ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 嘘吐きシンデレラ
- 日時: 2011/04/22 14:42
- 名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: khvYzXY.)
ここは更新しません。
いままでありがとうございました。
中身も、殆ど消させてもらいます。
頂いたオリキャラさんたち。
1、入谷 劉麗 >>70 (神無月様)
2、藤堂 紫苑 >>88 (紅蓮の流星様)
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- Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.156 )
- 日時: 2010/11/06 15:50
- 名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: BKGAQbzV)
- 参照: 更新。まだ二十二話ですよ。
第二十二話 姫と悪夢 その七
あの日、父が死んだ。
助け、られなかった。
父が死んで数日間
俺と兄さんは本当に抜け殻のようだった。
そんな中、母は新しい“父親”をつれてきた。
俺は絶望した。
父がいない世界に。
それを受け入れてしまった母に。
父となってしまった叔父に。
そしてなにより自分に。
父を助けられなかった自分に。
愛想笑いが板に付いた自分に自身に。
カチャリ、誰かが鍵を開けたような音がした。
こんな夜中に?
俺は不審に思い玄関へと足を運ぶ。
「真白兄?」
玄関に立っていたのは大荷物を抱えた兄さん。
「…光、俺、出て行くから。」
そう言って頭を軽く撫でて俺に背を向けた兄さんに俺は黙り込んだ。
“行かないで”の一言が出てこない。
言わなきゃ、後悔するのに。
あの時もそうだったのに。
…あの時?
カチリ
外れていたパズルのピースがはまるように全てを思い出す。
あぁ、そうか、これは罠だ。
「たとえ悪夢でも夢ならもっと感動的なシーンにしてくれればいいのに。」
にこり、と自嘲気味に笑ってみる。
得人の策にまんまとはまった俺はついさっきまで得人の『ネメシス』によって夢を見ていた、というわけだ。
これは俺が大嫌いで記憶から消し去った兄貴が出て行くとき、だろう。
実際は、兄でけでなく“行かないで”の一言が言えなかった自分が一番嫌いでしかたがない。
「…あー。ばれたか」
反吐が出そうな兄貴の声で反吐が出そうな言葉を言う兄貴の形をしたナニカを睨んでみる。
不意に首に何かがあたった。息がつまる。
「っぐ。」
手、だ。
「絞殺なんて、随分古典的じゃないか。」
笑う。もう、笑うしかない。
罠にかかった人間は大人しく殺されるしかないのだから。
やはり俺は弱かった。甘かった。
兄貴の形の物に殺されるならいいか、なんて心のどこかで思ってる。
甘い。
自分が嫌いだ。こうやって逃げてる自分が。
意識を手放しかける
「ねぇ、また寝てるの?光くん。
キミは、眠り姫じゃなくて灰被り…シンデレラでしょ?」
不意に響いた声と、俺の手を引く感覚に俺の意識は現実へと引き戻された。
姫と悪夢編 終幕。
- Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.157 )
- 日時: 2010/11/11 21:52
- 名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: BKGAQbzV)
- 参照: PSPから失礼orz
皆さんコンバンハ。
@が半角が全角か本人にもわからない故草@。です。
PSPからですが更新再開させていただきます。
ただ、PSPからでは>>0以外見れないのでコメントや誤字脱字などは暖かく見守るか雑談掲示板の私のスレまでお願いします。
これからも変わらぬご支援をよろしくお願いします。
- Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.158 )
- 日時: 2010/11/12 00:05
- 名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: .RPx9Kok)
更新再開待ってました。
PSPからでは何かと不便でしょうが、更新頑張ってくださいね、応援しています。
・・・あれ?このコメントPSPから見れない?ひょっとして。
- Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.159 )
- 日時: 2010/11/13 10:12
- 名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: BKGAQbzV)
- 参照: PSPから失礼/怜明がでしゃばる回。怜明視点。
第二十三話 竜と獅子 その壱
珍しく早足で人を追う。
家を出た少年に伝え忘れたことがあった。
「紫電には気を付けろって何で言わなかったかなぁ、僕」
紫電は強い。
少年…変城光がかなう相手ではない。
しかし、無事でいてくれればいいが。
ドサリ
なにかが落ちるような音がした。
目を凝らせば緑髪の人物とその前に倒れる黒いコートと灰髪…
「こーくんっ!?」
それが自分が探していた少年だと認識すると、思わず声が漏れた。
「あれー?怜明じゃん」
にっこりと自分の方を向いた緑髪の人物は。
顔をよく知る幼なじみ
「得…人…」
大嫌いな人物…竜ヶ峰得人。
「何でお前がっ!その子に…こーくんに何をしたっ!」
睨み付けると得人は肩を竦めた。
「あーやだやだ。君は相変わらず悪いことするのは全部俺、て思考回路なの?」
やれやれとつぶやく瞳には笑みが浮かんでいる
「でも何かやったのは、本当でしょう?」
にっこりと笑ってやると得人も笑みを作り
「うん」
あっさりと肯定した
竜と獅子編 始動
- Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.160 )
- 日時: 2010/11/20 10:40
- 名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: BKGAQbzV)
- 参照: たまにはpcから。
第二十三話 竜と獅子 その弐
「うん」
平然と頷いた相手に僕は絶句する。
わかっていたさ、こういう人間だって。
それでも、虫唾がはしる。
言葉につまっていると得人が口を開いた。
「しかしさ、怜明。陽菜ちゃんのことは災難だったねぇ。」
にやにやと口元に笑みをうかべる得人。
「…どうしてお前が知ってるんだよ。」
声が震えた、気がする。
何故コイツが陽菜が死んだことを知っているんだ?
「だって、陽菜ちゃんが殺されたのって、“このゲーム”からでしょ?
ほら、俺、あれだからさー。」
くすくすと笑みをうかべる得人はおもむろに僕に背をみせた。
そこには龍を模したタトゥーが…
二つ。
「っつ!?お前、“再参加者”か!?
どの神が“規約違反”を!」
おどろいた。
規約、では一度参加させた者は再参加をしてはいけない・させてはいけない、はず。
どの神が、何の目的で?
「あ、やっぱ知ってるんだね。
どの神ってキミもよく知る“アイツ”だよ。」
得人の口調は僕がその神を知っていて当然だといいたげだ。
実際に知っているのだけど。
「嘘だろ?“アイツ”が規約違反を?」
口に出してから考える。
“アイツ”ならやりかねないと。
「ついでに俺、優しいからさ。
いいこと教えてあげるよ。
と は兄弟なんだって。」
にっこりとした笑顔で信じられない言葉を吐く得人。
「そん、な。彼は、奴を、」
憎み、恨んでいるのに、といいかけた言葉は飲み込む。
ここで反応したら、得人の策にのったことになる。
「そうなるように仕組まれてたとしたら?
もしそうだったら、誰がそう仕向けたと思う?」
意味ありげに笑む、得人。
まさか、まさか。
「“アイツ”、が?」
僕の言葉に得人はよりいっそう微笑んだ。
「そ、そのまさか、だよ。
俺もそれに一役買ってるんだ。」
にこ、と笑うだけでなくピースまでむけてくる得人にチッと舌打ちを漏らす。
「規約違反だけでなくて、そんなことまで。」
「んー?別に結局他人事だしね。」
にっこり、五年前から変わらない笑みに寒気がした。
「外道、だな。」
小さく呟けば得人は嘲笑うように言葉を吐いた。
「キミがいえることじゃないでしょう?
ねぇ“人殺し”?」
「黙れ」
低く唸るように声を出し。
僕は得人を睨みつけた。
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