ダーク・ファンタジー小説
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- パンクな世界のスチームな僕等
- 日時: 2021/06/24 07:30
- 名前: 夏菊 (ID: SLKx/CAW)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13014
初投稿です。
高校生がスチームパンクっぽい世界で冒険するお話しです。
拙い部分も多くあると思いますがよろしくお願いします。
目次
第1話 >>1-4
第2話 >>5-7
第3話 >>8-16
第4話 >>17-24
第5話 >>25-32
第6話 >>33-39
第7話 >>40
- 第一話 #1 ( No.1 )
- 日時: 2021/04/04 15:57
- 名前: 夏菊 (ID: SLKx/CAW)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13014
人生、どこで何があるのかわからない。平凡な日常だって、簡単に崩れ落ちる。
僕は今、それを嫌と言うほど感じていた。
別に何もない日だった。
新しくコーヒーメーカーを買いたいと、母に連れられ電気屋に行った。母が今、コーヒーにハマっていることを僕はもちろん知っていた。そして母が飽きっぽいことも。
「適当でいいんじゃない?」
「何言ってるの。こういうのはしっかり選ばないと」
そう言って母はたくさん並べられたコーヒーメーカーと、睨めっこを続ける。どうせすぐ飽きるのに。
「ちょっと別のところ見てくる」
「いいけど、すぐ連絡取れるようにしてよ?」
母の言葉を軽く流す。わざわざ休日を母の荷物持ちに使っているんだ。もうちょっと感謝して欲しい。
ぶらぶらと適当に店内を歩く。別に目当ての商品があるわけではない。ただの気晴らしだ。
店内を一周して母のもとへ戻る。その途中で、僕はふと足を止めた。
そこは電気屋にしては異様なスペースだった。アンティークな扉が開いていて、覗くとソファとアナログテレビのようなものがある。さっきここを通った時には、こんな場所なかった気がする。
なんとなく扉の中に入った。入ってみるとやっぱりそこは異様だった。まるで一昔前の外国のよう。奥にも同じような扉がある。
その扉の中もやっぱり部屋になっている。そこには豆をひく器具と、ひいた豆をこす器具、それから一昔前のラジオ。もしかして、ここはアンティークコーナーなのだろうか。
ラジオがなっている。雑音混じりに女性の声が鳴る。何かのニュースのようだ。
「…リギヴィズは今日も曇りです。街では…」
聞き慣れない地名に、ぎょっとする。これはなんかの演出なのだろうか。それにしてもリアルだ。
なんとなく不気味だ。慌てて部屋から出ることにした。最初に入った扉の前に行ってー
「え…?」
扉の向こうにあったのは電気屋じゃなかった。それこそ一昔前の外国のような場所。電車の高架下のような場所だった。