コメディ・ライト小説(新)

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独りで立ち上がる水蒸気
日時: 2023/05/04 21:25
名前: 水蒸気 (ID: rKVc2nvw)

何にも囚われず、僕は空に溶けていく。


2章
カンパネルラ
3章
クチナシ
4章
小鳥
5章
水蒸気

Re: 毒虫を擦り潰したいからクラムボンを夢見る鯨の骸を食べた ( No.1 )
日時: 2022/07/26 09:39
名前: 水蒸気 (ID: 8RtrOSRt)

掲示板のシステムウザくて殴りて〜〜〜〜〜(笑)




 倦怠感に苛まれた身体を、更なる暴力が蹂躙する。あなたのしていることは暴力だよ、と君は言う。
 不調を見ないふりすれば、消えるのか。その問いに関して言えばNOだが、そうしなければならないのだから、この暴力は正当だ。
 可哀想。行きたくも無い場所へ向かう人々の群れ。地獄への行進。まるで葬列だね。鉄とコンクリートを敷き詰めた棺桶で睡るように死ねたらいーね。それとも私の目が、伝説の怪物と同じように、あなたを石にしてあげられたらよかったのに。笑う君に、その通りだと返すことが、既に狂気だと人は言うのでしょう。

 普通じゃないことをマイノリティと名付けて過剰に尊重するような世界になってきた。真の意味で僕を尊重してくれるのなら、今直ぐに安楽死をくれ。次の朝を布団の中で終わりにしたい。二度寝の微睡みに見る夢を、永遠にしたい。コンクリートも灼熱も人込みも罵声も葬列も気疲れも億劫だから、もう二度とこない明日を願い続けている。

 昔はこんなに弱くなかったと思う。
 春は季節の変わり目だから具合が悪くて辛かった。五月は世間でよく認知された病があるから、当然のようにしんどかった。梅雨は寒くて低気圧が頭痛を引き起こすから苦痛だった。夏はバテるから無理。秋は多分、季節の変わり目だから無理。冬は寒くて動けなくて無理。僕は生きることに不向きだ。

 目を背ければ、夜の罪悪感に悩殺される。朝の葬列を思い、布団から出られない。何処までも人間の底辺にある自分が嫌になる。
 見た目こそ人間であるままなのがいけなかった。毒虫になっていたい。怯える家族がいて、何処までも可哀想な自分でいられたら、この苦痛から開放されるはずなのだ。

Re: ←を擦り潰したいから人魚姫を夢見る→ ( No.2 )
日時: 2022/07/26 09:40
名前: 水蒸気 (ID: 8RtrOSRt)

所詮僕はパクりなので〜


 桜の木の弱さを知っている?
 君が言っていた。

 日本で親しまれている桜。花、と言えば桜を指す言葉ですらあった。花篝という美しい言葉を知ったとき、それが桜のための焔だと聞いたから驚いた。夜桜を楽しむために炊く灯りにすら名前があるのだ。
 美しき花。川をピンク色の流れに変えるのを見たことがある。青灰の空にくすんだピンク。その間のせせらぎを、橋の上から見下ろしたときは、まあ、生きている時間も然程悪くないかなとすら思えた。

 そんな桜の木を、折ってはいけないと母に叱られたことがあった。あのときは、落ちていた花の枝を持ち帰って、母にも見せてやりたかっただけだったのだ。子供が見せる、無邪気で純粋な親への愛。それを拒絶されたにも等しかったから、世界の全てが敵になったような気にさえなった。
 桜の枝を折ると、その桜は枯れてしまうのだと言う。どうやら桜の内側が露出するとそこから細菌が入り込み、全身に巡り、弱い木なので抵抗もできずにやがては枯れるのだと。逆に梅の木等は、むしろ無駄な枝を切らねば栄養が行き渡らず駄目になってしまうのだとか。

 折っただけで枯れてしまう桜と、無知で枝を折ってしまう子供はどちらが悪いと思うか、と君が問う。僕は落ちていた枝を拾っただけだと不機嫌になったが、君はどうでも良さそうにしている。
 母に叱られた時点で、それは子供が悪いと思った。叱られるようなことをした(と思われてしまった)のだから。最初から枝を持ち帰ろうなどと思わなければ、何も無かったのだから。母を愛した子供が悪いと言ったなら、君は首を横に振っていた。

「弱い花が悪いよ。儚いものは全て悪だよ。強くないものは皆悪者。最初から存在しなければいいんだ。どうして弱い奴を周りが気にしてやらなければならないの。きっと桜も誰かに気にかけてもらってまで生きることを望まないよね」

 残酷にも聞こえるが、全くその通りだ。弱いものは皆、最初から存在しなければよかった。いつか強くなることもまた趣きだとか、その趣きで満足したい連中も塵芥だが、何より強い生き物たちに物語として消費されるような惨めな生き物は皆、最初から生まれてこなければ良かった。
 弱さを許容し合うことが人間だというのなら、許されない弱さの僕らは人間ですらないみたいだ。実際に人間ではないのだろうから、そんなことはわかっているから、死なせてほしい。
 都合のいいときだけ人間のルールで縛って、いざという時は人間のルールで守ってはくれないのだから、それに翻弄されるくらいなら死んだ方がましなのだ。

Re: ←を擦り潰したいから人魚姫を夢見る→ ( No.3 )
日時: 2022/07/26 09:43
名前: 水蒸気 (ID: 8RtrOSRt)

また連続投稿とかなんとかうぜえ、、、はやく廃れてしまえ(


 例えば、愛する人の死体がそこにあるとしよう。
 僕はそれを食べたいと思うわけだけど、そういう意見は気持ち悪いとか厨二病とかイタいとか言われる。愛しているのだから、余すことなく取り込んで、一緒に生きていけたらいいのにとか思うことは普通なのに、狭い見解でしか物を言えない屑共の言葉が正しいみたいに扱われると、全員殺してやりたくなる。

 髪の毛は胃の中に残って消化されないと言う。それに、兎の毛が口に入ったときの不快感から察するに、あまり口に入れるべきでは無いのだろう。胃の中に残り続けるなら、それこそ共に生きているような心地になれそうなものだが、何も胃に収納しなくたって良いだろう。ミサンガにでもして、脚に括り付けておこうか。
 骨はアクセサリーに加工しやすいらしいが、粉末にして焼き菓子にしてみたいと思う。ベーキングパウダーだの小麦粉だのよくわからない粉を大量に使うのだから、そこに骨粉が混ざったところで味の変化無く美味しく取り込めそうだから。

 他にも豚骨ラーメンがあんなに美味しいのだから、人骨ラーメンだってきっと美味しいはずだ。愛する人を愛しく戴くためにも、ラーメン作りの勉強をしようかと思う程度には興味深い。
 そもそも、メンヘラは皆ラーメンが好きだ。麺ヘラと呼ばれる生体である。ラーメンスープは当然、チャーシューの代わりも人で補えるのではないだろうか。やはり誰かを愛するついでにラーメン作りを極めるべきなのだ。愛とはラーメン。ラーメンとは愛。すなわち君を愛することはラーメンを極めることだし、ラーメンを極めたとき、君への愛も永遠になるだろう。

 冷やし担々麺が美味しい今日、きっと君が愛おしい。

Re: ←を擦り潰したいから人魚姫を夢見る→ ( No.4 )
日時: 2022/07/26 09:44
名前: 水蒸気 (ID: 8RtrOSRt)

やば。あと10分くらいまでにまともな人間にならなきゃならん



 酷い痛みに苛まれる朝は、曇っていた。涼しいと言えばそうかも知れないが、クソみたいな気分だった。
 倦怠感と痛みに蹂躙されて、唸りながら起き上がる。湿度の高い空気が肌に纏わりついた。
 窓を開けているのに薄暗い空を見ては、あー、て思う。

 曇り空や雨を天気が悪いと表現するのは何故なのか。
 十年も生きていない子供の素朴な疑問を思い出す。確かになんでだろ~ねなんて同じ視点に立って笑えていた日が馬鹿馬鹿しい。
 子供の頃に戻りたい。年々増していく苦痛を自業自得だとか体質だとか理由を与えられて呑み込まされることを、大人になったって言うのなら、僕はずっと子供でいたかった。

 椅子に身体を預けてぼんやり壁を見つめていると、涙が出てきた。
 僕は頑張っているのに。一般的というフィルター越しでは、僕は怠けているらしい。見た目ばかり人間に等しいから良くなかった。毒虫を羨むことを不謹慎って叱られる。

 小学生の時、肺炎で入院しているクラスメイトに、クラス全員でお手紙を書こうっていう大人の自己満足に付き合わされたことがあった。学校に行かなくていい理由があることが素直に羨ましかったから、「休めてよかったね」と書いた。僕に意地悪していたクラスメイトがそれを見て「最低、書き直せ」と言ってくる理由が本気でわからなかったけれど、今考えればあんな意地悪な子どもたちのほうが僕よりまともな倫理観を持っていたことに笑ってしまう。

 よくいじめの被害者達は加害者側が完全悪だと宣うけれど、いじめられる方にだって相応の理由があるだろう。被害者面して悲劇のヒロインを気取ることで慰めてほしいだけの負組ばかりだ。僕は負組とは少しでも違うと思いたいから、僕にも問題はあったと知っている。

 とはいえ、僕は悪い子だったかも知れないが、そうなるように仕向けたのは親であり先生であり兄弟であり、クラスメイトたちだった。被害者面するのであれば、そんな悪い子を育てたのは周りの全てである。助けてくれなかった大人たちも、愛してくれなかった大人たちも絶対悪だ。悪になる責任と覚悟の無い人間は教育者になるべきではない。不完全で無責任なタンパク質共に歪まされた僕が完成して、こんな文を書いている時点で「そういうこと」じゃないか。

 僕のことをアダルトチルドレンって変な名前つけて忌むような目で見る人間共を皆殺しにする夢ばかり追っている。

 君が不思議そうな顔で僕を見ている。もう、今日は休んじゃう。葬列も行進も嫌になったから。薄曇りの空に蓋をされて、呼吸がしづらいから。臓腑を捻るような痛みに、岩が乗ってるみたいに重たい頭に、海の底にいるような息苦しさが僕を引き止めたから。

 君はどんな顔で笑っていただろう?

Re: ←を擦り潰したいから↑を夢見る→の↓を食べる。 ( No.5 )
日時: 2022/07/26 10:25
名前: 水蒸気 (ID: OUJNP3ra)

 昔の恋人が忘れられない心理について、君はこう言う。
「あなたを深く傷付けた人間のことを恨み続けることは普通じゃないの?」

 妙に腑に落ちたから驚いた。ああそうだ、ハイエナのように執念深く呪い続けることに定評のあるメンヘラなら尚更。僕を裏切って傷付けてのうのうと生きてる肉塊に復讐したい。それが失恋したあとの心理に近いのだと。

 じゃあ僕は恋をしていたのだろうか。暗気の夢を見ては月に憧れたことを、恋だとするなら気持ちが悪い。
 君まで三月の兎たちと同じことを言うんだね。侮蔑を込めて見つめたところで、→の君は雨音に消える。

 復讐を望まないと、死人を代弁する言葉に価値を感じなかった。死人に口は無いのだから、生者の戯言に耳を貸すべきではない。生きていたら言えた言葉の全てを剥奪された死体の、何がわかるという。僕だってもうわからないのに、あの人の言葉をずっと待ってるのに、想像であの人の空白を騙るな。
 再誕を祈った数で僕に並ぶ者は無い。あれは僕の心臓だった。

 銀河鉄道の夜が嫌いになったのは君が死んだから。文を書くたびに殺されていく錯覚も、君の輪郭を探しては寂寥。見てほしいときは見てくれないし、見ないでほしいときは嫌に真っ直ぐな目で見てくる、その目が嫌い、嫌い、嫌い嫌い嫌い嫌い! なのにどうして、どうしてどうして消えてくれない、お願いだから死んでくれって亡霊に塩を撒いても君がいる。
 羨ましいよ。妬ましくて、早く死ねばいいのに。君が何か酷い不幸に苛まれていたとするなら僕は本当の幸いを見つけるだろう。夕星の向こうで、君の言葉を今も呪っている。

 ああ、ごめんね。今いる君の話じゃないよ。そういえば君の名前をまだ知らないね。クラムボンはやめて。同じ作者だから殺したくなる。ゴーシュとかオツベルとか、煩いな。カムパネルラなんて言った日にはイーハトーヴを焼き払うぞ。
 メドゥーサ。神話の化物の名前だ。学名? そうか。そうか。つまり君はそんな奴なんだな。
 愛を込めて、アルジャーノン? それは最早別の作者。
 いいや、君は僕のカムパネルラ。イーハトーヴが惜しくないらしいから。


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