ダーク・ファンタジー小説

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【更新停止】
日時: 2017/10/13 22:44
名前: 夢精大好きちんぽ丸 (ID: 3p1tWxjm)

やぁ、またかとか思った?
僕だよ、ちんぽ丸だよ。
夢精が大好きだけど、不能だから勃たないで日々苦悶の日々を送っているよ。
割とマジの真正童貞だよ、誰か名医でも紹介してよ。

これはファジー版に投稿してる短編集と違って、長編だよ。
前ここに書いてたやつの焼き直しだよ、なるべく更新停滞はしたくないよね。夢精に二言は無いよ、頑張るよ。
感想とか評価とか批判とか絶賛歓迎してるよ、だけどPNを変えろっていうお言葉には絶対負けないよ、戦うよ、僕は夢精大好きちんぽ丸として世の中に抗い続けるよ。

それじゃあ少しでも楽しんでいってね。割と胸糞悪いお話を書いていくんだけどね。



最後に一言。
「捻りの無い下ネタは害悪。捻っていても害悪」

Re: 初芝君は気色が悪い ( No.1 )
日時: 2015/10/15 17:41
名前: 夢精大好きちんぽ丸 (ID: 3p1tWxjm)
参照: https://twitter.com/Toremoro1467

『一話・右向いたら左』



 僕は人を愛すことができない人間である。
 
 うん、突然何を言い出すんだお前は? と君たち諸兄は思ったかもしれないけど、それが事実なんだ。
 僕は、人を愛せない。
 別に、身体的欠陥の問題とか、精神異常とかで誰かを愛せないとか、そういうのじゃないよ? ある意味、精神は異常かもしれないけど、それでも別に他人と何か決定的におかしな所はないと思う。性欲だって人並みにあるし、自慰行為だって一週間に三度はする。
 自分が人を愛せないと気付いたのは実は結構最近の話だ。
 今でこそ、私立の高校に通って、親のスネを多大に齧りながら平穏に何事もなく生きている僕だけど、中学の時はそれなりに問題児で、小学の時はそれなりに腕白だった。
 そんな僕が、自分が【誰かを愛せない】と気づいたのは、丁度今から一年前の、高校一年生の時だ。
 切っ掛けは単純、クラスの女の子に告白された。それだけ。
 その女の子は、多分可愛い子に分類されると思うタイプで、対する僕は今までそういう色恋沙汰には全く縁がなかった。
 容姿は取り立ててどうこう言うものでもないし、頭は脳味噌足りないんじゃないかってレベルで不良品、スポーツなんてのも全くもってダメだった。
 自分の外面にも内面にもまったく自信をもっていなかったし、他人に自慢できる事だって特になかった。唯一の自慢は、相手に対して敵意を抱かれない、無害性。そんなとこだと思う。
 そんな僕が可愛い女の子に告白されたんだ。これはもう、飛び上がって喜んだって誰も笑いはしないと思う、妬まれる事はあるかもしれないけど。
 でも、その女の子が、顔を赤らめて、スカートの裾をきゅっと掴んで、それでも必死に前を向いて僕の瞳を見ながら、綺麗な唇から発した想いの言葉を聞いたその時、僕は思ったんだ。
 うん、本当に何でなのか、なんでそんな事を思ったのか、僕には全然わからない。わかりたいとも思わない。だけれど、確かに僕はその時彼女に抱いた感情を覚えていて、そしてその感情を自己認識することで、自分が【異常】なんだとはっきり自覚した。
 
 これから話すお話は、そんな取るに足らない異常……。いや、そんなカッコイイものじゃない、この僕の【気色の悪さ】についての話だ。
 胸糞が悪くなるような僕と、胸糞が悪くなるような出来事と、そういうのが繋がって紡いでいく話だ。
 ああ、そうだ。僕は気色が悪い、気持ちが悪い存在なのだろう。
 純粋に純真に告白してきてくれた女の子に。
 とっても可愛い女の子に、いや、その告白風景に対して——



——『誰かを好きになる姿が気持ち悪い』なんて事を思ってしまったのだから。

Re: 初芝君は気色が悪い ( No.2 )
日時: 2015/10/16 17:43
名前: 夢精大好きちんぽ丸 (ID: 3p1tWxjm)
参照: https://twitter.com/Toremoro1467

『二話・僕はこういう人が嫌いです』


 自分が死んだらどうなるか、という事について考えたことのない人間はいないだろう。恐らくそういう事を考えない人間は、酷く面白味のない人生を送っているか、そんな事を考える暇もないくらい毎日が楽しいのか。
 僕は毎日が特に楽しくも詰まらなくないので、よくそういうことを考える。
 例えば、一番ポピュラーで一般的で凡庸で平凡で楽しい考えは、死後には天国と地獄があり、そのどちらかに行って、セカンドライフ——いやこの場合死んでるから、ライフという言い方はおかしいが——をエンジョイするというものだ。
 地獄に行ったら目も当てられないが、天国に行けばきっと飽きるほどの幸せが転がり込んでくるのだろう。
 僕は良い人間であるという自覚がある。というより、僕が良い人間じゃなければ、この世のすべての人間が悪人になると思うくらいに良い人間である。だから、きっと僕は死後天国に行って、楽しく飽きるほどの幸せに溺れながら、


 【退屈過ぎて、また死にたくなるのだろう】








「おーい、初芝—。おーい」
 僕を呼ぶ声が聞こえる。
 ああ、煩い。五月蠅いぞ。僕は眠い、眠いんだ。眠いから寝るんだ、寝たいから寝かせろ。僕にとって一番大事なのは、一に睡眠、二に食事、三四がなくて、五に性欲処理なんだから。その僕にとって一番大事な睡眠を邪魔するんじゃない。
「おい、いい加減起きろよ。起きねーと」
 なんだオイ、起きないと如何するんだ? お前が僕に何かできるのか? させやしない、そう、させないぞ。だから黙って僕を寝かせてくれ、とてもいい夢を見ていたはずなのに君の所為で忘れてしまったじゃないかよ。
「起きないと、お前の大事な」
 大事な何だよ……僕に大事な事も物も、人もいないよ。

「大事なシリアナに俺の熱い棒をぶち込むぞ?」

 その言葉を聞いて僕は一瞬で覚醒した。


「おお〜、起きた起きた〜」
 かんらかんらと笑いながら、僕の目の前で浅黒い肌をした男が笑っている。
 僕はその男の笑顔を、自覚的に顔を不機嫌に歪めながら睨み付けてやる。
「仲野、お前冗談でも変なことを言うな。お前の所為で、鳥肌が立ったわ」
「だってよぉ〜、お前起きねーしさー。人間、自分が損をするという事を理解しないと、動きが鈍くなるもんだからなー」
 だからって、僕のヴァージンを貴様みたいなのに捧げてたまるか。いや、そもそも誰にも捧げたくない。例えとんでもない美女が表れて、『坊やを開発しちゃうわねっ♪』とか言われても、お断りだ。いや、もしかしたらお願いするかもしれないけども。
「ってか、寧ろ俺にお前は恩義を感じるべきだぜー? もう帰りのHRも終わってんのに、お前が机で突っ伏してたから、わざわざ犯して、いや起こしてやったんじゃねーのさぁー」
「その言い間違い不気味だからやめろ」
 仲野の言葉通り、どうやら既に今の状況は放課後になっているらしく。教室には人はそこまで居らず、帰りもせずにダラダラとくっちゃべってる数人がいるだけだった。
 どうやら僕はHRの途中で寝てしまったらしい。確か、担任の先生が、今回の期末試験は出来が悪かったとかなんとか、そんな説教を始めたあたりで眠くなってしまったのだった。これは、僕が眠気にとらわれたことよりも、先生の説教の仕方に斬新性がなく、お決まりの諫言だったのが悪い。
 そもそも、クラスの平均点が下がっただのなんだの、僕は毎回どんな教科のテストでも九割以下なんて取ったことないんだ、そんな謂れのない事で、努力をしないバカどもと一緒に説教されても困る。
「まぁー、お前が眠くなるのもわかるけどなー、子島の話は長すぎだぜ。説教されて成績が上がるなら、俺なんて満点以外取れない体になってるぜ今頃」
「だろうな。お前は万年赤点のおバカさんだものな」
「はっきり言うなってーの……」
 目の前の浅黒い肌の男、仲野一義は、いつもテストはいつもギリギリ赤点の不良債権な男だ。それなりに秀才な僕が、良く勉強を教えてやるが、全く身についていない様で、教え甲斐がない。
 だが、スポーツなどは得意で、体育の授業などでは活き活きとしている。その癖部活には所属していない上に、インドア趣味という、その黒い肌は飾りなのか? と問いたくなるような奴だ。
「まあいいや。もうかえろーぜぇー、初芝—。別に特に用事なんてねーだろー?」
 ふらふらと左に右に揺れながら、仲野が言ってくる。確かに、僕は仲野同様帰宅部であり、特にすることは……。
「あー、すまない。これから用事があるんだ」
「はー!? お前に用事ィ? なんだよそれ、人付き合いなんてサラッとしかしない、付き合いが悪い癖に、八方美人な初芝君に用事ってなんだよ?」
「お前、失礼だぞ」
 まあ、確かにこの肌黒野郎の言うとおりだ、僕は滅多に人からの遊びの誘いを受けたりなんてしないし、できることなら家から出たくないというほどの、センチメンタルな男なのだが、今日はたまたま珍しくやらねばならない事があるのだ。非常に面倒くさいのだけれども、こればっかりは【頼まれごと】なので致し方ない
「まあ、とにかく今日は無理だ、一人でさみしく帰れ」
 僕はブーたれる仲野を押しのけ、机にかけてある鞄を手に取って教室を出ようと出口に歩いていく。すると、仲野は僕の机の場所から動かずに、声を張りながら。
「おおぉーい! 一体、どんな用事だってんだよぉー!!」
 と聞いてきた。
 答えるのも面倒だが、まあ別に秘密の内緒の特別な事、ってなわけでもないので、別に言っても良いだろう。
 僕は出口付近で、肩ごしに振り返りながら、

「美少女とのデートだよ」

 と答えて、それ以上の詰問を受ける前にそそくさと教室から出ていった。

Re: 初芝君は気色が悪い ( No.3 )
日時: 2015/10/17 12:41
名前: 夢精大好きちんぽ丸 (ID: 3p1tWxjm)
参照: https://twitter.com/Toremoro1467

『三話・鼠として』


 この前、学校に登校途中、アスファルトで舗装された道の外れでネズミが死んでいた。
 白くて、丸っこくて、小動物性を全身から醸し出していたネズミが、ころんと横になって、死んでいた。
 死んでいたといっても、何処かに外傷があったわけでもなんでもなく、少し離れた処の地面に、少量の血痕が残っていた位である。
 あのネズミはなぜ死んだのだろうか? 自電車に轢かれたのだろうか、猫に襲われたのであろうか。はたまた子供に見つかって無邪気な残酷性によって果てたのかもしれない。
 原因はわからないし、永久にわかることもないだろう。
 だから僕はそのネズミを見た。静かに、死の匂いを感じさせないで、死んでいるネズミを見ていた。
 たぶんその時の僕は、ネズミのことが。無情に無常に、只静謐に死を体現しているその小動物の事を。


 羨ましく思っていたのだと思う。







 学校の屋上へと至る階段を上っていた。
 遂に人生を諦め、日々に絶望し、この怠惰で抜け道のない、宛所の無い迷路から抜け出すために、飛び降りダイブ……というわけではない。僕は別に自殺願望はないし、他殺願望もない。
 では、何故今屋上への階段を上っているのか? 答えは単純、先ほど仲野に言った通り『美少女とのデート』の為である。
 デートというと、お前に彼女がいるのか? なんて疑問が浮かぶであろうが。そんな事は断じてない。当たり前だ、僕は人を愛すことができない人間なのだから。まあそもそも、僕自身のスペックデータを見返せば、彼女が欲しいと思っても、そうできるものでもないだろう。
 僕は平平凡凡の至って普通の面白みもない無個性の人間なんだから。


 ギィイイっと音を響かせつつ、立て付けの悪い屋上へとつながるドアを押し開ける。
 瞬間、軽い風が僕の頬を全身を優しくなでつけて、後方へと吹いていった。うん、気持ちいい。僕が先ほどいた自分のクラスは二階にあるため、実質四階に位置するこの屋上への道のりはそれなりにメンドクサイ。季節が夏に近いということもあってか、多少汗もかいており、風の心地よさが倍増しである。
 階段なんかの話が出たところで、丁度いい。僕の通うこの学校の、校内図について軽く説明しよう。


 僕たちの通うこの私立高校は、大きく分けて二つの校舎が存在する。
 一つは、学年ごとのクラス毎に存在する教室、先生達の常駐している職員室。他、化学実験室、木工作業室など、授業の際に使う教室等。それらが纏めて集まっている『本館』と。
 もう一つは、部活、同好会の為の教室。授業にも使うことがあるが、多くは室内運動系の為に存在する体育館等。それらが集合している『別館』といった具合だ。
 その二つの『本館』と『別館』は二つ仲良く並んでおり、校外に出ている渡り廊下から、二つの館を常に行き来できるようになっている。ちなみに外にはしっかりグラウンドが存在している。
 丁度、H型に校舎が並んでいるといえば、わかりやすいかと思う。
 ちなみに、『別館』の方の屋上は厳重に施錠してあり出られず、『本館』の方の屋上は大抵解放されている。
 僕の学年は高二であるので、『本館』二階に存在しており、そのまま階段を上って四階にある屋上へとやってきた。というわけだ。
 以上、冗長な説明終わり。


 「んー、っと。さて……」
 屋上の開放的な空間に足を踏み入れながら、僕は待ち人を探す。
 しかしながら、軽く見回してみたが、どうにも僕の他に屋上に人はいない。
 思えば、『放課後に迎えに行ってやれ』と【神父】には言われたけど、向こうとは学年が同じとはいえクラスが違うのだから、もしかしたら僕の方が早かったかもしれないし、まだ来ていないのかも……。しまったな、先にアイツのクラスを覗いてからここに来ればよかった。
 さて、とすると暇になってしまったか? とも思ったが。よく見れば、屋上に設置されている給水塔の陰に、誰かいるようだ。
 こんな所に来るもの好きなんて、そうそういない。つまり、あれは十中八九僕の探し人であり。

「……遅いよ初芝」

 そして、その予想は大当たりであった。


 まあ彼女の見た目について、始めに何か言うとしたら『不気味である』というのが来ると思う。
 いや、仲野に美少女といった通り、顔自体は大変整っている。綺麗だが短めな黒髪に、薄い唇、美麗に造型された目鼻立ち。スタイルの方は、小柄で胸も対してあるようには見えないが、華奢で守ってあげたくなるという点で、きっと言い寄りたくなる男も多いだろう。だから、きっと美少女とか、可愛い女の子というのに間違いはない。

 だが、彼女の出で立ちは明らかに不気味である。

 まず着ている服。僕の学校は基本、みんな制服指定である。偶にすこしばかり、不良品な青年達が、着崩していたり、改造していたりするが。それでも大抵の生徒が、今の僕が着ているような紺色の制服を着用しているはずだ。
 しかしながら、彼女は違った。
ジャージである。
 しかも、上着は黒一色なのに、下のズボンは白一色いという、何か危険信号でも伝えてきているのかのような、奇抜なカラーリングをしたジャージである。
 それだけで大分、『何そのセンス? ってか制定の服装しろよオイ』と突っ込みたくなるし、言い知れぬ不安感も視覚的に与えてきて、既に【キてる】のだけれど。それを上回って彼女に、不気味さを感じるであろう点が。
 彼女の整った顔面にある、【目】だ。
 目が死んでいる。それも、死に果てている。
 こちらにまっすぐと向けてくる視線が、どうしようもなく空虚で暗い。この世のすべてがどうでもいいとか、今すぐ死んで楽になりたいとか。そういうレベルではない。
 例え辛いが、敢えて強引にたとえると。目の前で人が死んだ時を想像してほしい。いや、ホント想像しづらいのはわかるが、頑張ってイメージしてくれ。
 人が目の前で、何の脈絡もなく、自分の首を自分の指で切り裂いて、頸動脈から血をピューピュー出しながら死んだとしたらどうだろう?
 僕ならまず気絶する。気弱だから。
 僕より多少気が強い人も、悲鳴くらいは上げるだろう。僕より大分精神力があり、やたら図太い神経の持ち主ならば、もしかしたら、本当にもしかしたらちょいと眉を潜めるくらいかも知れない。
 ちなみに狂人ならば『だから?』で済ますかもだ。いや、そんな人間はフィクションだけで十分だし、現実にいたとしてもお関わり合いにはなりたくない。全力で辞退する。どこか地球の果てで、密やかに死んでくれ。
 だが、彼女はそのどれとも違う。たぶん、というか絶対。彼女はその死に果てた目で、死体がゆっくりと倒れていく様を。気絶もせず、悲鳴も上げず、眉も顰めず、興味なさそうにもせず。
【見るだけだろう】。
 そう、彼女はその何も映さない伽藍道の瞳で、【見るだけだ】。
 それは、別に無関心なわけではない。無関心ならば素通りする、無視する。死体を無視などというのは、それはイカレてしまった人にしか出来ないことであるが。彼女はきっと狂ってはいない。
 だから、見るだけだ。見るだけ見つめるだけ観察するだけ鑑賞するだけ、そんな姿を想像してほしい。
 血だらけの死体。それを興味が有るのだか無いのだか分からない表情で、暗い瞳で眺め続ける、顔の整った美少女を。
 僕はそんな状況を表現する言葉を二つ知っている。一つは不気味。もう一つは。



 気色が悪い……だ。


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