ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 漆魔転生物語
- 日時: 2010/09/25 22:15
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)
初めまして。
初スレの叶嵐です。
今見てくださっている方々に感謝です!
【注意書き】
・初カキ
・馬鹿な中2坊
・更新が亀よか遅い
・意味不明
・コメ大好き!!
・荒らし消え去れww
・挫折可能性アリ
・赤い水がたくさん出ます
こんな感じです。
この中に1つでも「無理!」というのがあったら、ほかの素敵な作者様のところにいってください。
はい。
残ってくださった心が広すぎる方、有難うございます!!!
最終確認です。
こんなやつの小説でいいんですね?
いいんですよね??
でわ、楽しんでくれると光栄です。
※飛べます※
プロローグ >>1
キャラ紹介>>2
第一章 始まりは、その時から>>3-7
第二章 そして、彼らは目覚める>>8-9 >>12-14
第三章 戦う術、見出すは己次第>>15-20
第四章 過去、それは己に巻き付く鎖【朱編】>>21-22 >>24-26
第五章 過去、それは己に巻き付く鎖【蒼編】>>30-35
第五章 過去、それは己に巻き付く鎖【黄編】>>
祝・参照100突破 8/10 >>23
祝・参照200突破 9/25 >>39
*お客様
・紅蓮の流星様
・アキラ様
- Re: 漆魔転生物語 ( No.31 )
- 日時: 2010/09/06 23:05
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)
更新が・・・遅い。
考えてみたらまだ入学式当日じゃないか、と・・・。
あと最近、虹を見かける(2日で3回も!)どないなっとんねん??
act.31[心。。。死。。。]
僕の父親は、本当に飽きやすくて適当だった。
僕は父親の仕事が1年以上続いたのを見たことがなかった。
それでも、次々と職につけたのは母のおかげだと思う。
母は、結構大きな会社を立ち上げた、凄腕の女社長だった。
その為か、僕は母親と過ごした思い出があまりにも少なかった。それでも、何とか母は僕を気にかけていたようだ。
父も母も、良い人だ。
僕は幸せだった。
・・・・だった。
小5の時だ。
両親の仕事の都合で田舎の祖母の家に1年ほど預けられた。
夏休みで、外に散歩に出かけた時だ。
僕は、畦道で出会った少年と仲良くなった。
その子と僕は友達になって、放課後など毎日のように遊んだ。
その子が教えてくれるのは僕の知らないことばかりだった。
ザリガニの取り方。食べられる雑草。夏の森にいる虫。
いろいろなことを。
僕も、両親のことや僕の住んでいる町のことをその子に教えた。
二人は、互いのことを『親友』と呼び合った。
いつしか小6の夏休みも終わり、僕は両親のもとに帰った。
一夏の思い出を僕は両親に話して聞かせた。
本当にうれしそうに、楽しそうに話していたと言っていた。
その数日後、あの子の家から手紙が来た。
その子の母親の死を告げる手紙だった。
その子の母親は、もともと体も弱い方で療養のためにあそこに移り住んだのだと言っていた。
小学校も休んで、その子の母親の葬式に出た。
その時、あの子の姿を見つけたが声をかけられなかった。
泣き声など、涙など一粒もこぼさず、押し黙っていた。
それほど、強く、己の弱さを、己の非力さを憎んでいたのだろうか。
_______かける言葉が見つからなかった。
それきり、その子には会わなくなった。
引っ越したのか住所も分からず、僕は中学に入学した。
ある日、塾で遅くなってしまい、急いで帰宅していた時だ。
- Re: 漆魔転生物語 ( No.32 )
- 日時: 2010/09/05 20:51
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)
兄弟の運動会で微妙に疲れた気がするのはスルーで、更新頑張りますか。
act.32[心。。。死。。。]
「うわっ!もうこんな時間!!」
夕飯までには帰りたい。
腕時計を見ながら、背中に背負ったバックの重さに辟易しながらも駅の前を走り抜ける。
「・・・!!」
ふと横眼で見た駅の出入り口に信じられない人物の姿を確認し、思わず足を止める。
「・・・・・・どうして・・・・?」
頭の中で様々な言葉が回る中、やっと出したのは疑問だった。
相手はこちらに気付き、ゆっくりと近づいてくる。
その子は僕の数歩前で歩みを止め、薄く笑った。
「!!」
「久しぶり。元気にしてた?唯君」
ゾォッッ!!!
名前を呼ばれた瞬間、背中に大量の氷を入れられたような感覚が僕を襲う。
「ッ、や、やあ・・・久し、ぶりだね・・・。元気そうで、よかっ、たよ・・・」
逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ・・・
頭の中がそれだけで一杯になっていくようだ。
「ああ。元気だったよ。あの日以来ずっと手紙も送れずじまいだったから・・・。なんか、安心した」
「そ、そう。ごめんね、話しかけてあげたかったんだけど・・」
鼓動が速くなってきてる。
何とかこの場を立ち去らなければ・・・。
立ってるのも、きつくなってきた・・・。
「・・・あ。そうだ。これから行くとこあったのすっかり忘れてた。じゃあね、唯君」
笑顔で手を振りながら、彼は去って行った。
残された僕は、他人の目も気にせずその場にへたり込んでしまった。
何とか家に帰りついた僕は夕飯も食べず、自分の部屋に閉じこもった。
底知れぬ恐怖が、全身に纏わり付くのを表すように体の震えが止まらなかった。
「さ、寒・・・」
一気に血の気が引いたようだ。
鏡に映った自分の顔は、青いというよりは白に近かった。
ベットに潜り込むと、いつのまにか眠っていたのか既に朝になっていた。
朝になっても、震えが止まらず学校は休んだ。
自分の部屋で、布団にくるまりながらホットココアを飲んでいた時だ。
唐突に家のチャイムが鳴った。
「はーい、どちら様で・・・!!」
ドアを少し開け、訪ねて来た人物を確認する。
刹那。
驚愕。
ドアの前に立っていたのは、『あの子』だった________。
「何で、この家が・・・?!」
欠き消えそうな声で呟いたはずなのに、『あの子』にはしっかり聞こえていたようだ。
「何でって・・・それは君の両親から直接聞いたからさ」
「な!!?」
少ししか開いていないドアの隙間に手を入れ、ドアを開け放つ。
「ねえ、まさかここまで来て追い返そうなんてないよね?」
「あ、あっ・・・!!」
声にならない。
『あの子』は、勝手に家の中へ入っていく。
「へえ〜。結構いい家に住んでるんだね・・・」
そう言うと『あの子』は一瞬、顔に暗い影を落としたように見えたが、すぐに笑顔に戻る。
「そういえば、唯君を家に呼んだことはあるけど呼ばれたことはなかったな〜」
そう一人で呟きながら、家の中を見て回っている。
その時、僕は驚きと恐怖で玄関の前から動けないでいた_______。
- Re: 漆魔転生物語 ( No.33 )
- 日時: 2010/09/11 23:32
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)
台風とか来ちゃったりしてて、部活休みになりました〜。
この小説すさまじく意味不明だ。
act.33[心。。。死。。。]
『あの子』は、両親が帰ってくるまで居続けた。
僕と『あの子』の間に会話という会話は一つも存在しなかった。
『あの子』は一方的にべらべらと話し続け、僕はそれに適当に相槌を入れるぐらいだった。
5時頃、僕の両親が帰宅した。
「ただい・・・あら、どちら様?」
「初めまして・・・といっても、母の葬式で一度お会いしていますけど」
「まぁっ!じゃあ、あなたは・・・」
「はい。その節はどうも・・・」
「いえいえ。何のお気づかいもできず・・・」
両親と簡単な挨拶をすませ、『あの子』は帰って行った。
『あの子』の姿が見えなくなった途端、全身の力が一気に抜けた。
派手な音を立てて床に倒れた僕を、駆け寄った両親が抱き起こす。
何を言っているのか分からない。
僕の意識はだんだんと遠ざかって行った。
目を開けると、いつもと変わらない自分の部屋の天井があった。
「気絶・・・しちゃったのかな・・・??」
頭が割れるように痛い。
それでも、体を起こしふらつく足で下へと降りる。
家は、無人だった。
テーブルの上には母のものだと思われる書き置きがあった。
≪朝ご飯は冷蔵庫の中にあります≫
キッチンの戸棚の中から頭痛止めの薬を見つけ出した。
水と一緒に飲み下すと、少し楽になった気がした。
朝ご飯を食べる気にはなれず、部屋に戻り服を着替える。
玄関を開けると、まっさらに晴れた青空が広がっていた。
学校をさぼるのは初めてだ。
行ったことないところに行ってみようか・・・。
どこがあるだろう・・・。
両親には悪いが、こんな風に学校をさぼるのも楽しかった。
こんなにもゆっくりとした時間が流れていることを久しぶりに思い出した。
最近できたという本屋に来てみたが、さすがにこの時間帯は店内はすいていた。
「あ、懐かしいな・・・これ・・・」
昔、母によく読んでもらっていた絵本を見つける。
パラパラとページをめくると、当時の記憶が呼び起こされた。
あのときはまだ、母と一緒にいられる時間があったのだ。
「♪〜♫〜〜」
ふと浮かんだCMの曲を口ずさみながら、街を歩く。
とてもいい気分だった。
- Re: 漆魔転生物語 ( No.34 )
- 日時: 2010/09/13 17:33
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)
昨日は、学校の運動会でした。
クラスメイトが流れてくる曲に合わせて踊るのが、本気で面白かったwww
で、振り替え休日で朝っぱらからpcをやってる馬鹿です。
act.34[心。。。死。。。]
人間という生き物は、時として最も酷い裏切りをするだとか、どこかの偉い学者さんが言ってたりしないだろうか。
本屋を出た後、僕はまた街の探索を再会した。
行きかう人たちはみな、いろいろな感情を浮かべた目をしている。
幸福、怒り、悲哀、快楽、苦痛。
僕は今、どんな目をしているのだろう……??
上を見上げた。
ひしめき合ったビルの隙間から見える空には、鷹が一匹、優雅に飛んでいた。
———————それはもう、優雅に————————
その後も、僕は初めて学校をさぼったという感覚を存分に楽しみながら時間をつぶして行った。
家に帰った。
正確な時間はわからないけど、大体5時ころだ。
さすがに両親は怒るだろうかと少し躊躇しながらドアを開けると、
そこは地獄の入り口だった_________
脱ぎ捨てられたように転がる母の靴。
その近くには、父が愛用している鞄。
リビングにつながるドアには、まだついて間もない赤い水。
黒く重たい影が、僕の中でムクリと膨らんだ。
鼓動が跳ね上がる。
体が震え、嫌な予感がする。
靴を脱がずにリビングに駆け込む。
リビングには怯えた母と、母の前に転がる何か分からない赤く染まった塊。
そして、ソファに座り面白そうに見ている僕と同じ年ぐらいの子。
「………なんで?」
警告が鳴り響く。
それはもう、頭が割れるほどに。
ゆっくりと母が振り向く。
その顔には、美しく凛とした雰囲気をまとっていた母の面影はなく、ただ未知のものに怯えるおばあさんのような顔があった。
「あ……」
僕を認識した人間はこちらへ、のろのろとした動作で近寄ってくる。
その全身は赤という色に染め上げられ、手にはキッチンでよく母が使っていた包丁が握られていた。
「あ、は………ゆ……!」
腕に伸びた手を僕は回らない頭で、振り払う。
僕の顔に、表情と呼ばれるものはない。
驚きと疑問の入り混じった顔が目の前にある。
唐突に、ソファに座っている子が笑いだした。
その笑いは、最初のクスクスという押し殺した笑いから次第に爆笑に変わる。
「あは、あははははははは!!ふはっ!!にゃははははははは!」
腹を抱えて笑う『あの子』。
僕はソファに近寄る。
「アレは、誰?」
僕がいた場所で、茫然と床に座り込んでいる真っ赤な人間を指さし僕は『あの子』に問う。
「くはっ!あは、ふふふ……。んくっ!あ、あれ……?ひひっ。あれはね」
笑いがおさまりきらない『あの子』は、おもむろにズボンから出した黒い金属の塊の引き金を引いた。
1回、2回、3回……
丁度10回目で止んだ発砲音は、本当に煩かった。
「あれはね、ただの肉の塊さ」
穴だらけになった肉の塊は、べチャッという音をたて、色のついた水たまりに倒れこんだ。
「へぇ、じゃあ、あれは?」
ピクリとも動かなくなった元母親から目をそらし、リビングの真ん中に転がっている赤黒い塊を指さす。
「ん?あれかい??アレは………そうだねぇ、確か、君の父親だったものかな??」
ははっと笑う。
何とあどけない笑顔だろう。
だが、
「そう。それはそれは…………何やってんだテメェ?!」
『あの子』の襟首をつかみ自分の方に引き寄せながら、あいている方の手で拳を作り、振り上げる。
「ふぅ。随分と乱暴だね。そんなキャラだっけ??」
「黙れよ。何で、なんで二人を殺したんだ!!」
先ほどまで、笑っていた時のような顔はなくその瞳は興味をなくしたように虚ろになっていた。
「うーん、そうだね。しいて言えば、キモかった…からかな?」
あごに手を当て、考え込むふりをする。
「うん。そうだ。キモかったんだよ。のほほんとして笑ちゃってさあ………。すっごい気持ち悪いんだよ」
『あの子』は僕を見上げ言った。
「ねぇ、君は、どう思う???」
あどけないその顔が、首をかしげるその仕草が、その声が、その目が。
全てが、全ては、全てを_______
ぶっ壊したくなる。
振り上げていた拳を容赦なく振り下ろした。
何度も。何度も。
感情が高ぶる。
体が熱い。
殴っている拳が痛い。
目の前がかすむ。
生温かいものが頬につく。
鈍い音が鳴りやむ。
肩で息をする僕の拳は相手と己の血で濡れていた。
『あの子』の顔は、ぐちゃぐちゃにつぶれ既にうまく息が出来ていない。
僕は、『あの子』の手に握られていた黒い金属の塊。
——————銃を手に取り、ソファから転げ落ちた人間を打ち貫いた。
- Re: 漆魔転生物語 ( No.35 )
- 日時: 2010/09/13 19:39
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)
なんか、あk((ドッセーイ!!
act.35[心。。。死。。。]
自然と、涙は出なかった。
外からはパトカーのサイレンが聞こえる。
近所の人が呼んだんだろうか。
リビングを見渡してみる。
部屋中に飛び散った赤が、今いるこの世界が現実だということを教える。
自分の手の中には、黒く鈍く光る銃が、ずっしりと重い。
そして、その手にも銃にも赤がこびりついていた。
バァアッッン!!!
何人もの荒々しい足音がする。
ついに、警官が入ってきたのだろう。
銃を構えた警官は、リビングの惨状を見て絶句していた。
そして、赤黒い塊が転がる中ただ一人だけ、涙のなく無表情な少年が佇んでいた_____
次の日からだろうか、僕の髪は深い紺色に。目は、透き通るような水色になったいた。
それから僕は、一度も泣けなくなった。
≪親友≫なんて、二度と作らないと決意した。
作り笑いという仮面をかぶり、操り人形のように。
無様に踊っていよう。
大丈夫。
もう二度とあんなことは起こらない。
ずっと、自分が死ぬまで自分を守るための仮面を被っていよう———————