ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 能力者Lvゼロ 完結しました
- 日時: 2011/03/01 21:45
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: 9YJBGiMA)
- 参照: http://flashgameboard.com/watlasv/watlas/index.cgi
余りにも前置きが長すぎたので思い切って略します
目次の長さに自分の性格が良く出ていると思った今日この頃
改>>1 プロローグ〆
Chapter Ⅰ “レベルゼロの能力者に出会ってはいけない、攻撃してはいけない”
〆>>2§>>5§>>6§>>10〆
Chapter Ⅱ “何時も何度も”苦しむのは嫌だろう?
〆>>18§>>31§>>35§>>38-39§>>42§>>47§>>53§>>59§>>62§>>66〆
Chapter Ⅲ 能力者の能力を消し去る物質
〆>>68§>>71§>>78§>>82§>>85§>>88§>>90§>>97〆
Chapter Ⅳ 栄王の牙とシグマの角
〆>>99§>>102§>>105§>>108§>>118-119§>>124〆
Chapter Ⅴ 事の始まりは、人間の欲
〆>>125§>>130§>>137§>>141§>>146§>>149§>>150§>>151§>>155〆
Chapter Ⅵ 特攻ヨロシク
〆>>161§>>166§>>178§>>181-182§>>185§>>192-193〆
Chapter Ⅶ 死神は、眩い陽の影に
〆>>194§>>198§>>208-209§>>210§>>214§>>210§>>230§>>232§>>234-235〆
Chapter Ⅷ 物語はいずれ終焉を迎える
〆>>236§>>244§>>246§>>247§>>252§>>255〆
Chapter Ⅸ 人間は化物で化物は人間
〆>>258§>>260§>>261§>>262§>>266〆
Last chapter モノクロカラーの走馬灯
〆>>267§>>270§>>274§>>276§>>280§>>282§>>284§>>286-288§
登場人物
クラウン
シェリー・J・アンダーソン
シグマ・タイムドレイン 死亡
黒薙 童子 (くろなぎ どうじ) 死亡
鳳 麻木那 (おおとり まきな) 死亡
ジェームズ・N(ノルスティン)・ディアンマート
クロア
山吹 紅葉 (やまぶき もみじ) 死亡
水鏡 幻華 (みずかがみ げんか)
ハッシュ・ボード・ダン 死亡
古式騎士 N-0型 全壊
古式騎士 0型 オリジナル 消滅
以下オリキャラ
○>>13クロ+さん ジェリー・シャメリード
○>>16ヴィオラさん ヤマ・ジュヴァリアル
○>>20菫さん セシル・クレファニー
○>>29アマリさん リザ・ハルトヴィヒ
○>>41月夜の救世主さん レイン・オキュラム
○>>45羽百合 蕾さん アルテミス・リークディア
○>>48黎龍さん ネディ・クラネシート
○>>60yuriさん ユーリ・ディライバル
○>>74玖炉さん 碧亜 空
○>>103雷燕さん カイト
○>>112淡幸さん 雪璃 楓 >>122画
○>>113夜兎_〆さん 藤井 謙志朗
○>>218盟さん サエ・エルミーネ
リア・エルミーネ
>>15クラウン、シェリー絵・緩月さん画
>>184クラウン(♀)浴衣バージョン Neon画
>>191クラウン(♀)浴衣バージョン 色つき Neon画
>>195クラウン(♂)通常服装バージョン Neon画
>>109黒薙童子 プロフィール
>>152クロア プロフィール
>>79イメソン一覧
>>140モンスター資料室
>>89この世界の能力者の種類一覧
>>248今頃作者プロフィール
登場させたキャラクターには○が付いています
名前だけ出てきているキャラクターは△です
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- Re: 能力者Lvゼロ ( No.124 )
- 日時: 2010/12/08 16:04
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
「知っているか? 神ってのはな、人間の手の届かぬ存在になってこその神なのだ。 例えば、凍てつく炎で周囲を焼き払ったり!」
その言葉と共に、童子の周りを異様なまでに冷え切った冷気が包む。 その冷気は直ぐその場で一点に集中し、周囲に青い炎を振りまいた。
童子がそれに手をかざすと見る見るうちに炎は燃え広がっていく。
「俺の様にいくら神の力を持とうとも、いくら人間を従えようとも……! 人間ごときでは神には成れない。 俺はそれを既に経験し、理解した」
シグマは不思議そうに炎を凝視する。
確かに、その炎は熱気ではなく冷気を放ち、見る見るうちに周囲を凍らせていくのだ。 凍った所から再び炎が噴出し、どんどんその規模は広がっていく。
次第にシグマの顔に焦りが見え始めた。 リセット能力は、万能ではない。
シグマの両腕に炎が燃え広がり、氷で動きを封じる。
「テメェ、俺の魔力切れを狙って……!」
シグマは悟ったように自分の凍った手の平を眺めるとその後、童子を睨み付ける。 鬼のような形相のシグマとは反対に、童子は楽しそうに笑っている。
その不快な笑みに、シグマは何も考えずただ突進した。 遭えなく童子の大剣で薙ぎ払われ掛けるが、寸前で気づいてシグマの髪をかする程度で済んだ。
「そうだ、能力者の能力を発動するに当たって必要なのは魔力! 元々人間には生きていくうえで魔力など必要ない故に、魔力が底を突いてもなんらダメージは無いだろう。 だが、それは能力の消失を意味している。 能力者は、単純に人間にしては多すぎるな魔力を持った人間というだけだ。 魔力は! 人間には実際、毒と変わらない! 故に能力を発動する事でその魔力の毒性を放出しているに過ぎない!」
童子のその言葉を裏付けるかのように、シグマはリセット能力を発動しようと試みているのだろうが、発動しない……!
だが、その一方で童子の側も限界が近かった。
軽く息を切らす童子を前に、シグマもそのことを悟ったのだろう。 口元が笑っている。
「……気に食わねェ、奴と同じ目をしてる」
その笑は童子を不快にさせ、シグマに余裕を与えた。
「誰と同じ扱いを受けているかは知らないが、いくつかこのやり取りの中で分かった事がある。 黒薙童子、あんたの魔力は生命エネルギーと等しい働きをしているようだな。 あの程度の運動であんたの息が切れるはず無いだろう。 能力を発動してからあんたに疲れが出ている、つまりあんたは人間ではない。 何者だ?」
シグマは両手の氷を無理に叩き割り、童子は大剣を握りなおす。 シグマの感は正しい。 童子は魔力を生命活動に当てる、人間ではない性質を持っている。
「中々の洞察力だな、その目玉は節穴ではないようだ。 俺は確かに魔力を生命活動に利用し、人間でもない。 そして、今しがた貴様の魔力を共鳴放出させるのに九割がた魔力を消費している。 この意味が分かるか……? 俺は、もう既に自分の命を捨てている。 魔物型の俺の中において魔力は生命エネルギーだとは理解しただろう? 生命エネルギーの残量は、最低でも二割残っていなければ回復の見込みはゼロ。 つまり、俺はもう死ぬしか道は残されていない。 それが弱った貴様と共に死ぬか、俺だけが時間切れで死ぬか、その二通りの死に方があるがな」
その言葉を終えると共に、童子は軽くその場でふらつき始めた。 どうやら、童子の言葉は本当らしい。
ならば、シグマはシグマで手はある。 まさかこんなビルを攻めるのにボス一人で乗り込む馬鹿が何処に居るものか?
シグマは先ほどから部下を待機させている。 しかもレベルⅣの精鋭だ、笑が止まらない。
笑うをこらえるように、シグマはつい先ほど入ってきた部屋の扉に一瞬目をやり、
「そうか、良いことを聞いた。 ならばあんたの始末は部下に任せるとする——…」
その言葉が終わるか終わらぬかの内に、童子はシグマの両腕を封じた上で扉の方へ向くと、
「今だ! 殺れッ!」
大声で叫ぶ。 今すぐにでも死にそうなまでに弱った童子の腕だが、シグマの両腕を封じるには十分だ。
扉の影から現れたのは、刃渡り50cm以上はある剣を片手に持ったヤマ。
「こいつを殺せ!」
シグマはヤマに命令する。
そして——…、
「了解しました、今すぐにでも殺しましょう」
その言葉が終わる前に、ヤマの持っていた剣が二人の心臓を正確に串刺しにした。 シグマは自分の胸元から血が噴出す様を不思議そうに眺めている。 童子は、刺さっている確認だけした後、ポケットを探ると携帯電話を取り出し、メールを打ち始めた。
「お前……何故……ッ!」
その言葉と共に、シグマの心臓は動きを止めた。
魔物型の生き物は、心臓を貫かれても即死することはない。 十分足らずではあるが、確実に生きていられるほどの生命力があるのだ。
メールを送信した事を確認すると、童子は安息の表情を浮かべ、
「ヤマ、ナイス。 こんな大仕事をよくやってくれた、次のボスはカイトだと栄王の連中に伝えてくれ。 それと、この鍵をお前にやる」
ただそれだけを言い終わると共に、糸が切れた人形のようにその場で息を引き取った。 あのダイアル式の鍵が、 ヤマの手の中に落ちる。
その直後、大きな地震が起きたかのようにビルは一気に崩れ落ちた。 童子とシグマの死体を覆い隠すように、大きな音を立てて。
- Re: 能力者Lvゼロ ( No.125 )
- 日時: 2010/12/08 10:44
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
栄王旅団の拠点ビル崩壊数秒前、クラウンは水の中に沈んでいる感覚を覚え始めた。 それも、事務所にいながら、その場で水に浸かっているような感覚を……!
話し相手になっていた奴もどんどん気配が薄れていっている、恐らく今いる場所は脳の勝手に作り出した幻想の中!
このまま目を覚ませば蘇生できるが、聞かなければならない深層意識の奥に沈んだ情報を聞くチャンスは他にあるのかどうかも怪しい。
聞くのなら、今だ。
「最後の質問、能力者は何故この世界に存在するの?」
その質問は、相手にも難しかったらしい。 場合によってはこいつにもわからないだろう。
長考の末に、そいつは口を開いた。
「能力者の概念は魔神にでも聞いてくれ、俺は知らん。 お前の能力の話だが、俺との遭遇で一気に変異するからその辺ヨロシク。 じゃあ、またな。 “無”能力者、クラウン。 もう俺と会うことは無いだ……ろ——…」
そいつの言葉が終わり掛けた所で息にクラウンの目は覚めた。 息が苦しい、速く岸に上がらないと……!
だが、岸には上がれない。 体が重すぎる!
ふと右肩を見ると、いつぞやのA-01が未だに喰らい付いていた。
どうやら水中という事もあって出血毒による失血死は免れたようだが、完全に死んだこいつの顎を無理やりこじ開けるのも骨が折れる。
直後、クラウンは左目に異変を感じた。 何が起こったのかは定かではないが、その感覚と共にA-01に喰らい付かれていた肩が一気に軽くなった。 どうやら、ひとりでに外れたらしい。
「う゛っ!」
早く息を吸わねば。 またあの事務所に行く羽目になる。 だが、それもそれで悪くないが、そんな事をしていたら進めない。
兎に角息をしなければいけないという本能に沿って、体は意識とは無関係に水面へと一直線に泳ぎだす。
「ッハア!」
思いのほか酸欠だったらしく、空気を吸ったとたん一気に体が軽くなった。 直後、左足に不可解な重みを感じた。
それは勘違いではなく、明らかにクラウンを喰おうとしているように見て取れる。
とっとと黙らせて岸に上がろう。
そう考え、再び息を大きく吸うと潜って相手の姿を確認する。 なんだか、骨ばったタコみたいな生き物が足を捕らえている。 しかも、結構大きい。 体長は……10……12mはあるか?
そんな大タコが何本もある足の一本を伸ばし、クラウンの右足を掴んでいたのだ。
クラウンはとっさに右手を脇に引いて臨戦態勢へと移る。 今現在特にこれといった武器は無く、コートのポケットの奥に眠っていた何時使ったかもわからないような二本の曲刀位しかない。 しかも、錆び付いている上に、斬れるかどうかも怪しいうえ、明らかに水中では飛ばせない故の陸上では補う事ができた弱点がそのまま残っている。
明らかに分が悪い、
「隙突いて……逃げよ」
その言葉と同時にクラウンは曲刀を右足に絡み付いていたタコの足へと突き刺し、怯んだ所で無理にその足を振りほどいて岸へ向って全速前進。
自分でも驚くほどのスピードで泳いでいた途中、人影が見えた。
それがなんともおかしな格好で、クラウンは呆気に取られた。 基本桜模様の着物と洋服を合体したような服で、帯が地にこすれるほど長く、後ろ髪に問題は無いのだが、前髪などは明らかに適当に切ってあるだけだ。
彼女はクラウンの方を向き、
「……危ないよ? 早く逃げないと……そのタコちゃんと一緒に串刺しになっちゃうよ……?」
彼女はクラウンよりもタコの方に気が行っているのだろう。 タコを見ながらクラウンに警戒を促す。
クラウンがその言葉とほぼ同時に岸へ上がると、その後を追ってきたタコを彼女は手の平から突如出現させた刀で全ての足を一瞬にして輪切りにし、満足そうに微笑んだ。
- Re: 能力者Lvゼロ ( No.126 )
- 日時: 2010/12/07 21:36
- 名前: 淡幸 (ID: 3sIbxPMr)
いいんですか、私のような者が描いた絵なんて載せちゃって!
勿論OKです!
童子さーーーーーん!!
くっ、相討ちだなんてかっこよすぎますよ…。
童子さんの死を知ったらみんなどうなるんでしょうか?
- Re: 能力者Lvゼロ ( No.127 )
- 日時: 2010/12/07 21:40
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
いいのですか、ありがとうございます
童子君のメール送った相手はカイト君なので即広まりますハイ
本当はもう少しこうなんかもう少し捻りが欲しかったのですが、あえてシンプルに相打ちです
多分皆さんどうにかなっちゃいますよ、裏切ったりとかでこの辺から楔が抜けてバラける様子を描くので
- Re: 能力者Lvゼロ ( No.128 )
- 日時: 2010/12/07 21:59
- 名前: 淡幸 (ID: 3sIbxPMr)
クラウンとシェリーはずっと仲良しでいて欲しいです。(願望&要望)
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