー>>65 27話ー>>66 28話ー>>67 29話ー>>70 30話ー>>72 31話ー>>80 32話ー>>83
5章:33話ー>>85 34話ー>>90 35話ー>>93 36話ー>>96 37話ー>>97 38話ー>>103 39話ー>>107 40話ー>>114 41話ー>>119
6章:42話ー>>123 43話ー>>132 44話ー>>135 45話ー>>143 46話ー>>148
7章:47話ー>>153 48話ー>>158 49話ー>>163 50話ー>>167 51話ー>>175 52話ー>>191 53話ー>>192 54話ー>>199 55話ー>>202 56話ー>>209 57話ー>>212 58話ー>>214 59話ー>>216
8章:60話ー>>223 61話ー>>237 62話ー>>239 63話ー>>245 64話ー>>252 65話ー>>255 66話ー>>260
9章:67話ー>>275-276 68話ー>>291-292 69話ー>>301
10章:70話ー>>325 71話ー>>328 72話ー>>333 73話ー>>343 74話−>>363-364
∞2幕∞
11章:75話ー>>366 76話ー>>374-375 77話ー>>378 78話ー>>387-388 79話ー>>398-399 80話ー>>403
12章:81話ー>>419 82話ー>>422 83話ー>>426-427 84話ー>>434 85話ー>>436-437 86話ー>>440-441
『戦争』
13章:87話ー>>445-446 88話ー>>452 89話ー>>460 90話ー>>461-46 91話ー>>466-46
14章:92話ー>>469 93話ー>>474-475 94話ー>>479-480 95話ー>>486-487 96話ー>>490-491
15章:97話ー>>498 98話ー>>501-502 99話ー>>505-506 100話ー>>510-511
16章:101話ー>>525-526 102話ー>>532-534 103話ー>>537 104話ー>>539 105話ー>>543-545 106話ー>>551
17章:107話ー>>555-556 108話ー>>566-567 109話―>>779-780 110話ー>>806-807 111話ー>>815 112話ー>>816-817
18章:113話ー>>821 114話ー>>822 115話ー>>825 116話ー>>826-827 117話ー>>831 118話ー>>832-833
19章:119話ー>>837 120話ー>>838 121話ー>>839
☆番外編☆
〜葵〜>>410-411
『100話突破記念 短編3本立て!』
1「冥界」>>516
2「科学者Xの休日」>>518
3「星の子学園! Ep1」>>521
『バレンタイン企画!』
「少女と少年と約束」>>553-554
参照10万突破記念
「富士の山頂にて」 >>841
☆読者の皆様☆
*ちり様 *零十様(虎様) *ボリーン様 *貴也様 *恋音様 *友桃様
*星ファン★様 *山口流様 *アスカ様 *青龍様 *PANDA。様
*。・*+みつき*+・。様 *風様 *ああ様 *宇莉様 *杏様 *王翔様
*あんず様 *朝倉疾風様 *ARMA3様(書き述べる様) *黒田奏様
*日織様 *織原ひな様 *てるてる522様 *ひなた様 *ひょんくん様
*イレラ様 *美奈様
☆朱雀のオススメ!本紹介☆
第一回〜<秘密>>>222
第二回〜<トワイライト>>>250
第三回〜<灼眼のシャナ>>>281
第四回〜<妖界ナビルナ>>>329
☆キャラ人気投票結果発表☆
*第一回>>238
*第二回>>435
☆小説大会☆ 投票してくださった皆様、誠にありがとうございます<(_ _)>
2016年度夏 銅賞
2019年度冬 銀賞
スレッド作成日
2010.7.20
- Re: ☆星の子☆ 114話「紆曲する雷火」 ( No.822 )
- 日時: 2019/12/13 23:01
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: /FmWkVBR)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
18章 114話「紆曲する雷火」
南軍 空中 レオ、ガルVSジオ――
雷を自由自在に操る特別執行部隊とやらの隊長に、俺は苦戦を虐げられていた。ただでさえ四方八方から落雷するってんのに、敵は不死身ときた! 正直どうすれば勝てるのかさっぱりわかんねぇ。
さらに、政府側のスパイだったハクの手により、俺の相棒――ウルは戦闘不能。ハクを追って助太刀に来たキラは怒りで獣化し、二人で地上へ落下した。
俺はとりあえず眼前の敵をぶん殴ろうと、再びジオと拳を交わすところだった。しかしその寸前――敵は見えない力で遠くへ吹っ飛ばされる。
突如現れた救世主。人懐っこい笑みを浮かべる男の姿を見て俺の頬は思わず綻んだ。
「ジジイ! 来てくれたのか!」
開口一番、歓喜の声を上げるとガル――反乱軍の総司令官は細かい皺が刻まれたその顔に苦笑を浮かべた。
「待たせたの。南軍が何やら大変そうだったのでな、儂自ら足を運ぶこととした。直に援軍も到着する頃だろう。……ハクの件は儂が見誤っとった。すまない」
「謝らないでくれよ、俺たちにも責任がある。それよりキラが心配だ。そっちに行ってくれないか」
「いや、二人は心配なかろう」
「え?」
ガルがにかっと歯を見せて破顔した。つられて彼らが落下した先を俯瞰すると、二人が折り重なって倒れている。死んだ……わけではなさそうだ。キラの獣化は無事解けたようで、ほっと胸をなで下ろす。
刹那、バチッ――と空から爆ぜる音がする。雷鳴が轟き、紫電が空を切り裂いた。俺とガルは間髪後ろへ飛び退く。
「うぉっと!?」
「おいおい、無視は酷いなぁ」
黒いスーツを格好良く着こなした男が不気味に笑いながら、暗黒の空に稲光を走らせていた。その双眸が値踏みするようにガルを捉える。ガルは一転、表情を引き締めて口を開く。
「お初にお目にかかる。儂は反乱軍の総司令官――」
「ガルディメット・ジャッカル、だろ? くっくっ、まさか大将自ら俺の相手をしてくれるなんてなぁ、光栄だよ。早速、お手合わせと願おうか」
「ふうむ……政府軍も血の気の多い者が多いのぉ」
ガルがどこか楽しげにそう告げる。
ゴロゴロゴロゴロ……
空に立ちこめた暗雲から、腹の底に響く不穏な音がする。刹那、大地を引き裂かんばかりの霹靂とともに、総毛立つような稲妻がガルめがけて奔った。「ジジイ!」と俺が叫び、落雷が突如軌道を変えて遠くの森林へ吸い込まれたのは同時だった。ガルは何食わぬ顔でにこにことジオの言動を観察している。
「……ほぉ」
ジオが端正な顔を引きつらせる。男はさらに雷をガルに向かって落とすが、そのどれもがすんでの所で弾かれ、あらぬ方向へ向きを変えた。正直ジジイの能力を知っていても、見ているこっちはひやひやして心臓に悪い。
ジオは長細い指で顎をさすりながら目の前の状況を推察している。
「なるほどなるほど……」
「なにかわかったかの?」
にこやかにガルが答えを促すと、
「つまり、俺と同じくらいお前はチート能力ってことだな!」
「ぶっ」
ジオは自信たっぷりにガルを指差して答えた。
思わず笑ってしまったのを、口を覆って必死に隠す。散々考えて納得している風だったのに……こいつ、阿呆なんだろうか。
ガルは豪快に笑い飛ばす。
「そうじゃなぁ、確かに反則級かもしれんが、お主の不死身ほどじゃないわい」
そしてこちらを顧みて「レオ」と力強い声で俺の名を呼んだ。俺も気を引き締めて頷いた。
右の掌に全神経を集中させ力を込める。そこから小さな炎が渦を巻いて出現し、それは徐々に赤い火の玉となる。ガルが俺の傍へ数歩近づいた。十分な熱量を溜め込んだところで振りかぶり、
「ふっ――!」
勢いよくジオに放り投げる。炎の塊は俺の手を離れた瞬間、凄まじい速度でジオに向かっていき――爆ぜた。夜空に軌跡を残した火の粉が、恐るべき速さで玉が投げつけられことを物語っていた。煙の中から敵が身を屈め咳き込む姿が薄ら見えた。
「げほっ、ごほっごほっ……なんだ? 威力がさっきとはえらい違いじゃないか。これもじいさんの能力か?」
「儂の見た目、そんなに老いて見える……?」
ガルはその呼称に多少のショックを受けたようだった。俺は笑いを堪えながら項垂れた彼の背をぽんぽんと叩く。その実、ガルは精悍な容姿と溢れる活気から全く年老いて見えないのだが――見た目年齢は40代後半だろう――、俺とウルがからかってジジイと呼ぶのを聞いて、ジオもそう呼んだのだろう。少し申し訳ない。
ジオはそんなガルの傷心に気付く素振りもなく、先の攻撃を真っ向から受けても尚、涼しげに立っている。深い群青の瞳が輝いた。
「くっくっ、じいさんの能力は面白いんだな。もっと見せてくれよ」
言って、俺たちを覆う曇天から紫電を落とす。しかしそれは悉く軌道を変えて――無理矢理捻じ曲がったように、不自然な弧を描きながら次は男の方へ向かう。
一瞬目を丸くしたジオは、不気味にほくそ笑んで電撃をその身体に受けた。バリバリッと凄まじい音がする。男の黒髪が逆立つ。
うげっ……あいつ、本当に痛くないのか?
そんな心配も一瞬だった。もうもうと煙がたなびく中、全身に電流を這わせたジオが勢いよくこちらへ飛んでくる。一瞬にして間合いを詰め、右脚を高く持ち上げた。華麗に体を捻って半回転し、その勢いでガルの胴へ向かって長い足を斜に振り下ろす。
ガルはその見事な回し蹴りをくらった、筈であった。
「な、に――っ」
ガルは咄嗟に、打ち込まれた蹴りから片腕で身を守った。そう、傍目ではそうとしか見えない。
しかし不思議なことに、ジオの体はガルに触れた瞬間、弾かれたように後方へ跳ね返された。そのまま近傍の大木へ長躯を打ち付ける。
衝撃音。ジオがすぐに動く気配はない。追い打ちをかけるように、俺はありったけの力を込めて、両手を標的へ突きだした。そこから火炎が放射される。
ゴウッと音を立てて一帯の木々が燃え盛る中、ゆらりと黒い影が動くのが見えた。
――やっぱそう簡単にはくたばらない、か。
煤が舞う中、執事風の身なりでさえ汚れ一つ残さず、綺麗なまま修復されてゆくのは、何度見ても酷く不気味だった。
「いやぁ、たまげたよ。これじゃ総司令官様には迂闊に近寄れないじゃないか」
くつくつと笑って何てことないように言う。
「っ、ジジイ、どうする? これ以上ここで道草を食うわけには――」
「そうじゃなぁ。……レオ。戦闘司令官のお主にこの先を託してもよいかの」
「え?」
思わず呆けた声が漏れる。ガルは敵に聞こえないよう一段と声を落として俺に耳打ちした。
「直に援軍が来るじゃろうから、それらを纏めて政府塔へ突撃するのじゃ。良からぬ気配がする。こやつは儂が食い止めよう」
「それならジジイが行った方が……っ、総司令官がここにとどまるわけにはいかねーだろ」
「儂が離れれば、それこそ反乱軍は雷の格好の餌食じゃ。レオ」
力強い瞳で見つめられ、俺は喉元まででかかった言葉をぐっと呑み込んだ。そうせざるを得なかった。
「……わかった。でも本当にジジイ一人で平気か?」
「なぁに、久々の良い運動じゃよ。それに、」
ガルが目配せをしてちらっと下方へ視線を移した。俺もそれにならう。
……ん? あれは、数々の宝石が秘されたこの国の宝庫――
「『ケイヴァニア』……?」
いつの間に西の方へ移動してしまったのか、と考えた時だった。何やら遠く――そう、洞穴から、男の雄叫びのような音が聞こえてくる。その咆吼は次第に近づく。
「あー……」
そういえばいたな、俺ら双子よりも血の気の多い奴が。
思わず苦笑が漏れた。「そんじゃ、行ってくる」と軽い調子で言い残し、頼もしく頷いたガルから離れて巨大都市『シャイニア』の中央に聳え立つ政府塔へ足を踏み出すと、十分に回復したジオが颯と目の前に立ちはだかった。
「塔へは行かせない」
一閃、眩い光に視界を奪われる。が敵の攻撃もガルの能力の効果範囲内では無力に等しい。俺は振り返らず、塔へ駆け出す。ジオの舌打ちは、洞穴から出てきた嵐のような男の叫声に掻き消される。
「ひゃっはぁ――――っ! 楽しそうじゃねぇか俺様も混ぜろぉ!!」
反乱軍随一の戦闘狂。
セルが『ケイヴァニア』から飛び出て、そのままの勢いでジオに向かって斧を振りかぶるのが視界の端に映った。
執事野郎は二人に任せるとするか。
速度を上げてその場を離れる。俺は戦闘司令官としての責務を全うするため、通信機を介して――全軍に手っ取り早く伝えるには“思念”よりもこちらがよい――東西南北の反乱軍に指令を出す。
「全軍、聞こえるか! 本拠地からB軍の応援が来る。負傷者は首都に入る前に手当てを、可能ならば後方支援を頼む! 戦える奴は俺に続け! ジジイが敵軍隊長の足止めをしている間に、西から一気に攻めるぞ!」
返答があったのを確認し、俺はここから真逆の東にいる光聖に、個別に“思念”を繋ぐ。
(――光聖、無事か?)
『レオ。……うん、なんとか』
返ってきた言葉に覇気はない。しかしそれを気遣ってやれるほど、今の反乱軍に余裕などなかった。俺は夜空を軽々翔つつ、矢継ぎ早に今後の策を伝える。
(奇襲作戦だ、わかるな? 俺が残りの軍を率いて西から派手に攻撃を仕掛けるから、お前にその隙をついてほしい。ところで空ちゃんは無事か?)
『大丈夫だよ、今は僕と一緒にいる』
(そうか……。政府塔へ迂闊に近づくのは危ない。出来れば空ちゃんには、安全な場所で待機するか、救護班と一緒に後援に回ってほしいんだが)
『それが……』
(どうした?)
光聖はもどかしげに言葉を切る。
『……空が、政府塔に自分も行くって聞かないんだ。僕もB軍と合流して後方に居るよう説得したんだけど』
(そりゃまたどうして)
『塔に、黒いオーラが集まっているって。そこから……リンの、気配がするらしいんだ』
(はぁ? リンは西にいるだろ――)
言って、はたと思い出す。そういえば『ケイヴァニア』からは、セルと、その後を追うように西のA軍が数十名出てきたきりだ。俺はリンが洞窟の後方にいて、まだ出口に辿り着いていないと推測していたが……さっきの俺の指示にもリンからは返事がなかった。
いや、まさかな。
浮かんだ憶測を振り払う。脇目も振らず政府塔へ向かう俺の進行を阻むように、青い警官服を身に纏った政府の犬どもが拳銃を手に立っているのが遠く見えた。悠長に会話している場合でないようだ。
(ふむ、よくわからんが、そっちは任せていいか。俺が軍を率いて西で陽動するから、なるべく見つからないように塔へ潜入しろ)
『わかった』
(助っ人を送るから安心しろ。二人とも、大怪我すんじゃねーぞ)
それを最後に、“思念”を断ち切る。少女の言動が気がかりだが……こちらが敵を引きつけて二人の道を切り開くしかない。振り向くと真っ先に追いついた西と北の兵士達が俺の後ろを飛んでいた。にやりと、悪戯を仕掛ける子供さながらの笑みを浮かべ、彼らを激励する。
「もう一踏ん張りだ! この腐れ切った政府から、自由を取り戻すぞ!」
空を貫くように高々と佇む瀟洒な要塞へ、迷いなく進む。その周囲を、両翼を張ったように堅固な壁が覆っている。正面の巨大な純白の門には、『銀河の警官』の紋章――羽を大きく広げた金色の鳥が特徴だ――が豪華絢爛に装飾されている。
数十の警官が宙に足場を形成して立っていた。黒光りする拳銃が反乱軍に向く。
戦闘時、いつも傍にいたウルはいない。二人で戦えば百人力だった。心淋しいのも無理はない。
それでも。俺は反乱軍の戦闘指揮官だから。
片割れがいなくても、前に進むしかないよな。
全身に力を込め、血の巡りを早める。敵の銃口から弾が飛び出すよりも速く、掌から火炎を噴き出した。
――さぁ、最終決戦だ!
- Re: ☆星の子☆ 114話更新(12/13) ( No.823 )
- 日時: 2019/12/16 15:50
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: EugGu6iE)
こんにちは、友桃です^^
カキコ成分が足りない無理…と思って読みに来てしまいました。
2幕序盤を読み始めたところですが、
平和な日常があっという間に破られて「空ちゃんかわいそう…!(。>д<)」と思ったのは一瞬で←、
リンさんが戻ってきたことに大歓喜でした。
リンさんが警官をやめてたのは予想外です…!
彼がこれからどういう行動をとるのかわくわくしながらまた続きを読ませていただきます(^^)
更新がんばってください!
また来ます
- Re: ☆星の子☆ 114話更新(12/13) ( No.824 )
- 日時: 2019/12/19 14:37
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 3t44M6Cd)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
@友桃さん
友桃さん~! こんにちはっ
2幕入ってからリンの出番は光聖君を凌ぐ勢いですからねぇ……喜んでいただけて嬉しいですv 警官をやめたのもナツのことがあってなので、冷徹に見えて根はとても優しい子なんだろうなと思います。
私にとっても彼はかなりのお気に入りキャラですのでこれからも可愛がってあげてください^^
コメントありがとうございました!
- ☆星の子☆ 115話更新「蠢くモノ」 ( No.825 )
- 日時: 2020/01/28 16:28
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 3t44M6Cd)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
18章 115話「蠢くモノ」
東軍 光聖、空――
背から生えた金色の双翼をはためかせる。耳元で冷たい風がびゅうびゅうと吹き抜ける。泣き疲れて倒れた空を抱きかかえ、僕はレオの指示通り政府塔へと向かっていた。
なるべく見つからないようにと釘を刺されたけど……。
まだ夜明け前である。陽も昇っていないのに、敵の目をかいくぐって金色の大きい翼で飛行するのはかなり無理難題であった。それでも二人分の体重を支えようと思ったらこのぐらい立派でないと心許ない。さらに内から込み上げる謎の力によるものだろうか。僕の意思とは反して、具現化させた翼は大袈裟なほど眩い光輝を放っていた。
「なるべく早く、塔へ辿りつく……!」
天を貫かんと高く聳え立つ政府塔。首都『シャイニア』まで来るとその荘厳さに圧倒される。僕は負けじと一層速度を上げた。
追っ手はまだ来てないだろうか、と周囲に目を配る。僕の腕の中には小柄な少女が抱かれていた。その寝顔が視界に入ると、胸を締め付けられるような、切ない叫びが脳裏を掠めた。
リン……――――
目頭がかっと熱くなる。リンとは反乱軍として肩を並べた期間より、警官から逃げる迷い星クズとして追い回された期間の方が長く、仲間と呼ぶには少なからず抵抗があった。それでも、ここ数ヶ月共に過ごしたリンがこの世から消えてしまうのは――――
ぐっと胸からせり上がってきたものを押し止めるように咽喉を上下させた。
空はリンを信頼していた。どうしてだか分からないけど異空間に飛ばされた空を助け出したのもリンだったようだし。
(――「リンさんっ、いかないで……っ」――)
空の悲痛な叫びがこびりついて離れない。僕はなめらかに夜空を飛びつつ先の経緯を思い出す。
ヒナを逃がした後、とりあえず空を安全な場所へ避難させるのが最優先だった。ヒナの向かった先は政府塔。流石に敵の拠点にまで空を連れて乗り込める筈がなかった。リンが殺され、各軍満身創痍な中、少女を護りながらより強い敵と戦える自信がなかった。
しかし困ったことに、空は僕の言うことに聞く耳を持たなかった。
「私も、政府塔にいく……っ。光聖君、お願い、つれてって……!」
「空、それはできない……! ヒナよりもっと強い敵がいるかもしれないんだよ!? 空はもう十分頑張ったじゃないか。本拠地に戻って、安全な場所で休むんだ」
「いいの、お願い……」
「――っ、どうしてそんなに行きたがるんだ! 僕は空に、これ以上傷ついてほしくないっ。……リンだって、それを望んだはずだ!!」
その名を聞くと彼女は顔をくしゃくしゃに歪ませた。充血した瞳が再び潤み、彼女の双眸からは枯れることなく大粒の涙がこぼれ落ちた。泣かせてしまった僕は酷く困惑した。少し口調がきつかっただろうか、と反省し、なだめるように柔らかく彼女の名を呼ぶと、意を決したように空は告げたのだ。
(――「塔に、『アステリア』の住民だったモノが、集まってるの……そこに、リンさんもいるの……っ」――)
空が何を言っているのか、てんで理解が追いつかなかった。確かに政府塔の周囲には、黒くおぞましい靄が蠢いているような、奇妙な感じはした。
あれが元は住民だったって? まるで信じられる話ではない。
困惑する僕をよそに、空は続けた。
(――「魂を失った肉体の欠片が、還る場所を間違えてる。わかるの。私は足手まといになるだけかもしれない……だけど、リンさんを長くあそこへ留めたくないの。光聖君、お願い……!」――)
それでも、先まであんなに悲痛な表情を見せていた少女に真剣に言い寄られては、頷かないわけにはいかなかった。そうして渋々、僕は空を連れて敵のねぐらに赴くことになったのである。
僕が政府塔を取り巻く “なにか” に抱いた感情は、良いものではなかった。底の見えない深い井戸を覗き込むような不気味さがあった。まるで死地に向かっているようだ、なんて考えて身震いする。
と、大人しく抱きかかえられた空の瞼がぴくりと動いた。ぼんやりと開いた黒目が琥珀の少年を映す。
「あれ……私、気を失ってた……?」
「空、まだ少しかかるから。休んでて」
「えっ、――あ! ごめん光聖君、重いよね?」
「女の子一人どうってことないよ」
ようやく状況把握した空が焦って腕の中であたふたしたので、口で弧を描いて僕は柔和に笑って見せる。背中の丈夫な両翼が精一杯二人を持ち上げてくれているので、実質僕は空を支えるだけでいい。普段は体力を消耗するはずの変身もなんてことない。ヒナと刃を交えたあの瞬間から、ふわふわと体が軽かった。
まるで僕の中で何かが覚醒したように。
自分が自分じゃないようだった。
「……、それより。政府塔まで順調すぎて気味が悪いなぁ。レオ達が西で警官を引き付けているにしてもこれは」
「え、光聖君……」
僕の言葉に次は空が目を丸くして
「グロさんだよ、気づいてなかったの?」
何てことないようにそう言った。
「え、グロ……さんってあの、反乱軍のスパイを担っていた?」
「うん。グロさんは生物以外の自然現象にも変化できる特殊な能力を持ってるでしょ? 敵に見つからずに塔まで辿り着けるように、大きい影になってずっと私達を隠してくれてるよ」
「ぜ、全然気がつかなかった……!」
恐らく僕が疎いのではなく、空の感覚が過敏なのだろう。グロさんは敵の懐に潜り込んでこっそり情報収集していた凄い人だ。僕がちょっとやそっとで見破れる技ではないはずだ。
でもどうして、一体いつから空の感覚が――――
しかしそれを直接聞くのは躊躇われた。答えを聞くのが何故か怖かった。
空はこの国で地球からきた唯一の人間だから、『アステリア』の民とは感覚が違うのかな。
そう自己完結させるより他なかった。故郷に来てこのかた、少女に対してそう感じたことは今日が初めてだったけれど。
近くにいるらしいグロさんの気配は言われたところで全く分からないが、実際に『銀河の警官』の追っ手は来ないし、少女が自信を持って言うならそうなんだろう。
「それなら、もっと急ごうか」
邪念を振り切るように、背にぐっと力を込めて僕は意気軒昂と双翼を羽ばたかせた。
☆
(――『我が国を……我が民を助けてくれ。政府塔の最上階で待っている――――』――)
僕に力を宿してくれた謎の声は最上階で待っている、と最後にそう告げた。僕は全ての鍵が塔の最上階にあると直感し、見た限り一番高くに位置する半円型のバルコニーにそっと降り立った。役目を終えた金色に煌く翼が静かに霧散する。
着地したバルコニーは、人が4人立つのがやっとなくらいの狭さだった。すぐ目の前には塔に繋がる両開きの窓があり、内側のカーテンに閉ざされて中は見えない。
ふっと気を抜いた途端ぐらっと足元がよろけ、咄嗟に手すりにつかまった。飛行距離が長かったし、疲れが溜まっているのだろうか。耳鳴りが酷い。心なしか動悸が激しい気がした。
……それが何だって言うんだ。やっとここまできた。僕が故郷の未来を救う!
塔の頂上を見上げる。真っ白く塗り潰された塔は、やはり近づくほど不気味だった。黒雲のようにも見える得体の知れない闇が白濁とした要塞に翳りを落とす。身体の芯が恐怖で凍り付く。
と、僕の腕から解放された空が小さく呻いた。眉間に皺を寄せ、口元を手で覆う。頬が紅潮し、目尻に涙が浮かんでいた。黒い靄に近づいたことで気分が悪くなったのだろうか。
「空、辛いなら無理しないで」
「へ、へいき……」
か弱い声ながらも返事をした空が、いつか倒れそうで本当に心配だった。かといって、ここまで来た以上後戻りは出来ない。少女の憔悴しきった背中を軽く撫でる。
そしてアーチを描く大窓の取っ手に手をかけた。緊張した少年の顔が硝子に映った。
深く息を吐き出し呼吸を落ち着かせる。腰に下げた武器をいつでも抜刀できる体勢で、僕は窓を開け放った。
- Re: ☆星の子☆ 116話「仇敵」(1) ( No.826 )
- 日時: 2020/02/11 22:49
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: /FmWkVBR)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
18章 116話「仇敵」
政府塔 光聖、空――
開け放たれた大窓から冷たい風が内側へ吹き込みカーテンが靡いた。潜入した先に誰もいませんように、と祈りながらまるで冷気に背を押されるようにして僕らは敵の本拠地に足を踏み入れた。
………………嫌な予感がする。
途端、僕の直感が警鐘を鳴らす。警官服を連想させる紺青色の布が邪魔をしてろくに辺りを見渡せないまま、瞬時に空の一歩前へ出て盾を構える。
その間僅か一秒にも満たなかっただろうか。
斬! と空気を切り裂く音がして、同時に腕に強い衝撃を覚える。大気がビリビリと震える。運よく攻撃を受け止めたがその重圧に耐えきれず、後退する。びゅう、と一際強い風音が耳元で唸り、それは唐突に沈静した。
僕の荒い息遣いがやけに響く。二撃目は襲ってこない。
僕は全神経を尖らせたまま、鋭い一撃を放った敵を注視した。
その人物は僕より10メートルほど離れた位置で双剣を構えていた。見慣れた青い警官服を纏った黒髪の男。肩から羽織られた黒いマントは、肩口と裾に金刺繍が施されていた。皺が刻まれた顔で厳しくこちらを睨めつけている。高い鼻と吊り目気味の双眸に、どことなく見覚えがあった。
ガルと同世代に見受けられたが、柔らかい表情を一切作れないような男だった。鋭い眼光と有無を言わせない威圧感が、反乱軍総司令官のそれと全く違っていた。
「――――何奴」
暫しの静寂を破ったのは男の方だった。
侵入者の正体が分からない時点で攻撃を放つとは。なんて気が短いんだ、と僕は心の内で非難する。放たれた問いに空が答えるか否かまごついているのが背中から伝わった。
が、敵は空の答えを待たずに言葉を続ける。
「否。うちの隊服を着てないのであれば部外者で間違いあるまい。差し詰め星クズとヒトの子といったところか」
ぎくり。まぁそうだよな、バルコニーから侵入している時点で怪しすぎるし。
眉間に寄せられた皺がさらに深くなる。見ているこちらの心臓がキリキリと痛むような険しい表情で、彼は続ける。
「チッ――奴は一体どこで何をしている? まさか自我を失ったわけではあるまいな」
怒りが心頭まで達しそうな勢いであった。静かに憤る様にはらはらする。からからと口内が乾く。心なしか、耳鳴りと頭痛が先よりも酷い。内から滲み出す緊張を振り払うように、僕は武器を握る両手に力を込めた。
「……否。吾がここで打ちのめせば良いだけのこと。またも奴の尻拭いをする羽目になるとは」
告げて、男は双剣を乱暴に薙ぎ払った。
しかし10メートル先で振われた刀がこちらに届くはずがない。何故、と拍子抜けした刹那、
「……――――っ!」
風切り音が炸裂した。双剣から発生した鋭い風が襲ってくる。例えば竜巻が目視できるように、凶暴な風の纏まりになったそれは男が刀を振った方向へ弧を描き、一直線に僕の盾へと向かう。
まるでキラが所持する大鎌の、刃の部分を模したようなそれが激突する。
「ぐ、っ……!」
先程受けた衝撃はこれか。男が乱雑に刀を振っただけなのに、この威力。これでは弓兵と対峙しているようなものだ。リーチの長さからして僕の大剣じゃ適わない。敵の懐へ入り込むことさえ難しいだろう。
頬を鋭利な突風が掠めた。痺れる痛みが一瞬走る。
「ふん、耐えたか。ではこれはどうだ」
後ろではっと息を呑む声が聞こえた。
見ると男が、両腕で交差させた双剣を高く構え、刀身が撓る程の剛力で勢いよく振り下ろすところだった。次は殺すと言わんばかりに、冷徹な瞳が鋭く光っている。
――――どうする、どうすればいい?
放たれた真空刃は先とは威力が段違いだ。空を切り裂く鋭い音。大気が小刻みに振動する。こちらに届く僅かな時間。考えろ考えろ考えろ!
攻撃は振り下ろした刃の延長線上を進み、途中で軌道を変えることはなさそうだ。幸い攻撃位置は予想できるので今からでも横に転がれば直撃は免れるだろう。でもそれじゃだめだ。僕の後ろには空が控えている。盾で真正面から迎えうつか? 先程の乱暴な一振りでも防ぐだけで精一杯だったのに?
――――それでも。
「うああぁぁぁぁぁぁぁっ」
両足でしっかりと床を踏む。両手で盾を握り締める。僕の咆吼に呼応するようにそれは光輝を放ちながら一回り大きな防御壁へと姿を変えた。迫り来る2つの斬撃。後ろにはか弱い少女。
僕はどうなってもいい。それでも空だけは。
これ以上傷付けたくないんだ……!!
ゴッ! と凄まじい音が炸裂した。遅れて爆風が襲いかかり、暗い部屋に幾つかあった窓が衝撃でバリンと一斉に割れる。短い悲鳴が聞こえた。どうやら斬撃は打ち消せたらしい。僕は盾を咄嗟に手放し体を反転、身を低く屈め、怯える少女の細い腰に腕を回し、冷たい床に勢い良く押し倒した。体を伏せて頭上を掠める爆風と飛来する鋭い破片から避ける。
固く瞑った両目をそろそろ開くと、顔を真っ赤にさせた空と目が合った。女の子に覆い被さっている、というとんでもない状況に今更ながら意識し、心拍数が一気に上昇する。が、悠長に心躍らせている場合でない。空の無事を確かめ、暴風が止んだところで僕は首を後ろに向けた。
「う、げっ」
男が一人涼しい顔で剣を縦に振り下ろすのが視界の端に映る。身体が恐怖で縮み上がる。
いや、次を防ぐのは、どうやっても無理……!?
敵からすれば絶好のチャンスだ。これを逃す道理はない。それでも、もう少し手加減してくれてもいいじゃないかっ。
「空、ごめん!」と一言断って、僕は一層身を小さくし、少女に身体を近づけた。襲ってくる攻撃から少女を守るため、抱きしめるように身体を寄せる。背後から迫り来る殺気と鋭利な真空刃。
僕は、ここで死ぬのか――――?
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