ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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漆魔転生物語
日時: 2010/09/25 22:15
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)

初めまして。
初スレの叶嵐です。
今見てくださっている方々に感謝です!


    【注意書き】
 ・初カキ
 ・馬鹿な中2坊
 ・更新が亀よか遅い
 ・意味不明
 ・コメ大好き!!
 ・荒らし消え去れww
 ・挫折可能性アリ
 ・赤い水がたくさん出ます

    こんな感じです。
 この中に1つでも「無理!」というのがあったら、ほかの素敵な作者様のところにいってください。



  はい。
残ってくださった心が広すぎる方、有難うございます!!!


   最終確認です。
  こんなやつの小説でいいんですね?
        いいんですよね??


    でわ、楽しんでくれると光栄です。








※飛べます※
プロローグ >>1
キャラ紹介>>2
第一章 始まりは、その時から>>3-7
第二章 そして、彼らは目覚める>>8-9 >>12-14
第三章 戦う術、見出すは己次第>>15-20
第四章 過去、それは己に巻き付く鎖【朱編】>>21-22 >>24-26
第五章 過去、それは己に巻き付く鎖【蒼編】>>30-35
第五章 過去、それは己に巻き付く鎖【黄編】>>



祝・参照100突破 8/10 >>23
祝・参照200突破 9/25 >>39


*お客様
  ・紅蓮の流星様
  ・アキラ様

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Re: 漆魔転生物語 ( No.1 )
日時: 2010/07/18 23:02
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)

   
     [プロローグ]
7人の勇者に立ち向かう7匹の悪魔。

 さすがは、勇者。

次々と倒れてゆく仲魔。

 それでも懸命に。

立ち向かう7匹の悪魔。

 血を流し、腕をもがれ、頭を吹き飛ばされる。

最後の悪魔は願う。



 —どうか、どうか。次にこの世界に降り立つのならどうか。
    幸せに。普通の人間として。
  生きたい。行きたい。逝きたい!!!
     願いを聞いてくれるのなら、どうか、シアワセになりたいんだ—




7匹の悪魔を倒した勇者は去る。

そこに残るは哀れな残骸。

理不尽な殺害。なぜ悪魔は、なぜだ、なぜ        
シヌ?




この物語は、幸せになれなかった哀れな悪魔の転生のお話。

Re: 漆魔転生物語 ( No.2 )
日時: 2010/09/17 22:41
名前: 叶嵐 ◆MbTKFNutWk (ID: fMPELWLk)

    act.0[キャラ紹介]

 ○紅葉 鏖也(もみじ おうや)>>27
  男。16歳。
  黒に近い赤髪に緋色の目。少し黒めの肌に長身の体躯。目つきが悪いせいか、性格を誤解されがちだがよく笑う。
    朱の悪魔【cinnabar Teufel】


 ○青井 唯(あおい ゆい)>>38
  男。16歳。
  深藍色の髪は肩までつきそうで、目は透き通る水色。体系は一般的だが、視力は驚くほど悪く常にコンタクトを着用。冷静沈着がモットー。
    蒼の悪魔【indigo Teufel】 
   

 ○黄原 琴音(きはら ことね)
  女。16歳。
  ウェーブがかかった長い金髪に黄褐色の目。外国人のような顔立ちに抜群のスタイル。性格は目立ちたがり気味。勉学・運動ともに優秀。
    黄の悪魔【yellowish Teufel】


 ○緑山 慧(みどりやま けい)
  男。16歳。
  薄い緑の腰ぐらいまで伸びた髪を適当に結んだ髪型に、深緑の目。小柄だが、身体能力が高く、気性が荒い。実は柔道で黒帯取得。
    翠の悪魔【verdure Teufel】


 ○紫遠 早苗(しえん さなえ)
  女。17歳。
  紫の髪は短く、黒か紫かわからないほどの色の目をしている。低血圧。いつも空を見あげている。絵がプロ並みにうまい。運動は苦手。
    紫の悪魔【amethyst Teufel】


 ○黒崎 恋華(くろさき れんか)
  男。18歳。
  真っ黒な髪に少し灰色がかった目。いつも笑みを浮かべているが、時折、恐ろしいことを言い出す。女のような名前がコンプレックス。
    黒の悪魔【terror of death】


 ○白鷹 亜弥香(しろたか あやか)
  女。18歳。
  銀のような白い髪に一般人と変わらない目をしている。無口。読書が好きでいつも本を持っている。剣道部に所属。動体視力が神並み。
    白の悪魔【existence】




  今はこれくらいです。
  あとあと増えるかもですw

Re: 漆魔転生物語 ( No.3 )
日時: 2010/07/21 23:16
名前: 叶嵐 ◆Gv599Z9CwU (ID: fMPELWLk)

それでは、やっとこさの本編を。



act.1[桜舞い散る季節に出会え]


通学路の途中で足を止めて空を眺めていたら、ふいに花びらが視界に入った。

漫画なんかじゃ、手のひらに花びらが・・・なんてあるんだろうが、残念。
現実はそんなにうまくできていない。

少し上を見上げると、それはもう立派なさくらの木があった。

分かっていても、手を伸ばして花びらをつかんでみたいものだ。

「ま、無理か・・・」

そう一人つぶやく。

ふと、腕に巻いてある腕時計が目に入る。
電車が出るまで残り30分。

「うげぇ・・・・」

さすがに間に合わないだろうか。
間に合うといいなぁ・・・。
なんて考えながら、走り出す。

角を曲がったところで突然風が吹く。

「おわっ!・・・・?」

風に乗って何か聞こえた気がしたが、分からなかった。

「まぁ、いいか・・・」

改めて走り出す。






・・・
ギリギリセーフで車内に飛び込み、一息つく。

周りを見れば、携帯片手にイヤホンで曲を聴いている学生や、せまい範囲で難儀そうに新聞を読んでいるサラリーマンのおじさん。貴重な時間をうたたねに遣うやつや、参考書をにらんでいる奴もいる。

「みんな、ありきたりだよな・・・」

そうつぶやくと、隣にいた親父にすごい形相でにらまれた。

駅に着き、電車を降りると同じ制服の奴が何人かいた。
気がつかなかったが、こんなにいたのかと妙に感心してしまう。

車がいきかう道路を渡り、そこから徒歩10分ほどに俺が通う学校がある。

「何回見てもデカイよなぁ・・・」
「本当にね」
「うわぁっ!!」

突如後ろから声をかけられ、驚いてしまった。

紺色・・・かな?そんな色の髪にきれいな水色の目をしている少年が後ろに立っていた。
人のことを言えないが、不思議な色の髪と目をしている。

「・・・・え・・・と・・・」

話題に困っていると、校門付近で新入生を迎えている先生に声をかけられた。

「早く自分の教室を確認しろよー!」

これは天の助けだと、ほっと息をつく。

「あ、と・・・・」
「ああ、僕?僕は『青井 唯』君も新入生でしょ?よろしくね」
「ああ。えっと俺は、『紅葉 鏖也』ってんだ」

彼、青井 唯はにこっと笑うと歩き出す。






・・・
「あ、あった」

俺はⅠ−Bだった。
青井は何組だったのだろう。
きょろきょろと周りを見渡すが、姿はない。

「??どこ行ったんだ・・・」

どこに行ったのか考えてみようかと思ったが、なにぶんさっき会ったばかりでまったくわからない。
まわりに知っている奴なんて一人もいない。

「友達、できるかな・・・」

ん?なんだか不安になってきた。
考えすぎると、ダメになりそうなので頭を切り替え、教室へと急ぐ。

「あ、ここだ」

教室を確かめ、おそるおそる中をのぞく。

「ちょっと!」
「うぇ?!」
「邪魔なんだけど??」

声をかけられ、振り向けば金髪の外国人のような美少女が立っていた。

「邪魔」

いらだたしげにかけられた言葉で我に返る。

「あっと、ご、ごめん」

急いでどくと、さっさと中へはいって行ってしまった。


こんなのでやっていけるのか・・・俺。
一抹の不安が渦巻いていた。



     act.2に続く。  

Re: 漆魔転生物語 ( No.4 )
日時: 2010/07/22 00:26
名前: 叶嵐 ◆Gv599Z9CwU (ID: fMPELWLk)


act.2[新たな始まりに揺れまどえ]


初めて入る教室はあんがい広く、机は一定間隔できちんと並んでいる。
自分の席を見つけ、座ってみる。
窓からは校庭が見えた。

「今日から、高校生・・・ね・・・」

いまいち実感がわかない高校生活が、いったいどうなっていくのか。
期待半分、不安半分といったところだろう。

「では、番号順に並んで体育館に行きたいと思います」

担任らしき先生の言葉で廊下に並ぶ。

「なあ、お前の髪って染めたの?」

後ろに並んだ男子生徒が話しかけてきた。

「え、ああ。違うちがう。生まれつきの地毛だよ」

軽く手を振って否定するとふーんという感想を残し、他の生徒との話に入って行った。


黒に近いが頭の上にかけてだんだんと赤くなっている髪の毛。
何度見ても普通の奴とは違う瞳の色。
別に焼いたわけではないのにあさ黒い肌。
なぜかいまだに成長が止まらない身長。

悩みは尽きない。
人知れず溜息をついた時、先生の号令が飛ぶ。






・・・
『えー、ではこれより第56回入学式を始めます』

淡々と進む入学式。
ありきたりな校長のあいさつ。
きれいごとしか述べない保護者代表。
無理して難しい言葉を並べたてる生徒会長。

「つまんねー」

誰かがそうつぶやいたのが聞こえた。

この意見には同感だ。
俺にはいまだにこんな長ったらしい恒例行事の意味がわからなかった。

『それではこれで、第56回入学式を終わりたいと思います。保護者の方は————』

その言葉を合図に一斉に騒がしくなる館内。

『静かに。静かにしてください!・・・ここで、生徒のお呼び出しをいたします』

機械的な口調の生徒会長の声がスピーカーから聞こえている。

「おいおい、こんな時にかよー」
「なんで呼ばれるんだろ??」
「さあ、なんかやっちゃったんじゃない?」
「誰がよばれんだろーな」

こんな生徒たちの言葉を聞きながら、まさか自分は呼ばれることはないだろうと思っていた。
   
   思っていたのに。

『今から呼ぶ生徒は、放課後第1理科室に集合してください。えー、まず・・・
  Ⅰ−A 緑山 慧さん
  Ⅰ−B 黄原 琴音さん
同じくⅠ−B 紅葉 鏖也さん
  Ⅰ−D 青井 唯さん
放課後、必ず集合してください』


だんだんと人が減っていく館内で俺は茫然としていた。
だって、生まれてこのかた公で名前を呼ばれるといという局面にあったことがないからだ。

茫然としすぎて、後ろから近づく人影にきずけなかった。

「いつまで抜けテンのこの馬鹿!」

ごきぃッ!

「いってええええええ??!!!」

いきなりの後ろからの打撃に目の前が一瞬暗くなり、うずくまる。

痛みのひどい個所を抑え、振り返るとそこには教室の前であった金髪の彼女が立っていた。

「な、なんで・・・」
「なんでじゃないわよ。残ってるのアンタだけよ?」

見渡してみるとなるほど。残っているのは軽く乱れたパイプ椅子にあと片づけをしている先生方。
あと俺達だけだった。

「ごめん」

あきれ顔の彼女は盛大な溜息をひとつつくと、手を差し伸べてきた。

「さっさと立って!」
「あ・・・はい・・・」

彼女の迫力につい従ってしまう自分が情けなかった。

Re: 漆魔転生物語 ( No.5 )
日時: 2010/07/23 22:51
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)

毎日のように部活がある今日この頃。
文系部なのになぜ?!

act.3[願い叶いし時始まりの針は進む]


全部がありきたりな毎日に飽きていた俺。

今まで目立ったことなど一つと言ってなかった俺は、高1の春。
いまだかつてないほどの混乱に見舞われることになった・・・。



「・・・・」

授業もろくに始まっていないというのに理科室の扉の前に立っている。

両腕に抱えられた教科書がものすごく重く感じるのは、厚みのせいだけではないだろう。

「失礼しまー・・・・へ??」

きしむドアを開けた先にあったのは、薄暗い部屋に一筋の光だった。

「すぅー・・・・・」

規則正しい息とともに光の先が、こちらに向く。




廊下に響き渡る、チャイム。




俺は、ただ、光にだけ、目も意識もすべてを奪われていた。


「朱き魔の僕よ。なぜ、そなたはここにいる」

「あかき・・・まの、しもべ・・・・・?」


  パッ!

「?!!」

突然ついた光に、目が一時的に見えなくなる。

「な、なん・・・」

目が慣れてくると、そこには3人の少年少女が立っていた。

「あ・・・「ハロハロハロウ☆君が紅葉 鏖也君??」
「う、えあ・・・は、はい」

いきなりの出来事にいまいち付いていけない。

腕の中から教科書がずり落ちた。












・・・
「落ち着いた?」

目の前にお茶がおかれる。

「あ、有難うございます・・・」

いったいこのお茶はどこで入れたのだろう。進められる通りにパイプ椅子に座っている俺は考える。

「はい。お茶」
「お、サンキュー!!」

何だろう。俺がこの部屋に入ったときと全然印象が違う。

「失礼します」

きしむドアは派手な音を立てながら開いた。

「あ、紅葉君」
「ああ!!」

入ってきたのは、深藍色の髪は校則違反ギリギリの長さで、きれいな湖みたいな水色の目をしている『青井 唯』。

「なに、知り合い?」
「はい。・・・初めまして、ですね」

最初に会ったときに見せた笑顔を向ける。

「!」

何かに気付いたのか、ドアの前から離れる。

ばっきゃああ!!!!

「うひゃあぁぁ!!!!」

我ながら、すごい声が出た気がする。

「失礼しっまーす」

無残にも古びた木片となったドアの残骸を乗り越え現れたのは、金髪で外国人のような顔立ち、抜群のスタイル。そして、豪快な性格の『黄原 琴音』だった。

「あら、あたし、3番目ってところかしら?」

髪を耳にかけると、パイプ椅子を取り出し、座る。

「これで、6人。あと、何人だっけか??」
「1人よ。お茶、おかわりいる?」

たしか、あと1人は・・・。

「『緑山 慧』・・・。遅いわね」

彼女がいらだたしげにつぶやく。

「あはは、そこらへん迷ってんじゃないですか?」

「こんにちわー」

ひょこりと顔をのぞかせたのは、薄い緑の髪を下の方で結んでいて、何より、本当に高校生なのかという疑問さえ抱かせるような容姿だった。

「君は?」
「俺?俺は『緑山 慧』だよ」

狭い理科室に高校生6人はさすがにきつくなったというので、俺達はなぜか保健室に移ることになった。



なんだろう、この学校に来てから、いや。青井にあったころから、俺は何か始まる予感がし始めていた————


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