ダーク・ファンタジー小説

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【更新停止】
日時: 2017/10/13 22:44
名前: 夢精大好きちんぽ丸 (ID: 3p1tWxjm)

やぁ、またかとか思った?
僕だよ、ちんぽ丸だよ。
夢精が大好きだけど、不能だから勃たないで日々苦悶の日々を送っているよ。
割とマジの真正童貞だよ、誰か名医でも紹介してよ。

これはファジー版に投稿してる短編集と違って、長編だよ。
前ここに書いてたやつの焼き直しだよ、なるべく更新停滞はしたくないよね。夢精に二言は無いよ、頑張るよ。
感想とか評価とか批判とか絶賛歓迎してるよ、だけどPNを変えろっていうお言葉には絶対負けないよ、戦うよ、僕は夢精大好きちんぽ丸として世の中に抗い続けるよ。

それじゃあ少しでも楽しんでいってね。割と胸糞悪いお話を書いていくんだけどね。



最後に一言。
「捻りの無い下ネタは害悪。捻っていても害悪」

Re: 初芝君は気色が悪い ( No.19 )
日時: 2015/11/03 10:53
名前: 夢精大好きちんぽ丸 (ID: 3p1tWxjm)
参照: https://twitter.com/Toremoro1467

『十話・終わりというのは常に簡単』2


 僕を検査した医者曰く、『もう日常生活に戻って頂いても大丈夫ですよ、別段重傷というわけでもありませんでしたからね。警察からの聴取はまた後日に』だそうで。僕は暗くなって来た景色の中、早々に病院を後にして家に帰る事にした。
 警察からの聴取が後日という適当な所なんか、相も変わらずこの地域の公僕は足が遅いし職務意識も低い奴等ばかりだ。
 神父が家まで送ってくれようとしていたが、仕事途中で抜け出してきたと言っていたので、大丈夫だからはよ職務に戻れと固辞したら、渋々帰っていった。最後まで口やかましく心配してくれていたが、僕だっていい加減子供と言える可愛い年頃でもないし、もう少し安心してほしいものだ。
 
 そんなわけで、僕は今家路についていた。
 お腹に包帯は巻いたまま、傷が開いたりしないように激しい運動は控えるべきらしいが、別段もう痛くもないのでさして生活に支障は無いだろうと思う。
 今日、僕は確かに死にかけた筈なのに、こうやってその日の内にいつも通りに戻れるというのは、中々に不思議な感じだ。
 明日は土曜日で学校も休みだし、ゆっくり療養しよう。日曜には心音と会う約束があるが、まあ、キャンセルさせてはくれないだろうな。あの女は僕が怪我しようが病気しようが自分との約束を優先させる女だ。なんなら僕が死んでいたとしても、待ち合わせ場所で待ち続けるような女だ。
 もう来ないはずの男を待ち続ける女。
 言葉の響きだけを聞くと、中々に想像力を掻き立てる良さげなフレーズである。
 僕がそんな益体もない事を考えながら。夜であるから、明かりが点々と点いた家々の間にある車道の端を歩いていたら、そろそろと視界の真ん中に帰るべき家が見えてきた。
 道の突き当りの曲り角にある、少しばかり小さめの、薄い灰色の壁と真白色の屋根をした一軒家。
 そこが僕の家である。
 因みに僕にこの家を、まるでお小遣いをくれる親のように軽く寄越したのは、諸君の想像通り神父だ。
 お蔭で僕は、この年にして家持ちである。
 いや、実際こんな一軒家、一人で住むには広すぎるから要らないと再三言ったのだが、あの神父は例によってのんびりした口調で『大は小を兼ねるよ〜。大きくて困ることなんてそうないからさ〜』とほざいていた。
 てなわけで、僕は神父に対して、こうやって莫大な借りをどんどん増やしているわけだ。親不孝者と罵られるレベルだが、もうほんと、どう返せばいいんですかこの大恩。
 彼に大きな借りがある人間は、僕や、僕同様に居住区やらを貰ったりして助けてもらってきた心音以外にも、全世界に数多いるであろう。恐らくその大体が、借りを返済できていないと思う。
 何がどうしてあんな人間が出来上がったのかはわからないが、取りあえず尊敬する事位しか出来ない。
 本当にホント、息子が超えるには偉大すぎる【父親】だ、あの男は……。


「ふぃーっと……づかれだー」
 濁音混じりの声を上げながら、僕は玄関を開けて家の中に入り、広いリビングにある黒い革製の三人掛けのソファーに倒れこんだ。
 僕の家は二階建てであり。一階にはリビング、台所、浴場があり、二階には計四つ程の部屋がある。トイレは各階に一つずつ。
 当然のことながら、独り暮らしでその全てを使うわけもなく、大体が空き室だったり物置だったり。ちなみに就寝に関しても大体はリビングにあるソファーの上で寝てしまうので、家での活動スペースは大方一階である。
 なんという宝の持ち腐れ状態! と言えるが、まあ本当にその通りだ。
 この家にも偶に人が遊びに来たり、用事で来たりするが、初めて来た大抵の人間の一言目が「羨ましい」で二言目が「勿体ない」である。
 そんな訳で、中々にブルジョワな生活をしている僕なのである。
 まあ、使い切れない持ち物なんて、何の役に立つのかわかりゃしないし、邪魔なだけなんだけどもね。
「ふぁーあ。ねみ……」
 思わず欠伸が出る。
 今日は本当に疲れる一日だった。体力もごっそり持っていかれたから、やたらと眠い。
 帰ってきた時の格好で、神父が適当に買ってきてくれた外着の私服のままだが、もう僕はソファーの上で大分微睡んで来てしまった。
 ちなみに、刺された時は制服であったが、ナイフで穴が開いていたし、血も付いてしまったので、捨ててしまった。替えの制服はあるし問題はない。
 それにしても、あの女はなんだったんだろうか?
 予測はついたけど、それでもまだ確証は持てない。実際、本人に確認しないと、本当の所は動機も素性もわかりはしないであろう。警察は頼りにならんし……。
 つまり、僕はもう一度彼女に、自分の力で会わなければいけない。
 真意を問い質すために。
「会って……また刺されたりして……な……」
 呟きが漏れる。
 眠いからか、思考が纏まらない。
 段々と瞼が重く閉じていき、辺りが暗くなっていく。ああ、ダメだ、 電気くらいは消しておきたかったんだけど……もう、いいか。別に電気代だってなんだって、神父が払ってくれてるんだから……。
 だから、今日はもう、このまま、寝ちまおう。
 自堕落に、無気力に、疲れたから今日は寝ちまおう……。


 そうやって、僕は今日という一日を、簡単に終えた。

Re: 初芝君は気色が悪い ( No.20 )
日時: 2015/11/05 05:30
名前: 夢精大好きちんぽ丸 (ID: 3p1tWxjm)
参照: https://twitter.com/Toremoro1467

『十一話・残酷な話の前の大切な休息』1


 僕はあの日。一年前、高校一年生のあの日から、生き方を大きく変えた。
 自分の【異常】を知り。心音に出会い。そして神父と共に彼女を救ったその時に、生き方を大きく大きく変えた。
 まず勉学に取り組んだ。それまでのスクラップみたいな頭脳を一新して、全部高性脳味噌に仕立ててやった。
 処世術も学んだ。付かず離れず、空気みたいな存在になる、そんな人との関わり方を学んでいった。
 他にも色々。体を鍛えたり、趣味を見つけようとしたり、本当に色々したものだ。
 きっと自分は悟ったんだと思う。
 自分という人間が異常だというのなら。人を愛せないという異常を抱えるというのなら。他の部分はせめて、人並みになればいいのだと。
 特異な事で得する事なんて、この世には滅多に無い。
 平凡で平均な生き方が、一番幸せになれる近道なのだと。
 そう、僕は幸せになりたかった。
 僕にだって幸せになる権利はあると、そう思っていた。


 それは、間違いなんかじゃないよな?

Re: 初芝君は気色が悪い ( No.21 )
日時: 2015/11/07 08:47
名前: デルックモノリス (ID: gwo7dxKL)

すげぇ

のんなのはじめて

Re: 初芝君は気色が悪い ( No.22 )
日時: 2015/11/08 00:33
名前: 夢精大好きちんぽ丸 (ID: 3p1tWxjm)
参照: https://twitter.com/Toremoro1467

>>21
ありがとうございます!

Re: 初芝君は気色が悪い ( No.23 )
日時: 2015/11/12 20:47
名前: 夢精大好きちんぽ丸 (ID: 3p1tWxjm)
参照: https://twitter.com/Toremoro1467

『十一話・残酷な話の前の大切な休息』2


 それが夢だという事はすぐにわかった。
 僕は何かどこかに寝かされているようで、上から覗き込んでくる少女と目が合っていた。
 彼女はニコニコと嬉しそうに笑っていて、とても可愛い女の子だった。
 僕と云えば、笑いも泣きも何もせず、只々仏頂面で彼女の事をじっと、ともすれば睨みつけている様だった。
 そんな風に女の事見つめ合っていると、声が聞こえてくる。
 一つの声はとても懐かしい声、もう一つは何処かで聞いた気がするような声。男二人の声。なんだか、安心できる、そんな声。

「お前、本当に育てるのかその餓鬼」
「当然だよ。真木君、僕はね、彼女を愛していたんだから」
「だったら、尚の事難しいだろ、折り合いつけられんのかよ」
 慈しみを持った懐かしい声と、何処か気遣いの感じられるどこかで聞いた気がするような声。なんだか分からないが、会話を聞いていると酷く悲しくなってくる。
「彼女は死んだけど、あの子を残してくれた。だから、良いんだ。例えその出生がどうあれ、例えこれからどういう人生になっても。僕はこの子を育ててあげたい。見守っていてあげたいんだ」
 優しさの中に、芯が通ったその声に、それでもやはり、僕は悲しくなる。
「……分かった。まあ、潮時だろう。もう俺達は此処から出なきゃならないしな、何処か、何処か安心して生きられる、平凡に生きていけるそんな場所で、そうやって過ごすのもいいだろうよ」
 捨て鉢の様だけど、何か暖かい雰囲気を持った声。
 嗚呼、僕は理解した。いや、理解している。
 きっと彼等は僕の為に何かを諦めたのだ。そして、僕の為に何かを変えようとしてくれている。
 それはきっと、愛情というモノで、それはきっと、絆というモノなのだ。
「ふふっ、君、凄く賢そうな眼をしてるね」
 と、僕と目を合わせていた少女が、花の咲くような笑顔で言ってくる。
 その声もまた、慈しみと優しさと、暖かさを持った声だった。
「ねぇ、私達、これから家族になれるかもしれないね。もしかしたら、もっと違う何かかもしれないけど、でもきっと深い絆を持つことは出来るんじゃないかなって思うんだ」

 彼女は笑顔で、言う。
 ああ、これもまた、愛なんだ。愛情。情。それは、それは僕には——。

「おい、シル。餓鬼にあんま近寄るな、悪影響がありそうでこえぇんだよ」
「あー、ひっどい! こーと、そんな事言って、自分だって変な病気持ってそうな癖に!」
「誰が変な病気持ちだ、一体俺が何を患ってるって言うんだ」
「性病」
「持ってねぇよんなもん!!」

 シル、こーと。それが彼等の名前だろうか、聞き覚えはない、と思う。

「あらら、喧嘩しちゃってまぁ。仲良しなんだからなぁもう」
 懐かしい声が、僕の方に寄ってくる。眼鏡をかけた、柔らかい雰囲気の男性。若い、男の人。
 僕の頭を撫でながら、言ってくる。
 そこで僕は気付いた。僕は今、赤ん坊なんだと。
「君がこれからどんな人生を歩んでいくのかは分からないけど、僕は何時でも傍に居て、君を支えるよ」
 笑顔。
 優しい、本物の笑顔。
 安心する、安心すべき笑顔。
 そこにあるのは、明確な愛情。だが、僕に向けられた愛だけではなく、きっと僕を産んだ女性への愛。深い深い愛情。
「だから、安心して良い。何も心配しなくていい」
 ああ、ごめんなさい。
 ごめんなさい、僕は、僕は愛を。
 その愛を、肯定できない。
 深い深い愛が、只々不快で。
 僕は、僕はそれを。


「何も心配せず、歪んで生きても良いんだよ……」


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