ダーク・ファンタジー小説
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- 魔法少女症候群(シンドローム)
- 日時: 2016/01/09 12:26
- 名前: 彩都 (ID: aOQVtgWR)
始めましての方も、始めましてではない方も、始めまして、彩都(サイト)と申します。
六作目です。
因みに二次創作ではありません。
魔法少女まどか☆マギカ……
たった一体の大きな魔物に、二人のピンクの服の女の子と、黒い服の女の子が共闘していた……
そして、ピンクの服の子が言う。
「ほむらちゃん! 行くよ!」
それに対し、黒い服の子の少女、ほむらと呼ばれた女の子は言う。
「えぇ! まどか!」
まどかと呼ばれた、ピンクの服の女の子は反応し、一体の怪物に向かう。
ほむらは銃を使って攻撃……まどかは周りの物を投げて、魔物の気を逸らす……その結果、魔物は倒す事が出来た。
そして、それを見ていた少女達はまどか達のコスプレをし出す……そして、一人の小さな少女が、魔法少女となった……
そして、敵をばったばった倒していく……ただの武器の殴打で倒していく……
そして少女は思う……『私にも魔法少女の力がある』と……そして、この少女を機に、一気に『魔法少女』を名乗る者が多くなった。
魔法少女リリカルなのは……
白い服を着た少女が敵と戦っている……黒い服の少女も苦戦ながらも戦っている……
そして、何とか勝った……二人の魔法少女はボロボロだった……
それに感動した少女達は魔法少女の様に戦う事をしてみた。
すると、民間人からとても喜ばれた……それに味を占めたまどかサイドとなのはサイドでコンビを組んで悪を退治する事に……
だがその行為に対し、魔法少女を『悪』、と決めた所が有った……それは警察……
そして、今年の新入りに威勢の良い存在が入ってきた……
そして、二つのアニメを見て、魔法少女に目覚めたい少女が現れる……
「失礼します、此処、魔法少女特別監視課、通称『魔法少女撲滅課』に配属された、阿賀梨相馬(あがなしそうま)と申します」
相馬と言われた青年は自己紹介をする。
「まどかちゃんもなりたいなぁ……なのはちゃんにもなりたいし……どうしよう……?」
少女はどのサイドの魔法少女になるか悩む……
「で、何で此処に配属したいなんて、物好きなんだい?」
上司が相馬に聞く。
そして相馬は言う。
「魔法少女が憎いからです」
「どうしよう……衣装も可愛いしな……本当に悩むよ……」
そう言いながら、少女は衣装に悩む……
「何で、魔法少女が憎いの?」
上司がまた、聞いた、相馬は言った。
「実は妹が魔法少女で……まぁ……妹は仲間の魔法少女や敵に殺されまして……それで憎いんです……だから、私は……」
相馬が口をつぐんで言った。
「んー?……そうだ!私が新しい魔法少女になれば良いんだ!! 魔法少女に……」
そして、少女は言う。
「魔法少女を……いえ、魔法少女症候群の人間を跡形も無く、消します」
「新たな魔法少女になるぞー!」
二人の人間は全く正反対の『なりたいモノ』を言った。
この物語は、魔法少女の新勢力のボスと魔法少女症候群という、魔法少女に憧れる人間にしかかからない病気を妹が感染して、妹が死んだ為、魔法少女を憎む青年の戦いの物語である……
- Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.5 )
- 日時: 2016/03/19 14:05
- 名前: 彩都 (ID: oUAIGTv4)
そして、二人のボスは話し合っていた……暗い部屋の中……二人は顔が見れない様な位、暗い部屋に居た……お互い、顔色は分からなかった……
「……で、どうする? 『魔法少女症候群』は……?」
まどか側のボスが言う、そして、なのは側のボスが言った……
「戦争……起こしましょう……? 私達が組めば……『魔法少女症候群』は叩ける……」
「だけども、『魔法少女症候群』のボスが強かったら?」
「それは有り得ませんわ……何故なら、私達は最強のボスですよ? 貴方が負けるのは、分かりますが、私が負ける事はありませんわ……」
すると、まどか側のボスがキレる。
「んだと!? てめぇのその性格が気に入らねぇ! 早く、てめぇこそくたばれ!」
「その言葉、そのままそっくり返しますわ……で、どうするんですか? 『魔法少女症候群』を倒すには……いえ、その前に話し合いもしたいですねぇ……」
「まぁ、そうだな……いきなり戦争だって話は可笑しい……まずは、相手の事を知らないと……」
「だったら……?」
と、なのは側が言った。
「だったら、この話し合いにも呼ぼうじゃねぇか……『魔法少女症候群』のボスをよぅ!」
そう言いながら、右手に持ったリンゴを壊した……
そして、この話し合いの事は部下に頼んで、部下が『魔法少女症候群』のボスである少女に知らせた……
「……マジで……? それは無いでしょー……」
そう言いながら、少女はその知らせのメールを見た……
絶対、私のグループがでかいから、叩いて、潰す気だぁ……
そう思いながら、出なければ、と思い、出る事にした……日時は明後日だった……
「……ん……? 今の時間は……?」
相馬が起きて、時計を見る……時間は、朝七時半……もう仕事の時間か……そう思いながら、相馬は起きて、トーストを食べる……そして、食べ終わり、スーツを着て、外に出た……そして、本庁に向かった……
「アンタは飽きもせず、資料を見る鬼になってるわねぇ……」
そう言いながら、鼎が、コーヒーを持ってきながら、資料室の椅子に座る……そのコーヒーは二つ、机に置かれた。
「それは、俺にくれるのか?」
「正解よ、呑気に資料見て、骨が折れないかしら?」
そう言いながら、コーヒーを貰い、啜る……
「骨は折れないな……探し物の為なら、時間は無限に割いてやるつもりだ……だが、何で、お前は、仕事をしていない?」
今は朝の11時だった……ジト目で相馬は鼎を見た……
「相馬……アンタには、関係無い事よ……仕事って面倒だし……」
「お前みたいな奴が居るから、日本はダメなんだ……」
「日本がダメなのは、昔からよ……私一人の問題ではないわ……」
「はぁ、お前には、口論に勝てなさそうだ……」
溜息を吐きながら、相馬が言うと、ニヒルに鼎は笑った。
「あらぁ……私がキレて、口論に成ると、『バカ! 変態! バーカ! バーカ!』ってなるわよ?」
「分かった、つまり幼稚になる訳だな、見た目宜しく」
「その言い方はイラッとするけど……まぁ、そうなるみたいだわ……」
そんな話を続けていると、いきなり、資料室のドアがノックされる。
そして、入ってくる……メガネの女性が入ってきた……
「カナちゃん! こんな所で、水売ってないで、仕事して下さいよ!」
「その前に油を売るだからな?」
鼎がツッコむが、意味が無い……鼎はメガネの女性によって引っ張られる……
「おっと、人が居たですか……私は、鼎さんの部下の科学捜査班、第一研究室所研究員の、鈴原沙希(すずはらさき)と言うです!」
「因みにとろい、おっとり系……まるで、漫画の様な、ね」
鼎が補足する、引っ張られながら。
「俺は、相馬、阿賀梨相馬だ、宜しく……」
そう言いながら、相馬は、右手を差し出して、握手しようとした。
だが、沙希はその手を振り払った。
「?」
「あっ……すいません……私……男性に触れられないんです!」
「それは……すまないな……男性恐怖症だったか……」
そう言った瞬間、沙希は言う。
「いえ……そうではなくて……あの……『びぃーえる』って知ってますか……?」
「BL……確か、ボーズラブって奴か……?」
その発言に対して、鼎が言った。
「惜しい……ボーイズ・ラブの略称よ……沙希ちゃんは……」
「私が言うので十分です! ……実は、男性が……そう言う事を……全員がしてる……と思ってしまって……何だか、苦手になってしまいました……」
と、顔を赤らめながら、沙希は言った。
……話が理解出来ない……つまり……どういう事だろうか? そう思うと、鼎が補足した。
「つまりぃ、男性が同性愛な事を全員がしてると思い込んでて、男性が苦手なのよ……その代わり……」
鼎を思いっ切り抱き締めて沙希は言う。
「でもでもぉ!女の子はスキなんですよ!」
「……そうか……」
少し引き気味な、相馬だった……
「男はノー! 女の子ラブゥ! 女の子に男の子のアレが生えちゃった! イエス! 愛せる!」
「アンタの好みが分からねぇ!」
キャーキャー言って、妄想する沙希にツッコむ相馬。
あぁ……個性的なキャラだな……そう思いながら、コーヒーを一気飲みした……
「んで、見つかったのか、資料は?」
「簡単には、見つかるまい……」
「相馬さん、何か、探してるんすか?」
何とか落ち着いた、沙希が聞いた。
「あぁ……まぁな……妹の情報が知りたくてな……」
「……麻倉格子(あさくらこうし)……」
沙希のその言葉を聞いて、二人は驚いた。
「誰だ、そいつは?」
「あっ! すいません……もしも、そいつを見つけたら、教えて下さい……カナちゃんと一緒そうなので……カナちゃんに言えば、連絡してくれそうですね」
「私は、お前の足ではないぞ」
「まぁまぁ、良いではないですか」
「麻倉格子ね……分かった、探してみせよう」
そう言いながら、沙希は、鼎を連れて、資料室から消えた……そして、相馬は、資料を見続けた……麻倉格子の謎を残して……
- Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.6 )
- 日時: 2016/04/16 05:09
- 名前: 彩都 (ID: dSN9v.nR)
麻倉格子──容疑者リストから探してみる事にした。
まず、麻倉格子とは何者だ? そこからの話だった。
生憎、容疑者リストは、初めて見る所だったので、少し焦った。
「……ん、これは……?」
よく見ると、麻倉格子という人物は簡単に見つかった、そして、詳しく読んでみる事にした──
麻倉格子(あさくら こうし) 25歳 女 身長169cm 体重 57kg
事件当初、モザイク柄の服を着用しており、事件が終わった後、ベージュの服に着替えていた。
何故、服を着替えたかは不明──だが、犯行がバレない様にする為かと思われる。
胸は俎板(まないた)で何時もその話題をすると怒る、と知り合いが語っていた。
麻倉が起こした事件、それは放火、殺人だ。
ん? 放火『、』殺人? どういう事だ? 『放火殺人』ではなく『放火『、』殺人』なのか? 他にも犯行を重ねたのか、それなら合点がつく。
そう思いながら、資料を読み進める。
麻倉は、集合住宅に放火をして、住宅で、人を八人殺して、殺した八人から金を奪って、逃げて行った。
そして、若い夫婦も殺されており、夫婦の一人娘が生き残って、孤児院へ引き取られている。
その一人娘は、保育園に行っており、事件から助かったと見られる。
麻倉の犯行時刻は昼の13〜15時。
成程な、そう思いながら、自分で入れたコーヒーを飲む。
すると、鼎が資料室に入ってくる。
「やぁ、お久し振り」
「お久し振りって──数時間前に会ったばかりだが……」
そう言うと、鼎は相馬の今見ている資料──麻倉格子の資料──を盗み見る。
「へぇ、仕事が速いわね、流石魔法少女特別監視課、通称『魔法少女撲滅課』の人間だわ……」
すると、いきなり、にやりと笑う。
「どうしたんだ鼎?」
そう言うと、一人娘の欄を指差す、そこには、黒線で塗り潰されている箇所があった。
名前は分からない、すると、いきなり鼎は立ち上がる。
「さぁ、行きましょ、沙希の所へ」
「おい、ただ探しているだけだろう?何で渡しに──」
「バカ、何で渡すのよ?渡すのではなく沙希に『突きつける』のよ──」
科学捜査班、第一研究室所
「入るわよ、新入り一名」
「俺は新入りでは無い! 『魔法少女撲滅課』だ!」
そんなやり取りをして、沙希の所に向かう、そして沙希を見つけて鼎が言った。
「沙希、麻倉格子の情報が入ったわ、でも、その前に話があるわ、来て?」
「えっ? 話ですか……?」
不思議そうな顔をしながら、室長室へ向かう二人、すると、相馬にも声がかかる。
「アンタも来るのよ、相馬」
「えっ? 俺もなのか?」
「そうよ、少し話が聞きたいし」
「……分かった」
相馬も所長室へ向かった──
「貴女、放火の事件の生き残りの一人娘ね?」
ずばり言った。
「はい、そうです……私はコイツに色々聞きたいんです、何でこんな集合住宅に放火をしたか──話を聞かないと気が済まないんです!」
そう言いながら、眼を潤ませる、復讐の炎が眼に宿った様だ。
「へぇ……まぁ、いいわ、どうせ相馬が麻倉を捕まえるんだし」
「何で俺なのかな!?」
いきなり振られて驚く相馬。
すると、相馬の両手を握って、沙希は言った。
「御願いします! お母さん、お父さんを……そして、皆を助けたいんです! だから……麻倉格子を捕まえて下さい! 御願いします!」
上目遣いで言われると、男は弱い者だ。
だが、少し疑問になったので、相馬は言った。
「俺の手を握っているが、俺はセーフなのか?」
「あっ、すみません……」
「いや、俺は大丈夫だ……」
そう言いながら、沙希は相馬から手を離す。
とりあえず、相馬は麻倉格子を捕まえる事になった……
「って、俺は完全に目的を忘れている! 早く妹の為に探してやらないと!」
相馬は資料室に戻って、頬を叩いて、気を引き締める。
そして、時間が許す限り、妹について、相馬は探した、そして、夕方五時、全て見切ったが、妹の資料は見つからなかった……少し落胆して、資料室を出た。
そして、家に帰る事にした……
そして、翌日──
明日には、新輔や卑弥呼にも会える、そう思いながら、資料室で少し調べ物をした。
麻倉格子についてだった、他に情報は無いか、調べていた。
だが、麻倉格子についての情報は少なく、『女、貧乳、茶色の髪色』ぐらいしか分からなかった。
「これは……逮捕出来るのか……? 完全に難しいなぁ」
そう独り言を言った瞬間、沙希が資料室に現れた。
「あっ、今日は、お茶入れますね──」
「いや、俺はコーヒーでいい」
そう言って、コーヒーが相馬の前に置かれた。
すると、いきなり、沙希は言った。
「麻倉格子について話が、麻倉格子はこの町にいます、ですが、転々と移動しているので、真偽の程は分かりませんが……」
「それはいい情報だな、有難く記憶しておくよ」
そう言って、メモを取る相馬。
すると、沙希は言った。
「昨日はすみませんでした、相馬さん、色々探しにこの資料室に来ているのに……」
「いや、いいんだよ、どうせ自分の追う物のついでだから、では、俺はもう、出るよ、他にも色々したいからね……」
「ではでは、行ってらっしゃい」
「あぁ」
そう言って、相馬は資料室を出た。
その日の夜──
指定された場所にまどか側、なのは側のボスは居た、そこに『魔法少女症候群』のボスが現れる。
「此処ですかねぇ……?」
「あぁ、正解だ、『症候群』……」
そう言ったのは、まどか側のボスだった、そしてなのは側のボスは言った。
「ボス同士、のんびり話死合(はなしあ)いをしましょう?」
そう言いながら、少女は、固唾を飲んで、二つのボスの待つ廃工場へ向かった……少女を待つのは、希望か絶望か──それはまだ分からない……
- Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.7 )
- 日時: 2016/04/16 07:48
- 名前: 彩都 (ID: SsbgW4eU)
「えーと、まぁ、最初は自己紹介でしょう、では、まどか側のボスから」
「おっ、いきなりトップバッターか、私の名前は月神夜空(つきがみ よぞら)よ」
まどか側のボスは自己紹介をする。
今は自己紹介タイムだった。
「では、我等がボス、なのは側のボス、どうぞ!」
「私の名前は、風神風華(かざかみ ふうか)と申します、以後お見知りおきを、『症候群』のボスさん?」
「んん〜! やっぱり、ボスは風格が違いますねぇ……では、『魔法少女症候群』のボスさん、どうぞ!」
「太神陽子(たがみ ようこ)です、宜しく御願いします……」
「太神って……ダサ……」
「太神とは……幸薄そうな名前ですわね……」
「こっこれでも神が入ってるから良いじゃないですか!?」
必死に反論する少女基陽子。
そして、司会役が進める。
「ではでは、色々な話を──」
「では、『症候群』のボス、何でこの名前にした? 何で私達の病気を名前にした?」
すぐさままどか側のボスが言う。
「えっと……勘で付けました……」
そう言うと、二人のボスは呆れる。
「何じゃそら……」
「呆れましたわ……」
「うぅ、すみません……」
陽子は謝った。
すると、いきなりなのは側のボスが言った。
「では、単刀直入、私達、二つのチームは、貴女に宣戦布告します、そして、なのは側、まどか側に分けて、貴女の残ったメンバーと戦います、それで良いですわね?」
「俺は一向に構わないぜ?」
「そうですか」
陽子は突然の事で言った。
「って、何で戦う事になっているんですか!? 私はもっと、皆とガヤガヤしたいだけで創ったのに……」
「逆にそれは迷惑なんですの」
キッパリなのは側のボスが言った。
「私達は犬猿の仲、その前に仲良くしたら、戦闘が出来ませんわ?」
「あぁ、そうなんだ、だから、俺等と戦って、壊滅させなくちゃいけねぇ」
すると、陽子は立ち上がった。
「それは……ダメです……! 私は皆が楽しめる場所を作りたいんです! だから……」
「それをするなら、私達の混合チームに勝ってから言って下さいまし?」
「うぅっ……」
「まぁ、そういうこった、因みに戦争する時は、日にちとか決めるから、ちゃんと来てくれよ?」
「はぁ……分かりました……」
陽子は仕方無く話を受け入れた、そして、目の前に菓子類が置かれる。
「あの、これは……?」
「初めて会ったんだ、少しは持て成さないとな」
「有難う御座います……! えーと──」
「まどか側のボスでいいよ、『症候群』」
「あっはい、分かりました、まどか側のボスさん」
「ちょっとずるいですわ、私もなのは側のボスって呼んで欲しいですわ」
「えっ? はい、なのは側のボスさん」
「それで宜しいですわ」
すると、いきなり司会者が話に入ってきた。
「私も御呼ばれしましょう、そういえば、駅前に美味しいケーキ屋さんが出来たんです、オフ会みたいな事して、素の私たちで会いません?」
「おっ! そう言うのも良いなぁ、だけれどなのは側の学校は厳しかったっけ?」
「えぇ、全寮制のお嬢様学校ですので」
「それは大変ですねぇ、私は底辺並の中学校なんで」
「へぇ、私は高校だな」
「私もですわ」
「そうなんですか!? 二つのチームのボスさん、両方高校生だったんですか……」
「因みに私は中学三年生の放送部です」
「放送部、結構大変でしたよね、前に代わりにしましたが、曲選択とかが大変で──昼休み中にクラシック流したら、『それは掃除の時だー!』って怒られちゃいました……」
「放送部か、前に自分の部活で取り上げられた事はあったな、機材とかが大変そうだったなぁ」
「そうですの? 私の学校には、部活が文化部ばっかなので……」
「そうなんですか!? やっぱ、お嬢様学校は凄いなぁ……」
「いいえ! そんな事はありませんわ! 全寮制で、いちいち外出許可が必要ですし──今日は脱獄しましたが──外に出るのは容易では無いですわ……」
「そうなんですか……」
「他にも、おやつを隠れて買って、寮長様にバレたら、取り上げですの!」
「あぁ、お前も大変だなぁ、私なんて、買い食いがすぐにバレちまう……部活が忙しいからなぁ……」
「お二人共大変ですね……」
すると、陽子の携帯が鳴った、ただのアラームだった。
「すいません、面白かったですが、門限で帰ります、さようなら」
すると、まどか側のボスが止める。
「何なんです?」
聞きかえると、まどか側のボスは言った。
「メアド交換しようぜ? なのは側もしようぜ?」
「えぇ、良いですわ」
そう言って、二人は陽子のメアドを手に入れた。
逆になのは側、まどか側二人のボスのメアドを手に入れた陽子だった……
「あぁ、楽しかったなぁ、あぁ言うのが、『女子会』って言うのかな?」
そう言いながら、陽子はマンションに着いた。
すると、相馬と出会った、確か、お隣さんの……
すると、相馬から話しかけてきた。
「今晩は、今宵は月が綺麗ですね、貴女も学生でしょう、こんなに夜遅くに出てはいけないよ」
「あっ、はい、以後気を付けます……」
そう言いながら、陽子は家の中に入っていった。
戦争は何時始まるのか……悠子は怖がっていた……
第二章 『魔法少女』戦争開幕と、二人のボスと一人のボス 完
第三章に続く……
- Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.8 )
- 日時: 2016/05/27 14:36
- 名前: 彩都 (ID: sThNyEJr)
第三章 犯人は『すぐそこ』
「くけらっ」
そう笑いながら、ウォッカを直接飲む少し老けた女性が居た──麻倉格子、その本人だ──彼女はスキットルに入れたウォッカを飲む──そして彼女は言った。
「やっと、動き出したか……『こっち』も『あっち』も──魔法少女VS魔法少女──さぁ、どうなる事やら……」
そう言いながら、スキットルの中のウォッカを飲み切る、そしてスキットルにウォッカを入れて、一人ごちる。
「そして『警察』──お前らはどんな道を歩むんだ?『魔法少女』を止めるか──生かすか──そして私を捕まえられるかな? フフフッ、久し振りに使ったな、『警察』なんて単語──私は逮捕出来ないがな──くけらけら!」
思いっきり笑いながら、ウォッカの一気飲みをする、そして真っ暗な部屋の中、彼女の笑い声が響いた──
「はぁ、暇だな、どうすれば良いんだ?」
魔法少女特別監視課、通称『魔法少女撲滅課』の新人、阿賀梨相馬は一人、自宅のアパートでベッドに寝転がりながら言った。
仕事が始まって、初めての休日、はっきり言ってやる事が無い、どうせ誰も家には来ないのだからのんびり時間を潰そうにも潰せない。
潰したくても潰す場所が無いからだ──生憎相馬にはメル友は居ないし、電話する場所も無い──まぁ、学生時代に休日学校関係無しに来る人物は居るが──最近は『そいつ』の電話も無いし、仕事──警察の仕事を言ってないので、この地域にも来ない筈だろう──が始まってから会ってもいない……新輔にも卑弥呼にもメールアドレスや電話番号を交換していないので、電話をかけてくる筈も無い。
「さぁ、起きて、考えるか……」
そう言いながら相馬は起き上がる、仕事が無いとはここ迄退屈なのか、そう思いながら、朝ご飯を作る、今は朝の九時、まだ朝ご飯だろう。
服を外に出れる様に着替え、台所に立つ、そして玉子を割って、目玉焼き、序でにハムも焼く、そして数分で完成する。
ここでウインナーなんて邪道だ、ハムエッグには玉子とハムの二つだけで良い、青海苔も邪道だ、まぁ、塩は許す、白身の外見を変えないからな、醤油やウスターソースは邪道だ、邪道中の邪道だ! そして半熟や固焼きとかはどうでもいい、その人が美味しく食べれたらそれで良いと思う、とここで自分の持論を終了する。
結局、塩でも醤油でもウスターソースでもいい、味は自分が決めるのだからな、そういう持論をする前に食べろって話だが。
自分で自分を嘲笑、自虐しながら左手の箸で目玉焼きの黄身を割る、そして相馬は朝ご飯を食べる。
ふむ、今日も目玉焼きは完璧だ。
「うぅーん……暇だなぁ……」
そう言いながら『魔法少女症候群』のボス基、太神陽子(たがみ ようこ)はベッドの上でゴロゴロと寝転がる、一応母は仕事で居ないので、実質一人暮らしに感じる。
父は単身赴任中だ。
「起きますよ起きますよ──」
そう言いながらケータイの確認をする、メールは無い。
少し安心して、少し移動、台所に立ち、朝ご飯を考える、面倒だから食べなくてもいっか、そう思いながら時計を確認、朝の九時半だった、流石に少し食べないと、お腹が鳴りそうだ、そう思いながら冷蔵庫を見る、何も無い。
えっ? マジデスカ?
一回冷蔵庫の扉を閉める、そして目を擦り、もう一度確認、何も無い。
……何か買いに行くか、そう思いながら短パンの服装を変えて、外行き様の服装にして、外に出た。
だが、待って? 私は魔法少女のボスでもある、今襲われたら、大変だ、そういえば、お隣さんは警察だったよね、そう思いながら、隣のベルを鳴らす。
「何なんでしょう? こういう休みに勧誘ですかね?」
そう思いながら玄関を開ける、そこに居たのは陽子だった。
「君はあの夜の──どうしたんですか?」
「いや、あのね貴男って、警察の人間でしょう?」
「えぇ、そうですね、それが?」
「ちょっと、こんなに可愛い女の子が誘拐とかされたらダメでしょう? だから護衛して下さい!」
頭を下げる陽子、それに対し相馬は言った。
「そうですね、それは親御さんが困る、護衛しましょう」
そう言いながら、玄関を閉じる、ものの数分でスーツの相馬が出てくる、そして二人は外へ出る事に──
「ふむ、此処にはこんな建物が……」
周りをきょろきょろする相馬、それに不思議がる陽子。
「あの──お隣──」
「私は阿賀梨相馬、相馬でいい」
「あっ、私は太神陽子と言います」
「そうか、陽子ちゃん、どうした?」
「いや、あの、相馬さんは最近この街に来たんですか?」
「あぁ、そうだ、四月に入る迄は少し遠い所に居ていた、そして魔法少女を倒す為に特訓をしていた」
「へ……へぇ……」
バレたら、大変だ、殺されてしまう、そう思いながら冷や汗をかく陽子。
そして目的地のスーパーに着いた、そして籠を二つ持つ相馬。
「何で二つなんです?」
「あぁ、すまない、自分の買い物と君の買い物だ」
「あっ、そうなんですか」
自分で籠を持つのに……そう思いながら二人はスーパーで買い物をした。
そして二人はショッピングモールへと向かった。
「何故ショッピングモールに?」
「いやぁ、相馬さんが荷物を持ってくれるお陰で、少しは流行の服とか見れるんですよ、フフフッ♪」
「……女とはよく分からないな……」
そう小声で呟く相馬。
一つのお店に20分居座る陽子を待つ相馬。
そしてお店を出ると隣のお店に向かう陽子に少し溜息を吐く相馬。
どれだけの時間を待てばいいのだろう?
心の中で相馬は一人呟いた……
- Re: 魔法少女症候群(シンドローム) ( No.9 )
- 日時: 2016/06/25 10:00
- 名前: 彩都 (ID: 3KWbYKzL)
カジュアルな服を試着しながら、陽子は言う。
「相馬さん! こんなのどうですか?」
陽子の格好を見て、顎に手を当て考える、そして相馬は言った。
「まぁ、良いんじゃないか? 私は女性のファッションを知らないから、あまり言う事は無いが──とてもよく似合っている、それしか言えないな」
必死に考えて、女性を傷付けない様に言葉を選ぶ相馬、それに対し陽子は喜んでいた。
「そうですか、だったらこの服を買いましょう」
そう言いながら陽子は試着した服を持って、レジへと向かう。
「カードで御願いします」
そう言って、銀色のクレジットカードを店員に差し出す陽子。
今時の女の子はクレジットカードを持っているんだな──これは凄い発見だな、そう思いながら相馬は今時の女の子を観察する。
「有難う御座いましたー」
服の入った袋を持ちながら、陽子は店を出る、相馬も店を出る。
そして相馬は言う。
「陽子ちゃん、袋を持とうか?」
「えっ? 良いんですか? でもやっぱり服とか軽いですし、私が持っておきますよ」
「いや、女性に物は持たせない、それが男性というものだろう?」
「そうですか──分かりました、今日は色々有難う御座います」
「いや、良いよ、私もこの街を良く知る機会に成る、此方こそ感謝するべきだ」
「そんな! 私はまだ相馬さんに何もしていませんよ! まだまだこの街の事とか行っていませんし!」
「……そうなのか、何れ紹介して欲しいものだ──」
そう言いながら、相馬は天井を見る──ガラスの天井に移った太陽を見ながら、陽子の方へと向かった──
「ふぅ、一休みしますか──」
そう言いながら陽子はフードコートの椅子に座る、相馬は椅子に荷物を置いて、ジュース屋に向かい、ジュースを二つ頼んで、一つは陽子の前に、もう一つは自分の目の前に置く。
「あっ、有難う御座います……」
「いや、いい」
相馬は足を組みながら、キウイジュースを啜る、陽子はオレンジジュースを飲む。
「さて、これからどうするんだ? まだこのショッピングモールで買い物を?」
「えーとですねぇ、もう買い物は無いですねぇ、ですが、相馬さんの為に、この街を紹介しようと思って──」
「それは嬉しい、まずは陽子ちゃんの服やスーパーの荷物を置いてから活動しようか」
「それもそうですね──」
二人は休憩を終わらせ、荷物を陽子、相馬の家に置いて、アパートの近くの公園で落ち合った。
「お待たせ──荷物が多くて冷蔵庫に入れるのが大変だった……」
「まぁ、それは仕方無いですよ──さて、まずはこの街の説明が必要ですよねぇ」
「まぁ、そうだろうな、何があって、何が無いのか、それが分からないとな──」
「そうですね、まずはこの街の名前ですね──名前は唯江市(ただえし)──そしてあるのは、今日行ったショッピングモールに、市民プール、映画館もありますねぇ」
「成程、映画館があるのか──」
「他にも色々ありますよ、水族館、動物園、レストラン、其の他諸々大量です」
「そうなのか、少しはこの街を知れたよ」
相馬がそう言うと、陽子が力を込めて言った。
「実は相馬さんに来て欲しい場所があるんですよ」
「ん? 来て欲しい場所?」
「その場所で見る夕焼が綺麗なんですよ、だから見に行きましょう?」
「そうだな……」
相馬は時間を確認する、まだ昼の12時だ、結構早い。
「陽子ちゃん、その来て欲しい場所は此処から遠いのかい?」
「いえ、近いですよ、30分もあれば着きますし」
「そうなのか──少しは他の場所も案内して欲しいね、本屋とか、家電屋とかね」
「まぁ、確かに早過ぎますねぇ、では本屋に行きますか」
「そうか、それは嬉しい」
陽子は立ち上がり、すぐ活動へ移す──相馬も活動へ移した。
「本屋がアパートから25分、家電量販店がアパートから18分か、成程──」
二人は街を歩き回って、時間を潰していた、そして夕方四時を指そうとしていた。
「では、夕焼を見に行きましょうか、『善は急げ』って言いますし」
「善かどうかは分からないが、確かにそうだな、さて案内してもらいますか」
そう言いながら二人は夕焼が見える場所に迄移動した──
逸宮鉄塔──
「此処なんですよ、この鉄塔の上」
「鉄塔か──結構古いタイプだな、壊れないか心配だ」
そう言いながら相馬は上って行く──そして陽子も後になって着いていく、そして上り切る。
「ふぅ……中々大変だ──」
汗を拭って、開いた空間に出る、すると目に映った光景は綺麗な夕焼の姿だった。
大きくも周りを包み込む様な綺麗な橙色、それを隠さない様に周りに散る雲──見た者を惹きこむ様な圧倒的に大きい夕焼だった──その夕焼に相馬は声が出なかった。
「…………」
「凄いでしょう? これが私にとっての一番の街の象徴なんです──この夕焼を見せたかったんです──」
「成程──これは絶景だな……」
そう言いながら相馬は写真を撮った。
この夕焼を見た後、二人はアパートに戻った──
相馬の部屋──
「今日は良い経験が出来ましたねぇ──」
「よぅ、阿賀梨、ひさそぶり」
相馬のベッドに胡坐を掻いて座る幼女──服装は白衣に紫色のロングスカートの金髪ツインテールだ──両手に拳銃が装備されている、小さな手に握られた拳銃には小指に引き金があった。
「えっ──」
相馬が確認する瞬間、幼女は小指のトリガーを引いた、ドガン、部屋に大きな音がする──
その音は爆発音、完全に拳銃が放つ音ではなかった──
第三章 犯人は『すぐそこ』 完
第四章に続く……