コメディ・ライト小説(新)
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- 独りで立ち上がる水蒸気
- 日時: 2023/05/04 21:25
- 名前: 水蒸気 (ID: rKVc2nvw)
何にも囚われず、僕は空に溶けていく。
2章
カンパネルラ
3章
クチナシ
4章
小鳥
5章
水蒸気
- Re: 独りで立ち上がる水蒸気 ( No.36 )
- 日時: 2023/09/19 08:21
- 名前: 水蒸気 (ID: iVrcVWnH)
人を見下すと気分が良い。僕が弱い人間だからそう思うのだろう。自分に誇れる自分で無いから人を蔑んで悦に浸るのだ。
それは誰だって同じことで、きっとあの人もそうなんだろう。人に100%の善意なんて存在しないし、100%果汁も結局不純物が混じっている。100%なんて言葉に信憑性はない。
人は弱いから群れて強くなった気になる。他人を認めることすら自分のプライドだ。人は他人をアクセサリーにしないことができないのだと思う。もちろん僕は平気で人をアクセサリーにするから。
何かを尊敬する自分に価値を見出しているのだ。あれも一つの依存だ。そう思うと二人ともよく似ている。何か一つのものに執着しないと己を保てないのだから、弱くて狡くて汚くて目障りなんだ。
よく考えればあれは、群れで強くなった気になって攻撃していただけだった。事故を正当化できる、否定しない生き物を見つけて、自分が大きくなったつもりなんだ。ブレーメンの音楽隊と同じ。仲間がいると大きく見えるんだ。個々の小ささを忘れて強い気になる。そうしないと何も言えないくらい弱いくせに。虎の威を借る狐だ。
狐の言葉を耳を傾けること。それを無下にしてあげないこと。僕はなんて優しい。これもまた、彼らと同じ行いだけど、僕には自覚があるぶんいくらか優良だ。
決定的に無理だとよくわかったし、弱いやつほどよく吠える。弱いやつが何を言おうと本当は気にする必要なんか無いのに、僕の視野は狭い。
見えなかったものは無かったことにできる。見ようとしなければ見えない。でも、見えてしまったからわだかまる。
人には人の乳酸菌。どうしたって他人の在り方と自分の在り方は交わらない。僕はもう少し僕を信じてみてもいい。
少なくとも、たった一度栄光を手にしただけの人がいつまでもみている光と、何度も輝くこの光には絶対的な差があるのだ。一度の瞬きが口にする弱小サイトって言葉、重みが違う。そうやって自分の価値を自分で認めないと、他人に認められないことを受け入れられないのだ。弱いくせによく吠えて嫌になる。
そもそもあのシングルタスク。いや、もうやめよう。僕も同じだし、認められないのは僕の方。僕は弱い。とても弱いからもう、誰にも見られたくない。なんで見られるんだろうって、いやほら、ひと目のあるとこに投げているからな訳だけど。
人間の弱さに嫌気が差すと同時に、醜くて弱くてどうしようもない人間って、好きだ。人という漢字の話もあながち間違いではない。人は人に寄りかかって、群れて生きているということ。
- Re: 独りで立ち上がる水蒸気 ( No.37 )
- 日時: 2023/10/10 08:07
- 名前: 水蒸気 (ID: ddk2hi50)
言ってしまえば僕は弄られキャラと言うやつなんだけど、周りの人間、馬鹿な奴らばっかりだなと思って、ここに記すことにする。
僕は振る舞い方、見られ方、魅せ方を工夫して、場の空気が楽しくなるように調整してるんだけどね。その場において、僕は道化師をやってるんだ。ピエロのことだよ。ボールの上でおどけて見せて、わざと転んではみんなに笑われる役。まさにそれをして、場の注目が僕に集まって、みんなの興味の中心にあるように操作してる。
馬鹿なやつって、僕のことを攻撃し始めるんだ。ピエロだから何しても痛くないと勘違いしちゃうんだよね。中に人が入ってるってわかんなくなっちゃうんだから、本当に子宮からやり直してほしいよ。
僕が。弄られて叩かれて、そのたびに可愛い声を上げてお前たちを悦ばせてやってるだけなのに、それに気付かないで手を叩いて猿みたいに笑ってるとき。僕もまた、メイクの下でほくそ笑むのさ。僕の掌で転がされてることにも気付かずに、馬鹿な奴だよ。
馬鹿だし気持ち悪い。人を攻撃して優位に立って精神的自慰行為で気持ちよくなってる公開御ナニー野郎なんだから。攻撃をユーモアと勘違いしてるんだよ。人を攻撃することでしか笑いを取れない無能なのさ。ピエロにはよくわかる。笑いをよく知ってるのは僕の方だからね。
馬鹿は気付かないんだよ。僕が面白くなるように可愛い声をあげてやってるだけで、これってお前の功績じゃないってことに。あの馬鹿、終わった後にこういったんだ。
「水蒸気を弄ってるときが一番、今日俺が一番輝いてた瞬間だよね(笑)」
言っておくが、僕が輝いていたのであってお前は反射光を浴びていただけだよ。反射光の光源もわからないくらい周りを見る洞察力がない。その目は飾りなんだよ。ごてごてしたアクセサリーって邪魔だから目玉くりだしてやったほうがいいんじゃないか。
僕はこれだけ味をしめたお前をどう突き落としてやるか考えるのが楽しいよ。次もお前と話せるのが心の底から楽しみなんだ。きっと僕とは別の意味で君も楽しみでいてくれているよね。嬉しいな。
- Re: 独りで立ち上がる水蒸気 ( No.38 )
- 日時: 2023/10/16 12:39
- 名前: 水蒸気 (ID: fmI8cRcV)
世界の外側にいる。のかも知れない。
僕らは等しく何かに所属したがる。群れで暮らす生き物だから、習性に従っている。いわば本能だ。
それほ社会人生活であり、学校生活。集団行動というものを刷り込まれた僕達は、何処かにいたがる。一つ分のひだまりに二つはちょっと入れないから、とにかくひだまりにいたがる。
しかし、常に同じ群れにいることを良いことだとは思わない。僕らは知的生命体。群れの中の常識が外でも通じないことは知っている。だから危機管理能力が警鐘を鳴らす。凝り固まった思考に気持ち悪さを見出す。……の、だろうか。
僕もまた、とある群れに所属していたが、自然とそこから身を引いた。
なんだか気持ち悪かったんだ。
知的生命体なのに、常に発情しているメスがいる。精神を病んだオスがいる。メスの求愛行動。オスのマウントとメンタルの慰め。そのために駆り出されるメス。
これは群れだ。上手く役割を手に入れなければ生きられない。だから、溶け込めない自分を知るのが嫌で一匹狼になりたがったのかと考えた。
それはない。
どちらかというと、群れに居たいと思う理由がなくなったのが不愉快なのだろう。
まともなメンタルを持たない者は文章に縋る。文章の森にいたいから、木を隠すなら森の中。気持ちの悪い習性だ。
美しくありたいから蝶は羽ばたく。堕ちた蛾にはわからないだろう。美しくあることの価値なんて。
群れで行動するしか脳の無い弱い生き物たち。嗚呼、それと同じになることを拒んだのか。僕は孤高であるべきと信じて疑わなかった。
文章に跪いて額を床に擦り付ける輩。何かに酔ったような、熱中症患者の行進に加わることは、己の価値を失墜させる。だから縁から眺める。
見下すことで自分を守っている?
人に投げ掛ける言葉は自分自身を指し、認めたくないから他人に押し付けているのだと君は言った。
それすら君の言葉では無いくせに。
言葉を持たない者ほど言葉に縋る。ありもしない幻想を見て、それを奇跡と呼ぶ。脳が無いから騙される。
- Re: 独りで立ち上がる水蒸気 ( No.39 )
- 日時: 2023/10/16 17:20
- 名前: 水蒸気 (ID: fmI8cRcV)
アウトサイダーという言葉を知った。炭酸を含んでそうで爽やかな語感だ。盛り上がっている群れの中で、不意に冷めてしまい、観察する側に回る人のことを言うらしい。今の僕にぴったりだった。
集団の中にいて集団に感化されて鈍っていく感覚を、一人だけ逃れられる。周りを見れる、という捉え方もできるようだ。
そもそも、僕はあの群れが好きではない。発情したオスメスと、自分たちが何か大きなものを成し遂げたと錯覚して酔っている姿が気持ち悪くて堪らないのだ。乱交パーティー、だと思う。何かを肯定する、肯定しあうと満たされるかも知れないが、そればかりを求めて視野が狭まっている。
あれと同じたぐいだと思われることは、何があっても避けたい。我慢ならない。だからアウトサイダーになった。
ほとぼりが冷めるまでは蚊帳の外にいるのも悪く無いだろう。内輪ネタで盛り上がって排他的になっていることの危険さを理解できない気持ち悪さも、愚かさも、侮蔑して見下して、それでいいだろう。
馬鹿な奴ほど慰め合うから。僕は馬鹿じゃなくてよかった。
- Re: 独りで立ち上がる水蒸気 ( No.40 )
- 日時: 2023/11/13 12:45
- 名前: 水蒸気 (ID: bf/Zv.aY)
やりたいことがあるわけでもなく、悪戯に過ぎる時間に身を任せる。それは怠惰。微睡みに身を任せていてほうが、少しお利口かも知れない。
朝の葬列は過ぎていく。少しだけ溶け込めない僕はいびつとして。ヒュプノスが誘う。そこはそんなに素敵なところだろうか。朝焼けの中で眠っていたほうが良かったとは言うまいが、アラームの雨を掻き分けてはまた傷がついてしまう、よ。
君と踊った。、翠雨の冷たさも知らんぷり。薄紅が白む初夏、君の耳で揺れたピアスの儚さが染み付いている。散った桜がそこにあるのだ。レクイエムのような淑やかさで、名前を忘れていくのだろう。
やりたいことを思い出した。それは微睡みの一部に過ぎないが、人生が一冊の本であれば目次くらいの役割は果たしたかもしれない。
朝をちゃんと起きてみたいと願った。朝ぼらけを拝みたいのだ。
文を書いてみたいと思った。茶を入れてみようと思った。それで何か変わるような、気がするから。
御伽噺のような、そんなたおやかな文章。原稿用紙を散々引き裂いて、その上で物語に縋るなんて飽きれてしまう。それでもペンを執りたいのだ。時計売りのうさぎが逃げていく先に、道はあるのだと。落ちた先に見た幻想を、汽車の運ぶ先をただ、知りたかった。
甘い雨に打たれて、あの人はのたまう。役に立たないゴミは捨てていい。取捨選択の結果選別された答えなら、それでいい。
君は気持ち悪いねと斬り捨てるには丁度いいじゃないか。
自分を優れていると思う君の横顔が可愛いから。額縁に入れて飾りたかった。写真で切り取った一瞬一瞬、君の横っ面を殴りたい。