ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- パラノイア Ep3 1-1更新 5/11 コメ求む!
- 日時: 2012/05/11 11:28
- 名前: 風(元:秋空 ◆jU80AwU6/. (ID: 9hX401bZ)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=5508
Prologue 「現実を超えていけよ」
もし、ゲームの世界が実現したら?
楽しいだろうか……否、そんな生易しい物では無いのではないだろうか?
是は、夢の終着駅。 夢の終わりの始まり……暗闇がその先にはポッカリと穴を開けている。
そこに、ダイブする事がゲームの世界へと入って行くと言うこと。
それが彼らの中の現実————
その世界は、決して華やかではない。 血に塗れている。
さぁさ、おいでませ!
そんな、イカれた世界を愛するパラノイア達よ!
普通の世の中は飽きただろ?
————End
お早う御座います。 こんにちは。 こんばんわ♪
初めまして。 お久し振りです。 何時もお世話になってます♪
今までに書いてきた小説は星の数。 しかし、完結まで漕ぎ着けた小説は無い。 それどころか完結近くまで行った事も無い。
そんな無能な駄小説量産機である風が本当の本気で書こうと言う覚悟の下、始めました本小説です。
応援して下さると真に嬉しいです。
この小説は、小説カキコの住人さん達をキャラクタとして使うと言う夜兎様等の何番煎じです……
嫌な方は、この地点で戻るを……
この企画に参戦してくれると言う優しいお方は、参照の場所へ♪
皆様のお陰で四千も見えてきたんだぜ!
〜=〜=〜=〜=〜お客様〜=〜=〜=〜=〜
葵様(常連のお客様。 大好きだよ葵! 小説のネタ探し頑張れ^^)
凡様(素敵絵師様で有ると同時に素敵小説家さんと言う妬ましいお方です!)
トレモロ様(一に女性! 二に女性!! 三四も女性!! 五に女性!! と言う紳士)
ryuka様(小説カイコ……あれは、革命だと思うんだ?)
月読愛様(私の愛しの……きゃあぁぁぁっ★ 恥ずかしくて言えないよぉ)
玖龍様(ハイスペックってさ……使える言葉だよね? ロリに兄好きに小さい…更にはツンデレ)
ゆn様(実は、男の子だったんだぜ! 驚きだぜ!)
朔様(素敵絵師様です! 繊細なタッチの絵が女の子らしいのです^^)
翡翠様(素敵な詩などを書くお方です。 感性の塊なんでしょうねぇ^^)
焔錠様(性転換に挑戦してくれた有り難いお方)
朝倉疾風様(包帯戦争と言う素敵小説はご存知でしょうか? 凄いお方です!)
神楽妖様(妖艶な雰囲気を持ったキャラに仕立て上げて生きたいです★)
夜兎様(Tha Bookと厨二は至極! 我が同士!!)
仁都様(優しい子です♪ 受験ガンバです!)
(朱雀*@).゜. 様(コメディの実力者だと思うです。)
秋桜様(仁都様のイベントで顔合わせしました★)
色茱萸様(HN何て読むの??僭越ながら分らぬ!!)
紫雨((元:右左様(あだるどちるどれんは、素晴らしい作品でした!)
天翔(元:聖夜)様(オリキャラ募集中? なら、僕も出すよ? 祝すべき二十人目のお客様!)
世移様(なりきりとかで勢力的に活躍しているみたい!)
霧月 蓮様(シリアス・ダークで神文小説を書いています!)
グレイ様(色々知りたいな^^)
Neon様(男の子か女の子か分らない謎の美少女←女確定やん!? 違います! 中性です!)
野宮詩織様(僕と君は、似ていると……言いたい!)
雷燕様(私はね? 実は、六つくらい今までにポケモン作品を書いていたのですよ?)
紅蓮の流星様(ブラッドエッジ……紫電スパイダー……即ち神!)
山下愁様(2−2クエスト……コメディ・ライトにて大好評!)
レッド様(懐かしいお名前です♪ 二次でお世話になりました^^)
秋原かざや様(えっと、数少ない僕より年上のお方です♪ お茶目で楽しいです^^)
フェイト様(二次時代からのお付き合いです♪)
凛様(この小説の鑑定をして下さった方です!)
菫様(小説内の菫様とは全然違うんだぜ?)
P.H様(最初は冷かしだと思ったです。ごめんなさい! 祝福有難うございました^^)
夢姫様(元気の出るエールを有難うございます!今後も声援頂けると嬉しいな!)
浅葱様(感想書いてくださって有難うございます!)
日向様(ファジーで軍事物の小説を執筆しています★)
今の所、三十四名の方々が着て下さりました!
有難う御座います! そして、是々非々、常連となって貰えると嬉しいです^^
======登場予定の皆様========
風(本人) トレモロ様 月読愛様 朱雀様 ゆn様 仁都様 野宮詩織様 翡翠様 玖龍様
山下愁様 秋桜様 焔錠様 神楽 妖様 朔様 涼儀様 葵様 モノクロ様
Neuron様 雷燕様 世移様 sui様 白雪様 紅蓮の流星様 秋原かざや様
夜兎_〆様 るりぃ様 梓静様 菫ーsumireー様 明石様 霧月 蓮様
だいこん大魔法様 神様の懺悔様 ryuka様
以上、33名の方々が応募に乗って下さいました^^
有難う! そして、有難う♪
>>>>>>>>物語本編目次<<<<<<<
Epsode1
Stage1「痛みを感じ感触が有り涙が本当に出ている感覚になるのが、このゲームだ」
Part1 >>3 Part2 >>6 Part3 >>12 Part4 >>13 Part5 >>21 The end
Stage2「物語の歯車が動き出す……アストラルと言う名の檻へようこそ」
Part1 >>25 Part2 >>31 Part3 >>38 Part4 >>46
Part5 >>51 Part6『暗転Pat1』 >>55 Patt7『暗転Part2』 >>64 The end
Stage3「楽しもうぜ? 基本なんて良いじゃない適当で? 基本疎かにすると死にますヨ?」
Part1 >>77 Part2 >>90 Part3『冬音とストレンジア』 >>100 Part4『憎悪の鬼神』 >>117
Part5『血反吐の夜』 >>130The end
Epsode2
Prologue> >>164
Stage1「慟哭が心の空を貫くがゆえに……」
Part1 >>171 Part2>>187 Part3>>200 Part4『無知』>>202 Part5『護るための代価』>>208
Part6『過去を断つ覚悟』>>214T Part7副題『暗転 Part3』>>342 The end
Stage2「現実も非現実も分らないんだ……だから、赦してくれよ」
Part1 >>230 Part2 >>235 Part3『裏側 1』 >>242 Part4『砕ける音』>>251
Part5『砕ける音Part1』>>263 Part6副題『狂乱双頭 序幕』 >>269
Part7副題『孤独輪廻 Part1」>>275The end
Stage3「エンドレス・バトル・オブ・パラノイア」
Part1 >>286 Part2副題『汚濁賛歌』 >>291 Part3 >>303 Part4副題『別次元 Part1』 >>314 Part5副題『狂愛者 Part1』 >>324 Part6副題『狂愛者 Part2』 >>335
Epsode3
Stage1「キラーズ・ワンダーランド」Par1 >>350
物語更新毎に追加します。
<<<<<<<番外編(企画)及び貰い物>>>>>
素敵絵師様提供の絵Part1 凡様作 >>40
素敵絵師様提供の絵Part2 朔様作 >>45
素敵絵師様提供の絵Part3 朔様作 >>50
素敵絵師様提供の絵Part4 朔様作 >>54
素敵絵師様提供の絵Part5 朔様作 >>62
素敵絵師様提供の絵Part6 凡様作 >>68
素敵絵師様提供の絵Part7 仁都様作>>116
参照数3500目前記念!第二回アンケート用紙掲載! >>272
素敵絵師様様提供の絵 猫飼あや様作 >>312
番外編【Ⅰ】 受付嬢たちの駄弁り >>329
番外編や貰い物の更新毎に追加します。
%&$#!★注意事項7$♯!=*
Ⅰ.更新は普通の方々から見れば亀更新以下です。 ご了承を。
Ⅱ.グロ表現や死ネタが多々、入ると思います。 更に微エロも… 苦手なお方は、リターンを。
Ⅲ.荒しや宣伝・無意味な連続投稿や中傷などはご法度です。 ネットマナーを護って楽しく付き合いましょう♪
Ⅳ.最後に、アドバイスや感想は大歓迎です^^
Ⅴ.時々、一人称視点の描写が入ると思います。 ご了承ください。
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- Re: 風プロ パラノイア Ep2 2-3更新 12/2 コメ求む ( No.246 )
- 日時: 2011/12/05 12:11
- 名前: 葵 ◆m75LyNJ4TQ (ID: ZEuRnT3o)
- 参照: 自爆するぞー、おー。
>>風猫
そうだよ、さりげなくいたんだよ妹がw
小4の妹なんだけどね、クソ生意気でこれがまた……
毎日高1と小4で口喧嘩がたえないという←
リノウェイさんは覚えていたよw
だって、風猫襲いかけた張本人だもの♪←
あら……あえての緩急だったのね、ちょっとスランプなのかと思ってたわ((誰
>>フェイト
おおぉおぉ、フェイトじゃん久々!
てかこないだはわざわざ私の小説上げてくれてありがとうね!
全然上げて無くて、過去ログってるかと思ってたところだったんだよ((涙
事情了解っす!
- Re: 風プロ パラノイア Ep2 2-3更新 12/2 コメ求む ( No.247 )
- 日時: 2011/12/05 22:37
- 名前: 凛 ◆Qd6XA/vkyQ (ID: soVn9TCU)
- 参照: 鑑定屋です。
こんばんは^^
鑑定が終了しましたので報告に来ました。
スレにてお待ちしています。
素晴らしい小説様で読みながらワクワクしてました←
文がお上手ですので時間がたつのを忘れてしまいそうですw
改めて、依頼ありがとうございました!
- Re: 風プロ パラノイア Ep2 2-3更新 12/2 コメ求む ( No.249 )
- 日時: 2011/12/07 19:35
- 名前: 風猫(元:風 ◆Z1iQc90X/A (ID: rR8PsEnv)
フェイトsへ
YES! どこでもやっているのです(笑
ご足労頂き有難う^^
そして、態々、忠告頂き感謝です!
確認しましたよ♪
君も久し振りです!
葵へ
そう言う情報。 もっと欲しいな(苦笑
生活に支障ない程度の情報って有るじゃん?
私は、口も聞かないよ? 弟以外とは……
ははははは♪ 本当小物っぽかったなぁリノウェイさん^^ 実は彼の絵は有ったり(苦笑
何気に格好良いですvv
えっ? 更新時間のほうはスランプですが何か?
凛様へ
鑑定して下さり有難うございます!
まだまだ、上進しなければいけないですね(汗
- Re: 風プロ パラノイア Ep2 2-3更新 12/2 コメ求む ( No.251 )
- 日時: 2011/12/08 23:21
- 名前: 風猫(元:風 ◆Z1iQc90X/A (ID: rR8PsEnv)
Episode2
Stage2「現実も非現実も分らないんだ……だから、赦してくれよ」Part4副題『砕ける音』
(一人称視点:HN・菫ーsumireー 本名・橘 菫視点)
「いつまでも準備ばかりしてもられないな。 現実に変える条件は、厳しいから遊んでる余裕はないぜ」
「あーぁ、全くだよ。 覚悟しないとなぁ……」
Neuron様とだいこん大魔法様と同行し始めから五時間が経過しました。
ようやく、わたくし達は準備を終え本格的なクエストへと今から出向きます。
わたくしは、ゲームオーバー=死と解釈すべき今の状況に胸が高鳴っています。
速く体感したい! そして、試してみたいのです。そんな中に、矢張り死の恐怖も強いウェイトを占めていまして。
わたくしは、今までの準備に不安は無いか再確認する。
わたくし達は、先ず、十回ほどフリーダ様の全員、チュートリアルを受けまして……戦闘の基本を体に染み付けましたわ。
本来、普通のゲームならこんなにチュートリアルなどしないのですが、命が掛かっているのなら別ですわよね?
本当に、命が掛かっているなんていう自覚も有りませんが。
わたくし達は実際に、体ごと別世界に移動するかのようなオーバーテクノロジー技術を体感してしまいましたの。
慎重には慎重を喫するべきとの推断は、多くの面々がしている様子。
わたくし達以外にも多くのユーザーと呼んでも良いのかも分りませんわね。 まぁ、この際は、ユーザーとしておきましょう。
それ以外では、良い呼称が思い浮ばなくってごめんなさいな。
まぁ、とにかく、皆様チュートリアルで基本動作などを入念に確かめていましたわ。
十回のチュートリアルに現実時間にして二十分。
チュートリアルの空間では、一分が一時間になりますから二十時間、修行をしましたわね。
正直、思った以上に本格的で何度かフリーダ様には「お前、本当ならこれで死んでる」って、指摘されたなぁ。
最後のほうでようやく三人がかりで、彼女に一本取れましたわ。
彼女は、反射神経と攻撃速度だけはゲーム内でのモンスターでも最高クラスと言うステータス状態で戦いを挑んできましたので。
彼女に一撃与えられる状況を作ったと言うことは、つまりどのようなモンスター相手にも攻撃を与えられるということ。
無論、回避もできるわね。最速状態の彼女と渡り合ったのだから……
まぁ、攻撃範囲が広いとかそう言うのも絡んでくるでしょうが……
そして、二十時間におよぶチュートリアルを終了したあとは、操作性の基本や武器の調達。
便利な店の発見。基本ルールや応用ルールの検証。武器防具、道具などの使い方等の確認。
最後に、今、装備できる最高の武具と最高級の道具を買える限り買いましたわ。
うむ、こう考えるとやれることは全部やった感じですわね。これで駄目だったら運が悪かったってことかしら。
はぁ、まぁ、正直、友達とか家族とか鬱陶しいし現実に未練とか無いし。
むしろ、此方の方が生延びられるようなら楽しそうですわね。
だって、漫画とか本とかゲームとか化粧品とかも普通にあるそうですし。
もっとも、そういうのに手を出すのは、高レベル帯に至り経済的余裕がある程度出てきてからでしょうが。
「まぁ、やるべきことは、やったのですから……後は、挑むのみですわ! 大丈夫ですわよ。最下級のクエストですよ?」
「最下級って言っても死ぬのは嫌だよ。死ぬ可能性はあるわけだよ? 僕以外が死ぬのを見学するのは良いけどさ?」
緊張気味というかやる気のなさげな殿方達を見て、わたくしは、苛立ってらしくないことを口走り口をつぐむ。
そんなわたくしのことなどお構い無しにローテンションこの上ない声で、Neuron様がボソリ。
いえ、全くその通り。他人が死ぬのを見学したいとか良い趣味です事。でも、それってアレじゃなくて?
つまり永遠にここから出れないのでは?
あぁ、彼は、世界が大嫌いだというのは、この数時間の付き合いで分っているのだけど。
一応、このまま居られても困るので聞いてみましょうか。
「貴方、一生、ここで暮らしたいんですの?」
「それも良いかなと思うけどさ。ほら、こっちでもゲームとか小説とかは事欠かないみたいだし?
でもさ。流石にやばそうだよね? この手のこみようと世界観の精緻さ。このままうだうだしている奴に優しいとは思えないな」
質問に目を伏せる事も無く嬉々とした様子で彼は、それも良いなと笑みを浮かべながらこたえる。
どうやら、心底、自分の居た環境が面白くなかったのでしょうね。家庭環境、人間関係? それとも彼自身が普通じゃないのか?
率直と言うか鬱陶しいくらいに暑苦しいだいこん大魔法と比べると観察のしがいのある殿方ですわ。
でも、そんな彼は、中々に観察眼に優れている様子。だからこそ、世界の穢れを察知し易いのかもしれませんわね。
そう! こんなデスゲーム紛いのことをさせるのなら安穏と暮らしてられるような本末転倒なことはしないはず!
何か必ず、ルールが有る。わたくしたちに否が応にもこの遊戯を強制させる何か……
軍資金? いや、ある程度、力が付くものが増えてからの弱者が持つ欲求からくる焦り?
もっと、根本的な……例えば一定レベルに達さない人間の排除とか?
「どうした? 菫。顔色が優れないぜ。今日は、やめるか?」
「ちょっと、何を戯言を言いますの? わたくし、うきうきしているのですわよ。全く、殿方達が情けないから冷や冷やしてたのよ!」
場違いにも心配して話しかけてくるだいこん大魔法。大方、女の子が悲しい顔しているのは嫌だとかお節介をいうのでしょうね。
女の子大好きだからとか女性は大切にって教え込まれたからとかって感じ? どこまでも単細胞で鈍い男ですわ。
まぁ、その分、扱い易そうですけどね。あのやる気無いくせに感が良くて疑り深いもう一人と比べれば。
とにかく、話が進展しないというか、この調子だと折角、受注したクエストの取消しを要請なんてなりかねないから。
わたくしは、躊躇わず本音を口にしてみる。二人とも情けない殿方扱いされて憤慨するかと思いきや。
片や情けなくてすみませんと真摯に謝り、片や情けなくたって良いよとなんともない様子。
あぁ………不安になってきましたわ。腑抜けばかりですの。
「まぁ、ここでいつまでも立ち止まって立って意味ねぇし出向こうぜ!
任務は、簡単! どこにでもある唯のキノコの採取だしよ!」
ふぅ、やっと話が進みましたわね。
少し不安になったとか言っても正直、不安って言うのは、死ぬとか痛い目あうとかに対してじゃなくてさ。
腹立ってわたくしが、こいつ等殺しちゃったらって話ですし。まぁ、なったらなったですが。
絶対、ペナルティ有りそうで面倒ですの。
もしかしたら、処刑なんてもありかもですし。
死んでもかまわないとは言ってもここは、現実世界より気に入ってますからなるべく生きたいですしね。できれば気楽に。
「では、門を潜りますわよ。さぁ、行きましょう」
「はあーぁ、めんどうだなぁ……」
Neuron様の妄言は無視! 先陣を切ってわたくしは歩き出す。門の先は、闇の空間。
しかし、これがバグではないのは事前に聞いているので躊躇はない。
門を抜けた瞬間、何か身体が湾曲するような感覚に襲われて目の前が波形上に揺らめく。
そして、数秒。周りの風景は一変する。起伏に富んだ山々が聳えていて深く青い空が、見上げればあった。
基本的には廃退的な感じの荒野だ。グランドキャニオンの谷の間にいるような感じかしら。
通路は狭く周りは、大きな丘が囲んでいる形だ。
正直、敵に囲まれたら逃場のない面倒な地形といえるだろう。最初の簡単なクエストでこれか。
『侮っていたな。これは、後半クリアさせる気のないクエストがドンドン出てくる予感がしますわ』
微笑む。なぜだか楽しい感情が心の底から湧き出てくる。
二人の殿方達は、まだこの世界の風景を見ている。きっと、どのような地形かできる限り把握しておきたいのだろう。
それは、そうだ。どこが広いか、どこが行き止まりか。把握していないとしてるとでは勝手が違う。 何せ命が掛かっている。
しかし、このフィールドは、どうやら人が周りを見回すには、障害物が多すぎるようだ。
正直、それでもなるべく把握したいと丘の岩肌をつたい登ろうとする姿を見るとわたくし楽しくて…………—————
あれ? わたくし、いかれているのかしら?
「あーぁ、やっぱりあそこしか無いか。簡単なクエストとか言ってたからすぐ近くに採取ポイントが有るのかと思ってたのに」
「仕方ないな。だが、場所は有る程度把握したし、モンスターの多い危険な通路も確認できた。収穫はあったぜ」
十分ほどが過ぎ二人が、ほぼ垂直な壁を走りながら降りてくる。
会話していますけど舌を噛まないのかしら。いっそ、噛んでくれると失笑物で最高なのですが。
成程。採取場所の確認や敵モンスターの居る座標の確認なんても基本ですわね。わたくしとしたことが忘れてたわ。
まぁ、二人の殿方が思ったよりは少しだけ使えるということで安心ですの。
「支給品は人数分拝借しておきましたわ。では、進撃を始めましょう」
「進撃とか……スニーキングミッションの方が効率的な件」
支給品というのはあらかじめギルドからメンバーの支援のために送られる物資のことですわ。
大概、自費で道具を購入するのが困難な初心者のためのものでそれ以上のものは置いていないのですが。
無論、わたくしたちは初心者ですので重宝するものですの。これから末永くね。
いや、二年で最上級クエストをクリアするという条件を考えると初心者で居ていい期間など短いのですが。
とにかく、わたくしは、高鳴る鼓動を抑えきれず握り拳をつくり空に掲げましたわ。
それを見ただいこん大魔法様は、微笑ましそうな顔でわたくしを見ていて。まるで、子煩悩な親馬鹿かって感じ。
まぁ、Neuron様はというともっと、ムカつく反応をみごとにして下さりましたがね。あとで締めましょう!
何がスニーキングミッションよ!? メタルギアなら全てクリアしましたし他のも何個も踏破してますわよわたくし!
正直、このゲームはレベル制。それも、フィールドでの行動がレベルに関連してくるみたいですから。
モンスターを多く狩れるようにしたほうが良いのでは? っと、そんなことはどうでも良いですの!
速く、クエストを楽しみましょう!
悲しみも絶望も恐怖も全て——————
「なぁ、幾ら彼女が俺たちのチームの唯一のアタッカーだからって女の子が先兵ってどう思うよ?」
「そういうプライドは強くなってからに取っときなよ。そういうこと彼女の前で言ってみ? 殺される」
後ろから聞こえる声。余計なお世話ですわ。そう、声を荒げそうになったとき、Neuron様が見事な突っ込み。
全くその通りですの。英雄気取り騎士気取りのお馬鹿より勘の良い殿方のほうがやはり良いですわよね?
「よぉ……初めまして。わたくし、リノウェイと申します」
敵に遭遇する恐れのない道をだいこん大魔法様達の指示で歩いているせいか。
わたくしは、気楽な事を考えていて注意力が散漫になっていた。
そんな私たちの目の前で突然、摩訶不思議な現象が発生する。
空間が湾曲し切裂かれテンガロンハットとジーンズといったガンマン風の服装に似合わない刃物を持った男が現れたのだ。
男は、百八十後半程度の長身で青と翠のオッドアイで綺麗な顎のラインをした流麗な顔立ちの美男子。この殿方は一体? そもそも、わたくしたちの前に新手のプレーヤーがなぜ?
ありえない。このフィールドにはわたくし達しか居ないはず! 乱入など出来るはずもない!
モンスターハンターのような同じフィールドがプレイヤーの数だけある仕様になっていて……
つまり、同じフィールドで狩をしていてもそこで違うパーティのプレイヤーと遭遇することは有りえない。
———————ーイレギュラー
心臓が、警鐘を鳴らす。
相手の男は、何もしていないのに。ただ、わたくし達に人の良い笑みを浮かべているだけなのに! 強烈な重圧が圧し掛かる!
明らかな格上だ。
「そして、さようならとでも言っておこう!」
数秒のにらみ合いの後、男は、何も無いはずの空間に手を翳し突然、ナイフを召還してみせる。
そして、一瞬にして強靭な脚力でわたくしたちとの距離を詰め切りかかってきた。
しかし、その刃は、わたくしが防御するより前に止った。 澄んだ衝撃音が響く。
目の前には、動き易く改造されたローブを着た男。
「おいおい、いきなり切掛るとかいかれてんのか!?」
「てめぇから先に死にたいかだいこん大魔法君?」
だいこん大魔法様だった。
本当にお節介極まりない馬鹿らしい。
やれやれだ。こういう奴は速く死ぬ。絶対だ。現実は甘くない。
あーぁ、萎えたな。
「え?」
「あの……貴方。凄く魅力的ですわ! わたくし、貴方と組みたいですの」
わたくしは、躊躇い無く彼の心臓部を自らの武器である刃渡り三十センチメートルほどの青色のナイフ属性の武器“クールナイフ”で突き刺す。 一瞬、目の前の殿方が目を見開く。
正直、何の躊躇いも無く人間に切掛れるとか……わたくしと同じにおいがして本当に親近感が湧きましたのよ?
だいこん大魔法様とは数時間の付き合いですしどうでも良いわ。
初めての人を刺すという感覚。長く長く手に伝わり続けている。
あぁ、返り血でドレスが汚れてしまいましたわね。
ナイフを抜けばきっと夥しい量の血が流れるのでしょう。
そして、その鮮血は、大地に汚い染みを作るのでしょうね。
あぁ、それが、この殿方の最後の情景にして最後の記憶。素晴らしいですわね本当に!
それでは…………
「お休みなさい。だいこん大魔法様」
「お前、良いね。最高だぜ!」
⇒Part5へ
- Re: 風プロ パラノイア Ep2 2-4更新 12/8 コメ求む ( No.259 )
- 日時: 2011/12/11 21:28
- 名前: 葵 ◆CTx8mbrkTA (ID: 6MOWHKAk)
え、いきなりだいこん大魔法様死亡?
いや、んな訳無いよね、ちょっと早過ぎるもんね←
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