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嘘吐きシンデレラ
日時: 2011/04/22 14:42
名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: khvYzXY.)

ここは更新しません。
いままでありがとうございました。
中身も、殆ど消させてもらいます。

頂いたオリキャラさんたち。
1、入谷 劉麗 >>70 (神無月様)
2、藤堂 紫苑 >>88 (紅蓮の流星様)

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Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.166 )
日時: 2010/12/11 10:04
名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: BKGAQbzV)
参照: たまにはpcから。

目が、覚めた。
夢が、覚めた。
悪夢が、醒めた。

第弐拾四話 真実と。

ゆっくりと確かめるように瞬きをする。
はっきりとしてきた意識にほっと息を吐く。
目の前には俺が得人の罠にかかり、眠る前には、確実にいなかった白髪の人物がいた。
そいつは、俺と目が合うとニッコリと微笑んだ。

「おや、おはようコウく」

「こーくん!!」

白髪の人物の声は聞き覚えのある少し高めの声に掻き消された。
俺を“こーくん”と呼ぶ人物はただ一人…

「大丈夫だった!?こーくん!」

俺の目の前に現れたのは、予想通り獅子塚怜明だった。
その姿はいつものジャケットではなく半袖シャツだった。
腕にいくつも鬱血の後が見えるところから、得人との交戦後だろうと予想が出来た

「大丈夫です、ありがとうございます。」

そう言って、ちょっと笑顔を作って怜明の傍に寄ろうとした。
すると、誰かの手に遮られた。
顔を上げると、白髪の人物が俺に笑みを向けていた。
冷たい瞳から、それが作り笑いなのではないかと連想させる。

「待ってね、コウくん。僕の傍においで?」

…はい?と聞き返しそうになるのを押さえ精一杯真面目な言い方を選ぶ。

「何故ですか?理解しかねます。と、言うよりも貴方は誰なんですか?」

俺の質問に白髪の人物はパッと笑顔を作り直した。
そうじゃなかったとしても、俺の目には作り直したように映った。

「あぁ、僕の名前は秋月時雨。約束どおりキミに合いに来たよ。」

その言葉でようやく理解した。

真白に殺されそうになったとき、得人に殺されそうになったとき。

俺をこの世界に引き戻した声だ。

「あの、時の、声。」

驚いている俺を見て、白髪の人物…時雨は瞳を更に細めた。

笑ったのだろう。
俺の周りは、こんな奴ばかりだな。

「うん、覚えていてくれて嬉しいよ。でもね、今はとりあえずこっちにおいで?そいつ…怜明くんは『裏切り者』だから。危ないからさ。」

「っ…!」

時雨の“裏切り者”という言葉に怜明の肩が跳ねた。
『裏切り者』…ってなんだ?

「うん、覚えていてくれて嬉しいよ。でもね、今はとりあえずこっちにおいで?もう一度言うけどそいつ…怜明くんは『裏切り者』だから。危ないからさ。」

「っ…!」

時雨の『裏切り者』という言葉に怜明の肩が跳ねた。
“裏切り者”…ってなんだ?

「どういう意味ですか?『裏切り者』って。」

「ふふ、そのままの意味だよ。彼は参加者達の敵だ。」

自分達、ではなく参加者達という表現に引っかかる。
なんでそんなに客観的なんだ?
もう少し、聞いてみるか。

「仮にそれが本当だとして、そんな事を簡単に言って貴方に何のメリットがあるんですか?」

さあ、て…答えてくれよ。
アンタが何者なのか、『裏切り者』とは何なのか。
それ以外にも色々と教えてもらわないと、な。

Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.167 )
日時: 2010/12/13 14:50
名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: BKGAQbzV)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id=56

うい、お礼イラストです。
光くん初うp…

Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.168 )
日時: 2010/12/18 14:45
名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: BKGAQbzV)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=H3iS97lLcGU&feature=related

「それが仮に本当だとして、そんな事を簡単に言って貴方に何のメリットがあるんですか?」

さあ、て、答えてくれよ。

第弐拾四話 真実と。その弐

「んー。メリットは、ないね。」

驚くほどあっさりと答えが返ってきた。
「…じゃぁ、何故?」

なるべく冷静を装う。
正直かなり驚いた。
メリットがないと理解した上で俺に情報を告げるなんて、普通の思考を持った人間のすることではない。

「何故だろうね?君を生かしたいから、かな?」

なんなんだコイツ。理解不能だ。
さっきから絶えず笑顔なのも不可解だ。

「彼、怜明君はね、大神側のスパイなんだよ。
情報を流してゲームの進行を乱したりとか、大神に参加者の動きを報告したりしているんだ。
彼といる時に君ばかりが『ディーバ』に襲われたのもそのせいだよ。」

…いや、別に何も聞いてないんだが。
貴重な情報を話してくれるのはありがたい。
しかしながら、ここまでペラペラと話されると胡散臭くてたまらない。

しかしコイツ…

何故俺が『ディーバ』に襲われたことを知っている?
よく考えたら、いつも俺の危ない時に現れて…

ちょ、ストーカーかよ。

「あのー、『ディーバ』が何の関係があるんですか?」

一応気になったことは聞いておく。
いや、ストーカーですか?とも聞きたかったけどな。

「…あ、れ?君、もしかして『ディーバ』が大神の手下って知らないの?」

キョトン、とした表情をうかべる時雨。
え、何それ、常識なのか?

ちらり、と怜明を横目で見る。
心ここにあらず、といった表情だ。

青ざめて、震えている。
この時雨という人物の話のせいなのか、
それともこの、時雨という人物自身のせいなのかは俺にはわからない。

時雨の方へと視線を戻すと、こちらはまたにこにこと笑んでいる。

「あー、そっか知らないんだ。」

時雨はふむ、と考え込む仕草を一瞬だけしてすぐに笑みに戻った。

「ま、この際そんなのはおいておこうか。
彼ってさ、実妹もを手にかける危険人物だから。
だから危ないからこっちおいでってさっきから言ってるんだけどなぁ」

…は?

怜明が?妹を?手に?…殺し、た?

思いがけない言葉に今までの思考が全て飛んだ。
じゃぁ、あの時の話も全て、う、そ、?

「ち、ちが。ちがう…ちがうちがうちがうっっ!!
あの赤黒い部屋も、
血まみれの陽菜も、
薄汚れた重い服も、
血の付いた包丁も、
全部全部、僕じゃないっ!!僕じゃ、ないんだ…」

怜明の叫びに思考は再びカットされた。

「獅子塚、さん」

信じられる話なんかじゃない。
けれど、このヒステリックに取り乱し、叫ぶ怜明を見たら信じざるを得ないだろう。

「ね?彼は危険だよ。」

時雨が勝ち誇ったように言う。
少しは、黙れよ。
笑みを、向けんな。

「僕と来れば勝利を得られるよ、コウくん」

…へぇ、勝利、か。

Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.169 )
日時: 2010/12/18 14:56
名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: BKGAQbzV)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

よっこいせ。
書き手の事情により更新スピードが遅くなっていたにもかかわらず返信160&参照1300突破ですか。
皆様方に感謝感謝です。
いや、もうなんか、いままでこんなに続いた物がなくてかなり驚いてるんですよ。
これからも変わらぬご支援と応援をよろしくお願いします。

Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.170 )
日時: 2011/01/28 16:20
名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: E86mwh4M)

皆々様、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

…いやまさか、去年のうちに書き終わらないとは思わなかった。
もっと短い、浅い作品のはずだったんですけどね…


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