ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

魔法少女症候群(シンドローム)
日時: 2016/01/09 12:26
名前: 彩都 (ID: aOQVtgWR)  

始めましての方も、始めましてではない方も、始めまして、彩都(サイト)と申します。
六作目です。
因みに二次創作ではありません。

魔法少女まどか☆マギカ……

たった一体の大きな魔物に、二人のピンクの服の女の子と、黒い服の女の子が共闘していた……
そして、ピンクの服の子が言う。
「ほむらちゃん! 行くよ!」
それに対し、黒い服の子の少女、ほむらと呼ばれた女の子は言う。
「えぇ! まどか!」
まどかと呼ばれた、ピンクの服の女の子は反応し、一体の怪物に向かう。
ほむらは銃を使って攻撃……まどかは周りの物を投げて、魔物の気を逸らす……その結果、魔物は倒す事が出来た。
そして、それを見ていた少女達はまどか達のコスプレをし出す……そして、一人の小さな少女が、魔法少女となった……
そして、敵をばったばった倒していく……ただの武器の殴打で倒していく……
そして少女は思う……『私にも魔法少女の力がある』と……そして、この少女を機に、一気に『魔法少女』を名乗る者が多くなった。

魔法少女リリカルなのは……

白い服を着た少女が敵と戦っている……黒い服の少女も苦戦ながらも戦っている……
そして、何とか勝った……二人の魔法少女はボロボロだった……
それに感動した少女達は魔法少女の様に戦う事をしてみた。
すると、民間人からとても喜ばれた……それに味を占めたまどかサイドとなのはサイドでコンビを組んで悪を退治する事に……

だがその行為に対し、魔法少女を『悪』、と決めた所が有った……それは警察……
そして、今年の新入りに威勢の良い存在が入ってきた……

そして、二つのアニメを見て、魔法少女に目覚めたい少女が現れる……

「失礼します、此処、魔法少女特別監視課、通称『魔法少女撲滅課』に配属された、阿賀梨相馬(あがなしそうま)と申します」
相馬と言われた青年は自己紹介をする。

「まどかちゃんもなりたいなぁ……なのはちゃんにもなりたいし……どうしよう……?」
少女はどのサイドの魔法少女になるか悩む……

「で、何で此処に配属したいなんて、物好きなんだい?」
上司が相馬に聞く。
そして相馬は言う。
「魔法少女が憎いからです」

「どうしよう……衣装も可愛いしな……本当に悩むよ……」
そう言いながら、少女は衣装に悩む……

「何で、魔法少女が憎いの?」
上司がまた、聞いた、相馬は言った。
「実は妹が魔法少女で……まぁ……妹は仲間の魔法少女や敵に殺されまして……それで憎いんです……だから、私は……」
相馬が口をつぐんで言った。

「んー?……そうだ!私が新しい魔法少女になれば良いんだ!! 魔法少女に……」
そして、少女は言う。

「魔法少女を……いえ、魔法少女症候群の人間を跡形も無く、消します」
「新たな魔法少女になるぞー!」
二人の人間は全く正反対の『なりたいモノ』を言った。

この物語は、魔法少女の新勢力のボスと魔法少女症候群という、魔法少女に憧れる人間にしかかからない病気を妹が感染して、妹が死んだ為、魔法少女を憎む青年の戦いの物語である……

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.25 )
日時: 2017/10/28 21:21
名前: 彩都 (ID: FLOPlHzm)  

「あ、麻倉……あの金髪の少女は?」
屈強な肉体の男性は指を指しながら麻倉格子に言うと、麻倉格子は簡単に答える。
「んー? アイツぅ? アイツは太神陽子、『魔法少女症候群』のリーダーだ」
「ん? 魔法少女? って、コイツはまどか側、なのは側、どっちなんだ?」
「はぁ? 両方違うよ」
麻倉格子の答えに屈強な肉体の男性は不思議がる、普通まどか側、なのは側に分かれる筈だが……すると麻倉格子が続けて言う。
「あぁ、あまり関わらない方が良いぜ? 私が彼女を改造したし、改造が元に戻ってはダメだからな」
「お、おう……」
屈強な肉体の男性はそう言って、周りを確認する、っていうか、ほぼほぼ囚人を解放しているが……ちゃんと纏められているのか? それだけが気掛かりだった。
「あっ、そうそう」
不意に麻倉格子が声を出した、一体何なんだろう? と思い、屈強な肉体を持つ男性は不思議がる。
「筋肉質の兄ちゃん、アンタの名前を聞いていなかったな、アンタ、名前は?」
「名前? 久し振りに聞かれたな、刑務所じゃあ、番号だったし……」
「早く言えよ」
「あぁ、済まないな、俺の名前は布留川万(ふるかわ よろず)ってんだ、宜しく麻倉」
「あぁ、そうだな、宜しく万」
屈強な肉体を持つ男性──基、布留川万──はそう言って、右手を差し出す麻倉格子と握手をする。
そして、万は周りをもう一度確認する、うぉっ!? このフロア、全員解放してんじゃねぇか!? まさかの麻倉格子の行動に万は驚いていた。
「さぁ、行こうか? これから、『日本は崩壊する』、その瞬間を楽しもうぜ?」
「おぉー!」
「やってやんぜー!」
「行くぜぇ!」
麻倉格子の言葉に囚人達は声を荒げて反応する、万は『本当に日本を崩壊させる事が出来るのだろうか?』と思いながら頭を掻く──でも、折角の泥舟、乗らないと壊れちまうな……万はそんな事を考えて、何十人の囚人と麻倉格子、太神陽子と共に、刑務所を脱出する──

「へいへーい、此方麻倉ぁ、囚人の解放、回収を行った」
『はい、分かりました』
「それじゃあそっちに送るから、後はその地域をボコボコにぃ」
『分かりました、此方もビルが倒れたりで結構順調ですわ、流石『私の奴隷達』?』
「けっ……その奴隷元は誰だって話だが……それじゃあ電話を切る」
『分かりました』
そう言って麻倉格子は電話を切って、欠伸をする、そして万に言う。
「あっ、万、囚人達をバスの中に運んでくれないか?今からバスで移動するから」
「バスで?この刑務所のバスを使って?」
「あぁ、そうだ、そうでないとこんな大量の存在を運ぶ事は出来ないだろう?」
「ま、まぁな……おぅい、皆ぁ! バスに乗り込めぇ!」
麻倉格子の発言を受け入れ、万はバスに囚人達を詰め込む、果たして、運転が出来るのだろうか? と一抹の不安を抱えながら、自分もバスに乗り込む。
そして麻倉格子が最後に乗り込みニヤニヤしながら、大声で言う。
「お前等ぁ? 今から行くのは私のクローンが居る場所だぁ、そしてお前達がする行為は……『色々な物を破壊しろ』、『好き勝手やれ』、『殺人、強盗何でもあり』だ、それじゃあ、楽しもうぜ? 『今』を?」
思いっきり口の端を上げる麻倉格子の笑顔に万は恐怖する、こ、こんな奴の発言を信じなければ良かった、と思う程だった。
すると、此処で不思議な事を思った、『そういえば陽子ちゃんは何処に居る』んだ……? 不思議に思い、麻倉格子に聞いてみる事にした。
「あ、あの! 麻倉、お前が説明していた陽子ちゃん、ソイツは何処に……?」
「ん? あぁ、このバスのトランクに入れた、何時でも行動出来るようにな、どうせアイツの能力だ、息が出来なくなったら扉を壊すし、私が危ない、と思ったら、助けてくれるぞ、だって連絡手段はあるし、後水分補給も出来るようにもしているしさ? これで万全だぜ?」
「お、おう……そうか……」
麻倉格子の発言を受けて、静かに頷く万、それならセーフかもしれない……人間の倫理を当に超えてはいるが、まぁ、コイツにとっては『人間の倫理』さえも、優に超えるのかもしれない、万はそう考えて、深呼吸をする。
怖い、また捕まるのが怖い、そんな事を思っていると、麻倉格子が自分の膝の上に乗って、自分の頭を撫でる、いきなり何なんだ? そう思っていると、朝倉格子が優しく言う。
「おいおい、何を考えてんだ? 大丈夫だ、私が居る限り、お前達は捕まらねぇよ、安心しろって、大丈夫大丈夫、上手い事日本から逃がせる事も視野に入れてるって……」
麻倉格子に頭を撫でられ、少しでも安心してしまった自分が馬鹿に感じた、こんな小さい人に頭を撫でられる屈辱も相まって、少しだけイラッとした。
「あ、ありがとよ……」
「おう、男はそうやって胸を張らないとなぁ! よぉし、お前等ぁ、行くぞぉ!」
「おぉー!」
麻倉格子の発言で他の囚人達が声を荒げる、そして麻倉格子は運転席に移動し、バスを運転し始める──というか、何処に向かう気だ? 都道府県、市町村を言っていないから分からない……万はそんな事を思いながら、少しだけ不安になる──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.26 )
日時: 2017/11/25 21:27
名前: 彩都 (ID: s/G6V5Ad)  

万が不安になる中、ニヤニヤと後ろの座席に座る囚人達を見る格子、そんな格子は静かに前を見る、すると警察、パトカーが何人も何台も束になって、通路を邪魔していた。
「おい! 其処のバスよ、止まれぇ!」
「誰が止まるかよ」
格子はそう発言し、運転するバスで『警察官』ごと、轢き逃げをする、更に車にもぶつかって、前に進む。
「ふむ、二人だけか、少し悲しいや」
「か、悲しいって!? 麻倉、お前……!」
「んあぁ? 何だよ? 今更善人ぶる気か犯罪者?」
「ち、違うが、人間としての尊厳として『殺人』は……!」
「バカかよ、私は『殺人鬼』だぞ? 人を『殺す』なんてさぁ……『私にとっては日常茶飯事』なんだよ」
「…………」
万はそんな事を言う格子を見て、『矢張り着いてくるんじゃなかった』と今更後悔する、だが今更後悔してもう遅い、今は格子に従う傀儡人形だ、万は静かに溜息を吐いて、背後に移動し、赤く綺麗な見た目になったパトカーを見つめた──

「おいおいおいおい……どういう事だよこれ……!?」
相馬はそう言いながら、膝をつきながら周りの惨劇を目の当たりにする、新輔は『魔法少女・フィールド・オブ・エリア』を追いかけ、卑弥呼は怪我人を探して、東奔西走している。
そしてそんな相馬は、かと言うと──何もしていなかった、否、『何も出来なかった』のである。
やる事が無い、卑弥呼と一緒に怪我人を探せば良いが、今ではもう遅い、では逆に新輔に着いて行く? いや、これも無駄、今ではもう遅い。
「…………」
無言のまま待ちぼうけ、無言のまま、立ち止まり、膝をつく相馬に誰も救う存在は居なかった、でも、でも、だ、そんな自分にも何かやる事はあるだろう、相馬はそう考えて、立ち上がり、周りを確認する。
自分の……自分のこの『怪力』で何か出来る事も有るだろう、相馬はそう思いながら走って周りを探す、すると相馬の目の前に『魔法少女・フィールド・オブ・エリア』によく似た少女が宝石店に向かってビームを放っていた。
「ウフフ……私が美しくなるには、宝石が重要ですよねぇ? だから店員さん、『此処のお店の中の宝石、全部くれませんか』ねぇ?」
「ひっ……」
怯える宝石店の女性店員に対し、『魔法少女・フィールド・オブ・エリア』によく似た少女は静かに女性店員に近づいて言う。
「あの? 聞こえました?」
「は、はい……」
「だったら、さっさとこの袋に宝石を詰めろぉ!!」
「はっ、はいぃ!」
女性店員は涙目になりながら、鍵を使って、ケースを開け、宝石類を『魔法少女・フィールド・オブ・エリア』によく似た少女から受け取った袋に詰め込んで行く。
そんな様子を見た相馬は静かに息を吸い、宝石店の中に入る、次に相馬は拳銃を握り、『魔法少女・フィールド・オブ・エリア』によく似た少女の手に向かって弾を放った。
すると弾は綺麗に左手の甲に当たり、一気に出血する。
「!?」
『魔法少女・フィールド・オブ・エリア』によく似た少女が振り向く、其処には拳銃を両手に持って腕を少し振るわせる相馬が存在していた。
「…………」
は、初めて対人に銃を、弾を放った……! ごくり、と唾を飲み込んで、内心当たった事に安堵する相馬、そんな相馬に対し、『魔法少女・フィールド・オブ・エリア』によく似た少女は叫ぶ。
「お前っ!? 私を誰だと思っている!? 私は『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』だ! 知らないのか!?」
『魔法少女・フィールド・オブ・エリア』によく似た少女──基、『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』だ──が相馬に向かって叫ぶ、だが、相馬は一貫して『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』に言う。
「さぁ、知らないな? だって私は『魔法少女撲滅課』の人間、阿賀梨相馬だ、お前、『魔法少女』と言ったな? だったら、私が撲滅する、『魔法少女ごと』な!!」
相馬はそう言って、もう一度銃を構える──そう、自分が出来る事、それは『他人を守る』事! 相馬はそう思いながら『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』を睨みながら引き金を引こうとする──

「ふむ、軽快に進むなぁ、高速道路って」
「…………」
高速道路で走る麻倉格子のバス、そんなバスの中で変な事を言う格子。
「なぁ、万ぅ、運転している間暇だぁ、だから何か絡んでくれ」
「何という無茶を言う婆さんだ」
「あぁ? 無茶じゃないだろ? お前の今迄の犯罪歴とか言えよー?」
「厭だよ、何でこんな所で大っぴらに言わんとならん?」
「良いじゃねぇか、面白い」
「最低な婆に昇格だ」
「多分下がっている気がするのだが、どうしてだろうなぁ?」
格子はそう言って静かに溜息を吐く、案外遠いのは重々理解していたが、まさかあんなにも遠かったとは……このガソリンで足りるかなぁ? 静かに格子は考えながら、一気に速度を上げて行く、少しでも早めに動いたらガソリンもあんまり食わないだろう、格子はそう思いながら、アクセルを一気に踏み、スピードを出す──さぁ、あと一時間以内に着かなければ、『楽しい事』が出来なくなっちまう、格子は口の端を歪ませて、思いっきり笑顔になる──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.27 )
日時: 2017/12/30 22:02
名前: 彩都 (ID: CwTdFiZy)  

「おいおい? 本当に貴様は拳銃を放つ事が出来るのか? さしずめ、『さっきの一発は偶然』だと考えても、『二発目以降は偶然ではなく確実に当てる』事は可能だろうか?」
『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』はそう言いながら相馬に一歩ずつ近づいて行く、相馬は両手で拳銃を掴みながら引き金に手を当てていた。
確かに『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』の言う通り、『一発目は偶然だった』かもしれない、だが、『二発目も偶然とはいかない』だろう、では一体どうするか? そんなものは簡単である、『『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』の腹部に向かって拳銃を放つ』、それだけだ、腹部なら人体の真ん中に位置するので、外しにくいし、当てやすいだろう、流石に頭や手より当たる範囲は広い、更に『偶然場所がずれて』も、心臓、胃、膵臓(すいぞう)、肝臓、十二指腸、大腸、肺に当たり、致命傷を食らわせる可能性もある、だから相馬は腹部を狙ったのだ。
相馬はそう考えて、その場で深呼吸をし、撃鉄を引いて、何時でも拳銃を撃てるように準備する、すると何時の間にか『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』は相馬の目の前に居た、ヤバい──ッッ! 視覚がそう判断し、脳へと情報が流れる、そして脳が判断した行動は『すぐに拳銃を放て』だった、そして相馬は脳の判断に沿って、引き金を引い──たが、『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』は『拳銃の銃身を掴んで、その場で横に折り曲げた』、そして折り曲げられた銃身はそのまま銃弾を発砲した。
まず、銃とは『銃身が真っ直ぐで発砲する事により、前に、真っ直ぐに飛ぶ』、そして銃身は曲がっているので、銃弾はそのまま銃身の形を受け継ぐ形となり、『銃弾も横へと飛ぶ』、そう、つまり相馬が放った銃弾は『折れ曲がった銃身と同じ方向に発砲された』のだ。
「あっ……あぁっ……!!」
銃身が曲がった事、発砲した銃弾が『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』に当たらなかった事、その両方が相馬の恐怖心を煽った、そして『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』が相馬に言う。
「おいおい? これで終わりか、貴様は? ……中々に不甲斐無いな、拳銃があっても、『銃身が曲がっていれば』、ただの無用だ、それじゃあ、『魔法少女撲滅課』の阿賀梨相馬とやらよ?」
『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』はそう言って、相馬のがら空きの腹部に向かって、重いパンチを放った──相馬は『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』の重いパンチをガードせずに受けてしまう──

「……はぁ、中々に大変だなぁ、日本も……」
麻倉格子はバスのラジオを聞きながら、溜息を吐く、ラジオでは『街が急に魔法少女に襲われ、都会が崩壊状態だ』という様な感じの内容が聞こえていた。
……いや、それをしたの、『お前だろ、麻倉格子の婆さん』よ……? 万はそんな事を思いながらその場で溜息を吐く、すると溜息の音を聞いた麻倉格子が万に話しかける。
「んー? どうしたんだよ万ぅ? 溜息なんか吐いてよぉ? 大丈夫だって、脱獄したんだ、国外逃亡を皆ですれば大丈夫だってぇ?」
「……違う、違うさ、麻倉格子の婆さん……アンタ……一体『何』が目的なんだよ? 俺達を脱獄させ、終いには婆さんアンタが行く場所で荒らして、最終的には国外逃亡だぁ? 全くもって意味不明、全くもって、理解不能──お前は何がしたいんだよ麻倉格子? 行く場所を荒らすぅ? どうして? 俺には分からないんだ、だから説明してくれよ麻倉格子?」
「…………」
万の発言で麻倉格子は黙ってしまう、でも、此処で追求しないと、『後々後悔しそうな気がしてならない』のだ、万はそう思いながら、麻倉格子を見つめる、すると麻倉格子は重い口をゆっくりと開いた。
「……作りたいんだよ……を……」
「えっ? 何? 何を作るって?」
麻倉格子の発言に耳を近づける万、そして麻倉格子は万でも聞き取れるような大きな声で発言した。
「作りたいんだよ、『警察が居ない世界』ってのをよ? だから私はお前達を踏み台にして、『警察を抹消させたい』んだよ、勿論お前達にも『脱獄、更に国外逃亡』というご褒美は有る、それで一挙両得だと思わんか? 私達犯罪者は警察を無くし、そして自由に暴れ周る、すると警察は居ないから、もっと自由に暴れる事が出来る、そして国外逃亡も自由となり、警察に追いかけられる事もない」
「ちょ、ちょっと待て? それじゃあ警察の代わりは誰がするんだよ? 誰が秩序を纏めるんだよ? 流石にその部分はどうするんだ?」
麻倉格子の話を聞いて、万は首を傾げ、麻倉格子に言う、すると麻倉格子はとんでもない事を言う。
「んー? そんなの決まってんじゃぁん? 『魔法少女』だよ、だから『一挙両得』って言ったじゃん? 今、警察が追いかけているのは何だよ? 私達犯罪者と、『魔法少女』だろう? 犯罪者、魔法少女の方から見て、警察ってのは邪魔なんだよ、そして警察は無能ばっかだしさぁ? それだったら未来有る若者である魔法少女が日本を統治した方が良いじゃん?」
そう言う麻倉格子に向かって万は叫ぶ。
「ふ、巫山戯るな!? 魔法少女だって、十代の少女だろうが! そんなわかもんに警察の代わりなんて──」
「お前は知らないと思うけどな、実際は警察より魔法少女の方が検挙率は高いんだよ、『魔法少女戦争』が起きる前は、だが……んで、殺人犯や強盗犯を倒したり、気絶させた魔法少女は警察から表彰されたりな……昔は警察と魔法少女は仲が良かったんだぜ? それを聞いてもまだ魔法少女は警察の代わりになれない、とでも言うか?」
「…………」
麻倉格子の発言を受けて、確かにそれなら魔法少女は警察の代わりにもなれる、な……と判断する万、そして万は麻倉格子の発言を受け、黙っていると、麻倉格子が急に声を荒げる。
「よし、もうすぐ高速道路も終わるな、おいお前等ぁ? さっきのラジオを聞いたかぁ? 私達はその場所に向かうんだ、都会にな……そしてその都会で暴れようぜぇ!? 都会迄残り三十分を切った! だから……お前等も暴れる準備をしろよぉ!?」
「おぉー!!」
麻倉格子の発言を受けて、万以外の囚人は大声を荒げる、もうすぐ……『都会』か……万はそう思いながら、胸に手を当て、厭な胸騒ぎを覚える──この胸騒ぎは一体何なのか? それは万には分からない──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.28 )
日時: 2018/01/27 22:15
名前: 彩都 (ID: ???)  

「ぐはっ……!」
相馬はそう言って、『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』の重いパンチを肉体で受けた──が、相馬はその場でにやり、と笑って、『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』の『自身に殴った手を掴んだ』のだ、『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』はその状況に恐怖する。
「なっ……!? 何故私の拳を……!?」
「ははっ……ギリギリセーフだったな、私……いやぁ、実は私、『拳銃を発砲した事はほぼない』んですが、『肉弾戦』だけには慣れているんですよね、『特訓した』から」
相馬はそう言って、『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』の手首を掴みながら、『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』の腹部に重い一撃を返す、すると『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』は『かはっ……』と言いながら、口から唾液を漏らす、『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』が逃げようにも、相馬の拳の威力はそう簡単には落ちず、体だけが暴れる、だが相馬は左手で『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』の手首を強く掴んでいるので、『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』は相馬から離れる事は出来ないし、逆に相馬の手首から脱出する事も出来ない。
そして『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』の体の暴走が終わる、続けて相馬が呟く。
「……まだ制限されていても、これだけの威力か……」
相馬の発言を受けて、『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』は驚愕する、な、何なんだこの人間は……? 本当に人間なのか? 否、『本当に『人間』というカテゴリの存在』か……? まるで私達みたいに『一から改造』されている、もしくは『途中から手を加え』られた『改造人間』みたいだ……果たして、この男、一体……? 『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』はそんな事を思いながら、遠のく意識のまま、気絶する──

「……はぁ、何とか魔法少女一人を倒しました……? ……っと、そんな事を言っている場合ではない……まずは店員を助けないと……」
相馬はそう呟いて、胸ポケットから、警察手帳を見せながら、宝石店の店員に近付く。
「失礼、警察の者です、急いでこの場所から逃げましょう? そうでもしないと、貴方も今さっきの魔法少女のように巻き込まれてしまう」
「は、はい……」
女性の店員はそう言って、内側に隠れていた店員数名を呼んで、相馬と共に宝石店を脱出し、警察署の方へ移動し、店員を保護する。
「それでは、私は他の人達を保護するので、その場所で待機していて下さい」
「わ、分かりました……」
「有難う御座います、警官さん……」
「いえ、人々を守るのが警察の役目なので」
相馬はそう言って、走って他の人々の保護へと向かう──果たして、他に避難者や被災者はいるのだろうか? 内心居ない事を願いながら、走り続ける──

静かに万は腕を組んで、『都会』に到着するのを待つ、そして静かに万の心に蝕む『恐怖』と戦っていた。
「…………」
怖い、はっきり言えばそうだった、そして今、一番怖いモノって一体何なんだろう? そう考えて、今の万に思いつくモノ、それは『格子』の存在だった。
今は一番格子が怖い、この婆さん、色々な意味で『怖い』のだ、まるで『恐怖という恐怖を具現化した存在』にも見えるからだ。
そしてそんな格子が運転するバスが段々と『都会』にも近付いてきている、『都会』、それは万にとっては『もう一つ』の恐怖だった、何故万にとって『恐怖』なのか? それは『妻子がいる』からだ、こんな自分を愛してくれた我が子に我が妻に顔が上がらないし、そもそもとして、犯罪を犯した万は会ってはいけない、と思っているからだ。
そんな思いがあるから、万は『都会』に『恐怖』しているのだった──そんな事も知らない格子は鼻歌を歌いながら、のんびりとバスを運転する。
そして格子はとある事を思い出した、あぁ、そう言えばあの警察の子、いるかなぁ……? 多分私を逮捕する事が出来ずにイライラしているかなぁ? 格子はそう思いながら、口の端を歪ませる。
格子の言う『警察の子』、それは相馬の事だった、格子はそんな相馬の事を心の奥底で大笑いしていた、何故なら『逮捕する事が出来ずにイライラしているかもしれない』と思うと、大笑いしていたからだ。
完全に人をいじるのは面白いよなぁ? 陽子ちゃんだってそうだし、更には枝垂桜エリアみたいな、クソガキだってそうだし……あぁ、私の周りって、どれだけいじれる人が居るんだろう!? 特に今日手に入れた人間、万だってそうだしさぁ!? あぁ、あぁ、今日はツいている、今私は世界で一番運がツいているよな? 格子はそう思いながら、心で思っていたにやけ顔が表に出て、にやけてしまう、おっと、表には出さないようにはしていたが、ついつい、表に出してしまった、これはポーカーフェイス失敗だ、格子はそんな事を思いながら、少し、上空の看板を確認した、軽く10キロか、時速80から100キロで走っているから、後少しで『都会』に到着だな、格子は『都会』に到着出来る事に安心するが、前みたいに警察が張っている可能性も視野に入れなければならないな、と思う──そして格子達が乗るバスは静かにゆっくりと『都会』へと向かう──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.29 )
日時: 2018/02/24 21:41
名前: 彩都 (ID: ???)  

格子が運転するバスは段々と『都会』に向かって行く、そんな中、万は深呼吸して、『都会』に向かい準備をする。
落ち着くんだ、心臓の高鳴りよ、落ち着くのだ……そんな事を思いながら、万は一気に息を吸い込むと、『あっ』と格子が言った。
「あっ、そうだ、皆ぁ? もうすぐ『都会』だぜぇ? ちゃんと戦う準備は出来たかぁ?」
「うぇーい!」
「おっす! 出来てるッス!」
「げほっげほっ! な、何だって!?」
まさかの速さに焦る万、まぁ、高速(道路)を使っているからそれもそうか、と判断し、格子に呆られる。
「お前……落ち着けよ……」
「お、落ち着ける訳ないだろ!? だ、だって『都会』だぞ!? 警官がわんさか居る可能性も……!」
「だから、その警官を『殺す』んだよ、私達の手で、な?」
「あ、あぁっ……そ、そういえばそうだよな……あぁ、すまん……」
万はそう言って、頬を掻く、そういえばそうだったんだよなぁ、そう思いながら、唾を飲み込んだ。
すると、格子が『おやぁ?』と呟いた。
「へぇ、やっと、『御出座し』かぁ……『出入り口』さん?」
麻倉格子がそう言うと、目の前に高速道路の出入り口が見え、『そのまま突っ込んで、バーを壊し』て、先に進む、そんな様子を見て、全員が全員呆れていた。
「…………」
「…………」
「おいおい? 何だよ黙っちゃって? 私がお前達の所に来た時もこうやって無断で侵入したぞ?」
「……犯罪犯し過ぎだろコイツ!?」
「な、何だよ!? お前ら!? これ位犯罪者として、普通だろう!?」
「犯罪者に普通なんかねぇよ! お前の犯罪者って言葉は異常(アブノーマル)じゃねぇか!」
立ち上がった周りの犯罪者に怒鳴られる格子、格子は焦りながら反論する。
「ばっかやろー! 私ぐらいの犯罪者がこう言う事をするのは普通なんだよ!」
「普通じゃねぇよ! お前は『普通』って単語を辞書で引いて来い!」
「うっせぇ! 面倒だからやらねぇよ!」
「やれよ! ってか、その前に辞書がねぇ!」
「だからだよ! 辞書が無いから引く事も見る事も出来ねぇの! ……ってか、そんな事を言っている間に『都会』に侵入したぜ? もうすぐ降りるから、準備をしろよぉ?」
「えっ? もう辞書の話は終了? おいおい? 流石に早くないか?」
 そう言う囚人に対し、麻倉格子が言う。
「お前、少し黙ってろ、今私は計算中だ、お前達を解放する場所探しに、な?」
「…………」
麻倉格子の低音ボイスに『ゾクリ』と来た囚人、囚人はその場で座って、待機する。
そして他の囚人達も静かに座り始める。
さぁ、本当に何処に止めようかなぁ? 麻倉格子はそんな事を思いながら、後ろから追いかけてくるパトカーをミラー越しに確認した──

全くである、まさかあの一撃、『後々から追い討ちをかけてくるタイプのパンチ』だとは……全く、魔法少女ってのは恐ろしいや……そう思いながら、相馬は腹部を押さえる。
今この痛みを抑える方法は一つたりともないのだ、だから、『気合で耐える』しかない。
「…………」
少しだけ顔面蒼白になる相馬、もしも『魔法少女・ファースト・オブ・アリア』みたいな他の魔法少女が自分に対し、肉弾戦を選んできた場合、勝てるだろうか? 拳銃の弾数もあまり放ってはいけないルール、だから拳銃の発砲も控えなければならない……さぁ、万事休すっぽく感じてきた、完全に冷や汗しか流れないこの状況、『他の魔法少女が居なかったら良かったのに』、とさえ、思えてくる……だが、『今迄見てきた状況の中で魔法少女が『一人』だとは断定し難い』……軽く十人は居そうな雰囲気だ、うーわ、何でこんな目に遭うのだろうか? 『妹の件』だってそうだし、自分は『警察の奥深くに侵入し、『妹の件』を探る為に警察官になった』ってだけなのに……あぁ、神様ってのは、案外酷いんだな……あぁ、目の前に神様が現れたら発砲しているだろうなぁ、相馬はそう思いながら、その場で膝を突いて息を荒くして呼吸する、段々と痛みが酷くなってきた、あれっ?こんなにも痛みが酷いって事は……『内臓危なくね?』、い、いや、最悪『骨が折れて、内臓に刺さっている』かもしれない……相馬はそう思いながら、その場で少し口の端を歪ませる、全く、何だよこの状況? 完全に万事休すを通り越して『背水の陣』じゃないか……そうか、神様は私を生かす事を許さなかったのか……そりゃそうだよな? 『魔法少女に復讐する』為に警察官になったもんなぁ? そりゃ『復讐に身を投じるな』って事かな? 相馬は息を一気に吐いて、四つん這いの様に腹部を押さえながら、息を荒くする、すると頭上に謎の女性の声が聞こえる。
「貴方……警察?」
「えっ? あぁ、そうですよ? 私は阿賀梨相馬、しがない警察官です」
相馬がそう言った瞬間、静かに謎の女性が言う。
「そう? 警察なの? それじゃあ……『殺さないとね』……」
「…………えっ?」
相馬が小さく呟いて、顔を上げるが、顔の振り向きが間に合わず、相馬は謎の女性の姿を見ずに吹き飛ばされ、壁に押し込まれた──

「……私の名前は『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』、覚えてね、警察? ……と言っても、もう『死んでいる』か……」
謎の女性──基、『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』だ──はそう言って、瓦礫の山に凭れかかる血だらけで動かない相馬を見つめた──そして『魔法少女・セカンド・オブ・イリア』は手に持った傘を振り回しながら、相馬から離れる──


Page:1 2 3 4 5 6 7 8



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。