ダーク・ファンタジー小説

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魔法少女症候群(シンドローム)
日時: 2016/01/09 12:26
名前: 彩都 (ID: aOQVtgWR)  

始めましての方も、始めましてではない方も、始めまして、彩都(サイト)と申します。
六作目です。
因みに二次創作ではありません。

魔法少女まどか☆マギカ……

たった一体の大きな魔物に、二人のピンクの服の女の子と、黒い服の女の子が共闘していた……
そして、ピンクの服の子が言う。
「ほむらちゃん! 行くよ!」
それに対し、黒い服の子の少女、ほむらと呼ばれた女の子は言う。
「えぇ! まどか!」
まどかと呼ばれた、ピンクの服の女の子は反応し、一体の怪物に向かう。
ほむらは銃を使って攻撃……まどかは周りの物を投げて、魔物の気を逸らす……その結果、魔物は倒す事が出来た。
そして、それを見ていた少女達はまどか達のコスプレをし出す……そして、一人の小さな少女が、魔法少女となった……
そして、敵をばったばった倒していく……ただの武器の殴打で倒していく……
そして少女は思う……『私にも魔法少女の力がある』と……そして、この少女を機に、一気に『魔法少女』を名乗る者が多くなった。

魔法少女リリカルなのは……

白い服を着た少女が敵と戦っている……黒い服の少女も苦戦ながらも戦っている……
そして、何とか勝った……二人の魔法少女はボロボロだった……
それに感動した少女達は魔法少女の様に戦う事をしてみた。
すると、民間人からとても喜ばれた……それに味を占めたまどかサイドとなのはサイドでコンビを組んで悪を退治する事に……

だがその行為に対し、魔法少女を『悪』、と決めた所が有った……それは警察……
そして、今年の新入りに威勢の良い存在が入ってきた……

そして、二つのアニメを見て、魔法少女に目覚めたい少女が現れる……

「失礼します、此処、魔法少女特別監視課、通称『魔法少女撲滅課』に配属された、阿賀梨相馬(あがなしそうま)と申します」
相馬と言われた青年は自己紹介をする。

「まどかちゃんもなりたいなぁ……なのはちゃんにもなりたいし……どうしよう……?」
少女はどのサイドの魔法少女になるか悩む……

「で、何で此処に配属したいなんて、物好きなんだい?」
上司が相馬に聞く。
そして相馬は言う。
「魔法少女が憎いからです」

「どうしよう……衣装も可愛いしな……本当に悩むよ……」
そう言いながら、少女は衣装に悩む……

「何で、魔法少女が憎いの?」
上司がまた、聞いた、相馬は言った。
「実は妹が魔法少女で……まぁ……妹は仲間の魔法少女や敵に殺されまして……それで憎いんです……だから、私は……」
相馬が口をつぐんで言った。

「んー?……そうだ!私が新しい魔法少女になれば良いんだ!! 魔法少女に……」
そして、少女は言う。

「魔法少女を……いえ、魔法少女症候群の人間を跡形も無く、消します」
「新たな魔法少女になるぞー!」
二人の人間は全く正反対の『なりたいモノ』を言った。

この物語は、魔法少女の新勢力のボスと魔法少女症候群という、魔法少女に憧れる人間にしかかからない病気を妹が感染して、妹が死んだ為、魔法少女を憎む青年の戦いの物語である……

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.20 )
日時: 2017/05/27 10:05
名前: 彩都 (ID: HTIJ/iaZ)  

「フフフ……『魔法少女戦争』迄、残り一ヶ月……いや、最悪一週間で始まるかもしれない……さぁ、彼女、彼らはどんな物語を紡ぐ? そんなもの簡単だ、『絶望』の物語だろう?」
『…………貴方はつまらないわね、御婆様? それでは『元』麻倉家として、恥ずかしいですわ、もっと『悲劇』的な事を考えないと……そうですわね、簡単に言えば『日本崩壊』とか?』
麻倉格子はスマートフォンで少し声が高い女性と会話する、その声はまだ若々しかった。
「おいおい、お嬢ちゃん? 私を舐めるなよ? 私を舐めていると……痛い目見るぞ、魔法少女がぁ……! 魔法少女一人位私の手でも殺害出来るぜ? 最近は人を殺めていない、だから殺害欲は溜まっているぜぇ? それに『日本崩壊』なんて別に何時でも出来るさ」
電話の女性に対し、麻倉格子は牙を向く、だが、電話の女性は軽々とその脅しを乗り越える。
『さぁ? 今の御婆様に出来て? だって貴方は相当年を食っている、私一人倒す事が出来て? いいえ、出来ませんわ……だって私はまだぴっちぴちの学生ですから?』
「……けっ、我が孫でもこういう所が嫌いだぜ」
麻倉格子はそう言って、電話の女性に言う。
「それじゃあ、日時はこっちで決める、お前は魔法少女として、スパイ活動宜しく」
『はいはい、分かりましたわよ……貴方の何も出来ない孫という身分が少々腹が立ちますわね……こんなに『面白い計画』を考えられる、その部分、私に譲ってくれればいいですのに……』
「はぁ? 何言ってんだ、そんなもん、長年の人生で培った物、お前も四十年程年を取れば勝手に手に入れられるさ」
麻倉格子がそう言うと、電話の女性が反論する。
『それが出来たら良いんですけどねぇ……生憎私は『二十歳も生きる事が出来ない』、こればっかりは仕方無い事ですわ』
電話の女性がそう言うと、『あぁ、そうか』と呟いてから朝倉格子が続ける。
「確かにそういえばそうだったな……『人工人間』の枝垂桜エリア(しだれざくら──)」
『ほう? 私の名前を出す程皮肉を込めたかったのかな? 何とも大人気ない』
「そう思っておけ、それじゃあ切るぞ?」
『はいはい、分かりました、それじゃあ……『日本が転落するその時』迄……!』
電話の女性──枝垂桜エリアだ──の電話を切って、溜息を吐く麻倉格子、このガキ、本当に腹が立つなぁ、早く死なねぇかなぁ? 麻倉格子はそう思いながら深い深い溜息をその場で吐いた──

「全く──あの御婆様も悪役になっちゃってぇ……だけど、『その立ち位置から引き摺り下ろす』のも面白いんだよねぇ、あーあ、早く引き摺り下ろせないかなぁ……?」
エリアがそう一人ごちていた時だ、急に背後から、エリアと同年代の少女が声を掛けてきた。
「おぅい、エリアちゃぁん! 早く学校に行こうよぉ?」
「あぁ、そうだね、それじゃあバスに乗って行きますか」
エリアはそう言って走ってバス停へと向かう──同年代の少女は頑張ってエリアに着いて行く──

「ふぅ……資料を読み漁るのは大変だ」
「確かにな、だけど、有力な情報が書かれているから、見逃せない」
「アンタ等は資料を読み漁る事しか出来ないの……?」
相馬が一人ごちる、すると新輔も反応する、そして卑弥呼も反応し、相馬に注目がいく。
「……何で私が!? い、いや、確かに有力な情報がありますけれど! お、おい、新輔、バトンパス!」
「は、はぁ!? いきなりすぎんよ……え、えーと、確かに今の俺や相馬は資料を読み漁る仕事ですけれど……って、卑弥呼先輩も手を動かして下さいよ!」
「はぁ? 乙女のマニキュアタイムを邪魔する気?」
「邪魔って……仕事にマニキュアは必要ないと思いまーす!」
「あぁ!? 必要よ! キャリアウーマンだって、出来る女だって、ちゃんと身嗜みが出来ないとダメよ!」
「ま、待て待て、先輩、その前に『家で支度する』という行為をしないのですか?」
新輔と卑弥呼の言い合い、新輔がトドメの一撃を放ち、卑弥呼は項垂れながらその場で資料を読み耽る──結局読み耽るしかやる事が無い、新輔はそう呟いて、溜息を吐きながら何段にも重なった資料を確認する──

「はぁ……それにしてもあの『力』は一体何なんだろう? 辞書で調べても、ネットで調べても現れないし、その微塵な証拠さえない、学校の図書室でも見付からないし……果たしてあの『力』は一体……?」
陽子はそう呟きながら学校の図書室で一人、呟いた、だが誰もそんな話を聞いては居ないので、呟ける。
すると一人の少女が陽子の目の前に現れる、まさか『力』の話が聞かれたか!? と思い、陽子は身構える。
「ねぇ、お姉さん、『あの『力』』って聞こえたけど……一体どんな『力』かなぁ?」
「え、えっと……斥力! その事を考えて、頭を悩ませていたんだぁ!」
アハハ、と笑う陽子に対し、瞳の中に入り込む様に覗く一人の少女、陽子はその少女に対し、少し恐怖した。
「え、えっと……何?」
「何? 何って……『魔法少女の『力』』だよぉ? お姉さんが探しているのは?」
一人の少女がそう言うと、少女は自己紹介をする。
「私の名前は枝垂桜エリア、最近引っ越してきたんです、宜しくです」
「え、えっと……太神陽子、宜しくね?」
少女が自己紹介をしたので、釣られて陽子もする、すると枝垂桜エリアはとんでもない事を口から出す。
「えぇ……『魔法少女症候群』のボスさん?」
「!!」
急に『魔法少女症候群』のボス、と出されて、驚愕するしかない、一体彼女、エリアちゃんは何を知っているのだろう……? 陽子はそう思いながら唾を飲み込む、すると枝垂桜エリアが陽子に言う。
「お姉さん、いや、ボス? あの『力』の正体が知りたいのでしょう? それなら屋上に向かいましょう? 授業なんかバックレてさぁ?」
「えっ? ちょ、ちょっと!?」
陽子の手首を掴んで走る枝垂桜エリアに対し、陽子はこけそうになりながらも枝垂桜エリアに着いて行く──そして二人は屋上の入り口に立つ、彼女は知っている、『力』の正体を──! 陽子はそう思いながら静かに口の中の唾を一気に飲み込む──

第六章 『魔法少女大戦』開始 完

第七章に続く……

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.21 )
日時: 2017/06/24 21:07
名前: 彩都 (ID: xPB60wBu)  

第七章 『魔法少女』の『力』

「よぉ、陽子ちゃんや、お久し振り」
屋上に着いた枝垂桜エリアと太神陽子が屋上のドアを蹴破って、屋上に侵入する、すると目の前に麻倉格子が座ってニヤニヤ笑っていた。
「あ、あの、一般的な事を言いますよ、不法侵入!」
「そんなん興味ねぇ、興味が無いからどうでもいい……ってか、その前に私は殺人鬼だけどな、だからもう法には触れてる」
「いや、御婆様、今はそんな話をしに来た訳じゃないでしょ……? さっさと、彼女に『力』の正体を明かさないと」
麻倉格子の言葉に枝垂桜エリアがツッコミを入れる、そして麻倉格子が『あぁ、そうだった』と呟いて、陽子に話し始める。
「えーとだな、陽子ちゃんは自分の『力』について調べていた、よな、エリア?」
「えぇ、そうですわ、ねぇ『魔法少女症候群』のボスちゃん?」
「うぇっ!? あぁ、はい、そうです……何か馴れ馴れしいなエリアちゃん」
枝垂桜エリアのコメントを聞いて、少し不安になる陽子、麻倉格子は静かに話し始める。
「まぁ、いい、話を始めるぞ……あれは何十年も前の出来事だった、『魔法少女』が現れた時の話だ……」
「えっ? 何それ、この『力』ってそんな昔からあるの!?」
麻倉格子の発言に陽子は驚愕する、すると枝垂桜エリアが陽子の四肢を束縛する。
「はいはい、話は静かに聞きましょうねー?」
「むぐぐっ!?」
「それでは話を再開させる、『魔法少女まどか☆マギカ』、『魔法少女リリカルなのは』を見ていた少女達が二つのアニメの真似事をした、そこから『魔法少女』ってのがが始まった、ここ迄は二人共分かるな?」
麻倉格子がそういうと、二人は静かに頷く。
「そんでだ、『魔法少女』の真似事をしていて、『杖から本物のビームや光線等が出た』奴等がいた、そいつ等が『まどか側』、『なのは側』の初代リーダーだ、コイツらこそ、陽子ちゃんが使う『力』を一番早く開花させた人物だ」
「ふぁ、ふぁあ……(は、はぁ……)」
陽子は麻倉格子の話を聞き入っていた、陽子の四肢を束縛する枝垂桜エリアも懐かしいなぁ、と思いながら話を聞く。
「そして『まどか側』、『なのは側』の初代ボスと出会った事がある、んでこいつらと会話した事があるんだ、すると『突然ビームや光線が出る様になった』、『攻撃的な攻撃を出してしまう様になった』、『まるで自分がまどかちゃん、なのはちゃんになった気分だった』と解答している、そして二つのアニメの事を考えて、私は命名した、『魔力』と……!」
「ふぁ、ふぁふぉふ……(ま、まりょく……)」
「あぁ、『魔力』だ、そして自分は初代ボス二人に『限界迄『力』を使って欲しい』と答えた、すると初代ボス二人は数時間で『全ての『力』』を出し切って、倒れてしまった、これを考えるに、『魔力と体力は一心同体』ってのが分かったんだ」
麻倉格子の話を受けて、凄い内容だ、と思う陽子、だが、色々と難し過ぎて頭に入ってこないのが難点だが。
「そして実はこの『魔力』──及び『力』だが──なんだが、『伝播する』事が分かった、陽子ちゃんは分かるかな、『伝播』が? 『電波』じゃないぞ、『伝播』だぞ?」
「ぷ、ぷはっ! はぁはぁ……一応は、分かりますぅ……え、えーと、『伝播』って、『伝わる』って意味の『伝播』でしょう?」
麻倉格子の問いに枝垂桜エリアが少しだけ、口を解放させる、次に口の束縛が無くなった陽子が答える。
「うん、正解だ、よぉく分かってんじゃん? んで、話は二代目に移る、初代のボス二人は『学業が忙しくなった』から初代ボスを引退しようと思った、そして二人は『自分と同じ『力』を持つ者をボスにしよう』と考え、二代目を探した、そして決まったのが、二代目ボス二人、この二代目の二人にも『力』は宿っていた」
「成程……」
麻倉格子の話を聞いて、陽子は静かに頷く、すると枝垂桜エリアが言葉を発す。
「そしてこの頃から色々と決まっていたんだよねぇ?」
「ん? あぁ、そうだな、陽子ちゃんの後ろに居る枝垂桜エリアって奴がいるだろう?」
「え、えぇ、はい、居ますね……」
麻倉格子が急に陽子に振る、陽子はたどたどしい口調で返答する。
「うん、枝垂桜エリアって、『人造人間』なんだ、私の細胞から作ったクローンに近いな」
「はっ、はぁぁぁ!? な、何を言っているんですか!? クローン!? そんなの人間の尊厳とか云々的なので、ダメなんじゃあ!?」
麻倉格子の『人造人間』発言で陽子は驚愕して、色々と口走る、すると麻倉格子が頭を掻きながら説明する。
「ん? いいじゃねぇか、作った側も『面白い実験』だと感じて作ってくれたしさぁ? それで話は少し戻すが、『何故人造人間を作った』と思う?」
「えっ……? 急にクイズですかぁ? 私には分かりませんよ……」
麻倉格子の急なクイズに陽子は答えられなかった、すると背後の枝垂桜エリアが話す。
「うーん、簡単に言えば、『古い人間の細胞を使ってクローン、人造人間を作っても、『力』って言うのは発現するか?』っていう試験ですよ、因みに成功したので、私は生きています」
「は、はぁ……って成功!? じゃあ、つまりエリアちゃんは私と同じ『力』持ちって事?」
枝垂桜エリアの発言を受けて、陽子は驚いた表情で枝垂桜エリアに言う、すると枝垂桜エリアは『うん!』と力強い返答をする。
「この実験から私みたいな古臭い人間でも、『人造人間』なり、『クローン』なりを使えば、『力』を行使する事が可能ってのが分かった、つまり『私でも最悪『力』を開花させる事が分かった』んだ、だが、この『力』って奴は色々面倒でな、『16歳以下でないと発現しない』んだ、だから私は発現出来なかった」
麻倉格子の発言を受けて、『若い存在にしか発現出来ないのか』と判断する陽子、そして麻倉格子が言葉を続ける。
「まぁ、二代目は何も話す事が無いし、最後は初代と同じ様に『学業が忙しくなった』から、二代目は三代目を探した……そして今から話すのは、『魔法少女』の中で一番やべぇ戦いを行った三代目の者を話す……心して聞いてくれ」
麻倉格子の言葉を聞いて、陽子は静かに口の中の唾を飲み込む、そして陽子は心して格子の話を聞く事にした──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.22 )
日時: 2017/07/29 21:25
名前: 彩都 (ID: ???)  

「三代目、それは元々ある程度無害であった魔法少女を一躍悪役として、警察に逮捕される迄悪い株を上げた存在だ、そして『魔法少女戦争』を起こした張本人達だ……『魔法少女戦争』で警察、魔法少女二つとの三竦みを作り、『魔法少女を逮捕する』法律迄作らせる程警察と戦ったんだ……まぁ、極論言ってしまえば、『ボスの中で一番の悪』だ、と言われているな」
格子の口から出てくる言葉に陽子は驚愕して聞いてしまう、な、何と言う事だ……じゃあ『今の魔法少女が悪』って言うのは、全部三代目が作ったって事……?
「言いたい事は分かるぜ、嬢ちゃん? だけれど……これは真実だ」
陽子の表情を汲み取って、格子が言う、良く分かったなぁ、と陽子は心の奥底で思う。
「では、逆に聞こう、何故『三代目は『魔法少女戦争』という悪を作った』か? 分かるかな陽子ちゃん?」
「えっ? 急に聞かれても……もしかして、『魔法少女人口の拡大』の為……?」
「ん? 違うな、もっと簡単な答えなんだよ、ほら? ゆっくり考えてみ……?」
麻倉格子に言われて、もっと単純に考えようとする陽子、そして一つだけ何かを思いつかせる、陽子はその一つを口に出す。
「え、えっと……『魔法少女が警察より上に立つ』為、とか?」
「…………正解ですわ」
そう言って、少しばかりの無言を貫いていた枝垂桜エリアが急に口を出す。
「そうです、『魔法少女が警察の代わりになろうとした』、その結果、『警察を潰す』という考えが現れ、更に『魔法少女戦争』が出来たんですわ……」
「…………」
枝垂桜エリアの発言を受け、陽子は驚愕してしまう、まさか正解してしまうとは、陽子はそう思いながら麻倉格子を睨む。
「ほ、本当なんですか格子さん?」
「本当も何も……『事実』なんだから、反論のしようも無い」
「そう、なんですか」
陽子はそう言って、頭を垂れる、すると麻倉格子が懐から分厚いファイルを取り出す。
「『これ』でも読んで、内容を汲み取ってくれ」
「これは……?」
陽子は不思議そうな顔で分厚いファイルを受け取り、中身を確認する、中身は新聞の記事のスクラップ、更に記事の時期は軽く十年程前だった。
「こ、これは……」
陽子は一枚目を確認し、理解する、『この新聞のスクラップ』は『魔法少女戦争』及び『三代目』の新聞のスクラップ! よくこんな新聞のスクラップをしたなぁ、と陽子はファイルを読みながら思う。
そして陽子は読み進めていく内に驚愕する記事を見付けた、それは『少女VS警察 少女側の死者一万人を超す』という記事だった。
「えっ……? 死者?」
「そうだよ、軽く十年程前、『魔法少女戦争』で警察も魔法少女も死んだんだよ、凄い戦いだったぜ? もう、大通りが血の雨、血の池、血だらけ状態でさぁ?面白かったぜぇ?」
「…………」
新聞の記事のスクラップの写真から、惨状を理解する陽子、そしてその場で吐きそうになり、片手で口を押さえる。
「おいおい? 死者の話をしただけでこれかよ? まだまだ酷い記事があるんだ、今吐いていたら、読み進めている内に、二回三回連続で嘔吐する事になるぞ?」
「えっ……?」
麻倉格子の発言を受け、陽子は驚愕する、そして何とか、吐く事を抑え、麻倉格子に言う。
「ま、まだ酷い記事が……もう見たくないですよ」
「見たくなくても、見なきゃならない、それが『大人』ってもんだよ、これから先もっともっと酷い事が起こる、お前に嘔吐以外の行動をさせる為に、こんな厳しい事をしてやっている」
「……はい」
麻倉格子の発言を受け、静かに頷く陽子、そして吐きそうになったページを捲って次ページを見る。
「ん? これは……」
陽子はそう言って、不思議そうにファイルを読む、すると枝垂桜エリアが陽子の背後に回って、ファイルを確認する。
「あらあら……」
枝垂桜エリアが口を手で押さえながら、にやりと笑う、な、何なんだ……? と思いながら麻倉格子は枝垂桜エリアに言う。
「お、おい、エリアよ、お前は何故笑っているんだ?」
「うふふ? そりゃあ面白い記事ですわ」
「は、はぁ?」
枝垂桜エリアの発言を受け、麻倉格子も渋々陽子の背後に周る、すると其処には放火、殺人の麻倉格子の若い写真が載っている記事があった。
「う、美しい見た目だったんですね、昔は」
「その言い方止めてくれ、今でも美しいんだよ」
「そうは見えませんわ、御婆様?」
「あ゛ぁ゛!?」
陽子の背後で口論が起きる、読み難いなぁ、後ろが煩くて……陽子がそう思いながら、一つの事を思い出す。
「あ、あの……格子さん?」
「んぁ? 何なんだ陽子ちゃん?」
「いえ……今、三代目の新聞のスクラップを見ているのですが……逆に聞きたいんですけれど、四代目って、どんなんなんですか?」
「四代目ぇ? あー……四代目かぁ、アイツ等もアイツ等で自由だったなぁ……」
麻倉格子は腕を組み、溜息を吐いて、陽子に言う。
「うーん、どう説明すれば良いか……」
麻倉格子は頭を悩ませながら言葉を選ぶ、い、一体どんな人達なんだ四代目は……? 陽子はそう思いながら、ごくり、と唾を飲み込んだ──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.23 )
日時: 2017/08/26 21:43
名前: 彩都 (ID: EZ3wiCAd)  

「四代目……それは」
麻倉格子の発言を受け、陽子が静かに唾を飲み込む、そして麻倉格子が発言する。
「何も無かった」
「はぃ?」
いきなりの発言に陽子はその場でずっこけそうになる。
「えっ? えっ? 何も無い? 三代目があんな事をしたのに!?」
「そりゃそうだろ? っていうか、前回ヘマをしたんだ、流石に関係を取り戻す為に東奔西走するさ」
麻倉格子の言葉を聞いて、陽子は『へぇ……』と思う、すると枝垂桜エリアが言う。
「そして五代目が今の二人、って事です」
「な、成程……」
枝垂桜エリアの発言を受け、静かに頷く陽子、そして麻倉格子が言う。
「これで『魔力』の話は終了、よかったな、お前さんも『魔力』を持つ魔法少女になったって訳だ」
「はぁ……」
麻倉格子の話を聞いて、自身の右手を握る、この『力』の名前が判明して良かった……陽子はそう思いながら、ホッと胸を撫で下ろす。
「じゃ、じゃあそれじゃあ私は学業に戻りま」
「おっと待ちな? 今から『魔法少女』としての活動を行わないとなぁ」
「えっ!? な、何でですかぁ!?」
麻倉格子の発言を受け、陽子は驚愕してしまう、すると麻倉格子は歪んだ笑顔を見せ、陽子に発言する。
「何でって? 簡単だよ、『三代目と同じ事をする』んだよ、今から! 平日なら大丈夫だろぉ!?」
「ふっ、巫山戯ないで下さい! 何でそんな事を!?」
「だからだよ! もう一度……もう一度『この世界を引っ繰り返そうぜぇ』!? 二回目の『魔法少女』の反乱! 今の君の力で『この世界を引っ繰り返せる可能性がある』んだ!」
麻倉格子に言われ、恐怖する陽子、すると背後から枝垂桜エリアが発言する。
「良いじゃん良いじゃん、『世界が崩壊したら学校に行かなくて済む』んだよ? だから壊しちゃおうよ?」
「そ、それはダメですよ!? 学生の本分は学業なんですから!」
枝垂桜エリアの発言にツッコミを入れる陽子、そんな陽子に対し、麻倉格子が陽子に言う。
「いいじゃねぇか、それ位さぁ? 私は死ぬ前に『世界が狂う』のを見てみたいんだ、だから頼むぜ?」
「……厭です! そこ迄したいのなら……私を倒してからにして下さい!」
「……? 『私を倒してからにして下さい』って? それじゃあお言葉に甘えて……」
陽子の発言を繰り返す麻倉格子、陽子は『えっ? はい、そうですけど……』と小声で発言する。
「それじゃあこう言う事か? 『陽子ちゃんを倒したら、三代目と同じ様な事をする』って計算で良いよなぁ?」
「え、えぇ、良いですよ! でも私だって『魔力』とやらが使えるんです! そう簡単に一般人に負ける事は無い筈です!」
陽子がそう言った瞬間である、『陽子の後ろの枝垂桜エリアと陽子の前の麻倉格子が一気に動き出し、陽子を攻撃した』のである、陽子はあまりにも俊敏な動きを見て、驚愕する。
「へぇ、『そう簡単に一般人に負ける事は無い』? それは何だ? 慢心か?」
「ひぐっ……」
麻倉格子に鳩尾を攻撃され、気が落ちそうになる陽子、だが後ろの枝垂桜エリアは陽子の首をロックしているので、もうじき気が落ちそうになる。
「慢心だろうねぇ? さぁ、さっさと落ちちゃいなよぉ?」
「いっ、厭……!」
陽子はそう言うが、自身の肉体に二人の攻撃は耐えられない、陽子は痛みに耐えられずにその場で気絶する──

「ふぅ、これで私の手駒が増えたなぁ……」
陽子を抱える麻倉格子に対し、枝垂桜エリアが言う。
「本当にそうですねぇ……でも、どうするんですか? どうせ直前になって拒否すると思いますが……」
「それは無いな」
枝垂桜エリアの言葉に首を横に振る麻倉格子、その行動に対し、不思議に思う枝垂桜エリア。
「だって彼女、『『魔力』を発動したら気絶する』んだもん」
「へっ? 何それ? つまり、自身の力だけでは無理って事?」
「そう、『彼女が『魔力』を発動した時』ってのが、『自分が死にそうになった時』なんだよ、だから死ぬ前の無意識行動なんだよな」
「へぇ……まだ『私達』の様に自由に扱えないってか……」
「うん、そういうこった、だから彼女には『最初に『魔力』を使用した時と同じ事を経験させる』、そうする事でもう一度『無意識に『魔力』を発動させる』、そこから私が色々して、『彼女の脳を改造し、私の命令を全て聞くロボット』の様にさせる、これで私が扱える玩具(オモチャ)になるって事」
麻倉格子の言葉を聞いて、少し身震いがする枝垂桜エリア。
「全く……御婆様の考えは怖いですわ」
「けっ! お前には分からんだろうなぁ」
麻倉格子はそう呟いて口の端を歪ませる。
「さて、それじゃあ移動しようか、さっさと学校から逃げようぜ? 私にとっては居心地が悪いからな」
「勝手に学校に侵入したのは何処のどいつなんだか……」
枝垂桜エリアは両手を開けて溜息を吐く、二人は急いで学校を脱出する──そしてその日、太神陽子は学校を欠席する事となった──

「本当に誘拐っぽいですねぇ……」
枝垂桜エリアはそう言って車に乗り込み、後部座席の陽子を見る。
「まぁ、いいじゃねぇか、前からそういう計画なんだったんだから」
麻倉格子はそう言って、車のハンドルを握る、そして右手で鍵を差込、捻ってエンジンを吹かす、そしてペダルを踏み込んで、車を運転する──

第七章 『魔法少女』の『力』 完

第八章に続く……

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.24 )
日時: 2017/09/30 21:27
名前: 彩都 (ID: DMJX5uWW)  

第八章 嵐の前触れ 台風の目

ぞわり、と相馬は篠河信濃(ささがわ しなの)に注射された部分を擦る、無意識の行動、無意識の出来事に相馬は注射された部分を擦っている手を見て不思議がる。
一体どうしたのだろう? 相馬はそう思いながら首を傾げる、すると新輔が相馬に声を掛ける。
「ん? どうしたんだ?」
「いや? 別に……何でもない」
相馬は新輔に返答して、その場で深い深い溜息を吐く、まさか無意識の内に注射の怖さを思い出したのか? 全く、幼いなと思いながら相馬は目の前の書類に手をつける──

静かに作業をしていて、休憩を取る事にした相馬は屋上に向かい、微糖のコーヒー片手に空を眺めていた。
空は青空でとても綺麗だった、それに対し、今日の行動は一体……? 不思議に思いながら相馬はコーヒーの蓋を開けようとする。
「……ふぅ」
コーヒーの蓋が中々開かないので、イライラしていると、『相馬の目の前で粉塵を上げて何かが爆発』した、いきなりの出来事で相馬はコーヒーから手を離し、尻餅をついてしまう。
「な、何なんだ!? て、結構近かったぞ!? い、急いで外に向かわなければ!」
相馬はコーヒーをポケットに入れて、走って屋上から外へと移動する。
そして相馬の目の前に映ったのは、『ボロボロの銀行の出入り口』だった、……えっ? な、何? 何が起きたの? 爆発にしては被害がでか過ぎる! と言っても、そんな簡単に日本では火薬は手に入らない筈……じゃあ何なんだ? 相馬がそう思っていると、新輔、卑弥呼が登場する。
「な、何が起きたの!?」
「お、おい! 相馬、これは!?」
「お、俺にも分からない! 現場を検証中だ!」
 二人の怒声に返答する相馬、爆発が起きた場所を見ようにも、銀行の出入り口を壊したので、土煙が舞っている、そして土煙が落ち着いていく、土煙の中には一人の少女が居た。
「……魔法少女?」
相馬はそう呟いて目を凝らして土煙の中を見ようとするが、土煙が濃厚で、シルエットしか分からない、相馬が土煙の中の存在を見ようと奮闘していると、土煙の中からこちらに人影が向かってくる。
そして土煙の中からピンク色の格好をした魔法少女が現れる。
「初めまして、警察の皆さん、一般人、民間人様? 私は『魔法少女・フィールド・オブ・エリア』と申します、以後お見知り置きを? いえ、『以後もない』ですわね」
「い、『以後もない』だと? それはどういう──」
新輔がお辞儀をする土煙の中の魔法少女──『フィールド・オブ・エリア』だ──に言うと、『フィールド・オブ・エリア』は静かに答える。
「えぇ、そうですわ、だって、貴方達は『私達魔法少女達の生贄となる』からです」
『フィールド・オブ・エリア』がそう言ってお辞儀を止め、右手で指を鳴らす、すると『色々な建物が爆発を上げて、粉塵を上げ、崩壊して』いく、そんな中、『フィールド・オブ・エリア』だけがその場で高笑いか爆笑しているように笑う。
「アハハハハハハ! これですよ! これ! お前等一般人、民間人が恐怖に怯えるその表情! 更に何も出来ない警察! これは滑稽! いいや、世界の笑いものだ! それでは此処に私は宣言する! 『魔法少女戦争』を……開始する!」
『フィールド・オブ・エリア』はそう叫んで、口を三日月のように歪ませる、相馬は『フィールド・オブ・エリア』を見て、睨む──

「ほぅら? 脱出して良いんだぜ?」
麻倉格子は一人、刑務所に来ていた、右手には鍵を持っている。
「えっ? ほ、本当に良いのか?」
「あぁ、いいぜ? だけれど、私の言う事を聞いてくれるならな?」
「お前の言う事? 何なんだよ?」
麻倉格子の前で一人の屈強な肉体の男性が麻倉格子の話を聞く、そして麻倉格子は静かに口を歪ませ、言う。
「ん? 簡単だ、『警察に一泡吹かせよう』ぜ? たったそんだけだ? お前達の中には理不尽な警察の手によって、理不尽に冤罪で逮捕されてしまった輩も居るだろ? だから警察に反撃しないか? って、お前は何で逮捕された?」
麻倉格子の発言を聞いて、屈強な肉体の男性は『はっ』と笑って言う。
「お前、中々に面白い事を言うなぁ、あぁ、その言う事、聞いてやる……っと、俺の逮捕の理由か? お前が言った様に理不尽に冤罪で逮捕されたからだよ、俺は何もしていないって宣言しているのに、警察と痴漢された女(アマ)は俺の事を犯人扱いしやがった……! 俺は未だに警察を憎んでいる……! この怒りを警察にぶつける事が出来るのなら、お前の言う事を聞こう、おばさん、名前は?」
「私か? 私は麻倉格子、名前を聞いた事はあるかもしれないな?」
麻倉格子はそう言って、鍵を使い、屈強な肉体の男性の扉を開錠し、部屋から出させる、屈強な肉体の男性は周りを確認し、『廊下の惨状に驚愕』する。
『惨状』、それは『たった一人の金髪の少女に看守達が倒されている』惨状だった、俺達男を止める事が出来るように相当強い筈の看守を何人も倒している金髪の少女……もしも『その金髪の少女が麻倉格子とやらの部下』なら……『麻倉格子はどれだけ強い』んだ!? 屈強な肉体の男性はそう思いながら麻倉格子を見て驚愕する──そして麻倉格子は他の囚人達に話を聞いて、自分の仲間になる囚人を選別する──


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