ダーク・ファンタジー小説

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魔法少女症候群(シンドローム)
日時: 2016/01/09 12:26
名前: 彩都 (ID: aOQVtgWR)  

始めましての方も、始めましてではない方も、始めまして、彩都(サイト)と申します。
六作目です。
因みに二次創作ではありません。

魔法少女まどか☆マギカ……

たった一体の大きな魔物に、二人のピンクの服の女の子と、黒い服の女の子が共闘していた……
そして、ピンクの服の子が言う。
「ほむらちゃん! 行くよ!」
それに対し、黒い服の子の少女、ほむらと呼ばれた女の子は言う。
「えぇ! まどか!」
まどかと呼ばれた、ピンクの服の女の子は反応し、一体の怪物に向かう。
ほむらは銃を使って攻撃……まどかは周りの物を投げて、魔物の気を逸らす……その結果、魔物は倒す事が出来た。
そして、それを見ていた少女達はまどか達のコスプレをし出す……そして、一人の小さな少女が、魔法少女となった……
そして、敵をばったばった倒していく……ただの武器の殴打で倒していく……
そして少女は思う……『私にも魔法少女の力がある』と……そして、この少女を機に、一気に『魔法少女』を名乗る者が多くなった。

魔法少女リリカルなのは……

白い服を着た少女が敵と戦っている……黒い服の少女も苦戦ながらも戦っている……
そして、何とか勝った……二人の魔法少女はボロボロだった……
それに感動した少女達は魔法少女の様に戦う事をしてみた。
すると、民間人からとても喜ばれた……それに味を占めたまどかサイドとなのはサイドでコンビを組んで悪を退治する事に……

だがその行為に対し、魔法少女を『悪』、と決めた所が有った……それは警察……
そして、今年の新入りに威勢の良い存在が入ってきた……

そして、二つのアニメを見て、魔法少女に目覚めたい少女が現れる……

「失礼します、此処、魔法少女特別監視課、通称『魔法少女撲滅課』に配属された、阿賀梨相馬(あがなしそうま)と申します」
相馬と言われた青年は自己紹介をする。

「まどかちゃんもなりたいなぁ……なのはちゃんにもなりたいし……どうしよう……?」
少女はどのサイドの魔法少女になるか悩む……

「で、何で此処に配属したいなんて、物好きなんだい?」
上司が相馬に聞く。
そして相馬は言う。
「魔法少女が憎いからです」

「どうしよう……衣装も可愛いしな……本当に悩むよ……」
そう言いながら、少女は衣装に悩む……

「何で、魔法少女が憎いの?」
上司がまた、聞いた、相馬は言った。
「実は妹が魔法少女で……まぁ……妹は仲間の魔法少女や敵に殺されまして……それで憎いんです……だから、私は……」
相馬が口をつぐんで言った。

「んー?……そうだ!私が新しい魔法少女になれば良いんだ!! 魔法少女に……」
そして、少女は言う。

「魔法少女を……いえ、魔法少女症候群の人間を跡形も無く、消します」
「新たな魔法少女になるぞー!」
二人の人間は全く正反対の『なりたいモノ』を言った。

この物語は、魔法少女の新勢力のボスと魔法少女症候群という、魔法少女に憧れる人間にしかかからない病気を妹が感染して、妹が死んだ為、魔法少女を憎む青年の戦いの物語である……

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.15 )
日時: 2016/12/31 15:49
名前: 彩都 (ID: ???)  

第六章 『魔法少女大戦』開始

「ハハッ……マジかぁ、マジなのかぁ……」
まどか側のボス、月神夜空(つきがみ よぞら)がそう言って、地に這う姿で息を切らしている、そんな夜空を見ながら、なのは側のボス、風神風華(かざかみ ふうか)が夜空の姿を笑う。
「アハハッ! 何をやっているんですか、まどか側は……やはりなのは側の私達よりも弱いですねぇ……」
そういう風華だが、風華も地を這って呼吸する程大ダメージを負っていた──そして二人のボスの目の前には、無傷の魔法少女が立っていた、その無傷の魔法少女は笑いながら二人に杖を向ける、杖の先端から、ビームの様な、レーザーの様な形容しがたい光線が出始める。
「うふふっ……さようなら、お二人共……楽しかったですよ」
そう言って、無傷の魔法少女は光線で二人のボスを攻撃した──だが、光線を打ち終わった後、二人の姿は見えなかった、不思議そうに周りを確認すると、二人の魔法少女が自分のボスを腕に抱えてその場を去っていった──無傷の魔法少女は『アハハ……』と笑いながら、哄笑した。
「アハハハハハハハハハハ! 何だ!? 魔法少女とはそんなレベルなのか!? 可笑しいぞ! 私の知っている魔法少女はもっと強い! もっともっと! もっと強かった! なのに何だ!? あの無様な姿は! 訳が分からない! あまりにも弱過ぎて話にならない! ……そっかぁ、これが『力』なんだ、誰にも抗えず、誰も反抗出来ない『最強の力』、これが……何と言うか、つまらないわね、こんな『力』……持っていても意味が無い感じがするわ……もっと、もっと強い魔法少女は居ないのか!? 私よりも、この『力』よりも強い魔法少女が!? いいや、存在する! そう、『まどか』本人と『なのは』本人! だけど彼女二人は結局は二次元だ、強いも弱いも無い! 誰でも良い!地球上に存在する魔法少女全員を集めて私と戦ってもらいたい! 私は強い! だってまどか側、なのは側の両ボスを簡単に倒したんだから! ……もっと、もっと戦いたい、もっと強い人間と戦って私の『力』を認めさせてやるんだから……警察も、『魔法少女撲滅課』もぶち壊して、魔法少女が快適に過ごせる世界を創りたい……! 何で魔法少女は迫害を受けないといけないんだ、警察から……警察だって、迫害された人の気持ちなんか分からないんでしょうね、だったら行えば良いんだ……『迫害し返す』事で警察だって迫害される気持ちを味わえば良いんだ……!」
無傷の魔法少女はそう言って、自分の足元に落ちている石ころを杖の先端から出る光線で破壊する、そして無傷の少女は前に歩き出す、自宅に帰って遊びに行こう、そう思いながら──

「何だったんだ、あの力は……」
まどか側のボス、月神夜空が溜息を吐きながら、二の腕を部下の手に持つ包帯で包まれる、そんな夜空に対し、綺麗な細い太股を露わにして、部下に包帯を巻かれるなのは側のボス、風上風華。
二人は大重症であった、それもただの重症では無い、『魔法少女による攻撃での重症』なのだ、二人は大きな溜息を吐いて、言い合う。
「おい、なのは側ぁ……『まだ残っている』か?」
「まどか側のアンタこそ、『まだ残っている』の?」
二人がそう言って、一拍置いた後、同時に喋ってハモる。
「もう残ってない」
「もう残ってないですわ……」
「…………」
「…………」
二人はハモった後、顔を背ける。
「何で一緒に発言するんだよ、てめぇは少し待機してろ」
「それは貴女こそですわ、貴女こそ少し遅れて発言したらどうですか?」
「あぁ!? 喧嘩売ってんのか!?」
「それは貴女もですかねぇ!?」
二人がそう言うと、二人の部下が、患部を強く叩く。
「いったぁ!?」
「痛いっ!」
「貴方達、二人は一応は怪我人なんですから……安静にしておいて下さいよ、そして早く『残っていない』なら、作り上げて!」
「は、はい……」
「うぅっ、皆さん酷いですわ……」
「酷いのは喧嘩する二人です」
部下の言葉に返答する二人、仕方なく、作り上げて回復を急ぐしかない──

『残っていない』、それは一体なんだろうか? そんなのは簡単だ、魔法少女にある物、それは『魔力』である、『魔力』さえあれば、魔法少女の攻撃が出来るのだ。
そして『魔力』を使用して攻撃されて負傷を負った場合、傷や痛みを癒す方法は『自分の持つ魔力を患部に当てる』しかないのだ。
だが、無傷の魔法少女との戦いで『魔力』をほぼほぼ失った二人は早急に『魔力』を回復して、傷口に当てないといけない。
だが、『魔力』が無いので、作り出すしか方法は無かった。
それにしてもあの魔法少女、何であんなに強くなった? 普通の物真似少女だと思ったが……何で急に『目覚めた』? 目覚める要素等あったかもしれないが、何故あんな急に目覚めた? だが、今はそんな事を考えても意味が無い、そう思いながら深呼吸する夜空、とりあえず、『魔力』を作って回復しないとな……夜空は虚空を見上げる、虚空は明るく、まだ昼過ぎだった──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.16 )
日時: 2017/01/28 17:23
名前: 彩都 (ID: ???)  

話は数時間前に遡る──五月二十五日、時間は朝九時だった、『とある』場所を待ち合わせ場所にし、『魔法少女大戦』を行おうとしていた三つのチームがあった、そのチームは、『なのは側』、『まどか側』、そして『魔法少女症候群』の三つのチームだ。
『なのは側』、『まどか側』は少し柔軟体操をして、体を解していた、すると遅れてピンクの可愛い格好の『魔法少女症候群』リーダー、太神陽子が現れる、手にはアニメに出て来そうな杖を持っている。
「ハァハァ、す、すいませぇん!服を着るのに手間取っちゃって……まだ活動した事もないので、少し遅れちゃいました……」
陽子がそう言うと、『なのは側』のボス、風神風華が少し怒った。
「もう! 『女子たる者、五分前行動はするべし』! ですわ!」
「まぁまぁ、活動した事も無いんだから仕方無いだろ、手間取る位……まぁ、最近出来たチームだもんな、服も用意していないと思ってたけど、何気に可愛いじゃねぇか」
風華の次に『まどか側』のボス、月神夜空が少し窘める。
「そ、それもそうですけど、時間は厳守して欲しいですわ!」
「まぁまぁ、良いじゃねぇか、今はそんな事、置いといてさぁ? 今日はコイツを見極める『戦い』でもあるんだからさぁ?」
夜空の言葉を聞いて、陽子は少し顔に影を作った、それもそうだ、今日は『魔法少女大戦』、『魔法少女同士の戦い』を行うのだから──そして三つのチームが戦う場所、それは『陽子の通っていた中学校』だった──すると三人のボスの前に一人の女性が現れる、その女性は背が小さく、左手にはスキットルという、ウォッカを持ち運びする入れ物を持ち、右手には何か拳銃の様な物を持っている、陽子は思った、完全に酔っ払い、だと。
「うぃー、ひっく……よぉ、お前等ぁ、待ってたぞぉ」
「ほぅ? 待っていた割には酒を飲んでのんびり来た、と考えられるが?」
夜空がウォッカを持つ女性に言う、するとその女性は少し笑いながら言い返す。
「アッハッハ、まぁのんびりしていたのは事実だが──其処のお嬢ちゃん、君が『魔法少女症候群』、リーダーである太神陽子かな?」
「あっはい、そうです……って何で私の名前を?」
そう言って陽子は不思議がる、何故なら陽子とその女性は初めて会ったのだ、なので陽子の名前を知っている筈無いのだが……どういう事だ? と考えながら話は進んでいく。
「あぁ、話をしていませんでしたね、あの酒臭い女性は『麻倉格子(あさくらこうし)』という人間です、昔、色々な人を殺めた殺人鬼です、『魔法少女大戦』、『魔法少女戦争』の時に現れる謎の人物です、何故私達と関わりを持つのかは謎ですが……」
殺人鬼、そう聞いた瞬間、右手に持っている拳銃の様な物で私達を殺害するのか、と考えてしまう陽子、だが格子は笑いながら返答する。
「べっつにぃ〜? 私は若い女の子を見るのが好きなだけの人間さ、おまけにこの拳銃は音を鳴らすだけの機械さ、ほら、運動会のリレーの時のあれだよ、『パァン!』と鳴らす奴さ」
そう言って、陽子は少し安心した、何故ならついさっき迄殺害するのかと考えていたからだ、すると夜空が少しうざそうな表情をしながら格子の胸倉を掴んで言葉を発す。
「ていうかアンタ、私達の戦いの時でさえ首を突っ込んできたよな? どうやって首を突っ込んだ? まず私達の周りには『麻倉』という名前が居ない、だからアンタの家族では無い、と仮定出来る、アンタの家族ではない、と仮定すると、『一体誰がアンタにこの戦いとかを教えている』んだ? ハッキリさせてぇんだけど?」
「…………」
無言のまま返答する格子に対し、夜空は少し溜息を吐いてから胸倉を離す、自分が不利な状況になると無言になるんだから、そう思いながら夜空は陽子に言う。
「ま、まぁ、あいつの事はほっといて、さっさと『魔法少女大戦』をしよう、大まかなルールは一つ、『殺さない事』、ただ一つだ、後、周りの物は壊しても良いぞ、話は色々つけてあるからなぁ?」
「あ、あのっ!」
夜空の言葉の後に大声で声を発す陽子、そんな陽子に対し、夜空が不思議がり、話を聞く事にした。
「何なんだ?『魔法少女症候群』よ?」
「あ、あのですねぇ、何で『私の学校で『魔法少女大戦』なんかする』んです!? 此処は私が通っていた中学校なんです!だから物を壊したりとかしたくないんです……!」
「……ふむ、で?」
 陽子の言葉に適当に返答する夜空、そして夜空はとんでもない事を言う。
「あのなぁ、何で『お前の中学校で戦う』かと言うと、『お前の知人がお前の負けた姿を見せる事で、お前の心を、魔法少女精神を折る』為なんだよ、そりゃ知人から『同じ魔法少女なのに相手の魔法少女に負けたね』とか言われたら傷付くだろ? その為にこの中学校を選んだんだよ」
夜空の言葉を聞いて、陽子は絶望した、何なのこの考えは!? 恐怖、恐怖! 恐怖!! 陽子の頭の中では恐怖の二文字以外思いつかなかった。
「それじゃあいい加減開始しようか?『魔法少女大戦』を……!」
ウォッカを飲み干して格子はそう言った、そして格子は大声で叫んだ。
「それでは、『魔法少女症候群』、リーダー、太神陽子VS『なのは側』、リーダー、風神風華&『まどか側』、リーダー、月神夜空の『魔法少女大戦』を行う! それでは開戦!」
格子はそう言って右手の拳銃を上に上げて、鳴らす──放心状態の陽子に対し、夜空、風華は杖で光線を放ち、陽子に攻撃する──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.17 )
日時: 2017/02/25 14:16
名前: 彩都 (ID: 4IM7Z4vJ)  

ドガン、でかい光線と共に夜空と風華は笑う、何だ、あっさり終わってしまった、最悪殺してしまったかもしれない、夜空はそう思いながら光線の放出を止める。
風華はゆっくりと息を吐いて光線を放ち終える、そして砂煙が舞っている目の前を見つめる。
「何だぁ? あっさり終わっちまったぞ? 何だか来て損した気分だぜ、もっと楽しめると思ったのに……」
「そうですわね、麻倉格子さん? 遺体の確認を?」
「えぇー、何か早くない? もっと命賭けている場面とか見て見たいんだけどぉ? だってこんなにあっさり倒されたらつまんないじゃん?」
格子がそう言うと風華は『チッ!』と舌打ちをして陽子の現場に向かう。
「生きていますかねぇ? もしくは遺体になっているか……それは分かりませんが、確認をしておきましょうかねぇ?」
まるで厭々確認しに行ってやる、と言いたそうな声を出して風華は砂煙の沈下を待つ、そして砂煙が晴れる、すると風華は膝から崩れて膝が笑っている。
「お、おい? だ、大丈夫か? 一体どうしたんだ?」
夜空がそう言って風華を見つめる、だが風華は震えたまま何も返答しない。
「な、何なんだよ? 一体どうしたんだよ!? 返事をしろ! なのは側ぁ!」
夜空が風華に対し、怒鳴る、夜空はいてもたってもいられずに風華の所に走って、砂煙が起きた場所を確認する。
「!? な、何だこりゃぁ!?」
夜空は叫んで後退りをする、そして夜空は周りを確認する、何故周りを確認しているのか? それは簡単だ、『砂煙が起きた場所に陽子は存在しなかった』からである、血飛沫もなければボロ布さえもないのだ、何故ボロ布も血飛沫もないのか、夜空はそう思いながら周りを確認する、だが陽子は見付からなかった、不思議に思いながら夜空は溜息を吐く、陽子は死んだ、血飛沫もボロ布さえない程に私達が消してしまった、そう思った時だ、茂みから音がする、その茂みの中から無傷の陽子が現れる。
「何だよ、何だよ、生きていたのかよぉ! さいっこうじゃねぇか! さいっこうに楽しくなってきやがった! お前等もっと戦えよ? もっと嘶く様に叫べぇ! お前らもっと血を魅せろぉ! アハハハハハハ!!」
格子が陽子の姿を見て叫ぶ、まるで傍観者が楽しんでいる様に思えた。
「アイツ……うるせぇなぁ」
「全く、そうですわね」
格子の叫びに対し、夜空、風華が言う、すると息を切らしながら陽子が言う。
「一体……一体あの『力』は何だったんですか? 私には良く分からない『何か』でしたが……まさかあの『力』が貴方達の『リーダー』と呼ばれる所以ですかね?」
陽子がゆっくり言うと夜空は『ほう?』と唸る。
「まぁ、それもそうだなぁ、よく気付いたよ、『魔法少女症候群』のリーダーさんよぉ? そしてアンタは『私達と同じリーダーとしての資格』を持っているのかなぁ!?」
夜空がそう言って杖から謎の光線を出す、その光線に対し、陽子は少し横に逸れた、そして光線を避ける、次に風華の謎の光線、これもまた簡単に避ける。
「何だと!? 私達の攻撃をいとも容易く!?」
「私の光線もですわ!?」
夜空、風華が叫ぶ、すると陽子は自分の指先から夜空、風華が出した謎の光線を出す、陽子の光線は夜空、風華の間を抜けて校舎に突き刺さった。
「え……?」
「はい……?」
夜空、風華はそう言ってゆっくりと光線の先を見つめる、その先は『陽子の学校』だった、まさか彼女、自分の出した光線が校舎にぶつかっているのを気付いていないのかしら? 風華はそう思いながら恐怖する。
「ひっ、ひぃぃぃ!」
乙女らしからぬ逃げ方でその場を逃げようとする、だが陽子は自分の指先から杖にシフトチェンジして杖で光線を放つ、その光線は風華の太股に当たり、風華はその場ですっ転んでしまう。
「いたた……」
「おい……これは何なんだよ麻倉格子……これは何なんだよ、麻倉格子ぃ!?」
叫びながら麻倉格子を見つめる夜空、だが麻倉格子は静かに笑いながら夜空に言う。
「アハハハハハハ! 何を驚いているんだ、『何』を! 陽子ちゃんも目覚めたんだよ、『お前らと同じ『力』』をよぉ!」
麻倉格子の言葉に対し、夜空は驚いた、まさかこんな短期間で!? いや、短期間等と言う言葉では収まらないだろう、もっとこう……『瞬間的』と表現した方が良いのだろうか? そう思えてしまう程早い成長だった、『自分達と同じ『力』』か……夜空はそう思いながら光線のラッシュを陽子に放つ。
「う、う、う、うあぁ……うああああああ!!」
怖い、怖い怖い、怖い怖い怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い、夜空はそう思いながら、陽子に攻撃する、だが何度光線を放っても陽子は簡単に避けてしまう、簡単に、極簡単に、まるで『1+1=2』の問題を解いている様なレベルで避けられていた、何で? 何で避けられているんだ!? 攻撃は完璧、一つの隙も無いのに……『何故避けられる』? 夜空はそう思いながら陽子の攻撃を止める、これ以上光線を放つと『魔力切れ』を起こしてしまう、なので光線の攻撃を止める。
「ねぇ……『たったそれだけ?』何だか貴方の攻撃、見切っちゃった」
「は、はぁ?」
夜空がそう言った瞬間、顎に重い一撃が走る、その一撃は光線だった、『まさか光線を曲げる』とは思いもよらなかった、そのまま直撃を受けて夜空は吹き飛んでしまった。
「がぁっ!?」
攻撃を受けて寝転がる夜空に対し、陽子は一言だけ言った。
「アハハ……弱いですね、二人共」
陽子はそう言って、夜空、風華に光線の連射を行った──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.18 )
日時: 2017/03/25 10:42
名前: 彩都 (ID: 16oPA8.M)  

陽子の攻撃、これが仇となって、夜空、風華はボロボロとなり、二人は地面を這う様に倒れていた。
これがたった数時間前に起きた出来事であった。

「……なぁ、なのは側ぁ……」
まどか側のボス、月神夜空がなのは側のボス、風神風華に話しかける、風華は『一体何なんですの?』、と夜空に言い返す。
「……この『力』って一体何なんだろう?」
突然のセリフに風華は驚いた、いや、この『力』は魔法少女特有の『力』で──!
「いや、分かってる、魔法少女の『力』ってコトぐれーはよぉ? だけど、『魔法少女症候群』の『力』を見てよぉ……」
夜空は虚空を見つめながら風華に言う。
「何だか私の『力』がちっぽけに感じてよぉ……私は一体どうしたら良いんだぁ?このまま魔法少女を続けるか、引退するか……」
「引退は……」
そう言って風華が自分の握り拳を震わせながら夜空に言い返す。
「引退は許しませんわ! 私と貴女の戦いの決着が済んでから引退しなさい! 私が現役である時は貴女も現役で居なさい!」
風華はそう言って指で夜空を指しながら怒鳴る、その姿を見て、夜空ははぁ、と溜息を吐いて、言い返す。
「はぁ……分かったよ、まだ魔法少女続けたら良いんだろう? ったく、面倒なライバルだぜ……」
夜空はそう呟いて、額に濡れたタオルを置く──私だって分かっていますわ、『自分の『力』でも『魔法少女症候群』に勝てない』事位……! だけれど、負けっぱなしは嫌いですわ、だから一回でも勝って引退したいですわ……! 風華はそう思いながら心の奥底で叫ぶ、何故勝てなかったのか、何故、あんなに強くなったのか……? まるで、『死の直面になったから、『力』が覚醒した』、みたいな感じだ──風華は静かに思いながら、勝つ方法を考える──

「おいおい、そんな簡単に帰って良いのかえ?」
魔法少女の格好のまま、陽子は帰ろうとした、するといやらしい目で陽子を見る格子が居た。
「……? そういえば貴方は何者なの? 何だか変な気分、貴女と一緒に居ると」
陽子はゆっくり言うと、格子は口の端を歪ませながら陽子に言う。
「ほう? お前もそんな意見なのか……まぁ、良いさ、人間、好きな人の隣に居るのと、嫌いな人の隣に居るのとじゃあ、体験時間が違うからな、それに良く似た物か」
格子はそう言って、頭を掻きながら右手を差し出して言う。
「なぁ、私と一緒に『日本を壊さないか?』日本を壊しゃあ、警察だって意味を成さなくなる、お前の言う、『警察に迫害し返す』事だって可能さぁ! さぁ、どうする陽子ちゃん? 私と手を組むか、一人で警察と戦うか……? こんな簡単な問題、『今の君』には解けるよなぁ? そうだ、簡単な解答だ、答えは『手を組む』だ、『一人より二人』、という言葉もあるんだ、一人より二人でやった方が良いって? なぁ? 陽子ちゃん、私と手を組むだろう?」
格子が口頭洗脳を行う、だが陽子は静かに返答する。
「さぁ? そんなの弱者の考えじゃない? 私は二人の魔法少女に勝った強者、だから一人でも戦える──だけど、アンタと居ると少し居心地が良いから手を組んであげる、但し、私の方が力が強いから、アンタより決定権は欲しいね?」
「……ケッ、中々鋭い女だ……あぁ、良いよ、手を組むし、自分より権利はあるコンビだ、それで良いだろう?」
格子が要約して言うと、陽子は静かに頷いて格子に言う。
「えぇ、良いわよ? これで『魔法少女症候群』、二人目の仲間が出来たわ、更にアンタの方にも仲間が出来たし、一石二鳥、というより、今は一挙両得、って感じかしら、『貴女』にとってはね?」
陽子の言葉を聞いて、少し怖い仲間が出来たな、と内心冷や汗を掻く格子、二人は仲間、同盟の証として、両手を添えた握手をした──これで格子の仲間に陽子が、陽子の『魔法少女症候群』の仲間に格子が仲間に加わった──
これからこの二人のコンビが日本にどんな影響を与えるか、それは受けてみないと分からない──

「ふぅ、何とか帰ってこれたぁ……」
そう言って、陽子が魔法少女の格好のままベッドにダイブする、一体何が起きたのだろう? 私の持っていた杖から光線が? 一体何で? いや、夜空さん、風華さんも使えていたから、私も二人と同じ『力』を……? でもそんな『力』、一つも聞いた事が無いしなぁ……? 陽子はそう思いながら服を脱ぎ、パジャマに着替える、すると家の呼び鈴が鳴る、こんな夕方から一体誰だろう? と陽子はそう思いながら玄関に向かい、ドアスコープから外を覗いて見る、すると玄関前に立っていたのはラップに包まれた紙のお皿を持ったスーツ姿の相馬だった。
「遅くに失礼、肉じゃがを作ったのだが、流石に作り過ぎてね、陽子ちゃんにお裾分けしに来たのだが……」
聞こえているかも分からないが、一応声に出してみる相馬に対し、陽子は少し可愛いな、と思いながら、ドアを開ける。
「おおっ、居たのか、良かった、これ、肉じゃがなんだけど、お裾分けしに来たんだ」
「へぇ、相馬さん、料理出来るんだぁ」
陽子がそう言うと相馬は頬を掻きながら返答する。
「ま、まぁな、親が居ない時とか妹と一緒に作った記憶はある、だけど一人暮らしの中で料理を作る、というのは初体験だったが……」
相馬はそう言って、肉じゃがが入った皿を陽子に渡して、言う。
「それではお裾分けもしたし、私は帰る事にするよ、またお裾分けするよ」
「あっ、有難う御座います!」
「いやいや、良いんだよ、ご近所さんだからね?」
相馬はそう言って自宅のドアを開けて、帰宅する、その姿を見ながら陽子は『お裾分け嬉しいなぁ』と思いながら、自分の手に持っている肉じゃがのジャガイモをつまみ食いする。
果たして若い男性の肉じゃが、一体どんな味だろう、陽子はそう思いながら一口食べる。
「えっ? 何コレ……ジャガイモがほくほくしていて、味も濃いけど、また食べたくなる濃さ! 美味しい! 何コレ美味っ!」
陽子はそう言って、相馬の肉じゃがに感銘を受けていた──その日の夕飯は相馬の肉じゃががおかずになった──

Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.19 )
日時: 2017/04/29 21:25
名前: 彩都 (ID: IWueDQqG)  

「くけらっ」
真っ暗な部屋の中、テレビしか点いていない部屋で一人、麻倉格子はビンの中のウォッカを呑みながら一人静かに笑っていた。
「全く……中々に面白い事が起きたぜ……『魔法少女戦争』、後は『魔法少女戦争』を行うだけだ、『これ』を行う事で日本は……!! くけらけらけらけらけら!!」
麻倉格子は独り言を言って、大声で笑っていた──その台詞を聞くのは麻倉格子以外存在しない──

「ふむ、もう朝か」
相馬はそう言って、布団の中から目覚めて、起き上がる、さて朝ご飯はどうしようか? もうコンビニで買おうかな? 最近のコンビニの品揃えは凄いからな、何故なら『10秒で朝ご飯の代わりになる食べ物だったり、カロリーメイトだって売っている』のだ、うーん、面倒なので、コンビニで朝ご飯を買う事にした。
「とりあえず、服を着ましょうか、服を着ないと逮捕されてしまう、警察の人間なのに」
相馬はそう言って、パジャマを脱ぎ、スーツを着用する、そして鞄にケータイやペン等を詰め込んで、外に出る。
そして玄関の鍵を施錠して、相馬はその場から離れる、さぁ、コンビニへ急いで向かわなくては、朝は結構忙しいしな、相馬はそう思いながら、早足でコンビニへと向かう──

「おおっ、相馬じゃん? おっはぁ?」
そう言ってレジに並ぶ新輔の姿が見えた、コイツもコンビニで朝ご飯を……?そう思いながら相馬は新輔に聞いてみる事にした。
「おっす、新輔、お前も朝ご飯をコンビニで?」
「ん? あぁ、おまけに昼飯もな、早めに購入しないと列に並ばないといけないからなぁ……更に俺の好きな弁当が朝の内に買わないと、昼の間に購入されて買えないんだよ、だから今の内に買っておくんだ」
「成程、どんな弁当なんだ、お前の好きな弁当って?」
新輔の話を聞いて、朝の内に買わないと昼には買えない弁当に興味が移る相馬、相馬はその事を話すと新輔は手に持った弁当を相馬に見せる。
「じゃーん! 『柔らかステーキ弁当 和風大根卸し』だ! このステーキ弁当、脂っこいステーキにあっさりとした大根卸しで調和して、とても美味しいんだよなぁ、お前も何時か食べてみろよ?」
「お、おう……今度見つけたら食べてみるよ……」
相馬はそう言って少し後退る、あまり脂っこい物は食べたくは無いんだけどなぁ? だけど新輔だしな、気分を損なってはいけないだろう、そう思いながら返答した。
「それじゃあ次は俺の番だし、またな、相馬」
「おう、また職場で」
新輔はそう言って、レジカウンターに自分の購入する商品を置いて、お金とカードを出している、さぁ、自分も購入しないとなぁ、そう思いながら相馬はカロリーメイトや朝ご飯に成り得る商品を手に取り、籠の中に入れ、レジの列に並び、商品を購入する──

「ふむ、朝ご飯も摂取したし、さっさと仕事場に向かうか」
椅子に座っていた相馬はそう言ってカロリーメイト(チョコレート味)を食べて、立ち上がり、その場で少し体を動かして、体を動かす準備をする。
まだ注射されて数日、少しでも体を慣らさないとな、相馬は心の中でそう呟いた後、鞄を持って、前に進む、よし、後は職場に向かうだけだ、あぁ、朝は眠いなぁ、そう思いながら相馬は仕事場迄進んでいく──

「ふむ、後少しだな、後は職場に辿り着いて、席に座って資料を確認しよう」
相馬はそう言って、近くの公園を歩いていた、こういう近場の公園でも警察の人間として、見ておかないと、そう思いながら首を回していると、ベンチに卑弥呼の姿が見えた、卑弥呼はベンチに座りながら、鞄を探って困っている様にも見えた。
「どうしたんですか卑弥呼先輩?」
相馬が仕方なく声を掛けると、卑弥呼は涙を出しながら相馬の体に抱き付いてきた。
「ぞーお゛ーま゛ー! だーずーげーでー!」
「ちょぉ!? 卑弥呼先輩、化粧が! 化粧がシャツに付くので、抱き付きながら泣かないで下さい!」
相馬はそう言って卑弥呼を自分の体から離す、だが、相馬に抱きつく力はもっと強くなる……相馬は仕方なく、卑弥呼の右手の親指を掴み、折ろうとする、すると卑弥呼は右手の親指の痛みで腕を相馬から離す、相馬はその一瞬の隙を突いて卑弥呼から離れる、こ、これでセーフだ……服にも化粧は付いていない、よし、安心、そう思いながら相馬は卑弥呼に言う。
「えぇと? 一体どうしたんです、いきなり泣き始めてぇ?」
「えぇ!? そんなの簡単よ! 鞄の中に入れていた財布が無いのよ! アレが無いと夜居酒屋に行けない!」
「……へぇへぇ、そうですか」
何だろう、泣いた理由を聞いたのが馬鹿だった、と思いながら頬を掻く、そして相馬は財布の形状、色を確認する。
「で、どんな色や形なんです、財布って?」
「えっ? 財布? 財布はピンク色で長財布よ」
相馬はその話を聞いて、その場で溜息を吐いて、卑弥呼の股間を指差す。
「な、何指指してんのよ?」
「いや、だからベンチの下にピンクの長財布があるのですが……?」
相馬はそう言ってベンチの下からピンクの長財布を卑弥呼に渡す、すると卑弥呼は喜んで泣いていた。
「あったぁー!」
「はぁ、それじゃあ仕事場に行くので卑弥呼さんも遅れないで下さいね?」
「あいあーい!」
卑弥呼は相当喜びながら相馬に言う、相馬はその場で溜息を吐きながら、背後の卑弥呼を見る、あの人、早く仕事場に向かわないといけないぞ……? 相馬はそう思いながら、一人、仕事場へと向かう──勿論卑弥呼は仕事場に数分遅れて到着し、上司に怒られるのだが、相馬は知らない──


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