ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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漆魔転生物語
日時: 2010/09/25 22:15
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)

初めまして。
初スレの叶嵐です。
今見てくださっている方々に感謝です!


    【注意書き】
 ・初カキ
 ・馬鹿な中2坊
 ・更新が亀よか遅い
 ・意味不明
 ・コメ大好き!!
 ・荒らし消え去れww
 ・挫折可能性アリ
 ・赤い水がたくさん出ます

    こんな感じです。
 この中に1つでも「無理!」というのがあったら、ほかの素敵な作者様のところにいってください。



  はい。
残ってくださった心が広すぎる方、有難うございます!!!


   最終確認です。
  こんなやつの小説でいいんですね?
        いいんですよね??


    でわ、楽しんでくれると光栄です。








※飛べます※
プロローグ >>1
キャラ紹介>>2
第一章 始まりは、その時から>>3-7
第二章 そして、彼らは目覚める>>8-9 >>12-14
第三章 戦う術、見出すは己次第>>15-20
第四章 過去、それは己に巻き付く鎖【朱編】>>21-22 >>24-26
第五章 過去、それは己に巻き付く鎖【蒼編】>>30-35
第五章 過去、それは己に巻き付く鎖【黄編】>>



祝・参照100突破 8/10 >>23
祝・参照200突破 9/25 >>39


*お客様
  ・紅蓮の流星様
  ・アキラ様

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Re: 漆魔転生物語 ( No.16 )
日時: 2010/08/07 20:02
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)

act.12[勇者side:街の中にて]





「小鳥遊先輩、ここどこなんですか?!」

僕は先ほどから何回も投げかけている質問を繰り返した。

「ああ?んだよ、うっせえなぁ」

制服を着崩し、中に赤いTシャツを着ている姿で堂々と街を闊歩するのは今日会ったばかりの先輩で、名前は『小鳥遊 焔』
金髪の髪は逆立っていて、目は蜜柑のような色をしているが、右目には眼帯がされている。
首から何かの骨のようなものを紐に通しぶら下げている。
3年生なのだが、全く先輩の威厳というものが感じられない。

「うっせえなぁって・・・・ここがどこかぐらい教えてくれてもいいんじゃないんですか??」

半ば自棄になりながらやっと立ち止った小鳥遊先輩に駆け足で近付く。
コンパスの差なのか、速足でも中々追いつけなかった。

「にしても、お前なんだその格好・・・」

先輩は僕の頭から足のつま先までジロジロとみている。

確かに自分でもこれはおかしいと思っている。
実際さっきまでやっていた入学式でも自分だけ浮いているのは分かっていた。
リンゴのように真っ赤な髪に、サングラスの着用。あ、でも別に障害とかじゃないんだ。これは、過去のトラウマとかそんなものだよ、と何回説明したことか・・・。
それに、首には包帯が巻いてある。いつまでも、黄色の布を巻くのがやめられない。
いつもは暗い黄色縦縞の長袖を着ているのだが、さすがに入学式なのだし制服を着たがそれでも目立ってしょうがない。

こんな服装しかしなかったので、小学校でも浮きに浮きまくっていた。


昔のことを思い出し少し気が沈んでいるところに不意に手が伸びてきて、サングラスを取られた。

「あっ!ちょっと、何するんですか!!?」

とっさに目を覆いサングラスを奪った相手を探るが、いかんせん、目をつぶっているので何があるのか全然わからない。
後ろに下げた足が、不運にも石を踏んでしまい滑った。

「!!!!」

突然のことで、体のバランスを保つことができなかった。
頭とか打ったら痛いかな・・・・なんて他人事のように考えていたが、中々転んだ時の衝撃がこない。
肩に誰かの手がある。僕の手にサングラスと思われるものが握らされた。
目をつぶっているので本当にそれなのかはわからないが、とりあえずかけてみる。
恐る恐る目を開けると、いつものくすんだ風景が広がっていて肩の力が抜ける。

「大丈夫かよ」

上から聞こえた声に反応し、上を見上げる。

「!!」

僕を受け止めていたのは、いつの間にか後ろに回っていた小鳥遊先輩だった。

「悪かったな、そんな反応するとは思わんかった・・・・」

先輩は、ばつが悪そうに頭をかいている。

「いえ、いいですよ・・・・」

深呼吸をする。
押さえるんだ、僕。
今、思い出しちゃいけない・・・・。

「加奈・・・・」







そうつぶやいた時、街の中心街に爆発音が轟いた。

Re: 漆魔転生物語 ( No.17 )
日時: 2010/08/07 23:47
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)



 えー、今回は突然のバトルパートですがなんせ作者、文才がありません。
 よって、よく分からない描写がありますが勘弁してください。




act.13[悪魔side:街の入り口にて]






俺達がいたのは、建物というより城に近いものだった。

「さすが、悪魔ってとこよね」
「そんな軽くていいのかよ・・・」
「もう、ここまできたら受け止めるしかないんじゃない?」
「そんなもんか??」


雑談を始めてしまっているのは、俺『紅葉 鏖也』と『青井 唯』、『黄原 琴音』の3人。

『緑山 慧』は数歩前を無言で歩いている。



「にしても、すげえ森だな・・・」
「本当。夜には獣なんて出てきそうね」
「なんにせよ、あの城には誰も近づかないんでしょうね」

「・・・・・おい、なんか来るぞ!」



緑山が声を上げる。

上を見れば、何かが降ってきた。
・・・・・・・・・・・・・・矢だ。


スタタタタタタタタタッ


結構な数が連続で降ってくる。


「に、逃げろおおおォォォ!!」


街に続く道を全員ダッシュで駆け抜ける。

しばらくすると、矢が止んだ。


「な・・・なんだったんだ・・・」

突然のダッシュで息が上がる。



  ヒュッッ!!


「!!!?」

空を切る音に反応し、緑山はとっさに伏せる。

緑山が立っていたところの後ろの木には、鎖鎌が刺さっていた。


「!!なんでこんなのが・・・!」
「ボーっっとしてんじゃねえ!死にてえのか!!!」


緑山の激が飛ぶ。

それと同時に刺さっていた鎖鎌が抜け、敵であろう人物が木の間から姿を現した。



「誰だ・・・テメェ・・・・」

緑山の声がものすごく低い。
いきなりの襲撃に怒っているのか?



「・・・・木梨 敏則。アンタら、悪魔だろう?殺してやるよ」


手に戻ってきた鎖鎌を構え、一気に突進してくる。


やべえやべえやべえ!!
こっちはまだ、戦い方も武器もないっつーの!!!


「死ね」


なんて物騒な?!

刹那。俺の横にいた緑山が消えた。
次に現れたのは、一気に突進してくる『木梨 敏則』の真上だった。

真上からの蹴りで片をつけようと思ったのだろうが、あちらもそんなに甘くはなかった。


「ハッ!!!」


気合とともに、木梨の周りを鎖が覆う。

鎖に阻まれ、緑山の蹴りは入らなかった。



「ッ!・・・フハッ!はは・・・アハハハッ!!」

一回転して地面に着地した緑山が突然笑い出した。

・・・侮っていた。緑山は突然の襲撃に怒っていたのではない。嬉しがっていたのだ!


「いいよ。前にいたとこではこんなワクワクはなかった!」


足を踏み込む。
瞬発力がハンパない。
一瞬で間合いを詰め、左拳を突き出した。


「ッ!?」

ギリギリで鎌の柄で防いだが、受け止めたところがへこんだ。
さすがに絶句する木梨。

それでも緑山の攻撃が止まない。
右手、左足、左手、右足、右手、左手・・・・。


めまぐるしい速さで攻撃が繰り出され、木梨も反応ができなくなっている。


「クソッ!!!!」


鎖を絡ませ、緑山の四肢の動きを止める。

肩で息をする木梨と鎖で動けない緑山。


「こいつ、なんて速さだ・・・・化物か・・・?!」


人外のものを見る目つきで緑山を一瞥する。


一方の化物は、余裕顔でどうしたら抜けられるか思案中だった。











緑山 慧。小柄な体躯を侮ることなかれ————

Re: 漆魔転生物語 ( No.18 )
日時: 2010/08/09 14:38
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)

なぜか古い番組にハマリますww
それゆえにレンタルDVDとかがなくて一気に落ち込んでる馬鹿ですwwww



act.15[戦闘狂は伊達じゃねえ]





悪魔どもが住み着く城からは、4人の襲撃された姿がしっかり見えていた。

それを見ていた黒崎は窓際に頬杖を付きつつ、部屋にいる白鷹に問いかける。


「アレは・・・・まだか?」
「つい先ほど、あちらに届けに行ったわ」
「そうか」


黒崎の目がスッと細められる。

「生き残れよ・・・・」


森からは無数の鳥が飛び立った。
















・・・
「なんか、飽きたな・・・」

未だに鎖に四肢を繋がれている緑山はつぶやいた。

「あ、飽きた・・・だと?!」


木梨は目を見開いた後、鎌を持つ手に力を込める。
ギリッッ。
そうはっきりと音が聞こえるほど奥歯を噛みしめる。
怒りのあまり手が震えだした。


「飽きた・・・だと?なめやがって・・・」


視線で人が殺せそうだと思わせるほど、木梨は目の前にいる化け物を睨みつけた。


「ハッ!なめられたくないなら、本気でかかってこいよ!!!」


怒りで我を忘れかけている木梨にはとどめの一言だった。

ブチンッッッ!!!


これはまた、派手な音を・・・。
木梨が完全に緑山の相手に集中しているので、俺達3人は木陰で休憩中である。



「緑山って、やっぱ喧嘩馬鹿?」
「いや、どっちかっていうと戦闘狂じゃない??」
「あー。そうそう、近いちかい」


呑気に笑っていられるのは、木梨が完璧に俺らを無視だからだ。


「笑ってる場合じゃないよー」

突如として後ろから聞こえた声に全員が飛び上がる。
立っていたのは・・・確か、『紫遠 早苗』さん???


「余裕だねー。君たち。いいの?加勢に行かなくてー」

加勢・・・。多分緑山のこと話言っているのだろう。


「あいつの加勢に行ったら巻きこまれて死にます」


黄原・・・そんなはっきり言ってやるなよ・・・。

「ところで・・・その両腕の・・・なんですか??」

青井が紫遠さんの抱えている包みを指さした。
一見普通の紙袋だ。


「これー?君たちの武器(笑)」


(笑)て・・・・・。
にしても、武器かぁ・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・武器っ?!!



横を見れば2人とも驚いている。

「武器って・・・なんでいきなり?!」
「ああ。この武器さぁ・・・君たちの血液から造られるんだー」
「俺達の・・・・血??」
「そ。だから、君たちは殺されることになった」

それは、衝撃の事実だ。
気がおかしくなりそうだ。


「血から造られた武器か・・・・。それでも、あそこまでに派手に殺されないといけないんですか??」
「うー?違うよー。アレは先輩の趣味ー」

紫遠先輩はニコニコ笑って手を横に振る。

どんだけ最悪な趣味だよ・・・。
そう言いたいのを全神経を総動員して押しとどめる。


「武器って・・・どんなの何ですか?」

不安そうに尋ねる黄原。
すると紫遠さんは無言で包みを開ける。



ガアァンッ!!!


派手な音を立てソレは俺達の前に姿を現した。


ちょうど目線ピッタリにフワフワと浮かぶ火の玉のような光。

それは4人全員に届いていた。
当然、緑山にも。



突如出現した光の球に呆然とする木梨。

何を悟ったか、緑山は光の球に手を伸ばす。
不思議なことに鎖による邪魔立てはなく、すんなり腕が動いた。


瞬間、緑山を眩い光が包み込んだ。










    そこに現れたのは—————

Re: 漆魔転生物語 ( No.19 )
日時: 2010/08/09 23:09
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)

未だにURLの使い方が分からない馬鹿でくそな作者に誰か、救いのt(黙




act.16[闘う術はその手の内に]





突如目の前に現れた光。



武器は己の血から生まれる。



その光をつかむ時、俺達は闘う術を持つ—————







バキャアアアッ!



四肢をつないでいた鎖を引き継ぎり、緑山は地面に降り立った。
服をも翻すすさまじい闘気と共に。


「これが、俺の武器か・・・」


静かに呟いた彼の視線は、己の両手に注がれていた。


先ほどまでなかったはずのグローブが彼の手にあった。


「フン。さすが、俺の血からできただけはある。最高じゃねえか・・・」


満足そうに笑いながら、手を開いたり閉じたりしている。

しばらくそうしていると、だんだんと馴染んできたのか木梨を一瞥する。


「どうした!アンタ、まさかもう終わりじゃねえだろうな?!」


木梨は、引きちぎられた鎖鎌を見下ろしている。
目が虚ろだ。


「あの人、大丈夫かよ・・・」
「・・・・大丈夫だよー。敏則はそんなに甘くは出来ていないよー」


敏則・・・・。紫遠さんが呼び捨てにするということは、あの人『木梨 敏則』は2年生なのだろう。


「?おい、イカレちまったのか??」
「・・・・・・・・・・・・・」


緑山の問いかけにも反応を示さない。

「完全に行っちまったなぁ」


まるで、今まで遊んでいた玩具が壊れてしまったかのような軽さで受け止める緑山。


「いや、まだまだだよ・・・・」

呑気そうな雰囲気が一転、鋭くなる。
紫遠さんの視線の先には、木梨さんがいる。


「!!!」

今まで反応を示さなかった彼が、フラリと立ち上がる。

「ふぅーーーーー」


呼吸法が・・・変わった・・・?
風の吹く方向も変わったような・・・・。


「・・・・。来るか」

緑山が構えた。

刹那。
先ほどとは打って変ったように動きのキレが変わる。


緑山もグローブのおかげで、大分破壊力が上がった。


バッゴオオォッ


緑山の渾身の突きを後ろに跳びづ去って避ける木梨。
突きの風圧で地面が抉れる。


「すごい・・・」

青井が呟いた。
確かに、遠巻きで見ている俺たちでさえ2人の衝突する闘気に押しつぶされそうだった。








その時、街の中心街で派手な爆発音が轟いた。

Re: 漆魔転生物語 ( No.20 )
日時: 2010/08/10 19:40
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)

1日中PCに向かってるボケww



act.17[勇者と悪魔は出会ってはイケナイ]





街の中心街では、突如として現れた怪物にパニック状態だった。


怪物はウサギがベースになっているのか、長い耳のようなものが生えている。
全体がすす汚れて、汚らしいイメージを受ける。
目はすべてが真っ赤だ。
両手には鋭利な爪が4本ずつ。












・・・
「おい!ボサッとすんな。行くぞ!!!」

緑山の叱咤に我に返り、その場の全員が一斉に走り出す。

あの光は、スルリと俺達の体に入って行った。
何の感じもしなかった。


「小鳥遊先輩!」


木梨さんが、呟いたのが聞こえた。
・・・小鳥遊先輩??
誰だろう・・・。

たぶん3年生なのだろうが、あの街にいるのだろうか。



一体どうなっているんだ・・・!
俺の高校生活はどうなってしまうんだよ・・・・!!!














・・・
「ちょっと、待ってくださ・・・!!」

先輩の突然のダッシュ宣言に、必死についていく僕。
そもそも、僕はそこまで体育系は得意ではないのだ。


「うっるせえ!!いいから黙ってついてきやがれ!!!!」


さっきまでののほほんとした雰囲気はなく、かなり焦っているようだ。


「クソッ・・・。あいつら・・・どこ行きやがったんだ・・・!!」

あいつら・・・???

一体誰のことを指しているんだろう?
てか、先輩・・・足ハヤッッッ!!!


「ちょ、待ってくださっ・・・!!」














・・・
それから数分後、走りに走った俺達は黄原と緑山以外息が上がっていた。


「お、おまえら・・・どんな、体力・・・してんの?!」


信じられない。
だってあの場所から、1kmは離れてんだゼ?!!


ベッタリと張り付く前髪をかきあげ、目の前にいる怪物を見上げる。

俺、慣れてきたのか?
もうそこまで驚かなくなってきてるぞ・・・。

慣れって怖えぇ・・・。



「木梨!!」

向こう側から誰かが叫んでいた。

「小鳥遊先輩!!」

木梨さんが走り出す。
たどり着いた先には、何とも奇天烈な格好の人たちがいた。


1人は多分『小鳥遊先輩』という人だろう。
・・・なんで右目に眼帯してるんだ??
そっちの趣味の人だろうか・・・。

もう1人は・・・あー、なんか見たぞ。
あの変な奴。
サングラスして、黄色い布巻いてる。それに、首に包帯してる。
・・・・・・確か、クラスメイトだった。



あちらもこっちに気がついたのか、近づいてきた。



「・・・よお、紫遠・・・だったか?」
「お久しぶりです。小鳥遊さん・・・」

両方とも、決して歓迎している雰囲気ではない。

すると、小鳥遊さんがこちらを向いた。


「あんたら、1年生か?」
「あ、はい」
「おい、廉太郎!!!」


急に後ろを振り返り、壁に寄り掛かって休んでいたクラスメイトに声をかけた。


「な、何ですか・・・?」

もううんざりだ、とでも言いたそうにこちらに走ってきた。


「クラスメイトとか・・・いるか?」

俺達の方を指さす。


「あ、えっと・・・黄原さんと紅葉君・・・だったよね?」
「そうだけど??」



黄原は指を差されたからなのか不機嫌そうだった。

「おい、黄原・・・」

さすがに、その態度はないだろ。
軽く肩をつかむと、すごい形相で睨まれた。

「・・・そうか、いるのか・・・」

確か、滝 廉太郎・・・だったっけ?
まあ、そいつの頭をワシャワシャとかき回す。

「ちょっと、やめてくださいよー」

滝の苦情を受け流し、紫遠さんに向き直る。

「恋華たち・・・元気か?」
「ええ。あなたに心配されることのないぐらい元気です」

こちらはこちらで不機嫌丸出しだ。
声が刺々しい。

「ハッハッハッハッ!!そうか!そりゃあ良かった!!!」

いきなり豪快に笑う。
そして、

「テメェに年上に対する態度を教えてやろうか?」

突如彼を取り巻く雰囲気というか空気が変わる。

滝を軽く押しやり、ゆっくりとした動作で振り向いた。
そこには見上げるほどデカイ怪物が諸手を振り下ろすところだった。


「!!!」


降りてくる速度が速い。



死ぬのか・・?!



爪の先が俺たちに届く瞬間________






小鳥遊さんと紫遠さんが動いた。



どこからか出現したサイズがハンパなくデカイ斧を片手で振り回す小鳥遊さん。

同時に高速で何かを操る紫遠さん。


怪物の爪を斧で受け止める。
嘘だろ?!
あれだけデカイ怪物の爪を軽々と受け止めて見せた小鳥遊さんが紫遠さんとアイコンタクトを交わす。

紫遠さんの手には、緑山とは違うタイプのグローブをはめていた。
そのグローブからキラリと光るものが見えた。

・・・あれは・・・。


「糸・・・でもない、もっと細い・・・弦かっ?!」
「・・・これで終わりよっ!!」


両手を後ろに思いっきり引っ張る。
それと同時に、怪物の片手がバラバラに切り裂かれる。


『ギウアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!』


思わず耳を塞ぐほどの絶叫が街に響き渡る。

それに反応したのか、俺達の中にある光が出現した。


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