ダーク・ファンタジー小説

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魔法少女症候群(シンドローム)
日時: 2016/01/09 12:26
名前: 彩都 (ID: aOQVtgWR)  

始めましての方も、始めましてではない方も、始めまして、彩都(サイト)と申します。
六作目です。
因みに二次創作ではありません。

魔法少女まどか☆マギカ……

たった一体の大きな魔物に、二人のピンクの服の女の子と、黒い服の女の子が共闘していた……
そして、ピンクの服の子が言う。
「ほむらちゃん! 行くよ!」
それに対し、黒い服の子の少女、ほむらと呼ばれた女の子は言う。
「えぇ! まどか!」
まどかと呼ばれた、ピンクの服の女の子は反応し、一体の怪物に向かう。
ほむらは銃を使って攻撃……まどかは周りの物を投げて、魔物の気を逸らす……その結果、魔物は倒す事が出来た。
そして、それを見ていた少女達はまどか達のコスプレをし出す……そして、一人の小さな少女が、魔法少女となった……
そして、敵をばったばった倒していく……ただの武器の殴打で倒していく……
そして少女は思う……『私にも魔法少女の力がある』と……そして、この少女を機に、一気に『魔法少女』を名乗る者が多くなった。

魔法少女リリカルなのは……

白い服を着た少女が敵と戦っている……黒い服の少女も苦戦ながらも戦っている……
そして、何とか勝った……二人の魔法少女はボロボロだった……
それに感動した少女達は魔法少女の様に戦う事をしてみた。
すると、民間人からとても喜ばれた……それに味を占めたまどかサイドとなのはサイドでコンビを組んで悪を退治する事に……

だがその行為に対し、魔法少女を『悪』、と決めた所が有った……それは警察……
そして、今年の新入りに威勢の良い存在が入ってきた……

そして、二つのアニメを見て、魔法少女に目覚めたい少女が現れる……

「失礼します、此処、魔法少女特別監視課、通称『魔法少女撲滅課』に配属された、阿賀梨相馬(あがなしそうま)と申します」
相馬と言われた青年は自己紹介をする。

「まどかちゃんもなりたいなぁ……なのはちゃんにもなりたいし……どうしよう……?」
少女はどのサイドの魔法少女になるか悩む……

「で、何で此処に配属したいなんて、物好きなんだい?」
上司が相馬に聞く。
そして相馬は言う。
「魔法少女が憎いからです」

「どうしよう……衣装も可愛いしな……本当に悩むよ……」
そう言いながら、少女は衣装に悩む……

「何で、魔法少女が憎いの?」
上司がまた、聞いた、相馬は言った。
「実は妹が魔法少女で……まぁ……妹は仲間の魔法少女や敵に殺されまして……それで憎いんです……だから、私は……」
相馬が口をつぐんで言った。

「んー?……そうだ!私が新しい魔法少女になれば良いんだ!! 魔法少女に……」
そして、少女は言う。

「魔法少女を……いえ、魔法少女症候群の人間を跡形も無く、消します」
「新たな魔法少女になるぞー!」
二人の人間は全く正反対の『なりたいモノ』を言った。

この物語は、魔法少女の新勢力のボスと魔法少女症候群という、魔法少女に憧れる人間にしかかからない病気を妹が感染して、妹が死んだ為、魔法少女を憎む青年の戦いの物語である……

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.30 )
日時: 2018/03/31 22:13
名前: 彩都 (ID: gF4d7gY7)  

『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』が立ち去る、そして静かに『待てよ』と相馬が発言する。
「待てよ……待てってば……? 私は貴様に聞いておきたい事が山程あるんだよ……だから、その話を聞かせてくれよ……?」
「……何故、それを話さなければならないんです? 警察ごときに?」
「うっせぇ、警察だからだよ……事件の当事者及び、加害者から話を聞かないといけないからな……だから、聞かせろ! お前みたいな、『魔法少女』は、何人いる? ってか、『何人でこの騒動を起こした』んだ?」
相馬が言うと、『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』は静かに発言する。
「……まぁ、どうせ死ぬかもしれませんし、言っておきましょうか……私達『魔法少女』は『五十人でこの騒動を起こし』ました、そう、たった五十人で、『たった五十人』でこんな災害レベルの事が起きてしまった、否、『起こせてしまった』んです、これは素晴らしいとは思いません警察さん? この五十人で、『日本は終了してしまう』んですから?」
「…………」
相馬はその場で立ち止まって、静かに溜息を吐いて、『はーあ』と言う。
「……中々に面倒な事を起こしていますね、魔法少女の方々?」
「あら? 嬉しい事を言ってくれますね? 警察なのに、嬉しいので生かしますか?」
「あぁ、それも嬉しいが、その前に、私は『魔法処女撲滅課』の人間、そう易々と魔法少女を見逃したりしません」
「そうですか、それでは私を、どうするんですか?」
「そんなの決まっているでしょう?」
「そんなの決まっているでしょう? 何が決まって──」
相馬は髪の間から『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』を睨みながら発言する。
「『逮捕する』に決まってんだろ魔法少女」
「あら? それはとても面白い事をしてくれるんですね、私はとてもとても嬉しいです、ですが、それが出来たら、の問題ですが?」
『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』はそう言って、杖を一振りする、そして相馬の方に強風が現れる──

『其処のバスー、停まりなさいー!』
そう叫ぶパトカー、そしてそのバスを運転する麻倉格子は『厭だわバカ』と言って、運転を続ける。
こ、コイツ、精神が座っているというか、君が据わっていると言うか……何といえば良いのか分からない……万はそう思いながら、溜息を吐く、するとばきいぃ! と大きな音を立てて、『床が壊れた』のだ。
えっ? どういう事? 万が驚いていると、床の穴から、一人の魔法少女が入っていた。
「おぅ、起きたか陽子ちゃん? よし、それじゃあ、陽子ちゃん、『皆に武器を渡したげて』?」
「分かった」
「えっ? 武器? 何を言っているんだ麻倉……?」
万がそう言うと、万の前に魔法少女が現れ、一つの武器を渡す、この武器は……万は初めて見る武器だった、だが、写真では見た事がある、そう『実物では初めて見る武器』だった、その武器は『AK−47』、『AK−47』とは、『世界で最も多く使われた軍用銃』としてギネスにも登録されている自動小銃だった。
そしてこの『AK−47』、『自動小銃』だから、いちいち引き金を引き、銃弾を充填するタイプでは無い! 機関銃と一緒、『自動で充填される』から、弾の心配だけすればいい!
まさか本物を手にするとは……人生どんな事が起きる事か……そう思って銃に感心していると、ハッと我に帰って、麻倉格子に言う。
「ま、待て待て! 人数分用意したのは良いが、『何処でこんな銃を購入した』んだ? 何処で『この銃を日本に持ってきた』んだ? ……まさか、『こんな大量に日本で売っている訳無いよな』ぁ……?」
「……それは想像にお任せします」
にやり、と笑って、口の端を歪ませる麻倉格子、こ、コイツ……しらばっくれる気かよ……まぁ、いい、ちゃんと銃も補充されている、軽く全部詰まっている、万はマガジン──弾倉だ──を確認し、驚く。
「それじゃあ、もう一つ容易するもんがあるだろぉ? 陽子ちゃん、渡しちゃってぇ!」
「はい」
陽子はそう言って、一回、床の下に潜って、一つの大きな袋を手に持っていた。
そして陽子は色々な存在に箱に入った『何か』を手渡す、しかも五つも。
「…………」
万は不思議な感覚を覚えながら、箱を開ける、すると箱の中は『銃弾が入って』いた、まさか、追加の銃弾!? 万が麻倉格子を見ると、『おっ?』と言葉を発す。
「おぅおぅ? 理解したか理解したかぁ? そう! 『その有り余っている銃弾を使用し、『都会』を血の海に染めよう』ぜぇぇぇ! そしてこの『都会』は魔法少女と殺人者が集まる街となるのだぁ!!」
麻倉格子がそう言うと、万以外の囚人が『いえーい!』、『ぱふぱふー!』と喜んでいる、な、何なんだコイツ等……? 俺は殺人犯じゃないし……ってか、人を殺すなんて出来る訳無い……だって俺は普通に冤罪で捕まっただけだし……? そう思いながら、万はそのまま『AK−47』を地面に落とす。
「おいおい? どうしたんだよ万ぅ? 元気が無いぞぉ?」
「そ、そりゃそうだろ? だって、俺は人を殺したくないし、そもそも人を殺める理由が無い! 俺はただ単に刑務所から脱出したい、それだけだ! なのに人を殺すなんて……非人道過ぎる!」
「だから何だよ? 私は『殺人鬼』なんだよ? だから『人の道を外れている』んだ、お前の、お前みたいな一般人の発言なんかそもそも理解出来ないんだ」
「えっ……?」
麻倉格子は内ポケットから、拳銃を取り出し、引き金を引き、万の額に当てて、発言する。
「一般人は頭をパァしないとなぁ?」
「えっ? えっ? ま、待てよ! 待てよ!」
涙を出しながら、焦る万に対し、麻倉格子は淡々と答える。
「待たない」
麻倉格子はゆっくりと引き金を引いた──心臓がドッドッと高鳴る、俺は……死んでしまうのか……そう思うと、少しだけ走馬灯が起きる、これが走馬灯かぁ、万はそう思いながら、妻子に『済まない』と心の中で謝る──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.31 )
日時: 2018/04/28 21:53
名前: 彩都 (ID: hVaFVRO5)  

…………何も起きない、否、『何も起きていない』のだ、ど、どういう事だ? そう思いながら、万が目を開けると、『銃のシリンダーには、何も入っていなかった』のである、は、はぁ? どういう事だ? そう思いながら、万は格子を見る。
すると格子は静かに微笑み、大声で笑った。
「フフフ……フッフッフッ……ふはははははははははは!! あーっはっは!! あーっはっはっ……あーあ、面白かったぁ……良かったなぁ、生きていて?」
「は、はぁ?い、意味が分からないぞ……?」
首を傾げる万に、格子は静かに言う。
「いや、だから、これは『脅し』だよ? ただ単純な、『ロシアンルーレット 誰でもクリア出来る』ヴァージョンの、な?」
そう言って、格子はにやり、と口の端を歪ませて、ゆっくりと拳銃に銃弾を装填する。
「もしも、次も同じ事を言って見ろ? 『本物を頭に撃つ』ぞ?」
「…………」
格子の発言を受けて、一気に背筋が冷える、そして万は静かに『は、はい……』と返答する。
「よし、それじゃあ、お前達ぃ! この都会を、血祭りに上げるぞぉ!! 出ろ出ろぉ!」
「おぉー!」
「いえー!」
「行くぞぉ!」
「…………」
格子の発言で元気になる周りの囚人、そんな囚人の中で静かに『殺人だけは、したくない』と思う万、だが、そんな事を言えば、本当に死んでしまう、なので、口に出せず、心の中に留めるだけにする、そして格子の発言で、バス内のメンバーは外に出る、万も静かに外に出て、外の空気を久し振りに吸う──久し振りに、都会の空気を吸ったな、そう思いながら、都会の惨状を、万は再度、確認した──

『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』は相馬に強風を煽っていた、だが、相馬は近くの物を掴んで、飛ばないようにしていた、すると『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』が段々と強風のレベルを強める、うっ……目に埃が……! 相馬はそう思って、目を擦ろうとするが、擦ってしまうと、手を離してしまう、手を離すと片手で『この強風と戦わねばならない』為、片手の力じゃ吹っ飛ばされてしまう、だから両手で物を掴んで、飛んでしまう事を阻止している、一体どうすれば目を擦れるのだろうか? そう思っていると、段々と目から水が──涙だ──が溢れてくる、うぅっ?目が、邪魔だ……これが花粉症の人の気持ちか……? と、アホみたいな事を考えながら、相馬は口に砂埃が入るのを確認する。
畜生、口を開けるのでさえ不可能かよ、じゃあ、どうすれば良いんだよ?鼻でやったら、くしゃみをしてしまい、手の力が消えてしまう、だからくしゃみは出来ないし、鼻で呼吸は出来ない……つまり、万事休すぅ? 相馬がそう思いながら、内心絶望していると、急に『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』が『あでっ!』と言って、頭を抱える、『い、一体何なんだ!?』と、『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』が叫んで、振り向く、すると其処には、向居鼎が大きな物──まるで鈍器だ──を持って、『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』を見つめていた。
「……え、えーと、貴方は誰ですか?」
「私? 私は科学捜査班、第一研究室所長の向居鼎よ、宜しく」
「よ、宜しく……?」
『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』が頭を傾げながら、握手をしようとすると、鼎は片手に持った大きな物で、『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』の手を『ぶつけ、地面に押し付け』た、勿論骨が折れる小気味良い音がして、鼎は口の端を歪ませる。
「初対面の女には、気をつける事ね?」
鼎はそう言って、手が砕け、痛みに暴れる『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』の顔面に重い重い鈍器を思いっきり、叩き付けた──勿論骨の折れる小気味良い音が回りに響かせながら、重い重い鈍器を思いっきり、叩き付けた──

「あ、有難う御座います、向居鼎さん」
「向居でいい、鼎でいい」
「そ、そうですか……」
「敬語もいい、タメで良い」
「そ、そうか、鼎……有難う、もしも君の助けが無かったら、俺は顔面が汚くなっていただろう」
「元から汚いのに何を言う?」
「何て言い草だ」
鼎の発言を受けて、相馬がツッコミを入れる、そして静かに鼎が相馬に言う。
「ていうか、今さっきの魔法少女の技、『室内に隠れれば風の影響を受けない』のに?」
「馬鹿、建物の中はガラスの破片とかがあるんだぞ?もしも今さっきの風で舞い上がって、俺の方に来たらどうする?」
「まぁ、それもそうなんだけど……後、『彼女の弱点』、私が突いたから、良いものの、もしも『あの弱点』が補填されていたら、大変だったわ……」
「じゃ、弱点? どういう事だ?」
首を傾げる相馬に対し、鼎が言う。
「いや、あの風、『前方方向にしか来ていない』んだよ、だから、ビルの陰に隠れて、移動して、後ろから攻撃が出来たって訳」
「……マジかよ、こちとら、風を防ぐのに、体力を使った……」
相馬はそう言って、そう言う攻略方法もあるのかぁ、と思いながら、頭を垂れる──それにしても疲れたなぁ、相馬は額の汗を拭いながら、溜息を吐いた──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.32 )
日時: 2018/05/26 23:58
名前: 彩都 (ID: 9ihy0/Vy)  

鼎に助けてもらった相馬はその場で安堵していた、そして、周りを確認し、他の魔法少女が襲ってこないか、気を張った。
「おい? 何をしているんだ?」
「え、えと、周りの確認を……もしも他の魔法少女が現れたら大変ですし……」
「ふんっ! おいおい? 甘く見縊るなよ? 私だって、一人の魔法少女を倒したおばさんだぞ?」
そう言って首を傾げる鼎に対し、『それもそうか』と、判断する相馬、そして二人は休憩がてら、室内に入って、休憩を行う──

「此処が……都会!」
万はそう言って、都会の懐かしさを覚える、此処に妻と子が……! そう思いながら、周りを確認する、妻と子は居なかった、それだけが内心安堵出来る出来事だった。
「よし、銃を乱射しよう、そして人を殺そう、それがお前達の今行うべき事だ」
「分かりました!」
「OK! 姉御!」
「…………」
万は麻倉格子の発言を受けて、無言を貫いた、もしも此処で変に返答したら目をつけられそうだからだ、だったら、無言を貫いた方が良いだろう、と判断した。
「よし、じゃあ……楽しい楽しい殺戮パーティーの始まりだぜぇ?」
そう言って朝倉格子は『今迄見せた事のない気持ち悪い笑顔』をして、周りに指示する、唾を飲み込んで万は麻倉格子の指示に従い、移動する──この『移動』で、万は麻倉格子から逃げた、そして、ビル風が舞うビルの陰に隠れた、どうせ他のメンバーが他の人間を殺すだろう、そう判断しての、逃走だった──

「それにしても大変だな……」
相馬は鼎に今迄の魔法少女との戦いの履歴を話した、履歴と言うより、戦歴か。
「そうだ、それにしても、色々な意味で大変だった、本当、大変だった」
汗を拭う相馬に対し、『そりゃ大変だよな? 一般人であるお前が魔法少女に勝つなんざ?』と、言う、と、此処で、相馬は『そうか、この人には、『自身の体』の事を話していなかったな』と、思い出した、そして相馬は『自身の体』の話をするか、静かに悩んだ。
…………うーん、話しても意味が無い、そう思い、『自身の体』の話は無しにする、そして相馬は適当に話を紡ぐ。
「本当、大変だった……勝てたのが馬頭らしい位にな? 矢張り私は強運……」
「馬鹿言え? 私だって勝てたんだ、お前は強運じゃぁない、不運だ」
「……それもそうですねぇ?」
鼎の発言に適当に返答する相馬、すると相馬のスマホが鳴った、一体何なんだ? そう思い、スマホを手に取る、するとスマホは電話の着信を受け取っていた、電話? こんな時間に? 誰が? そう思いながら、スマホカバーを開けて、電源を入れる、するとスマホの画面には『新輔』と、書かれていた、新輔から電話? 一体何なんだろう? そう判断して、相馬は新輔からの電話を受け取った、用件は、話す事は何だろうか? そう思いながら、『はい、もしもし?』と、呟いた。
『あっ!? 相馬か!?』
「えぇ、相馬、ですよ?」
『良かったぁ……いやさ? 少し前からお前に電話したんだが、中々繋がらなくてな?』
「はぁ、それはすみません、実は魔法少女と戦っていたので……」
『そうか、そっちも大変だなぁ、こっちもだけど……って、魔法少女の話をしている場合じゃない! 今から俺が居る場所を説明する!』
「俺の居る場所? はて、一体どうしたんですかねぇ?」
相馬はそう言って、静かに首を傾げ、新輔の言葉を待つ。
『えーと……『半藤ビルの近く』だ! 『半藤ビルの近く』で待ってる!』
「は、はい? 半藤ビル? い、一体どう言う事ですか新輔?」
不思議がる相馬、何とか話を聞こうとして、新輔に状況を説明させようとする。
『良いから来いって! 銃を乱射している男達が居て、今応戦中、抗戦中、戦闘中なんだよ! だから助けに来てくれ!』
「銃を乱射、ねぇ……中々にクレイジーな……って、銃を乱射!? この状況で!? まさか、都会の混乱中に謎の武装グループが襲っているって事ですか!? それはヤバい!」
相馬はそう叫んで、『分かりました! 半藤ビルですね!?』と、聞いて、『あぁ!』と、返答を受ける、そして電話を切って、鼎に『一緒に半藤ビルに向かいましょう! 一人より二人の方が良いでしょう!』と、叫んで、鼎に同行を願う、鼎は『仕方無いなぁ?』と、首を傾げ、一緒に半藤ビルに向かう事にした。
銃の乱射ですか……新輔、流れ弾には気をつけて下さいよ? そう思いながら、相馬と鼎ペアは新輔のいる半藤ビルへと向かう──

「はぁはぁ……はぁはぁ……」
万はビルの陰の中、銃の乱射音を聞きながら、銃を胸に抱き、息を荒くして、心拍を落ち着かせようとした、だが、どれだけ深呼吸を行っても、全然心拍数は下がらないし、逆に心音が耳迄聞こえるレベル迄音が大きくなっていた、どうして音が大きいのだろうか? それは分からないが、自分自身が酷く耳がよくなった、という訳ではない。
心音を落ち着かせる為に深呼吸を行っているのに、全然心音が落ち着かない、これは病気なのだろうか? 否、ただの『呼吸不足』なのだろうか? そう考える万だが、『呼吸不足って何だよ? 呼吸出来ない状況なのかよ?』と、心の中でツッコんで、平常心を露わにする、だが、心音が高い状態で平常心、という訳では無いが。
じゃあ、何故、冷静に自身はツッコミを入れる事が出来たのだろうか? それは自分自身がツッコミ役だからだろう、と考え、思った。
そして万は荒い深呼吸をしながら、『俺は一体これから何をすれば良いだろうか? このままビルの陰に隠れ続けるのも難しいよなぁ?』と、判断しながら、呟いた。
「くそっ……誰か、この状況を救ってくれ……!」
そう呟きながら、万は虚空を見上げた──虚空は綺麗な青空を魅せていた──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.33 )
日時: 2018/06/30 21:56
名前: 彩都 (ID: ???)  

「と、とりあえず、『半藤ビル』へ向かいましょう!」
「あ、あぁ!」
相馬の発言を聞いて、鼎は静かに頷く、そして二人は『半藤ビル』へと向かった──そんな中だった、相馬、鼎の後方に一人の『魔法少女』が、相馬、鼎を見つめていた、それは相馬、鼎は気付かなかった──

「はぁはぁ……」
ドキドキドキドキ、心臓を高鳴らせながら、万は乱射が終わるのを待機していた、くそっ、どうして乱射が終わらないんだ!? 万はそう思いながら、息を飲み込む。
実際、銃の乱射が始まって、まだ45秒しか経っていない、だが、万にとって、この45秒は10分レベルで延長されていた、『楽しいと時間は早く過ぎるが、楽しくないと、時間は遅く過ぎる』という事があるが、万はその後者になっていた。
「早く、早く終われよ……!!」
そう呟いて、銃を強く握る、すると、『こんな所でどうしたんですか?』と、可愛い声が近くで響いた、響いたのは周りがビルで囲まれているからだろう、反響したのか、万はそう思いながら、可愛い声の方に向けて、発言し、顔を可愛い声の方に向けた。
「え、えと……た、待機しているんですよ! い、いやぁ待機するのって案外面倒ですよ……ね……」
万はそう言って、可愛い声の方に顔を向けた、そこで万は思った、『顔を向けなければ良かった』と……万の視線、其処には『一人の魔法少女』が立っていたからだ。
「待機、ですか……もしかして、『待機と言う名の逃避』では?」
「あ、あぁっ……! あ、アンタ、もしかして、『麻倉格子の仲間』じゃ……!?」
「えぇ、正解ですよ? だから、『逃避した相手には罰を与えないと』ねぇ?」
『一人の魔法少女』はそう言って、万の前に一瞬で移動し、万の顎に綺麗にキックを放つ、クリーンヒットし、万はその場で倒れてしまう。
「ぐはっ!?」
「あら? 男の癖にこんなに弱いのは、不思議ね? もっと男は強いと思っておりましたが?」
「な、な、何なんだよ……? 何なんだよお前はぁぁぁ!?」
叫ぶ万に対し、『一人の魔法少女』が返答した。
「私、ですか? 私は『魔法少女・ファイナル・オブ・オリア』です、以後、お見知り置きを?」
「ま、魔法少女……!!」
万は『一人の魔法少女』こと、『魔法少女・ファイナル・オブ・オリア』を理解する──まさかこんな魔法少女が居るのか……万はそう思いながら、痛みで静かに気を失う──

「はぁはぁ……」
「あーもう、何でこんな事が起きているのさ? 集団だよね、一気に崩壊したって事は?」
「まぁ、そうでしょうね……ですが、犯人、真犯人が分からなかったら、意味が無いでしょうけど……でも、その真犯人でさえ分かりません、だから、今は『半藤ビル』に向かい、乱射している人を止めなきゃなりません、流石に今は皆落ち着いて行動して欲しいですし」
「……まぁ、それもそうだよなぁ?」
相馬の発言に静かに頷く鼎、すると、相馬、鼎の前に瓦礫が崩れる音を立てながら、一人の少女が現れる、少し前に相馬、鼎を見ていた者だった。
「……君、此処は危険だ、急いで避難してくれ?」
「それは厭です」
「……どうして? 家族が埋まっているとか? それなら助けよう」
「相馬!? 今は人助けをしている場合では無いだろう!? 今は『半藤ビル』に……!」
「いえ、鼎さん、私は人を助けます、何故だか分かりますか?」
そう言う相馬に対し、鼎は静かに答える。
「お前が、日本人だからか?」
「いいえ、違います、私が警察だからで」
相馬が最後のセリフを言う前に一人の少女が相馬の顔面をぶん殴った、そして一気に相馬は吹っ飛び、建物の中に消える。
「……えっ?」
意味が分からないと言いたげな鼎、すると、一人の少女が口を開いた。
「……警察は敵! 私はそう教えられてきた」
「だからと言って、殴る事は無いだろ!?」
「殴らないと? だって、私は『警察を消そうとする魔法少女』だから……!」
「!? ま、魔法少女だと!?」
まさかの魔法少女登場に鼎は衝撃を受けてしまう、だ、ダメだ! この状況、私が勝てる状況じゃない!鼎はそう思いながら、逃げる為に後方を確認し、口の端を歪ませて、時間稼ぎをする。
「へへっ……中々に面白い状況になってきたじゃないか……! あぁ、楽しみだなぁ!」
鼎は逃げる準備が出来たので、急いで後方に向いて一人の少女──いや、一人の魔法少女か──から逃げる、だが、『貴方も一緒にいたし、警察の人だよね? 逃がさないよ』と、『前面』から聞こえ、『はぁっ? 私の後方にいたのに、何で『前面に居るんだ』よ!?』と、驚愕する、そして驚愕した後、思いっきりぶん殴られ、『ぐはぁっ!?』と、言って、地面を転がって、うつ伏せになる。
「……警察は排除、これは決定事項、さっさと退治しょう」
そう呟く一人の少女に対し、鼎は『韻を踏んでんじゃねぇよ、ラッパーかよ』と、心の中でツッコんだ──

「くそっ!」
新輔は一人戦闘をしていた、乱射する人物の太股を狙い、狙撃する、そうする事で、狙撃された痛みに慣れていない人物を文字通り足止め出来る。
「へへっ、中々に面白くなってきたじゃないか」
そう言って、麻倉格子が口の端を歪ませる、すると新輔は麻倉格子に叫ぶ。
「お婆さん! 其処に居たら危ないよ! 早く避難して!」
「おばっ……! 煩い!」
新輔の発言にイラッとした麻倉格子は新輔に向かって、拳銃を顔面に一発放った、だが、新輔はその一発を顔に当たるスレスレで回避した。
「ふぃー! あっぶねぇ……と言う事はあの人も敵だったか、銃刀法違反で逮捕だな」
「なっ……!?何で拳銃を回避出来た!?」
驚愕する麻倉格子に対し、新輔が淡々と言う。
「んー? あぁ、俺、『少し特殊』なんだ、だから避けられた」
「な、何だってー!?」
新輔の発言に驚愕する麻倉格子、新輔は『へへへっ!』と、笑いながら、マガジンを入れ替えた──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.34 )
日時: 2018/07/28 23:22
名前: 彩都 (ID: ???)  

「…………」
建物の中、ボロボロの建物の中で、ゆっくりと、ゆっくりと起き上がる相馬、そして、左胸ポケットに入っていた手鏡を取り出し、自身の顔を確認する、うーわ、結構ボロボロだなぁ?相馬はそう思いながら、口から出ていた血を拭う、多分蹴られた時にこの建物に入った、その時に口でも開けていて、ガラスか何かに口を引っ掛けたのだろう、そう思いながら、相馬は静かに溜息を吐く、すると、相馬の背後で、『何溜息を吐いてるんですか?』と、聞こえた、相馬は『まさか?』と、思い、振り向くと、そのまさか、『相馬を蹴った相手』だった。
「あら? どうしたんですか? 私に驚いて? 急に如何したのでしょう?」
首を傾げる女性に対し、相馬は『一つ、聞いても良いですか?』と、呟いた。
「えぇ、いいですよ? 貴方の寿命の事を伝えれば良いんですね?」
「それ以外です、個人的に、貴方の名前が知りたいのです、名前は、何と言うんですか?」
「私? 私は『魔法少女・サード・オブ・ウリア』と、申します、以後お見知り置きを」
彼女、『魔法少女・サード・オブ・ウリア』はそう言って、相馬に向かって、蹴りを放った、相馬は相馬で、その場で溜息を吐いて、彼女の足を、綺麗な足を、ただただ見つめていた──

加賀 新輔(かが しんすけ)は少々、いや、『とても特殊』な人間だった。
簡単に言ってしまえば、『小学校のテストでは、0点以外取った事が無い』等、色々な武勇伝は計り知れない。
では、何故『小学校のテストでは、0点以外取った事が無い』のか? それは簡単な事である、『新輔は人の心が分からず、難しい事を覚える事が出来ない、式も、運動も、何もかも、悪い点数しかない』のだ。
いや、一応は計算は出来る、だが、『それを紙に写すのは、難しい』事だった、1+1の計算は簡単だ、2である、だが、それを『紙に書く、字にするのは難しい』事だった、新輔は名前以外を無回答で出し、毎日毎日先生、教師、教師陣に何時も怒られていた。
自分は何故出来ないんだろう? 自分は何故、『考えた事を字に、紙に移す事が出来ない』のだろうか? 考えた、必死に考えた、それを『考える脳味噌』はあっても、それを勉強に移す事は出来なかったが。
そして、小学生最後、新輔は卒業式中に理解してしまった、それの答えは、『無駄』だと、言う事に。
どれだけ勉強しても、どれだけ、紙に文字を、数字を、漢字を書いても、『結局の所、大人になれば、九割は無駄になる、勉強に本気になっても、大人になれば九割は無駄になってしまう』、それを新輔は『小学一年生よりも前から理解してしまっていた』のだ、なので、逆に言ってしまえば、『同級生の考えよりも達観した考え』を持っていたのだ。
『それ』を理解してしまって、新輔は恐怖した、『じゃあ、このまま、人生を歩めるのか?』と。
……普通の考えを言ってしまえば、『勉強出来なければ、良い大人になれない』と、教師陣が言っていた、だが、それは『教師陣の意見』であり、世界の、社会の意見ではない。
テレビを見てしまえばどうだ? 『勉強していなくても、社長になって、大金を稼ぐ人』も居れば、『勉強しても大金を稼ぐ事が出来ない人』も居るのだ、じゃあ、じゃあ! 『勉強した方が馬鹿なのでは無いか……?』と、新輔はそう思っていた。
だが、それは浅はかな考えであった、『勉強しようがしまいが、結局金を稼ぐ人、稼げない人は存在する』のだ、『それ』を知ってしまい、『じゃあ、この世界は結局何なんだ?』と、新輔は思ってしまった、そんな考えを持って、新輔は中学を卒業し、何時の間にか高校へと進学していた。
親が『男なら、大学迄目指せ』と、言っていた、だから、仕方なく、面倒だが、高校へと進学した、本当の事を言うなら、高校に行かずに、家出して、世界を見て回ろうとしていた──一応、中学三年生の時に家族旅行でパスポートを作っていたから、金とチケットさえあれば、すぐに外国に行けた──だが、親の意見の方が、中学三年終わりかけの新輔より強い、なので、仕方なく、高校へと向かった。
一応『小学校、中学校の勉強は『一通り目を通していた』ので、覚えていた事を紙に書き写す』だけで、入学は出来た、『満点』で。
それを親、友人、教師陣が分かった瞬間、『何故本気を出さない!?』と、言われたが、無論『テストで点数を取る事を『無駄』だと分かっていた』新輔は『本気って、何ですか?』と、淡々と答えた。
本気になっても、大人には無駄、それを分かっていた新輔の言葉だった。

そして高校三年生の頃、進路に悩んでいた三年生の時に出来た友人、渋谷坂 繁簡(しぶやさか はんかん)に、新輔の意見を述べると、こう言った。
『だったら警察になれよ? 体を使うし、頭は基本使わない、日本の警察は無能だ、警察ではなくて、『魔法少女』の方が役に立つ、『魔法少女』の糞みたいな存在だぜ警察は? だから楽じゃないか?』
そう言って、新輔は『成程』と、思った、だが、『魔法少女』は『少女』だ、未成年がやっているので、流石に『警察と手を組めば良い』と、考え、新輔は警察へと、職業を決めたのだ。
だが、警察になる途中、『魔法少女』と、警察が仲が悪いと、知り、『仲直りさせよう』と、判断し、相馬、卑弥呼達の居る、『魔法少女撲滅課』に配属してもらった、全ては『魔法少女』と、警察の仲直りの為に──


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